召喚された聖女の兄は、どうやら只者ではないらしい

荷稲 まこと

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1巻

1-3

「いった~~~い……」

 思考を停止し、遠くの池を見やる。先ほどの一撃では、魔人を仕留めることはできなかったようだ。奴は池から起き上がり、頬を押さえて俯いている。

「このボクのかわいい顔を殴るだなんて、信じらんない……。せっかくお友達になってあげようと思ってたのに……」

 ぶつぶつと怨嗟えんさの言葉を吐く魔人は、怒りで周りが見えていないらしい。俺にかけていた術が解けたことに気がついていない。……好機だ。静かに剣を抜き、脚に身体強化の魔法をかける。

「もういいや。〈魅了〉が効かないなら、ボクが直々にぐちゃぐちゃに引き裂いて……ッ!? ぎゃあッ!!」

 一瞬の内に間合いを詰め、大きく剣を振り下ろす。魔人の肩から腰まで走った切り口から、黒い魔素がにじみ出た。……やはり、簡単にはやられてくれないか。真っ二つにするつもりが、瞬時に体を引かれてしまった。長引かせるほど、勝機は減る。意識をすぐに、次の手へ。

「おまえぇ……いつの間に……ッ! がああぁッ!!」

 振り下ろした力をそのままに、体を回転。振り向きざまに頭部に一刀。狙うのは、厄介なその瞳。切っ先に硬い感触。躊躇ためらわずに振り抜いて、頭蓋を断つ。
 今回は深く入り、魔人は再び池に倒れた。

「くそッ……お前、〈魅了チャーム〉が効いたふりをしてたのか? 卑怯な手……使いやがってぇ……」

 頭部がぱっくり割れているくせに、まだ喋れるとは。しかし、流石に動けはしないのだろう。放っておいても消滅しそうだが、それは気の毒か。浅い池に浮かんだままの魔人を見下ろし、その胸の中心に剣を突きつける。

「いや、たしかに効いていたぞ。途中で切れたがな。なんにせよ、〈魅了〉なんぞ使うやからに卑怯だなんだと言われる筋合いはない」
「はっ……。ほんっと、かわいくない……」

 最期まで悪態をつく魔人の胸に、一突き。突いたそこから大量の羽虫が飛び立つようにもやが噴き出し、奴は空気と同化して消えた。柘榴ざくろいしに似た大きな魔石だけを、池の中に残して。

「隊長!」

 魔人の消滅により、無事に他の隊員たちも意識を取り戻したらしい。困惑した様子で辺りを見回している皆の中から、いっとう焦った顔をしたレプレが飛び出してきた。

「あいつ……魔人は!?」
「倒した。シローのおかげだ」

 剣を鞘に納め、今回の功労者の方へ顔を向ける。シローは魔人と戦うつもりだったのだろう。行き場をなくした拳が、いまだに強く握られている。

「シロー、お前がいなければ、俺たちは全滅していただろう。ありがとう、助かった。お前はもう、立派な第三隊の一員だ。隊長の俺が認めよう」
「……!! いえ、俺も隊長……や、この隊の役に立てたのなら、光栄です」
「まじかよシロ~~! お前、やるじゃん!!」
「ちょ……痛いですよ、レプレさん!」

 レプレがシローの背をばしばしと叩き、シローは嫌がる素振りをしながら、それでもはにかんでいる。微笑ましいその光景にほっとして、俺もぽんぽんとシローの頭を撫でた。隊員たちも、やっと状況を理解したのだろう。肩の力を抜き、各々おのおの雑談している。……誰も死なずに済んで、よかった。


「そうだ、シロー。気になったことがあるんだが」
「はい?」

 残りの魔石を回収し、帰還の準備をしている最中。ふと思い出した疑問をシローに投げかけた。

「ジジイはわかるが、ショタとはなんだ?」
「え゛っ……さっきの会話、どこまで聞こえて……?」

 シローはぎくりと体を強張らせている。……聞かれてはまずい話をしていたのか?

「いや、そこだけだが……」
「そうですか……。隊長は知らなくていい言葉ですよ」

 そのまま彼は顔を逸らした。釈然としないが、これ以上は追及しないでおこう。あの時のシローは普段に比べ、随分と荒々しい口調だった。今も突き放されてしまったし、彼と俺……俺たちの間には、まだ厚い壁があるのだろう。つきん、と微かに胸が痛んだ。……おや、疲れでも出たか? 最近動悸どうきもよく起こるからな。医師にてもらった方がいいかもしれない。
 浅緑の森を抜け、帰路の途にく。俺は最後尾で、談笑を交わしながら歩く隊員たちを見ていた。一人ずつ名前を思い浮かべ、もう一度誰一人欠けていないことを確認する。その中心でひょこひょこ揺れる、黒い髪。初めは除け者にされていた彼も、今回の任務ですっかり馴染なじんだのだろう。よかったな、と心の中で告げ、視線を逸らす。俺は、あそこには入れない。とうの昔からそうだったのに、今日は少しだけ寂しさを思い出してしまった。


   ◇◇◇


 こつこつこつ、と無機質な壁に囲われた廊下を進む。ここは魔法士たちの研究施設、通称『極夜の塔』。そのあまりの大きさによって、常に周囲が薄暗くかげるためにそう呼ばれている。騎士にはあまり縁のないこの場所に来た目的はもちろん、シローが持っていると思われる特殊な能力スキルについて鑑定士に聞くため。一つは〈魅了〉を弾いたこと。もう一つは……俺の調子を狂わせる謎の状態異常のことだ。
 やたらと長い螺旋らせん階段をのぼる途中、灰色のローブをきっちり着込んだ魔法士たちとすれ違った。彼らは目線も合わせず、軽く会釈をする。無愛想な態度だが、彼らは誰にでもそうだ。研究以外に興味はない、という変わり者が多い。多分、すれ違ったのが誰かすら認識していないと思う。だから、俺はこの場所が結構好きだ。
 目的の部屋に辿り着き、扉を三度叩く。すると、ぎぃっと音を立てて、ひとりでに扉が開いた。

「珍しいね、レオがここに来るなんて。久しぶり。元気にしてた?」

 ガラクタで散らかった部屋の奥、人一人余裕で寝転がることができそうなほど大きな机に向かっている、深い紫色の長髪をゆるく三つ編みにした糸目の男。彼がこの部屋の主、そして俺の友人でもある、ソロン・ニュイだ。彼は自称不良魔法士なので、大きめのローブをだるっと着こなし、『衣服は灰色以外着用してはならない』という極夜の塔の規定も破って、ローブを腰で縛っている二本の紐の内、一本を若葉色の物にしている。何故、彼がそんな自由を許されているかというと、それは彼が他称天才魔法士だからだ。

「ああ、元気だ。それより聞きたいことがある。聖女の兄についてだ」
「もう、相変わらずつれないね。たまに会う友人と談笑を楽しもうとか思わないの?」
「談笑と称して、また妙な実験に巻き込む気だろう?」
「やだなぁ。毎回は、そんなことしないよ」

 元々細い目を更に細めて、けらけらとソロンは笑った。ほとんど毎回、何かしら仕掛けてくるくせに。

「お茶くらい出すよ。適当に座って」

 ソロンは俺を二人掛けのソファに座るよう促し、自分も向いの席に座った。彼がすいっと人差し指を振ると、執事が茶の準備をし始める。執事といっても、それはソロンが作った魔導人形。彼が今熱心に研究しているもので、まだ一つの人形につき一つの命令しか刻めないらしい。首から下は人間そのものだが、何故か頭部がウサギだ。

「……お前は相変わらず、悪趣味だな」
「なんで? かわいいじゃない、ウサギ」

 ……最近似たようなやからに会ったな。「ネズミちゃん」と言う甲高い声が聞こえた気がしたが、頭を振って打ち消した。

「それで……聖女のお兄さんについて、だっけ?」

 膝の上で頬杖をついたソロンが言う。

「その彼、今は第三隊にいるんでしょう? 僕よりレオの方が詳しいんじゃない?」
「俺が聞きたいのは、彼の能力スキルについてだ。〈鑑定〉したのはお前だろう?」

 ソロンはいつも妙ちきりんな魔導具開発にいそしんでいるが、本業は鑑定士。しかも、この国一番の腕だ。

「それはそうだけど……。鑑定士には守秘義務があるの、知ってるでしょう? いくらレオにでも、全部は話せないなぁ」

 鑑定内容は個人情報。本人が許可しない限り、鑑定士はその内容を他人に開示してはいけない。国を揺るがすほどの内容……例えば『聖女』の称号などは、本人の否応に関わらず、国に報告する必要があるが。シローにあらかじめ承諾を得てくれば済む話ではあったものの、その場合本人も立ち合わなければならない。本人の目の前で「この男に何か妙な術をかけられているかもしれない」などと言うのは躊躇ためらわれたのだ。
 ウサギ執事のれた茶に砂糖を五つ入れ、スプーンで掻き混ぜながら、ソロンは困っている風の顔をした。風、というのは、目が笑っているからだ。全部は言えないから、一部気になるところだけ聞き出せ、ということだろう。この男は大人しそうに見えて、ずる賢いというか、なんというか。自分で自分を不良と言うだけのことはある。

「では、聞き方を変える。彼には精神状態異常魔法が効かないようなんだ。理由を知っているか?」

 そう尋ねると、何故かソロンは不思議そうに首を傾げた。

「なんだ、そんなこと。うん、彼には〈不屈の精神〉っていう初めて見る常時発動タイプの能力スキルがあったよ。精神状態異常魔法を全て弾くみたい。おかしいな、聞いてなかったの?」
「聞く? 誰に」
「宰相に。あのお兄さん、魔王討伐隊について行きたいって言ってたでしょ? 戦いに有用な能力だと思って、伝えておいたんだけど」
「チッ……あのタヌキ……」

 あの男、やっぱり黙っていやがった。魔力のこともそうだが、こんな大事なことを伝え忘れるだなんて。ここまで来ると、わざととしか思えない。
 ソロンも宰相の嫌がらせに気がついたのか、苦い顔をしている。

「有用性を理解してなくて、本当に忘れてた可能性もあるけどね。現場に出ない人間なんて、そんなものだよ。精神状態異常を使う敵って限られてくるし。……あ、でもつい先日会ったんだっけ?」
「耳が早いな。夢魔の魔人だ」
「へぇ、珍しい! サキュバス? インキュバス?」
「知らん。見た目は少年だったぞ」
「ええ、どっちでもありなやつ。見てみたかったなぁ」

 ソロンはほわわわ~という効果音が似合いそうな笑みを浮かべている。知的好奇心が刺激されている時の顔だ。「見てみたい」じゃなくて「実験してみたい」が正しいのだろうが、突っ込むと藪蛇やぶへびな気がするので、黙っておく。

「で? もしかして、その魔人をあのお兄さんが一人で討ち取ったわけ?」
「いや。彼がきっかけを作って、俺がとどめを刺した。彼以外全員〈魅了〉にかけられたんだが、俺は途中で目が覚めたんだ」
「え、なんで?」

 ソロンの瞳が輝いた。……嫌な予感がする。しかし、ここで黙ればもっと面倒なことになるだろう。白状するしかない。

「魔人に遭遇する前に彼が転移酔いを起こして、魔力循環の手伝いをしたんだ。その時、俺に多少なりとも彼の魔力が移っていたんだろう」
「なるほどね。ふぅん……常時発動タイプの能力スキルが魔力譲渡で一時的に移る仮説、本当みたいだね。……ねえ」

 予感が的中した。ソロンに向けて、真っ直ぐに手のひらを突き出す。『断固拒否』の意思表示だ。

「実験になら付き合わないぞ」
「まだ何も言ってないじゃない。まあいいよ。そっちは僕の分野じゃないし、検証も面倒臭そう」

 それよりも夢魔の魔石がほしいなあ、と言いながら、彼は執事に新しい茶を注がせた。諦めてくれてよかった。こいつは没頭すると、しつこい。
 一つ目の謎は解明された。では、次だ。

「もう一つ聞きたい。逆に、シローに状態異常系の能力スキルはなかったか?」
「ん? それはないね。もしあったら国に報告しなきゃいけないし。なんで?」
「いや……その…………」

 話を切り出したはいいものの、何と説明するべきか言葉に詰まる。それに、言われてみれば状態異常魔法はその危険さゆえに、報告義務があったのだった。魔法だと思い込んでいたのに、これでは振り出しだ。

「歯切れが悪いね。なになに、面白い話?」

 わくわくとした様子でソロンは身を乗り出している。魔法ではないのなら、魔法士の彼に相談するのもお門違かどちがいな気もしてきた。しかし、他に頼れる者もいない。相談するだけしてみるか……

「面白くはないが……その、なんだ。シローと話をしていると、胸の辺りがもぞもぞとする時があってな……」
「………………へぇ?」

 いやに返事に間がいた。やはり俺はおかしなことを言っているのだろうか。

「どうぞ、続けて?」
「あ、ああ……」

 しかし、ソロンが椅子にきっちりと座り直し、真面目な顔をして続きを促したため、今まで自分に起こった理解不能な事象を洗いざらい話した。その間、彼は「ほぉ」だとか「ふむ」だとか、簡単な相槌あいづちしか打たなかったが、至極真剣な様子で聞いてくれた。

「そう、そうか……そんなことが……」

 ソロンは口元を手で覆い、俯いてぼそぼそと何か言っている。俺の想像以上にまずいことが起きているのだろうか。不安になりながら彼の考察の結果をじっと待っていると、ふと、その肩が震えていることに気がついた。こいつまさか……笑っているのか?

「……おい」

 短くなじるように声をかけると、やっとソロンは顔を上げた。その顔は何故か、満面の笑みだ。

「おめでとう……ッ!!」
「はあ?」

 おめでとう? 何が?

「どんな美男美女にもなびかない、ハクアイシュギの権化とまで言われた君もついに……!」

 感激したようにソロンは言って、ぱちぱちぱち、と手を叩いている。

なびかない? ハク……なんだって?」
「君は気づいてすらいなかったんだけどね。まあ、この際過去のことなど、どうでもいい! 君もようやく……いや、皆まで言うまい。これは君が自分で気づくべきことだッ!!」
「え? あ、ああ……」 

 何をそんなに興奮しているのだろう。言っていることは半分もわからないのだが、あまりの迫力に圧倒されて、頷くことしかできなかった。

「実はちょっと心配していたんだよ。もしかして君、アレが不能なのかなあ、とかね」
「アレ?」
「……通じてないね。そういうところも含めて、心配なんだ。育ちのわりに、擦れてないっていうかさ。でもまあ、今まで知らなかったことは、これから知っていけばいいんだから」

 ソロンはうんうん、と一人納得した様子で頷いている。できれば俺にもわかるように説明してほしいものだ。結局、原因は何なんだ?

「状態異常とか、病気とかでは……」
「ないない! あ、でもある意味、病? そういう表現もあるね。でも大丈夫! 悪いものじゃあないから!」
「そ、そうか……?」

 悪いものじゃないなら、いい……のか? 不安は残るが、彼を信じるしかあるまい。
 ソロンは喋り続けて疲れたのか、茶をゆっくりと飲むと、ほう……と息を吐き出した。

「幼なじみとしては、君の成長に感無量だよ」
「幼なじみって……。俺たちが出会ったのは、成人してからだったろう」
「……言葉のあや、だよ。幼なじみレベルでなかよしじゃない、僕たち」
「そうか?」
「ちょっと! そこは肯定するところでしょう!」

 ソロンは椅子から立ち上がり、ぷう、と頬を膨らませた。口ではああ言ったが、彼の快活な性格は俺も気に入っている。調子に乗るから、言わないが。
 ソロンの膨れっつらが面白くてくつくつと笑っていると、まあいいけどね、と彼はため息をついた。それからローテーブルを回って俺の隣に割り込んで座り、内緒話をするように声を落とす。

「……役に立つかどうかはわからないけど、お兄さんについて一つ情報をあげよう」
「守秘義務とやらはいいのか?」
「ほとんど意味がわからなかったから、大丈夫でしょう、多分。宰相にも話してない、とっておきの情報だよ」

 意味がわからないのにとっておき、とは。しかし、あの宰相も知らない情報なら、どんな些細ささいなことでも知っておきたい。今度は俺たちが、奴を出し抜けるように。こく、と一度頷くと、ソロンは静かに話し始めた。

「彼の能力スキルじゃなくて、称号についてなんだけどね。たくさんあって。たしか『聖女の兄』『カラテクロオビ』『モトウラバンチョウ』『シャチク』……だったかな。『聖女の兄』以外、意味がわからないでしょう? 異世界の言葉だろうね。それで、もう一つ何かがあるんだけど……これがどうしても読めなかった」
「読めなかった?」
「そう、読めなかったんだよ。もう一つある、ということはわかるんだけどね。不思議じゃない? それ以外の異世界の言葉は、意味はわからないけど読めたのに」
「……何か、隠された称号があるということか?」
「多分ね。今までこんなことなかったから、はっきりとは言えないのだけど」

 ソロンに読めないのなら、この国の誰にも読むことはできないだろう。シローの謎を解き明かそうとして、また一つ謎が増えてしまった。
 ソロンは更に続けて言う。

「〈不屈の精神〉って能力スキルもさ、妙なんだよ。ある特定の状態異常にあらがう能力は他にもあるんだけど、そういうのは大体、経験によって習得するものなんだ。例えば……微量の毒を毎日摂取し続けて得られる〈毒無効アンチ・ポイズン〉とかね。それでも誰しもが得られるわけじゃない。なのに、精神状態異常を全無効だよ? どんな人生歩んできたら、そうなるのさ。彼の元々の性格が頑強なのかもしれないけど」

 頭を殴られたような衝撃で、俺は何も言えなかった。すごい能力だな、と呑気に関心していい話ではないじゃないか。

「聖女の兄……か。結構ぞんざいに扱われているけど、実は只者ではないのかも、ね」

 ぼす、とソロンはソファに背を預けた。

「……そうだな」

 俺は膝に肘をつく。無邪気に笑うこともあるが、いつも無表情のシローの姿が思い出された。ぼろぼろになっても訓練を続けていた時のことも。あの精神力は、過去と関係しているのだろうか。目元を隠していることも。

「……彼のことを、もっと知りたいな」
「ふぅ~ん?」

 先ほどまではひどく真剣な顔をしていたのに、ソロンはまたにまにまと口元を緩め、俯いた俺の顔を覗き込んできた。

「……何が面白い」
「べっつに~? 隊長様は新人隊員にご執心しゅうしんなんだなぁって思っただけ」
揶揄からかうな。……あ。もしかして、その読めない称号と俺の謎の症状は関係が」
「それはない。それだけは、絶対に、ない」

 なかなかいい仮説だと思ったのに、食い気味に否定されてしまった。むう……

「それについては魔法うんぬん、異世界人うんぬんは置いておいて。まず! きちんと自分自身と向き合ってみなさい。これは忠告です」
「はあ」
「僕は応援しているからね! ……ちょうどいい、お迎えが来たみたいだよ」

 ソロンがそう言った直後、部屋の扉が叩かれた。それを、彼はまた魔法で開ける。外にいたのはシローだった。噂をすればなんとやらだが……何故ここに? しかもどことなく、不機嫌な雰囲気を纏っている。

「失礼します。レオナルド隊長、お迎えにあがりました」
「シロー、どうしたんだ? 何かあったのか?」
「僕が伝達魔法で呼んだんだよ。お宅の隊長が仕事もせずに油売ってますよーって」

 ソロンが俺の肩にしなだれかかるようにのしかかり、意地悪そうに言った。いつの間にそんなことを……ああ、ぼそぼそ言っていた時か? 伝達魔法は高度な魔法で、使える人間は限られている。その魔法を片手間に、しかも雑用に使うこいつには、驚きを通り越して呆れてしまうな。
 その困った友人に重い、と文句を言っていると、ギリギリッと変な音が扉の方から聞こえた。何の音かとそちらを見るも、澄まし顔のシローが立っているだけだ。不思議に思いつつも、ソロンの体を押し返し、立ち上がる。

「言っておくが、ちゃんと休憩時間に来ていた」
「はいはい。どちらにせよ、もう用は済んだでしょう? 僕も忙しいんだ。帰った帰った!」

 ソロンも一緒に立ち上がり、ぐいぐいと俺の背を押す。そんな追い出すみたいに、と不満に思いながらも大人しく出口に向かっていると、今度はぐいっと力強く右腕を後ろに引かれた。上体が傾いた俺の耳元に、ソロンがぶつかりそうなほど顔を近づける。

「さっき教えたこと、余所よそで言いふらさないでね。僕が叱られるから。……お兄さんと仲よくね」

 ソロンはそう耳打ちすると、素早く体を離してにっこりと微笑んだ。

「またいつでも遊びに来てよ」
「帰れと言ったり、来いと言ったり……忙しい奴だな」

 ひらひらと手を振る彼に、俺も振り返そうと手を上げかけた時、背後でバキィッとまたしても妙な音が聞こえた。慌てて振り返ると、何故かシローが拳を壁に打ちつけている。

「……シロー、どうしたんだ?」
「いえ、何も」

 いつもとなんら変わらない調子で彼は答えたが、突然壁を殴るだなんて明らかな奇行だ。

「何もないようには見えないのだが……」
「虫が、いました。ええ、そうです。虫がいたんです。とっても、邪魔な、虫が」

 凄みのある声でシローは言った。それに反応したソロンが、俺の後ろからひょっこりと顔を出す。

「虫? やっつけてくれたの? ありがとー」
「……ええ。虫はもう一匹、でかいのがいるんですが……今日は、見逃してやることにします」
「へぇ。優しいんだねぇ?」

 ……何故だろうか。戦場のような切迫した空気が流れている。シローからにじみ出ているのは、まごうことなく殺気。それをにこにこと見ているソロンも異様だが……。こいつら、そんなに虫が嫌いなのか?
 その空気に圧倒されて沈黙していると、不意にシローが微笑んでこちらを見た。

「隊長、帰りましょう」
「あ、ああ」

 言うが早いかドアノブに手をかけているシローの後を急いで追い、半身だけ振り返ってソロンに手を振る。

「ソロン、じゃあな」
「うん、またね。シローくんも、頑張ってね~」

 何を応援しているのだろう。ああ、虫退治か。虫にも善し悪しがあることを教えてやるべきかな。

「……失礼します」

 ぶっきらぼうに短く挨拶をしたシローと共に、ソロンの研究室を出た。

「先ほどの方と、随分と親しいようですね」

 部屋を出てすぐ、俺の隣を歩くシローが前を見据えたままそう口にした。俺が親しいと言える相手はソロンが唯一なので、素直に頷く。

「ああ。あいつが鑑定士としてこの塔に来たのと、俺が騎士団に入団したのが同時期でな。年齢としも同じで、何かとあいつが絡んできたんだ」
「…………そうですか」

 シローの声は暗く、不機嫌さが増しているように感じる。彼とソロンは〈鑑定〉の際に会っているはずなのだが。もしかして、その時に何かあったのか? 無自覚に失礼なことを言うソロンの姿が目に浮かぶ。悪気はないんだろうが、時々鋭い言葉で刺してくるからな。
 そんな妄想で苦笑いをしていると、シローがやや乱暴に俺の右頬を彼の親指で拭った。

「急にどうした?」
「汚れていたので」
「そうか、ありがとう」

 ソロンの部屋は散らかっているから、何か汚れに触れたのだろう。指摘するだけでなく、わざわざ拭き取ってくれるとは、親切だな。


「なんだなんだ。ちょっとけしかけてやろうと思っただけなのに。ふふ、面白くなってきたぞ」

 その時、ソロンが扉の陰から俺たちのことをにやにやと見ていたことを俺が知ったのは、かなり先の未来のことだった。



   朝霞士狼の手記(抜粋)二


 明日、俺は初めて魔物の討伐任務に参加する。少し怖い。田舎いなかに住んでいたから、イノシシやサルくらいは見たことがある。あれだって怖いんだ。魔物なら尚更なおさら。だから、任務を伝えられた時に正直な気持ちを答えると、なんと隊長がついてきてくれることになった。俺に何かあれば、責任を取ってくれるらしい。俺が想像した責任の取り方じゃないのはわかっているけど、ついにやけてしまった。隊長はそれを、副隊長のことを笑ったと勘違いしてくれたみたいだけど……危なかった。隊長の前だと、油断したらすぐ口元が緩みそうになる。変な奴だと思われたくないから、できるだけ無表情を保っているのに……。言葉遣いにもかなり気をつけている。少しでもよく見られたい。その一心だ。
 明日の任務でも、情けない姿は見せられない。早く寝て、万全の状態で向かおう。


   ◇◇◇


 この世界に来た時、まるでゲームの世界だ、と思った記憶があるけど、本当にそうなのかもしれない。魔物討伐で、その説が濃厚になった。魔物は倒すと、黒いもやになって消滅する。そして、魔石と、たまに角などの素材を落とす。都合がよすぎる。まるでドロップアイテムだ。召喚された聖女とそのパーティが魔王を倒す。そういうよくあるファンタジーゲームの世界なのかもしれない。
 元々、不思議に思っていた。石造りの建物が並ぶ中世ヨーロッパ風の街並みに、現代の洗濯機や水洗トイレなどが存在することとか。それらは全て魔導具だけど、見た目は元の世界の物と酷似している。食べ物は欧米諸国の料理がごちゃ混ぜで、その中にしれっとナポリタンやドリアまであった。そこまであるならカレーもくれよ。なんでカレーはないんだよ、くそが。
 話がれた。
 よくよく考えてみれば、重さや長さの単位も日本と同じで、なんとなく文化もちぐはぐ。日本人が細部までこだわらずに作ったB級ゲームの世界……そう考えるとしっくりくる。
 しかし、仮にゲームの世界だからといって、気を緩めてはいけない。魔境から出てきた魔物は、足りない魔素の代わりに人間を喰らうのだ、と先輩隊員が教えてくれた。魔物の死体は消えるけど、拳に残る生々しい感覚までは消えない。ここは、現実。リトライはできないんだ。


 一角鼠の討伐後に、魔人と呼ばれる敵と遭遇した。ぴったぴたの黒い服は胸部と局部しか隠してないし、そんなに露出度が高いくせに、脚だけはニーハイで太腿まで覆っていた。背中には小さなコウモリのような羽。尻には先が三角になった細長い尻尾。どっからどう見ても淫魔いんまだった。そのくそ淫魔いんまが、隊長のことを「悪くはないけどかわいくない」とか「趣味が悪い」とか好き勝手なことを言いやがって、気づいたら後先考えずにぶん殴っていた。
 最終的に、淫魔いんまは隊長によって倒された。たったの二撃でだ。長い髪と隊服の裾がひるがえり、くるりと舞を踊るような剣技。綺麗だった。隊長はかわいくて、かっこよくて、綺麗。控えめに言っても最高だ。淫魔いんまも、自分が間違っていたと今際いまわきわで気づいたことだろう。


 最大の敵は、帰還してから現れた。
 その敵の名はソロン・ニュイ。俺と妹のステータスを調べた鑑定士だ。思えば、第一印象から最悪だった。胡散臭うさんくさいキツネ顔で「あれぇ。君、加護ないねぇ。やっぱり少女じゃないから? それとも、女神様も見落としちゃったのかな。君、地味だもんねぇ」だなんて言いやがった。あの時もしばいてやろうかと思ったのを堪えてやったのに、今度は隊長にベタベタベタベタと! 挙句にはほっぺにちゅーまで……! 許すまじ、ソロン・ニュイ。この借りは必ず返す。必ずだ……!
 あと、俺には〈不屈の精神〉とかいう能力スキルがあると聞いた。精神状態異常を起こす魔法は俺には効かないそうだ。だから、淫魔いんまの〈魅了〉が効かなかったのか。隊長は「経験で得た能力らしい」と微妙に悲しそうな顔で俺に伝えたのだけど、もしかして、俺が過去にすげえ悲惨な目に遭ったと思っているんだろうか? いやいやいや。元々の性格が太々ふてぶてしいだけだろう。……歳の離れた妹を一人で守ろうと思ったら、気持ちを強く持つしかなかっただけだ。
 ヨーコ、元気かな。何度か王城に足を運んでいるけど、一度も会わせてもらえない。俺のことを忘れるくらい充実した日々を送っているなら、それはそれでいいんだけど。あいつは頑張り屋だからなあ。頑張りすぎてないか、兄ちゃんは心配だ。


 追記
 隊長の新しい情報。手を握っただけで赤くなるほどの初心うぶだということが判明した。恥ずかしさのドキドキを好意のドキドキにすり替えさせるため、じわじわ接触を増やしてみようと思う。……俺は卑怯だろうか。でも恥ずかしがる顔も俺だけに向けてほしいって思うんだから、仕方がない。



   第三章 聖女とそのパーティメンバー


 古いインクの匂いがする本をパラパラとめくる。蔵書数は言わずもがな、敷地面積も王国一の王立図書館。ここならば、シローのように召喚に巻き込まれた例や、隠された称号について手がかりを見つけられるのでは、と考えていた。……が、六冊目の本を閉じ、小さく息をつく。読んだ本はどれも聖女とそのパーティがいかに素晴らしいかをたたえる内容だった。歴史書というより物語だ。魔王に関する記述さえ曖昧あいまいで、まったく役に立たない。
 時間の無駄だった。本を棚に返し、次に貸し出し可能の棚へ向かう。図鑑がまとめて置かれている一角で魔物図鑑を探して、数冊を手に取った。シローが魔物について知りたいと言っていたから、どれかを借りていこう。第三隊の基地にも魔物の資料はあるが、絵心のある隊員がおらず、文字しか書かれていない。やはり絵があった方が、外見を正しく把握できていいだろう。一番絵が綺麗な物を選び、カウンターへ持っていく。
 カウンターの中では数人の司書が談笑をしていたが、俺が前に立った途端、ぴたりと静まった。気にせず、一番近いところにいる男に本を差し出す。

「これを借りたいのですが」
「……申し訳ありませんが、貸し出しが可能なのは、ルシナリア国の貴族の方のみです。あなたには貸し出せません」

 司書の男は、視線も合わせずにそう言った。魔導具が打ち出したような、平坦な声だ。

「……俺は」
「皆まで言わずとも結構。あなたのような下品な髪色の貴族は見たことがありませんから。いえ、平民にもいませんね。国外から来られたのですか?」

 くすくす、と他の司書たちが笑っている。彩度が高く茶が混じっていない赤髪は、この国には俺だけ。これは母由来のもので、母はこの国の人間ではない。更に平民だ。俺はランテ前辺境伯の庶子。現辺境伯は、俺の腹違いの兄だ。
 この国では、例えば第一子が爵位を継いだ場合、第二子以下は貴族ではなくなるのだが、騎士や文官、聖職者になった場合だけ、一代限りだが家名をそのままに騎士爵、準男爵相応の身分として扱われる。役職が上がるほど相応する爵位も上がり、功績を認められれば爵位自体を得られることもある。平民にはこの制度は適応されず、貴族として扱われるには功績を残すしかない。……滅多に認められることはないが。高官になることすら、ほとんどない。
 俺は庶子とはいえ、家名を名乗ることを許されている。それでいて隊長だから、子爵相応の身分だ。今日も隊服を着ているし、階級章もついている。仮に俺のことを知らなかったとしても、その服装だけで貴族とわかるはず。つまり、彼らが俺の貸し出しを認めないのは……単なる嫌がらせだ。

「わかりました。結構です」

 本をカウンターに置いたまま、司書たちに背を向ける。背後から聞こえる笑い声が一層大きくなった。みじめな俺を嘲笑あざわらって楽しんでいるのだろう。最近、この手の嫌がらせが激化してきたように思う。今更応えはしないが、活動が徐々に制限されていくのはやはり窮屈だ。
 図鑑は今度、エジリオにでも借りてきてもらおう。最初からそうすればよかった。いよいよ俺がシローにしてやれることなど、何もないな。そのことだけが、少し胸を痛ませる。しかし、できないことをぐだぐだと嘆いたところで、どうしようもない。今日はこれから、騎士団長のもとへ定期報告に行かねばならないのだ。まばたき一つで切り替えて、ぐっと口角を上げた。

感想 19

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これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。 ボクの名前は、クリストファー。 突然だけど、ボクには前世の記憶がある。 ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て 「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」 と思い出したのだ。 あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。 そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの! そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ! しかも、モブ。 繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ! ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。 どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ! ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。 その理由の第一は、ビジュアル! 夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。 涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!! イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー! ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ! 当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。 ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた! そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。 でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。 ジルベスターは優しい人なんだって。 あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの! なのに誰もそれを理解しようとしなかった。 そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!! ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。 なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。 でも何をしてもジルベスターは断罪された。 ボクはこの世界で大声で叫ぶ。 ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ! ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ! 最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ! ※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております) ⭐︎⭐︎⭐︎ ご拝読頂きありがとうございます! コメント、エール、いいねお待ちしております♡ 「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中! 連載続いておりますので、そちらもぜひ♡

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

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フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

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