34 / 62
第20話 秘密~きっかけ編~
秘密~きっかけ編~
しおりを挟む
「くそっ!何が客だ!!うろちょろ嗅ぎ周りやがって!!」
ペっ!と唾を吐いて毒をついたのは、無精髭を生やした男。手には、長年使われたと思われるシャベル。
その先端には、先程ついたばかりである、赤い液体がポタリ、ポタリと滴り落ちていた。
男の足元には、茶色のコートを羽織った人物が、頭から血を流し地面に倒れたままピクリとも動かなかった。男はその人物の、コートのポケットを、何の躊躇いもなくさばくると、左のポケットから手帳を取り出し、まるで私物であるかのようにペラリと中身を見た。
「探偵だと…!?この!!野郎!!!」
男は怒り任せに、既に動かないそれに向かってシャベルを振り下ろした。
ゴン!!
という鈍い音…………。
頭が凹んだのだと、専門家でなくても助からないと、わかるような音であった。
「金額もちっとも足しにならねぇし……使えねぇ…!」
「………随分と荒れているな。」
「っ!?誰だ!?」
そんな、噛み付くような声と共に男は目をぎらりと光らせて、勢いよく振り返った。しかし、その現れた人物を見て、すぐに顔色を変えて、まるで化け物にでも遭遇したかのように呆然と立ち尽くす。
サラリとした金髪。
暗闇のせいで顔は分からないが、その人はポケットに手を入れながら、男に近づき、近くにあった遺体をなんの躊躇いもなく足で転がして退かした。
「な……………なぜ、あなた様がこちらに…!?」
「なぜ…………と聞かれてもな。先月からの支払いがまだだから出向いてやっただけだ。お前は、俺の部下が言っても無駄だとわかったからな……。おっと……すまない。もう月が変わってるから先々月だったな……。」
顎に手をやりながらまるで独り言のように話した男に、無精髭の男は顔を真っ青にさせると、ガバッ!!と頭を地面に擦り付けるかのように頭を下げる。
その土下座を、見下すその人は何も喋らず次の言葉を待っていた。
「も、申し訳ありません!!資金がまだ足りておらず……今月には必ず、まとめて支払います!!どうか…!どうかもう少しだけお待ちください!!必ず集めます!!」
「………そろそろ、お前のその言い訳にも飽きてきた。今月末迄だ。それまでに用意出来なかったら………分かっているな…?」
鋭く光る眼光。
無精髭の男は、それを確認せずともブルリと身震いをしたが、すぐに口を開いた。
「分かっております!必ず!!支払います!!」
「………万が一これが警察にバレてみろ。俺は今後の場所も提供はしない。それどころか、お前の素性をそこに転がっているやつも提示して、警察に届け出る。」
それだけ言い残した男は、踵を返して立ち去った。
バタン。
と扉が閉められると、無精髭の男はギリッ!と地面を引っ掻くかのように力を込める。
「もっとだ…………もっと集めなければ……!経営を続ける為にも…!」
なにかに洗脳されているかのように、男は声を絞り出して呟いた………。
ペっ!と唾を吐いて毒をついたのは、無精髭を生やした男。手には、長年使われたと思われるシャベル。
その先端には、先程ついたばかりである、赤い液体がポタリ、ポタリと滴り落ちていた。
男の足元には、茶色のコートを羽織った人物が、頭から血を流し地面に倒れたままピクリとも動かなかった。男はその人物の、コートのポケットを、何の躊躇いもなくさばくると、左のポケットから手帳を取り出し、まるで私物であるかのようにペラリと中身を見た。
「探偵だと…!?この!!野郎!!!」
男は怒り任せに、既に動かないそれに向かってシャベルを振り下ろした。
ゴン!!
という鈍い音…………。
頭が凹んだのだと、専門家でなくても助からないと、わかるような音であった。
「金額もちっとも足しにならねぇし……使えねぇ…!」
「………随分と荒れているな。」
「っ!?誰だ!?」
そんな、噛み付くような声と共に男は目をぎらりと光らせて、勢いよく振り返った。しかし、その現れた人物を見て、すぐに顔色を変えて、まるで化け物にでも遭遇したかのように呆然と立ち尽くす。
サラリとした金髪。
暗闇のせいで顔は分からないが、その人はポケットに手を入れながら、男に近づき、近くにあった遺体をなんの躊躇いもなく足で転がして退かした。
「な……………なぜ、あなた様がこちらに…!?」
「なぜ…………と聞かれてもな。先月からの支払いがまだだから出向いてやっただけだ。お前は、俺の部下が言っても無駄だとわかったからな……。おっと……すまない。もう月が変わってるから先々月だったな……。」
顎に手をやりながらまるで独り言のように話した男に、無精髭の男は顔を真っ青にさせると、ガバッ!!と頭を地面に擦り付けるかのように頭を下げる。
その土下座を、見下すその人は何も喋らず次の言葉を待っていた。
「も、申し訳ありません!!資金がまだ足りておらず……今月には必ず、まとめて支払います!!どうか…!どうかもう少しだけお待ちください!!必ず集めます!!」
「………そろそろ、お前のその言い訳にも飽きてきた。今月末迄だ。それまでに用意出来なかったら………分かっているな…?」
鋭く光る眼光。
無精髭の男は、それを確認せずともブルリと身震いをしたが、すぐに口を開いた。
「分かっております!必ず!!支払います!!」
「………万が一これが警察にバレてみろ。俺は今後の場所も提供はしない。それどころか、お前の素性をそこに転がっているやつも提示して、警察に届け出る。」
それだけ言い残した男は、踵を返して立ち去った。
バタン。
と扉が閉められると、無精髭の男はギリッ!と地面を引っ掻くかのように力を込める。
「もっとだ…………もっと集めなければ……!経営を続ける為にも…!」
なにかに洗脳されているかのように、男は声を絞り出して呟いた………。
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる