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第19話 覚悟
第19話 覚悟
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場が凍りつく。
ひとしと由花子は、信じられないとでも言うような顔をし、指名された晴臣は口をあんぐりと開けたままだった。
「な、な、何を言ってるんですか!?私が犯人だなんて!!」
晴臣の言葉の後に、それまであまり口を開かなかった ひとし も続いた。
「そうだ!親父が、どうして殺人をする必要があったんだ!!?」
「恐らく、あなたを救おうとしたのでしょうね…。あなたは隠していたつもりでも、晴臣さんは知っていた。あなたが、沙弥さんから逆ストーカーをされていると。
晴臣さん。貴方くらいの身長なら、あそこに落書きしても高すぎるわけでも、低すぎる訳でもない。現場に残されたブーツだって、ひとしさんの部屋に置かれていたブーツを置いたんでしょうね。」
そこまで話した藍里だったが、晴臣は『ふん!』と鼻で笑うと
「たったそれだけですか?だいたい、息子はストーカーじゃなかったんだろう。なら、なぜ部屋にブーツがあったのですか?それは矛盾しておりませんか?」
と、勝ち誇ったように答えた。
「いえ。ひとしさんは、逆ストーカーを受けていました。沙弥さんが ひとしさんの部屋に侵入して、写真を置いておくことが可能だったんだ。その時や後でも、ブーツを置いておくことは不可能じゃない。」
「っ!だ、だが!!それだけで私を犯人にするのか!?そんな憶測だけの話で!!」
「いえ。もっと決定的な証拠があります。」
「なんだと…!?」
「ソレですよ。晴臣さん。あなたの後ろにある、募金箱だ!」
と、藍里が晴臣の後ろにあるだろう募金箱を指をさしてハッキリと答えた。それを見た一同は目をぱちくりさせていたが、流れた沈黙を晴臣が破ることになる。
「は…!わはははははは!!何を言うかと思えば!募金箱!?こんな物が、どう私を犯人だと決定づけるのだ!?笑わせるな!!」
「ええ。これだけでは、ただの募金箱。証拠には弱すぎます。けど、この写真と照らし合わせたら……?」
藍里は、ポケットからポラロイド写真を取り出すと、全員に見えるように前に突きだした。
「あたしが撮ったやつ……?」
麻田が、ぽつりとそう呟く。
藍里は、それを藤澤に差し出すと
「確認させてください。この写真は、沙弥さんが亡くなる前日に撮られた。間違いありませんか?」
手に取って見た藤澤は、
「間違いない……亡くなる前日の夕方頃に…そこの女に頼んだ写真だ。」
と呟いた。
「この写真がどうしたと言うんだ…!?」
晴臣が、キッと睨みつけながら訪ねた。
「そこに写っている募金箱を見てください。薄らですが、量が確認できます。」
言われてみると、そこに映されている募金箱には確かに、半分以下の影が見えており、そんなに溜まっていないことが分かる。
「亡くなる前日の時点で、半分にも満たしていない募金箱。けど、私と陽菜が来た時点では、募金箱は既に今ぐらいに溜まっていました。晴臣さん?今日を含めたとしても、この3日間でどうやってそこまで貯めたのですか?」
藍里の言葉に、晴臣は言葉を失う。
それと同時に、他の人たちもハッとした様子で晴臣を見つめる。
「もし、善良な方がそれだけの募金をしてくれたというのなら、その方のお名前を教えてください。そして、こちらのお金を鑑識に回しても構いませんよね?」
しばしの沈黙………。
そこまで言われた晴臣は、『はぁ。』とため息をつくと、
「あんたの言う通りだ。探偵さん。私は、息子を助けたかった……。」
と、観念したようにぽつりぽつり話し始めた。
「親父?」
「最初は…………あの人が息子を逆ストーカーしてるとは知らなくて、ただ単に、藤澤さんとこれから結婚をする幸せな女性としか思えなかった。……だが、ひとし をストーカーしていると知ったのは、その写真を撮った後………その人が、ひとしの部屋にブーツを置いているのを見かけたんだ。それから、写真も………。
私は、問い詰めた。
彼女は、お金があるから ひとし に近づいたと言った。だが、私は、ひとし には婚約者がいるからなびくわけが無いと言い切った。
そうしたらあの女……なんと言ったと思う?」
________________________
ひとしの部屋で、企みのある笑みを浮かべた沙弥は、腕を組みながら
「へぇ?やってみればぁ?言っときますけど、私、そこそこ演技も出来ますからねぇ?」
と言うと、先程とは打って変わって怯えたように両手で口元を覆い、涙目で
「こ、この人が……!私をストーカーしてて…!!!か、隠し撮りの写真も…………!焼き回しで送られて……!いや………私、怖い……!」
とそこまで言うと、両手で顔を隠し、膝をつきながらカタカタと震えてみせる。しかし、直ぐに震えを止める。
見事な演技である。
演じ切った沙弥は横目で晴臣を見上げると、口の端を吊り上げさせる。そして、スクッ!と立ち上がると
「幸せな生活を控えているのにストーカーに怯えるアイドルと、冴えないただのファンのサラリーマン。世間はどちらの味方に着くんでしょうねぇ!」
と、高笑いをしてみせた。
_________________________
「我慢できなかった…………このままでは息子が犯罪者扱いにされる。……私は、式の演出の提案をしたいと言って彼女をあの屋上に誘い込んだ……。」
呼び出された沙弥は、特に疑うよえすも見せずに、むしろ『こんな所で何する気?』とでも言わんばかりに屋上から下を見渡した。
彼女が背後を見せている隙に、晴臣は布袋に入れておいた大量の小銭をしっかりと握って、沙弥の後頭部に向かって振り下ろした…………。
「あとは、君の言う通りだ。女子大生探偵さん。私は、彼女を屋上から落とし、それが十字架のところに刺さった。」
そこまで聞いたひとしは、晴臣の頬を殴り飛ばすと、肩で息をしながら晴臣を睨みつけた。
「んでだよ、親父…!そんな事しなくても!あいつは俺が解決できたのに!!!いつまでもガキ扱いすんな!!」
ひとし の言葉に晴臣は涙を流し、ひとしも点を仰いで涙を堪えた………。
ひとしと由花子は、信じられないとでも言うような顔をし、指名された晴臣は口をあんぐりと開けたままだった。
「な、な、何を言ってるんですか!?私が犯人だなんて!!」
晴臣の言葉の後に、それまであまり口を開かなかった ひとし も続いた。
「そうだ!親父が、どうして殺人をする必要があったんだ!!?」
「恐らく、あなたを救おうとしたのでしょうね…。あなたは隠していたつもりでも、晴臣さんは知っていた。あなたが、沙弥さんから逆ストーカーをされていると。
晴臣さん。貴方くらいの身長なら、あそこに落書きしても高すぎるわけでも、低すぎる訳でもない。現場に残されたブーツだって、ひとしさんの部屋に置かれていたブーツを置いたんでしょうね。」
そこまで話した藍里だったが、晴臣は『ふん!』と鼻で笑うと
「たったそれだけですか?だいたい、息子はストーカーじゃなかったんだろう。なら、なぜ部屋にブーツがあったのですか?それは矛盾しておりませんか?」
と、勝ち誇ったように答えた。
「いえ。ひとしさんは、逆ストーカーを受けていました。沙弥さんが ひとしさんの部屋に侵入して、写真を置いておくことが可能だったんだ。その時や後でも、ブーツを置いておくことは不可能じゃない。」
「っ!だ、だが!!それだけで私を犯人にするのか!?そんな憶測だけの話で!!」
「いえ。もっと決定的な証拠があります。」
「なんだと…!?」
「ソレですよ。晴臣さん。あなたの後ろにある、募金箱だ!」
と、藍里が晴臣の後ろにあるだろう募金箱を指をさしてハッキリと答えた。それを見た一同は目をぱちくりさせていたが、流れた沈黙を晴臣が破ることになる。
「は…!わはははははは!!何を言うかと思えば!募金箱!?こんな物が、どう私を犯人だと決定づけるのだ!?笑わせるな!!」
「ええ。これだけでは、ただの募金箱。証拠には弱すぎます。けど、この写真と照らし合わせたら……?」
藍里は、ポケットからポラロイド写真を取り出すと、全員に見えるように前に突きだした。
「あたしが撮ったやつ……?」
麻田が、ぽつりとそう呟く。
藍里は、それを藤澤に差し出すと
「確認させてください。この写真は、沙弥さんが亡くなる前日に撮られた。間違いありませんか?」
手に取って見た藤澤は、
「間違いない……亡くなる前日の夕方頃に…そこの女に頼んだ写真だ。」
と呟いた。
「この写真がどうしたと言うんだ…!?」
晴臣が、キッと睨みつけながら訪ねた。
「そこに写っている募金箱を見てください。薄らですが、量が確認できます。」
言われてみると、そこに映されている募金箱には確かに、半分以下の影が見えており、そんなに溜まっていないことが分かる。
「亡くなる前日の時点で、半分にも満たしていない募金箱。けど、私と陽菜が来た時点では、募金箱は既に今ぐらいに溜まっていました。晴臣さん?今日を含めたとしても、この3日間でどうやってそこまで貯めたのですか?」
藍里の言葉に、晴臣は言葉を失う。
それと同時に、他の人たちもハッとした様子で晴臣を見つめる。
「もし、善良な方がそれだけの募金をしてくれたというのなら、その方のお名前を教えてください。そして、こちらのお金を鑑識に回しても構いませんよね?」
しばしの沈黙………。
そこまで言われた晴臣は、『はぁ。』とため息をつくと、
「あんたの言う通りだ。探偵さん。私は、息子を助けたかった……。」
と、観念したようにぽつりぽつり話し始めた。
「親父?」
「最初は…………あの人が息子を逆ストーカーしてるとは知らなくて、ただ単に、藤澤さんとこれから結婚をする幸せな女性としか思えなかった。……だが、ひとし をストーカーしていると知ったのは、その写真を撮った後………その人が、ひとしの部屋にブーツを置いているのを見かけたんだ。それから、写真も………。
私は、問い詰めた。
彼女は、お金があるから ひとし に近づいたと言った。だが、私は、ひとし には婚約者がいるからなびくわけが無いと言い切った。
そうしたらあの女……なんと言ったと思う?」
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ひとしの部屋で、企みのある笑みを浮かべた沙弥は、腕を組みながら
「へぇ?やってみればぁ?言っときますけど、私、そこそこ演技も出来ますからねぇ?」
と言うと、先程とは打って変わって怯えたように両手で口元を覆い、涙目で
「こ、この人が……!私をストーカーしてて…!!!か、隠し撮りの写真も…………!焼き回しで送られて……!いや………私、怖い……!」
とそこまで言うと、両手で顔を隠し、膝をつきながらカタカタと震えてみせる。しかし、直ぐに震えを止める。
見事な演技である。
演じ切った沙弥は横目で晴臣を見上げると、口の端を吊り上げさせる。そして、スクッ!と立ち上がると
「幸せな生活を控えているのにストーカーに怯えるアイドルと、冴えないただのファンのサラリーマン。世間はどちらの味方に着くんでしょうねぇ!」
と、高笑いをしてみせた。
_________________________
「我慢できなかった…………このままでは息子が犯罪者扱いにされる。……私は、式の演出の提案をしたいと言って彼女をあの屋上に誘い込んだ……。」
呼び出された沙弥は、特に疑うよえすも見せずに、むしろ『こんな所で何する気?』とでも言わんばかりに屋上から下を見渡した。
彼女が背後を見せている隙に、晴臣は布袋に入れておいた大量の小銭をしっかりと握って、沙弥の後頭部に向かって振り下ろした…………。
「あとは、君の言う通りだ。女子大生探偵さん。私は、彼女を屋上から落とし、それが十字架のところに刺さった。」
そこまで聞いたひとしは、晴臣の頬を殴り飛ばすと、肩で息をしながら晴臣を睨みつけた。
「んでだよ、親父…!そんな事しなくても!あいつは俺が解決できたのに!!!いつまでもガキ扱いすんな!!」
ひとし の言葉に晴臣は涙を流し、ひとしも点を仰いで涙を堪えた………。
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