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chapter.2
17
しおりを挟む深い雪が積もった天虎の森。
獣たちも冬眠をしていた寒い季節が過ぎて春。
雪解けの時。
『天虎さん見て!大きな虹だよ!』
【待て!上着!】
雪解けを早めるように雨が降った後、ふと気付いて洞穴から駆け出たブランシュを上着を咥えて追いかける天虎。
妖精たちも数匹がかりでフワフワのマフラーを運ぶ。
【着ろ。風邪をひくぞ】
『はーい』
追いついた天虎から受け取った上着に腕を通して、妖精から受け取ったマフラーも巻くブランシュ。
天虎が薬花と交換で光の一族が用意してくれたそれは身体の小さなブランシュには少し大きいものの、ふかふかで暖かい。
『見て見て。虹が二重になってるの』
【雪解けのこの時期にはよく見かける】
『そうなの?とっても綺麗』
美しい湖の上にかかる二重の虹。
雪解けの季節は通り雨がパラパラと降ることが多く、天虎の湖では割と頻繁に美しい二重虹を見ることができる。
『お兄さんたち元気にしてるかなぁ』
【唐突だな。気になるのか?】
『渡したはちみつレモンは役に立ったかなって』
【気になるのはそちらの方か】
『え?』
光の一族と交流したのは本格的な冬が来る前。
珍しくヒトの子を気にしたと思えば、幼子に渡した『はちみつレモン』が役に立ったかどうかという話で天虎は笑う。
なんともブランシュらしい。
【今頃ヒトの子は祝いで忙しいだろう】
『お祝い?』
【彼奴が居た頃と変わっていなければだが、今の時期はどの国でも新たな年を迎えて帝都で祭典を行っているはずだ】
『そうなんだ?』
雪解けのこの季節が新年。
初代がこの森で暮らしていた頃に一度だけ、買い物に付き合わされてヒトの姿で隣国の祭典に行ったことがある。
祭典中は王の居る都に多くの商品が集まるからと。
【行ってみるか?】
『ううん』
大きく首を横に振るブランシュ。
ヒトが居るところには行きたくなくて。
【光の一族も祭典に行っているはずだぞ?】
『お兄さんたちも?』
【あの一族は貴族だからな。皇帝に挨拶をするために行く】
『皇帝……闇の一族オラクル』
物語に出てきた闇の一族。
それを思い出してブランシュは無言になる。
【ブランシュ?】
『やっぱり行く。少しだけ』
【!!】
森から出ることを嫌がるブランシュがヒトの子が暮らす場所に行くと答えて天虎も妖精も驚く。
ヒトの子のブランシュの生活に必要な物は街で購入しなければ手に入らない物もあるから、いつか一緒に買い物へ行けるようになればとは常々思っていたけれど。
『祭典ならたくさんヒトが居るよね?』
【ああ。ヒトの子が集まる時だからな。ブランシュが欲しがっていた小麦や卵も売っているかも知れない】
『……両親も居るかな』
居るかも知れない。
光の一族がブランシュを捨てた両親は貴族の可能性が高いと話していた。ただ……
【居たところで何の問題がある?】
『え?』
【互いに顔も知らないだろう?】
『あ』
【多くの大人や子供が居る場所で顔を知らない子と会ったとて分かるはずもない。生きてることすら知らないのだから。この天虎の湖で出逢えば生存していたと考えるかも知れないが】
『たしかに』
ブランシュが最も恐れているのは家族。
でもその家族は娘の顔も知らず死んだものと思っている。
ブランシュもまた家族の顔を知らないのだから、例え出会ったとしても気付かず通り過ぎるだけ。
【何よりブランシュには私が居るだろう?ん?ああ、妖精や精霊もな。私の大切な娘を誰にも傷付けさせはしない】
神と妖精と精霊。
ブランシュには最強の守り手が居る。
『ふふ、そうだね。私にはみんなが居てくれるもの』
【ああ。私たちがブランシュを守ると誓おう。仮にヒトの子を見てまだ怖いようならすぐに戻ってくればいいだけだ】
『うん!よろしくお願いします!』
捨てられた私を拾って大切にしてくれてる天虎さんが居る。
お世話をしてくれる優しい光さんたちも居る。
私はもう災いを齎す呪い子なんかじゃない。
私は天虎さんの娘、ブランシュ。
【では着替えて支度をせねばな】
『このままじゃ駄目なの?』
【祭典中なのだから他の子供もみな着飾っているだろう。光の一族から貰った衣装の中でブランシュが一番気に入っている可愛い衣装を着るといい。幼子に貰った髪飾りも忘れずにな】
『髪飾り!うん!』
幼子の宝物からブランシュの宝物になった髪飾り。
普段は付けておくと傷付いてしまうからと大事に大事にしまってあったそれを付ける時。
嬉しそうなブランシュに天虎も妖精たちも嬉しい。
目的はなんでもいい。少しの時間でもいい。
ヒトを怖がり怯えていたブランシュが森から出ることを決意したことが嬉しかった。
それは大切な始めの一歩。
ヒトの子として生まれたブランシュにはヒトの子として生きて欲しいというのが天虎の願い。
・
・
・
『わあ!大きい!』
アール帝国の帝都。
ブランシュは天虎の背から巨大な街並みを見下ろして驚く。
【私も街中ではヒトの姿になろう】
背中に乗せていたブランシュを魔法でふわりと浮かせた天虎はヒトの姿に変身して今度は腕に抱く。
【この姿なら目立たずに済むだろう】
『うん。ヒトにしか見えない』
【元の姿ではヒトの子を怯えさせてしまうからな】
『かっこいいのに』
【見知らぬ獣が居れば喰われると怖がるのも仕方がない】
天虎の姿は虎とライオンと狼を合わせたような姿。
虎やライオンや狼よりも遥かに大きく、美しく輝く白毛に覆われたしなやかな体躯、立派な白いたてがみ、黄金の目。
そんな魔物や獣は他に存在せず、神の天虎だけの姿。
ブランシュは平気でもヒトの子は別。
『あ、でも光さんたちは目立つよ?ピカピカ綺麗だから』
ブランシュから『ピカピカ綺麗』と言われて喜ぶ妖精たち。
褒められたと天虎やブランシュの周りをふわふわ飛ぶ。
【妖精たちはブランシュと私にしか見えていない】
『え?そうなの?』
【格の高い妖精や精霊は姿を隠す程度のこと造作もない】
『わあ。みんな凄いんだね』
また褒められた妖精はふよふよ。
白い鷹の姿の精霊はぴーひょろ。
愛らしく笑うブランシュにみんなメロメロ。
【今の私たちは白鷹を連れた親子にしか見えない】
『じゃあ安心だね』
【ああ。小麦や卵を探す前に少し見て回ろう】
『はーい』
安心したブランシュを見た天虎は建物と建物の間の路地へと下降する。
『誰か居るよ?』
【ああ】
降りる予定の路地にはヒトの姿。
五人のヒトが居ることに気付いたブランシュが先に言ったものの天虎はお構いなしにそのまま降りた。
『あ』
ぷちり。
天虎の足の下にはヒト。
地面に俯せで倒れてキューっと気を失っている。
「なんだお前は!」
一緒に居た男性の一人が怒鳴ってブランシュはビクッとする。
「ヒトだが?」
見て分かるだろうと言いたげにキッパリ言った天虎。
そういう意図の質問ではないと思うの。
そう思いながらブランシュはふと女性に目が行く。
『た、大変!怪我してる!』
壁を背にして地面に座っている女性が二人。
怯えて身体を寄り添わせている二人の内の一人が足から血が出ているのを見てブランシュは慌てる。
【この男たちに追いかけられて転んだのだろう】
『お兄さんたち悪い人なの!?』
【ああ。悪い人だ】
『だから天虎さんはお姉さんたちを助けに来たんだね!』
【ん?あ、ああ。そうだ】
嘘をつく天虎に妖精はふよふよ。
精霊はピーピー。
「なんで黙ってるんだ!」
「舐めてるのか!」
天虎に殴りかかろうとした男性たち。
念話で会話をしている二人の声は聞こえていないから、邪魔をされて仲間をやられて無視をされてのコンボに逆上して。
『悪さしたらメッ!』
怒ったブランシュの金の瞳の奥がキラリと光るとぶわりと一瞬の突風が吹いて男性たちは後ろへと吹き飛ばされた。
『あれ?飛んで行っちゃった』
きょとんとするブランシュを抱いている天虎は目元を手で隠して空を仰ぐ。
私の娘が可愛くて困る。
怒った言葉が『メッ!』なのが可愛くて困る。
私の娘の可愛さは天使や女神すら凌駕するから困る。
「あの!ありがとうございます!」
そう声をあげたのは女性の一人。
何が起きたのかは分かっていないけれど、風魔法で男性たちを撃退してくれたんだろうことだけは分かって。
振り返った天虎を見上げた女性二人は唖然。
肩に大きな白鷹を乗せた背の高い真っ白な美しい青年と、青年の腕に抱かれている真っ白な美しい少女の姿に。
ぴょこんと天虎の腕から飛び降りたブランシュは女性たちの前にしゃがむとポーチから綺麗な布を出して擦りむいている足を押さえる。
「上等なハンカチが血で汚れちゃうわ」
『大丈夫。これは何回でも出てくるから』
声が出ないことを忘れているのか口をパクパクして答える。
「……お嬢さん、声が」
「娘は喋ることが出来ない」
「あ、それで」
口は動かしたのに声が出ていないことを不思議に思った女性たちに天虎が代わりに答える。
「心配してくれてありがとう。でも血は洗ってもなかなか落ちないの。せめて弁償代を受け取って?」
既に血が付いているからせめてものお詫びにお金を払おうとした女性にブランシュは大きく首を横に振る。
これは調味料と一緒で汚れても失くなってもまた綺麗なままポーチの中に入っているものだからお金なんて貰えない。
必要ないと首の動きで伝えるブランシュの様子を見た天虎はくすりと笑うと指を鳴らす。
「金は要らないそうだ。傷も治った」
「「え?」」
後ろからひょいとブランシュを抱き上げた天虎。
それを聞いて女性が布を外すと本当に傷は消えていた。
「聖者さまでしたか!御無礼を!」
「失礼いたしました!」
青ざめサッと座り直して頭を下げた二人。
ヒトの子で回復魔法を使えるのは聖者と聖女だけ。
人数も少ない貴重な存在だけに国民階級も高い。
しかも一瞬で治してしまうなど位の高い聖者に違いない。
「あの……治療費は幾らお支払いすれば」
「必要ない」
「え?ですが」
「ただの擦り傷で治療費など貰うはずがないだろう」
そんな天虎の言葉で女性たちは顔を見合わせる。
聖者や聖女に治療をして貰うと多額の治療費がかかる。
能力が高い上位の聖者となれば庶民には到底払えない額に。
それが常識だから、庶民の自分には払えない額なんじゃないかと青ざめたのだけれど。
「次はおかしなのに絡まれないよう気をつけることだ」
「は、はい!ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
本当に治療費を取らず去った親子に二人は放心状態。
聖者らしくない聖者だったと。
「……綺麗な親子だったね」
「うん……綺麗だった」
肌も髪も睫毛すらも真っ白で、瞳だけが金色の親子。
綺麗という表現以外が出てこない。
「お父さんも若いし親子揃ってだから白髪じゃないよね?」
「多分。初めて見たけどそういう体質なんじゃない?」
「連れてた大きな鷹も白かったね」
「うん。衣装と瞳以外は全部白かった」
ぽつりぽつりと会話する二人。
執拗く誘ってくる男性たちを断ったら追いかけられて怖かったけれど、その恐怖心も不思議な親子への興味で吹き飛んだ。
「あ。助けて貰ったのにまた絡まれたら嫌だから行こ?」
「そうだね。パレードも見たいし」
女性たちは立ち上がり衣装をパタパタと払うと路地を出た。
天虎の肩に顔を埋めぎゅうっと抱き着くブランシュ。
路地を暫く歩いて通りに出ると多くのヒト。
それを見て怖くなって必死に抱きついている。
やはり無理だったかとブランシュの背中を撫でる天虎。
私や精霊や妖精が悪さをしている男たちを撃退することで『ヒトの子など恐怖するほどの対象ではない』と教えるつもりであの場にあえて降りたが、ブランシュ一人に撃退されてしまうほどに弱い男たちで全く役に立たなかった。
【先程はあんなに勇ましく男たちを撃退したというのに】
『うん。ありがとう』
【ありがとう?】
『撃退してくれてありがとう』
【ん?】
話が噛み合わずに背中を撫でていた天虎の手が止まる。
【まさか私がやったと思っているのか?】
『違うの?精霊さん?』
それを聞いて自分にビタっと張り付いているブランシュをベリっと剥がした天虎は目を合わせる。
【男たちを撃退したのはお前だ】
『え?』
【ブランシュが風魔法で吹き飛ばした】
『え?』
脇を持たれ身体をぶらんとさせているブランシュはきょとん。
【魔法を使った自覚がないのか?】
『うん』
これはよろしくない。
怒ったことで無自覚に使ってしまったのだろうが、怒りの度合いによっては魔法を暴走させて他人を傷付ける恐れがある。
心が未熟ゆえの暴走。
やはり心を鍛えなければ駄目だ。
怒りや恐怖や悲しみのような負の感情は暴走を起こし易い。
仮に負の感情が芽生えても落ち着いて冷静に対応出来るよう、まずはヒトの子への恐怖心を克服させなければ。
この娘は普通のヒトの子ではない。
大精霊や大自然までが力を貸すほど愛された特異な祝い子。
その特異な存在が力を暴走させればどうなることか。
心優しいブランシュは無自覚に力を暴走させて多くの生命を傷付け命を奪った自分に絶望するだろう。
そうだ。私とブランシュの出会いは偶然ではない。
拾わされたのは、それが私でないと駄目だったから。
あの方の加護を授かった特異な祝い子。
『天虎さん?』
首を傾げるブランシュの声で天虎はハッとする。
【ブランシュ。お前は心を鍛えなければ】
『心を?』
【ああ。祝い子とはみな他のヒトの子にはない特別な力を持っている。使い方を誤ればそれこそ災いを齎す存在になってしまうほどの。だからお前は心が強くなければならない】
祝い子はみな精霊魔法を使えるが、だからと言ってみながみな強い訳ではなく、親和性の高い精霊の種類で強さが変わる。
けれどブランシュは全て。
しかも精霊だけではなく大精霊まで。
全ての大精霊と親和性の高いブランシュが力の使い方を誤ればヒトの子の世界を狂わせる厄災の子になってしまう。
【ブランシュは私の大切な娘だ。心優しく愛らしい娘。だからこそ時には厳しく鍛えなければならない。私の大切な娘が厄災の子となってしまわないように】
そう話して天虎はブランシュを抱きしめる。
ぎゅうっと抱きしめられたブランシュは天虎のその言葉と抱きしめる腕の力強さで改めて自分の危険さを自覚する。
そして自分が力の使い方を誤れば自分を大切にしてくれている天虎のことも苦しめてしまうんだということも。
私がヒトを怖いように、ヒトにとって怖いのは私だ。
『頑張る。心が強くなれるように頑張る』
大好きな天虎さんを苦しめたくない。
だからこそ私は強くならないといけない。
厄災の子にはならない。
互いの決意が固まったところで人々が慌ただしくなる。
「早く行こ。前の方で見たい」
「待って」
天虎とブランシュの前を駆けて行く子供。
バラバラに散らばっていた人たちが道を挟んで集まる。
『なにを見るんだろう』
【皇族のパレードだろう。隣国でもやっていた】
『皇族の』
年の始まりのこの日は王都でパレードが行われる。
帝国、王国、公国と国の種類は多数あるけれど、その国の王や家族が祝いのパレードを行うことが習わし。
【パレードの間は店が空く。今の間に買い物をしよう】
初代と行った隣国でもそうした。
私と同様に彼奴も王と呼ばれる者には興味がなく買い物が目当てだったから。
『パレード見る』
【ん?興味があるのか】
『うん』
【そうか。では少し見よう】
人が少ない間に買い物をした方がブランシュも気持ち的に楽だろうと思ったけれど、パレードに興味があるならば。
ただ皇族が馬車に乗って通るだけで面白味はないけれど。
『お兄さんたちもどこかで見てるのかな?』
【いや、彼奴らは式典会場に居るだろう】
『式典会場?』
【パレードのあとそのまま式典が行われる。貴族は先にそこに集まって皇族の到着を待っているはずだ】
恐らく。
全て彼奴の受け売りだけれど。
ただパレードの人混みに貴族らしき姿を見かけないということはこの国でも大体の流れは同じなのだろう。
【後で少し見に行くか?元気か気にしていただろう?】
『私たちは貴族じゃないよ?』
【見るだけなら庶民も見れる。話をすることは出来ないが】
『そうなんだ。じゃあ元気そうか確認だけ』
【ああ。そうしよう】
貴族は王族の近くまで行くけれど庶民はあくまで群衆。
距離があるから会話はできないけれど、ただ姿を確認する程度のことならできる。
そんな話をしている間にもパレードを見るために集まっている人々が歓声をあげて騒がしくなる。
どうやら皇族を乗せた馬車が来たようだ。
【前に行くか?】
『ううん。見えるから大丈夫』
今居るのは大通りの端。
前には人々が集まって今か今かと待っている。
興味があるなら近くで見せてやろうかと思ったけれど、人混みに入ってまで見たい訳ではないようだ。
ますます歓声が大きくなると馬車の姿が。
連なって走る馬車に向かって人々は手を振っている。
目の前を走る一台目の馬車には冠を被った男女。
『闇の一族オラクル』
立派な衣装を纏い頭に冠を被った男性。
その人物をジッと見るブランシュ。
【ブランシュが読んだ物語の子孫ということになるな】
『うん』
ブランシュが読んだ物語のオラクルは教皇だった。
そのオラクルの子孫が今の皇帝。
【あの時は聞かなかったが神託の内容は何だったんだ?】
『思い出せないの。お兄さんたちに会ったら物語を思い出したから、今回も子孫を見たら思い出せると思ったんだけど』
【もしや帝都に行くと言ったのはそれが理由か?】
『うん。どうして王権が今の皇帝に変わったのかみんな気にしてたでしょ?だから私が思い出せればと思って』
それを聞いて納得した天虎。
自分や一族があの時なぜと話していたから、物語を読んだ自分が思い出せばそのなぜを解決できると考えたのだろう。
【ブランシュは心優しい子だ】
ヒトが怖いというのに私や一族のために。
心優しいブランシュの頬に天虎は口付ける。
私の娘が可愛くて優しくて愛くるしくて困る。
『擽ったいよ』
【耐えろ】
『訓練?耐える』
ブランシュの頬にスリスリする天虎。
訓練と思って擽ったいのを耐えるブランシュ。
天虎の髪を引っ張る妖精。
天虎の頭を啄く精霊。
周囲から見れば大きな白鷹を連れた会話一つない親子。
でも本人たちにとっては賑やかで幸せな時間だった。
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