前世が特殊災害指定生物でしたが今世は平凡に生きたいです。

シア風

文字の大きさ
56 / 67
第三章 チャプター1 天使の再臨

昔話

しおりを挟む
オレゴレ屋の店主、オレゴレにカウンター内にもうひとつ椅子を用意してもらい、お茶と茶菓子も用意して貰った。茶菓子を食べながらオレゴレはゆっくりと話を始めた。


今から言うのはアタシが昔に体験したお話よ。ちょっと怖いかもだから気をつけてちょうだい。

……あれはアタシがまだピチピチの十二歳で蒸し暑い日の事だったわ。あの日は好きになった三人目の男子に告白して、気持ち悪がられて振られたの。もう悲しくってしょうがなかったわ。

あのときに嘘をついてでも男になろうって決めたの。……え?まぁ今から話すわよ、ちょっと待ちなさい。

でもね、アタシは一人の女性と言えば女性だし、女の子と言ってしまえば女の子といえる女性に目が止まったの。普通なら気にならないんだけど、彼女は壁の中に入っていったの。ビックリでしょ?

アタシも驚いたけど、それ以上に気になったのよ。知りたくなったのよ。彼女の魅力ってやつかしらねぇ。彼女が入っていった壁に触れてみると、入れたの。

普通は怖くて他の人に知らせると思うんだけど、アタシは好奇心に負けて入っちゃったの。

そこは真っ暗な空間で、あちらこちらに大地が浮いている現実ではあり得ないような空間だったわ。

……あら?どうしたの?そんな頭抱え込んじゃって。お薬飲む?……いいの?じゃあ続けるわよ。

その空間を見渡していると、彼女はいつの間にか後ろにいてアタシにこう言ったの。

『ようこそ狭間へ。可愛らしい侵入者さん。』ってね。……ねぇ、本当に大丈夫?……無理はしないでね。

アタシは恐怖もしたけど、興味も湧いてたの。たしか……アタシは『貴女は神様ですか』みたいなことを言ってたと思うわ。……まぁ、違ったけどね。

彼女は狭間に住む化け物だって自分のことを言ってた。人の姿じゃなかった気がするのだけど、どんな姿だったか思い出せないのがきついところよねぇ。

でね、アタシの悩みを聞いてくれたの。男なのに男を好きになることとか、女の子みたいな服が好きだとかそんなことも話していたわ。

彼女は一切口に出さなかったわ。でも最後に一言アタシに言ってくれたの。

『自分が決めたのなら他人が口出しをすべきじゃない。でもこれだけは言っておくぞ。後悔すると分かって選ぶ道はキミの首を絶対に絞めるぞ。』

その言葉を聞いたときは逆に反抗しちゃったのよ。じゃあどうしたらいいんだってね。そしたら今度は

『他人の意見は他人の意見よ。本当に好きだって言うのなら好きでいればいいさ。人はなにかを好きでいられる人ほど輝いて居られるのだから。アタシはキミが美しく見えるよ。』

そうきっぱり言われたら自分の考えが馬鹿馬鹿しくなってきちゃってね、素直に生きたもの勝ちって思うようになったのよ。


「今思うと単純だったわよね、アタシ。」

クリスタはオレゴレを見ながら複雑な顔をし続けていた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

エルティモエルフォ ―最後のエルフ―

ポリ 外丸
ファンタジー
 普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。  海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。  その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。  もう一度もらった命。  啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。  前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。 ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。 ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

犬の散歩中に異世界召喚されました

おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。 何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。 カミサマの許可はもらいました。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...