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第九章 魔界層編
晩餐と謁見
しおりを挟む「魔王さま、半身さまのご入室です」
城仕え二人の手によって開かれた大食堂の扉。
ゴシック様式の豪華なその部屋で待っていたのは右手を胸にあて軽く頭を下げて敬礼している魔王軍の上官たち。
魔王軍では王や王の半身と気軽に目を合わせてはいけない決まりがあるらしく許可が貰えるまでは頭を下げたまま。
そんな許可待ちの上官たちがズラリと並ぶ中、正装した魔王のエスコートで床に敷かれている紅い絨毯の上を慣れないピンヒールで歩く。
向かった先は大食堂の最奥。
王と王の半身のために用意されているテーブルの前へ行っていまだ頭を下げている上官たちの方へ向いた。
「顔をあげよ」
魔王のその一言で許可を得た上官たちは一斉に手を下ろして魔王と俺が居るこちらを向く。
「みなさま本日は魔王城へようこそおいでくださいました。今世代魔王フラウエルの半身、シンと申します」
ワインレッドの絹生地にシャンパンゴールドの刺繍が施されたマーメイドドレスをちょこんと摘みカーテシーで挨拶をすると、ほう、と感心するような声が聞こえてくる。
どうだ美しいだろう?
魔界層では見たことがないドレスだろう?
クルトとラーシュの二人がかりで磨きあげてくれた美しい雌性体の俺と、コルセットで内臓が飛び出しそうに絞りあげられたくない俺の要望で城の針子が頑張ってくれた珍しいドレスを堪能するがいい(ドヤァァァ)
といういつもの自賛は営業スマイルの裏に隠して魔王と俺が席につくと上官たちも席についた。
まずは食事を始めるための挨拶としての乾杯。
「今日の晩餐は半身の披露を兼ねている。軍事は一旦忘れ気を休めて食事を楽しむといい。魔界層の繁栄を祈って」
『魔王軍に栄光あれ』
少量注がれているシャンパングラスの中身を全員が飲み干して晩餐会はスタートした。
この世界の晩餐料理は地球のフルコースと大体は同じ。
上官たちとの晩餐の今日も食前酒と突き出しから始めている。
「みな怖々といった様子だな」
「うん」
魔王は料理を見てザワつく上官たちの様子を眺めてくすりと笑うと上品な仕草でフォークを口へ運ぶ。
「本当に大丈夫だったのか?これで」
「ああ。美味い」
「フラウエルはもう食べ慣れてるから平気だろうけど」
「食べれば美味さは伝わる」
今日のフルコースは俺が組み立てたもの。
魔王の要望でメニューが異世界料理に決まったから俺がレシピと試作品を用意して魔王城の料理人に作り方を教え、料理人たちは今日まで何度も練習を重ねて完璧に仕上げてくれた。
ただ突き出しを白身魚のカルパッチョ(擬き)にしたから生魚を好んで食べない魔族が躊躇するのも仕方ない。
でも魔王が食べたから上官たちも口にしない訳にはいかず怖々とフォークとナイフを手にしている。
「ほら。心配せずとも美味いものは美味い」
一人、また一人と口に運ぶ様子を見ていてまた魔王はくすりと笑って食前酒を呑む。
「良かった」
突き出しは食前酒と楽しむもの。
日本で言えばお通し。
今日の晩餐は魔界層での一般的なフルコースとは違うことを報せる目的もあって少量のカルパッチョを突き出しに選んだんだけど、概ね好評なようで胸を撫で下ろす。
地球に居た時に倣ったフルコースの順番。
この後には、前菜、ポタージュ、魚料理、肉料理、氷菓子、ロースト肉料理、サラダ、チーズ、デザート、果物、小菓子、カフェ、食後酒と続く。
「上官たちの反応がいちいち面白いな」
「悪趣味」
魔界層も地上層と同じく切った肉に塩コショウを振って焼くだけの単純で豪快な調理法や味付けが主。
手間がかかっている料理+見たことがない料理とあって煮込みハンバーグやバニラアイスにすら大袈裟なくらい驚いていて、それが魔王には面白いらしい。
「次に何が出てくるかは分かっていても目の前に置かれる皿は未知の料理ばかり。普段軍官が集まり晩餐をした時は軍事の話題に夢中の者が多いが今日はみな料理に夢中のようだ。料理人も喜ぶだろう。お前に任せて良かった」
分かる気がする。
会話に夢中で大して手をつけないまま下げられてくる皿を見たら料理人としてはガッカリするだろう。
軍官たちからすれば会議の時くらいしか大勢で集まる機会がないからお互いの考えを知っておきたいと思うんだろうけど。
「中には好き嫌いもあるだろうけど食事を楽しんで貰えるのは良かった。俺が異世界で得た知識と経験が誰かの役に立つならこんな幸せなことはない。勇者としては役立たずだったから」
地球で俺に知識と経験を与えてくれた料理人に感謝。
まさか異世界で役立つ日が来るとは思わなかったけど。
「お前は地上だけでなく魔界にも様々な知識や技術を与えてくれている。勇者とは役目が違うというだけで、地上にも魔界にも大いなる恵みを齎しているお前を役立たずなどという愚か者が居ようものなら俺が無に還してやろう」
危な。
既に同郷のリサから言われたことをうっかり話そうものなら天地戦が早まってしまう。
せっかく魔王の中に天地戦を避ける(出来る限り天地戦までの期間を長くとりたい)気持ちがあるのに。
「ありがとう」
魔王は勇者じゃない俺を必要としてくれている。
自分でも心のどこかで同じ異世界人なのにヒカルたち勇者の役に立たないことに罪悪感があるから、勇者じゃない俺を必要として貰えるのはありがたかった。
食後酒まで出し終えてからが顔見せ(謁見)の本番。
玉座の間で行う正式な謁見じゃないけど近くまで上官たちが来るとあって、魔王と俺の後ろには山羊さんと赤髪、横にはクルトと仮面が控えているガチガチの護衛ぶり。
「魔界層の月、お初にお目にかかります。魔王軍第二部隊イラーリオと申します。お目にかかれて光栄です」
「どうぞお顔をあげてください」
魔王は『魔界層の太陽』。
魔王の半身は『魔界層の月』。
挨拶の時にそう呼ばれることは山羊さんから聞いていたから『何だそれ』と思うこともなく流し、跪きこうべを垂れている上官に顔をあげさせる。
「半身さまは魔神と精霊神の血を引く珍しい血統だそうで。なにぶん前例にないことですのでこの目で拝謁させていただくまで半信半疑でしたが、半身さまの神々しくお美しいお姿に人智を超えたものは存在するのだと改めて考えさせられました」
中身はただのクズですけど?
という心の内は表に出さずニコリと笑うだけで応える。
謁見では基本笑顔で黙秘。
もし軍事関係のことを質問されても俺本人が答える必要はないと山羊さんから言われているから。
魔王の半身の声を聞けるというのはそれだけで価値のあることだから……と言っていたけど、俺が思うに便宜上ご大層な理由を作っただけで、実際には余計なことを言うのを危惧して笑顔で躱させていたことが半身ルールになっただけだと思う。
魔王の半身とは魔界層のナンバーツー。
魔界の王である魔王に匹敵する発言力を持つものの、軍事に関しては詳しくない(関わる力がない)お飾りの半身に的外れなことを言われたり下手な約束をされたら堪らない。
だから、余計なことは言わず笑顔で黙ってろ。
と言うのがこの半身ルールが出来た理由だろう。
何も知らない人に勝手な発言をされたら困るのは分かる。
良くも悪くも権力のある人の発言はそれほど影響力が大きいということだ。
その後も入れ代わり立ち代わり。
地上層の貴族のように身体が痒くなりそうな言葉で褒めちぎる軍官たちに、バナナの叩き売りよりもお安くなっている営業スマイルで返していた。
正直退屈。
今日は初顔合わせの挨拶が目的の謁見だから一人一人の時間は短いものの、顔をあげさせる以外はただ笑って何十人もの人のお世辞を聞いてるのは退屈で仕方ない。
歴代の半身はよくこの退屈な時間を堪えてたものだ。
作り笑いで黙ってお世辞を聞いているだけなら一枚でも多く申請書に目を通していた方がよほど有意義に感じる。
謁見も魔王の半身としての務めだから仕方ないけど、つくづく俺には『魔王の半身という仕事』は向いてない。
「恐れながら魔王さま。半身さまを拝謁させていただいた上でやはり専属補佐官の選出は急務かと存じます。雪の妖精のように可憐で儚げな半身さまに魔界や魔族を管理させるのは余りに酷なこと。現在は影のクルトさまが代理をされているとのことですが、四天魔はそれぞれ大切な役目を持つ身。補佐に割く時間にも限りがあることでしょう」
そんな話も何度目か。
どの軍官も可憐だなんだと聞こえのいい言葉を使って俺のことを表現してるけど、要約すれば『弱そうだから魔界や魔族の管理なんて出来ないだろう』と言っている。
ただこれは言われても仕方ない。
例え元の姿に戻ろうとも身体が大きく頑丈な魔族から見れば人族の俺が一番弱そうな見た目をしていることは変わらない。
力がないと言われている庭師ですら俺より大きいんだから。
魔族から見れば孅く見えることは事実。
代理をやっていられるほど四天魔は暇じゃないことも事実。
本来ならクルトは四天魔の『影』として各地を飛び回り、魔界層に異変がないかや悪事が行われていないかなどを調べる大切な役割がある。
クルトが代理になるしかなかったのは俺の我儘が原因。
本当なら魔王や山羊さんが既に補佐教育を受け終えている城仕えの中から選出するはずだったのに俺が専属はラーシュとエディにすると我儘を言ったから、二人の教育が終わるまで空席になった役目をそのままにする訳にはいかず文武両道の四天魔を代理に選ぶしかなかった。
魔王が早く選べと急かされてるのは俺の所為。
多くの軍官が補佐を早急に選ぶよう助言しているのを聞いて今更ながら、魔王の半身という立場の重さやその立場の俺が言う我儘がどれだけ周りの人に迷惑をかけるかを思い知らされる。
魔王の半身というのは地上層の王妃よりも重責。
地上層には王や王妃が人族とエルフ族に居て土地も権力も二分割されているぶん片方の国王や王妃の言動で地上層全てが全滅する危険は少ないけど、魔界層の場合には一人ずつしかいない魔王や魔王の半身の言動で魔界に暮らす全ての魔族の生活が脅かされてしまうんだと気付かされた。
何を言われてもどんな目で見られても笑え。
地上で行き場のなくなった俺を魔王は迎え入れてくれて我儘まで聞いてくれたし、魔王城の人たちにも毎日世話になってる。
例え向いていないと分かっていても『魔王の半身という仕事』に不満を洩らすな。
黙って聞いて笑うのが仕事ならそれを勤め上げろ。
数時間に渡る謁見もようやく終わり。
魔王はこの後も大食堂からダンスホールに部屋を変えて夜会をするけど、半身の俺はこのまま部屋に戻れる。
「疲れただろう。後は自室で休め」
「フラウエルはこの後も続くのに先に休んで悪いな」
「軍事会議の時はいつもこうだ。俺は慣れてるがお前は初の謁見で気疲れしただろう。湯浴みをしてゆっくり休め」
「ありがとう」
来た時と同じく敬礼している軍官たちを残して一足先に魔王と大食堂を出たあと、労いの言葉を口にしながらチークキスをする魔王に俺もチークキスで返す。
「半身さま。お部屋まで護衛いたします」
「ありがとう。じゃあフラウエルおやすみ」
「おやすみ」
一緒に大食堂を出て来ていた赤髪の護衛で自室まで戻る。
「お帰りなさいませ。湯浴みの支度はできております」
「ただいま。すぐに入る」
「それでは私は戻ります。ごゆっくりお休みください」
「うん。ありがとう」
部屋で待っていたのはラーシュ。
赤髪は部屋の中まで無事に送り届けたあとすぐにまた魔王のところへ戻った。
「珍しくお疲れのようですね」
「謁見は初めてだったから多少は」
「軍官が相手の謁見では気疲れもするでしょう」
「しばらくはもう勘弁して欲しいのが本音」
「お疲れさまです」
ティアラを外す俺の後ろからドレスを脱がせてくれるラーシュとそう話して苦笑する。
ただ作り笑いをして黙って座ってるだけの簡単な仕事のはずなのに、地上層の夜会で貴族の相手をしていた時の数倍はメンタルがやられたんじゃないかと思う。
「洗髪いたします」
「よろしく」
広い浴室の木のベッドに横になると湯着に着替えたラーシュが髪を洗ってくれる。
「痛くありませんか?」
「大丈夫。気持ちいい」
本来召使ではない赤髪やクルトは最初魔族より脆い人族の俺の髪や身体をおっかなびっくり洗ってたけど(今は慣れた)、ラーシュは陰間から湯屋と客の身体を洗う機会の多い仕事をしてただけあって俺が雄性体の時でも雌性体の時でも加減が上手い。
「なあラーシュ。あとでエディの部屋に行きたいんだけど」
「……はい?半身さまが使用人邸に行くなど」
「エディにも聞いておきたいことがあるんだ」
そう話すと髪を洗っていたラーシュの手が止まる。
「部屋が駄目なら庭園でもいい。連れて来て欲しい」
使用人が住むのはこの城とは別の使用人邸(敷地内にはある)。
魔王や魔王の半身が暮らすこの城内で暮らしているのは魔王の付き人も兼ねている四天魔だけ。
今後俺の付き人になればラーシュとエディもこの城内で暮らすことになるけど、今現在は二人とも別邸に暮らしてるから俺の方から会いに行くのは難しい。
「今日は来訪者も多いですので危険では」
「来訪者って言っても魔王に仕えてる軍官だぞ?俺に何かすれば命がないことなんて一番分かってる人たちだろ」
「まあ……そうだとは思いますが」
言ってしまえば魔王の怖さを一番理解してる人たち。
魔王と接する機会がない民衆より直接会う機会の多い軍官の方が魔王の怖さ(能力)は重々承知だろう。
「ローブで姿は隠すから。駄目か?」
「……少しだけですよ?庭園で少しだけ」
「うん。聞きたいことを聞いたらすぐ部屋に戻る」
「分かりました」
渋々ながら了承してくれたラーシュは再び髪を洗い出す。
一ヶ月の懲罰中のエディは魔王城の中には入れないから俺の方から機会を作らない限り会うことが出来ず、竜人街から連れて来たあとまだ一度も顔を見ていなかった。
だから直接会って話を聞いておきたい。
湯浴みを終えたあとラーシュにはエディを呼びに行って貰って三十分後の約束に合わせて俺もローブを着て自室を出る。
「あ。魔祖渡りを使った方がいいか」
自室のある階から1階まで腕輪の転移魔法で移動してから今日はエントランスホールに警備が複数名居ることを思い出して、庭園までは魔祖渡りを使う。
「半身さま。どちらへ行かれるのですか?」
「警備お疲れさま。庭を散歩しようと思って」
「護衛も付けず行かれては危険です」
「少し散歩したら戻るから」
「誰か護衛を」
「一人で気分転換したいんだ。警備兵の責任になるのは困るから俺のことは見なかったことにしてくれ。もしバレても俺が転移魔法で勝手に出たことにするから」
まさか警備が居る場所に出てしまうとは。
魔祖渡りで出た先にちょうど居た警備兵の数名を説得して少しだけの約束で見逃して貰った。
「散歩するだけでも一苦労だな」
使用人邸の傍にあるガゼボに向かいながら溜息をつく。
普段は出ることがないからすっかり忘れていたけど夜は庭園の警備の数も多いんだった。
「ローブ着ても意味なかったし」
フードで顔を隠していても即バレした。
子供の魔族も居る城の外ならまだしも魔王城の敷地内に子供が居る訳もなく、今日は雌性体でなおさら小さくなっている俺の背丈でバレるのも当然か。
「ギュイッ!」
「この鳴き声はまさか」
「ギュイーッ!」
庭園の花を見ながら歩いていると聞こえてきた声。
聞き覚えがあるその鳴き声にハッとして花壇を見ると芍薬のような花が俺を目掛けて飛びついてきたのをサッと避ける。
「あ、悪い。キモくてつい避けた」
「ギュイ~ッ」
石畳にベシャッと落ちたキモ花。
手(葉)を石畳につけて顔(花)をあげ恨めしそうな声で俺を見あげている。
「月喰が終わってまた戻って来てたのか」
「ギュイッ!」
「異世界最強が居る城に無断で住み着くとは太い奴だ」
スライムは花に見えても魔物だから月喰期は籠るためみんな居なくなったけど、コイツはちゃっかり戻って来ていたようだ。
「あーあ。花弁が潰れてんじゃん。仕方ねえな」
「ギュイ~」
しゃがんでよく見ると顔面(花)から石畳にダイブしたから花弁が所々傷ついていて魔回復をかけてやる。
「ギュイッ!」
「はいはい。どういたしまして」
俺の足に手(葉)を添え頭(花)をさげたキモ花に笑う。
言葉は交わせなくても表現できるコイツはなかなか賢い。
「待ち合わせしてるからもう行かないと。じゃあな」
「ギュイッ!」
「おい!なんで飛びつくんだ!」
「ギュイギュイ!」
腕に飛びつきしがみついたキモ花。
手首に根を絡ませてきて驚く。
「……外に居る間だけだぞ」
「ギュイッ!」
引っ張っても離れてくれずお手上げ。
待ち合わせの時間に遅れるからこれ以上構ってる暇もなく、外に居る間の約束で連れて行くことにした。
「本当に人懐っこいな。地上でスライムがペットとして人気あるのも分かった気がする」
花として見れば綺麗だし異世界最弱の魔物だから飼っても危険じゃないというのもあるけど、これだけ人懐っこいなら子供が可愛がるのも分からなくない。
「あ。また警備」
前から歩いて来た二人。
また何か言われるものと思っていれば、俺の方を見ることもなく真隣を通り過ぎて行った。
「……なんでスルーされた?」
いつもなら使用人の一員である警備兵も俺に会えば必ず足を止めて挨拶をするのに、なぜかこちらを見ることもなく二人で警備場所の話をしながら通り過ぎた。
「城の傍に居た警備兵に見なかったことにしてくれって言ったからみんなにそう伝令したのか?」
俺の存在に気付いてなさそうに見えたけど、さすがに真隣を通り過ぎて気付かないはずがない。
そうするよう伝令してくれたのなら一々説明する手間が省けてありがたいけど。
不思議に思いながらも辿り着いたガゼボ。
ガゼボの中には既にラーシュとエディが居た。
「エディ、久しぶり」
二人が座っているガゼボに入って声をかける。
「はあ。緊張する」
「緊張?」
「俺呼び出されるような悪いことしたか?記憶にないけど」
「怒ってる様子はなかった。聞きたいことがあるとだけ」
「その聞きたいことってのが怖いんだよ」
……あれ?
なんでラーシュとエディまでガン無視?
俺の話をしてるってことは悪意があって無視してる訳じゃなさそうだけど。
「エディ?ラーシュ?」
二人の傍まで行っても二人は無言。
エディは頭を抱えて項垂れながらも大きな溜息をつく。
「もしもーし!エディ!ラーシュ!」
完 全 無 視 。
チラリともこちらを向かない。
「……もしかして見えてない?」
「ギュイッシュ!」
「「え?」」
キモ花の鳴き声でパッとこちらを見た二人。
やっと気付いて
「なんだ今の音」
「魔物の鳴き声じゃないか?」
「魔物?それなら倒さないとマズいな」
「城の中に魔物は入れないはずなのにどうして」
気付いてくれてなかった!
それどころか警戒した様子でガゼボの周りを見ている。
「何で?キモ花の鳴き声は聞こえてるのに」
「ギュイッ!」
「やっぱり居る!」
「擬態する魔物か!?」
擬態する魔物?
……まさか。
「キモ花。お前にそんな高等技術があると思えないけど、二人が俺に気付いてないのってもしかして……お前がやってる?」
「ギュイッ!」
「「半身さま!?」」
手首に絡みついていた根をキモ花が解くとビクッと驚いた二人は慌ててその場に跪く。
「……やっぱお前の仕業か」
「ギュイッ!」
「びっくりすんだろ!急にガン無視されたら!」
「ギュイッ!」
さっきの警備兵が気付かず通り過ぎたのも納得。
伝令してあったんじゃなくてキモ花の能力で俺の姿が見えていなかっただけ。
「あの、半身さま」
「あ、ごめん。驚かせて」
「いえ。隠密能力をお持ちでしたか」
「やったのはこのキモ花」
「キモ花?……スライムがですか?」
ポカーンとするラーシュとエディ。
俺は隠密能力なんて便利な能力は持っていない。
「エディが擬態する魔物って言ってまさかとは思ったけど、コイツが俺の姿が見えないようにしてたらしい」
「ギュイ~」
首根っこ(茎)を掴んで持ち上げながら説明すると、キモ花は親猫に咥えられた子猫のように大人しくなる。
「たしかにスライムは花に擬態しておりますが、人を隠蔽する能力を持っているなどとは聞いたことがありません」
「私も聞いたことがありません」
「え?……キモ花。もう1回俺のこと消せるか?」
「ギュイッ!」
首根っこ(茎)を掴まれたままもう一度キモ花は根を俺の手首に巻き付ける。
「「!!」」
「俺の声が聞こえてるか?」
驚いた顔をするラーシュとエディ。
問いかけに返事が返らないってことはまた姿も見えなくなって声も聞こえてないんだろう。
「ありがとう、キモ花。もう解いてくれ」
「ギュイッ!」
跪いている二人の前にしゃがんでキモ花に解いてもらうと、目の前に現れた俺にまた二人はビクッと驚く。
「な?やっぱキモ花の能力だった」
「ち、近い!」
「近すぎます!」
慌てて身体を引いて顔を逸らす二人。
今更距離を気にするなんておかしな二人だ。
ラーシュに至ってはついさっき俺の身体を洗っていたのに。
「半身さま、お戯れはおやめください!」
「我々は見習いの身ですよ!」
「そんな全力で拒否されると凹む」
「ギュイ~ッ」
そんな力一杯拒否しなくても。
突然目の前に現れたら驚くかなと悪戯しただけなのに。
凹む俺の腕をキモ花がペシペシ慰めるように叩く。
「見習いの我々がお役目以外で半身さまに近付くなど許されることではありません。どうぞお許しください」
「俺の方から近付いても?」
「周りから見れば不敬な見習いにしか見えないでしょう」
「……そっか。二人が罰せられるなら困るな」
俺は自分が心を許せる仲間として親しくしたいけど、それで二人が不敬を働いたと罰せられるなら諦めるしかない。
二人に迷惑をかけたい訳じゃないから。
「二人も座ってくれ。聞いておきたいことがある」
「このままお聞きします」
「座るのも駄目なのか」
「魔王さまや半身さまと同じ高さには座れません」
頑な。
いや、城仕えならこれが普通なのか。
地上層でも王族は誰よりも高い位置に座るのが普通。
「俺が望んでたのはそんな関係じゃなかったんだけどな」
俺が望んだのは気軽に話せる相手だったんだけど。
もちろん公務中は魔王の半身とその側近としての態度は必要だと思うけど、プライベートの時くらいは竜人街で気軽に話していた時のような関係で居られると思っていた。
「……何かあったのか?」
「エディ」
「シンが嫌がっててもまだ守らなきゃいけないことか?半身さまの専属補佐になろうとしてる俺たちが何よりも優先するのはシンの意見じゃないのか?専属ってそういうことだろ」
そうラーシュに話しながらエディは椅子に座る。
「俺たちが仕えようとしてるのは魔王さまじゃなくてシンだ。そのシンが望んでるなら場を弁えながら対応を変えればいい」
「後先を考えないところは腹立たしいけど反論は出来ない」
先に座って言葉を付け足したエディにラーシュは溜息をつきつつ答えてエディの隣に座った。
「息がピッタリだな。相変わらず」
「どこが」
「正反対ですよ」
「二人の場合は正反対だからこそ互いに意見を出し合って上手く行ってるんだろ。思ったことを言える仲は貴重だ」
真面目なラーシュと思い切りのいいエディ。
互いに意見を出し合えばちょうどいい塩梅になるだろう。
「で、だ。聞きたいことだけど、一つはなくなった」
「は?」
「なくなった?」
俺が言うと二人は大きく首を傾げる。
「ラーシュにはもう聞いたけどエディの本音はまだ聞いてなかったから。俺の専属になることを選んだとはフラウエルから聞いたけど、フラウエルや四天魔の手前断れなかっただけで本音かどうかは分からなかったから直接聞いておきたかった」
魔王の前では断れなくて専属になると言った可能性もあるから自分の耳でエディの本心を聞きたかった。
そのために呼び出したんだけど、さっきの二人の会話で本当に俺の専属になる気持ちがあるんだと分かったからそれはもう聞く必要がない。
「もう一つは覚悟できるかを二人に聞きたい」
「覚悟?なんの?」
「今日の謁見で多くの軍官が俺の専属補佐官を早く選ぶようフラウエルに話してた。既に教育を終えて今すぐ荷でも補佐官になれる人たちが居るんだから急かされて当然なんだけど」
既に居るのになぜ早く選ばないとなるのは当然。
それについては軍官たちの意見は間違っていない。
出生から今までが分かるよう纏めて云々というのは、軍官たちからすれば時間稼ぎしているとしか思えないだろう。
「その状況を知って貰った上で聞きたい。二人が俺の専属補佐官になるのは考えてるよりも大変だと思う。時間がないから普通に教育を受ける人の何倍も努力をしないといけないし、なったらなったで邪魔をしたり嫌がらせをする人が出てこないとも限らない。それでも専属補佐官になりたいと思うか?」
無理なら無理で言って欲しい。
それなら魔王や四天魔に補佐官教育を終えてる人の中から選んで貰うから。
「質問に質問で返して悪いけど、答える前に俺の方から聞いておきたい。シンは本当に俺たちが補佐官でいいのか?能力が高い優秀な魔人の専属補佐を選べるのに、魔人と比べて能力が劣る魔法も使えない竜人を専属補佐にして後悔しないのか?」
そう真剣な顔で聞いたエディ。
ラーシュもエディを見たあと俺を見て頷く。
「結論から答えると後悔しないと誓える。理由は俺がエディとラーシュに求めてるものが軍事に関わる補佐ってだけの関係性じゃなく心の拠り所でもあって欲しいからだ」
「心の拠り所?」
今度はラーシュが口を開き首を傾げる。
「フラウエルが選ぶ補佐官は俺が与えられた権限を上手く使えるように補佐してくれる人であって、携わるのはあくまで仕事のことだけだ。補佐官自体は他にも数人選ばれるだろうけど、専属の補佐官に俺が求めるのはそれだけじゃない。仕事はもちろん俺に関わる全てに携わって欲しい」
補佐官は管理権だけで他はそれぞれの役目に任せる。
使用人にも様々な役目があるようにそれが当然なんだけど、俺は専属とつく人とは上辺だけの繋がりでいたくない。
「簡単に言えば専属補佐はプライベートの時間でも心を許せる人がいいんだ。他愛ない話をして笑ったり一緒に酒を呑んだりできる人。フラウエルにとっての四天魔のような関係をエディやラーシュに望んでる。常に堅苦しいのは俺には息が詰まる。世話になってるのに我儘を言うなって思われるだろうけど」
地上層ではエドとベルがそんな存在だった。
専属の執事や女中でありながら家族のように心を許せる二人が居てくれたから、俺には到底向いていない英雄としての役目も続けられた。
場を弁えさえすれば常に堅苦しい生活ではなかった。
師匠で戦闘狂のエミーが居て、口煩いけど手を貸してくれる師団長が居て、俺を理解してくれる国王のおっさんが居て、俺の味方になってくれる騎士団の人たちが居て、驚かせたり笑わせてくれる子供たちが居て、何かと協力してくれる西区の領民やデュラン侯爵家やシモン侯爵家の人が居て、酒を酌み交わしながら気楽に話せる王都ギルドの冒険者たち居た。
俺を理解してくれるみんなが居てくれたから英雄の顔と本当の夕凪真の顔を使い分けた生活が出来て重い役目にも耐えられと言っても過言じゃない。
もし一緒に居る時間が長い専属補佐から常に魔王の半身の顔を求められたら、どんなに世話になっている恩があっても精神的に持たないことは俺が一番良く分かっている。
だから専属になって貰う人は気を許せる人がいい。
「平凡な俺たちに四天魔のような存在になれって無茶を言う。あの人たちは努力をすれば手の届くような強さの人じゃないから無理。ただ、シンが望む親しい仲にはなれる。人の倍努力して早めに専属になるからもう少しだけ待っててくれ」
「私も今以上に努力します」
「ありがとう。楽しみに待ってる」
欲しかった返事をしっかりくれた二人。
そう言ってくれるなら俺は俺に出来ることをして二人を受け入れる土台をしっかり作ろう。
「ところでそのスライムの件は魔王さまに報告した方がいい」
「ああ。人を隠蔽するスライムは居ないって言ってたよな」
「恐らく私やエディと同じ異能を持つ能力亜種だと思います」
「……まさかコイツがそんな特別な才能を持ってたとは。ただのキモ花だと思ってたのに」
飽きたのか俺の膝の上でグースカ寝てるキモ花。
見た目は綺麗な花なのに一切の危機感もなくグースカ寝ているキモ花に三人で苦笑した。
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14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
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16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
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ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
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新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
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「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
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この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
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「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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