127 / 344
第十七話「宝石箱と三つ巴の救助作戦について」
嫉妬
しおりを挟む
志度と心視の二人で構成された比乃救出チームは、ミッドウェー島の南部へと回り込んだ。安久や宇佐美達から十分ほど遅れてサンド島へと上陸。そこから北に向かって移動していた。
志度達から見て左側。建物や木々に隠れて見えないが、爆発音や発砲音が断続的に響いているのが聞こえる。また、夜にも関わらず、上がった火の手に照らされた空が明るくなっていた。上官二人は、相当に大暴れしているらしい。志度は戦々恐々とするように、思わず呟く。
「二人とも派手にやってるなぁ……」
それにしても、何機を相手取っているのだろうか、先程から戦闘の止む気配が全く感じられない。心視が若干心配になったのか呟く。
『あと二十分……保つ?』
今回の作戦は敵地に乗り込んでから、迎えの船が来るまでが、とにかく長い。そして、帰還のタイミングが非常にシビアだった。戦闘時間だけでなく、帰りに船まで自力で戻る時間を考慮して戦わなければならない。
長く敵地に船を置いておけないので、仕方のないことであったが、その間に戦闘を続けなければならない囮役の二人へ掛かる負担は、相当の物だろう。しかし、そんな心視の不安の一言に対し、志度は特に気にした様子はなく。気楽そうな口調で
「流石に敵が全滅する方が先だろ、あの二人だぜ?」
『……確かに』
「むしろ、敵を全滅させて暇になったらどうするかを考えた方が有意義だと思うぞ」
そんなことまで言ってのける。それほど、あの二人に寄せる信頼は厚いということだ。そんな軽いやり取りをしながら、二機のTkー7改が島の中心部近くまで移動した時、先行していた志度の機体のセンサーが、人一人分の小さい熱反応を拾い上げた。
何かと思い、そちらにカメラを向けズームする。炎が照らす薄明かりの中、建物の近くからこちらの様子を伺う様にして出てきたのは、松葉杖を付いて、Tkー7改を見上げている、救出対象の姿だった。
「比乃?! 自力で脱出したのか!」
志度が声を上げて心視に通信を入れるよりも早く、心視のTkー7改が降車姿勢を取りながらコクピットハッチを開き、搭乗者は飛び降りるような勢いで装甲の上を駆け降りて行く。
「比乃……!」
松葉杖を片方あげて、こちらに手を振る比乃に、飛びつくように抱きついた。受け止めた側が「おっと」と松葉杖を片方取り落としてしまうが、そんなことも気にしない。
遠くない場所でまた爆発が起き、煙が上がる。すぐ側は戦場であり、ここは敵地のど真ん中だった。しかしそれでも、心視は彼をぎゅっと抱きしめた。もう二度と離したくないとばかりに、涙を浮かべながら、力を込める。
「やぁ心視、久しぶり」
抱き締められた比乃は、困ったように頰を掻いて、とりあえず空いた片腕で心視を抱き締め返した。心視がすすり泣きながら、より一層腕に力を込める。
「迎えに来てくれたんだ」
「うん……」
「そっか、ありがとう」
「心配……した。たくさん……」
「ごめん」
『あー、二人とも、感動の再会はいいんだけど』
そこに、志度が気まずそうに声を掛けたので、比乃は心視をそっと離して、近くにしゃがみ込んだTkー7改に大声で声を掛けた。
「志度もありがと! それで、敵?」
『どういたしましてって、そうそう、反応が一機向かって来てる。心視も早く機体に乗れ……比乃はっと』
そこまで言うと、志度もコクピットから降りて来た。脇に長さ五十センチ程の木箱を抱えている。素早く比乃の元まで駆け寄ると、木箱を開いて見せた。中には履き慣れたいつもの義足。比乃が「おお、僕の足!」と感激して受け取ると、自分達が歩いて来た方を指差した。
「これ履いてここから南に六百メートルの海岸に行け、プレゼント兼帰りの足が置いてある」
「了解、急いで向かうよ」
しかし、こちらに来ている敵は一機……ただの雑兵が単独で来るとは思えない。恐らくは、オーケアノスかステュクスか、ドーリスらの内の誰かだろう。
全員、パイロットとしての技能は勿論のこと、その乗機である水陸両用機も、並みの量産機よりはずっと高性能なはずだ。比乃は、その場で借り物の義足を取り外しながら、急いで機体に戻る二人の背中に向けて忠告する。
「多分こっちに来てるのはAMWもパイロットも桁違いだ、気をつけて!」
すでに機体に滑り込むように乗り込んだ二人のTkー7が、了解したように親指を立てた。
「私たちよりもあんなのがいいんだ……へぇー」
遠くからやり取りを見ていたステュクスは、自分でも不思議に思うくらい、つまらなそうな声色で呟いた。本来であれば、妨害のために攻撃を仕掛ける所だったのだが、足元にどうやって逃げ出したのか、目標である比乃がいてそれができなかった。
それはまぁ、良い。目の前の邪魔な玩具を破壊して、さっさと確保すればいいだけだ。遠くへと走り去って行く比乃を尻目に、彼女は望遠カメラの中で起動した機体、自衛隊のTkー7を見やる。
(それにしても、あの金髪頭……)
あの時、狙撃されて壊された愛銃のこともそうだし、同じ狙撃手として負けたことに対する腹立だしさもある。だが、それとはまた別に、目標と抱き合っていたのを見たら、何故だか無性にイライラした。
それはもう私たちの物だ。だと言うのに、あいつらはそれを横取りしようとしている。そんな感情が、少女の胸内で渦巻いていた。
数日間、共に居ただけの間柄だと言うのに、そんな比乃と心視たちに向けて抱いたこの感情をなんと呼ぶのか、幼い彼女はまだ知らなかった。
「……感動の再会は済んだかしら?」
ステュクスは機体を跳躍させ、構えを取った二機の前に降り立つと、スピーカーをオンにして挑発する。言いながら、機体のリミッターを解除。これはオーケアノス以外が使用することは禁じられていたが、今回は特別だ。
「この間はよくもやってくれたじゃない、先生には無理するなって言われてるけど、私」
そして二機が短筒を取り出したのとほぼ同時に、機体を真正面から突撃させ――
「借りはすぐ返さないと気が済まないのよね!」
それを構えるよりも速く、大鷲のように広げられたクローアームが、両方の短筒を切り裂いた。
志度達から見て左側。建物や木々に隠れて見えないが、爆発音や発砲音が断続的に響いているのが聞こえる。また、夜にも関わらず、上がった火の手に照らされた空が明るくなっていた。上官二人は、相当に大暴れしているらしい。志度は戦々恐々とするように、思わず呟く。
「二人とも派手にやってるなぁ……」
それにしても、何機を相手取っているのだろうか、先程から戦闘の止む気配が全く感じられない。心視が若干心配になったのか呟く。
『あと二十分……保つ?』
今回の作戦は敵地に乗り込んでから、迎えの船が来るまでが、とにかく長い。そして、帰還のタイミングが非常にシビアだった。戦闘時間だけでなく、帰りに船まで自力で戻る時間を考慮して戦わなければならない。
長く敵地に船を置いておけないので、仕方のないことであったが、その間に戦闘を続けなければならない囮役の二人へ掛かる負担は、相当の物だろう。しかし、そんな心視の不安の一言に対し、志度は特に気にした様子はなく。気楽そうな口調で
「流石に敵が全滅する方が先だろ、あの二人だぜ?」
『……確かに』
「むしろ、敵を全滅させて暇になったらどうするかを考えた方が有意義だと思うぞ」
そんなことまで言ってのける。それほど、あの二人に寄せる信頼は厚いということだ。そんな軽いやり取りをしながら、二機のTkー7改が島の中心部近くまで移動した時、先行していた志度の機体のセンサーが、人一人分の小さい熱反応を拾い上げた。
何かと思い、そちらにカメラを向けズームする。炎が照らす薄明かりの中、建物の近くからこちらの様子を伺う様にして出てきたのは、松葉杖を付いて、Tkー7改を見上げている、救出対象の姿だった。
「比乃?! 自力で脱出したのか!」
志度が声を上げて心視に通信を入れるよりも早く、心視のTkー7改が降車姿勢を取りながらコクピットハッチを開き、搭乗者は飛び降りるような勢いで装甲の上を駆け降りて行く。
「比乃……!」
松葉杖を片方あげて、こちらに手を振る比乃に、飛びつくように抱きついた。受け止めた側が「おっと」と松葉杖を片方取り落としてしまうが、そんなことも気にしない。
遠くない場所でまた爆発が起き、煙が上がる。すぐ側は戦場であり、ここは敵地のど真ん中だった。しかしそれでも、心視は彼をぎゅっと抱きしめた。もう二度と離したくないとばかりに、涙を浮かべながら、力を込める。
「やぁ心視、久しぶり」
抱き締められた比乃は、困ったように頰を掻いて、とりあえず空いた片腕で心視を抱き締め返した。心視がすすり泣きながら、より一層腕に力を込める。
「迎えに来てくれたんだ」
「うん……」
「そっか、ありがとう」
「心配……した。たくさん……」
「ごめん」
『あー、二人とも、感動の再会はいいんだけど』
そこに、志度が気まずそうに声を掛けたので、比乃は心視をそっと離して、近くにしゃがみ込んだTkー7改に大声で声を掛けた。
「志度もありがと! それで、敵?」
『どういたしましてって、そうそう、反応が一機向かって来てる。心視も早く機体に乗れ……比乃はっと』
そこまで言うと、志度もコクピットから降りて来た。脇に長さ五十センチ程の木箱を抱えている。素早く比乃の元まで駆け寄ると、木箱を開いて見せた。中には履き慣れたいつもの義足。比乃が「おお、僕の足!」と感激して受け取ると、自分達が歩いて来た方を指差した。
「これ履いてここから南に六百メートルの海岸に行け、プレゼント兼帰りの足が置いてある」
「了解、急いで向かうよ」
しかし、こちらに来ている敵は一機……ただの雑兵が単独で来るとは思えない。恐らくは、オーケアノスかステュクスか、ドーリスらの内の誰かだろう。
全員、パイロットとしての技能は勿論のこと、その乗機である水陸両用機も、並みの量産機よりはずっと高性能なはずだ。比乃は、その場で借り物の義足を取り外しながら、急いで機体に戻る二人の背中に向けて忠告する。
「多分こっちに来てるのはAMWもパイロットも桁違いだ、気をつけて!」
すでに機体に滑り込むように乗り込んだ二人のTkー7が、了解したように親指を立てた。
「私たちよりもあんなのがいいんだ……へぇー」
遠くからやり取りを見ていたステュクスは、自分でも不思議に思うくらい、つまらなそうな声色で呟いた。本来であれば、妨害のために攻撃を仕掛ける所だったのだが、足元にどうやって逃げ出したのか、目標である比乃がいてそれができなかった。
それはまぁ、良い。目の前の邪魔な玩具を破壊して、さっさと確保すればいいだけだ。遠くへと走り去って行く比乃を尻目に、彼女は望遠カメラの中で起動した機体、自衛隊のTkー7を見やる。
(それにしても、あの金髪頭……)
あの時、狙撃されて壊された愛銃のこともそうだし、同じ狙撃手として負けたことに対する腹立だしさもある。だが、それとはまた別に、目標と抱き合っていたのを見たら、何故だか無性にイライラした。
それはもう私たちの物だ。だと言うのに、あいつらはそれを横取りしようとしている。そんな感情が、少女の胸内で渦巻いていた。
数日間、共に居ただけの間柄だと言うのに、そんな比乃と心視たちに向けて抱いたこの感情をなんと呼ぶのか、幼い彼女はまだ知らなかった。
「……感動の再会は済んだかしら?」
ステュクスは機体を跳躍させ、構えを取った二機の前に降り立つと、スピーカーをオンにして挑発する。言いながら、機体のリミッターを解除。これはオーケアノス以外が使用することは禁じられていたが、今回は特別だ。
「この間はよくもやってくれたじゃない、先生には無理するなって言われてるけど、私」
そして二機が短筒を取り出したのとほぼ同時に、機体を真正面から突撃させ――
「借りはすぐ返さないと気が済まないのよね!」
それを構えるよりも速く、大鷲のように広げられたクローアームが、両方の短筒を切り裂いた。
0
あなたにおすすめの小説
強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。
きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕!
突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。
そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?)
異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
蒼穹の裏方
Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜
KeyBow
ファンタジー
1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。
各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。
ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。
その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。
彼らは通称カーヴァント。
カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。
カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。
しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。
また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。
探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。
つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。
数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。
月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。
彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。
そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。
勿論二世だ。
斗枡が持っている最大の能力はカード合成。
それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。
彼はその程度の認識だった。
実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。
単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。
つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。
また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。
斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?
女子が自然と彼の取り巻きに!
彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる