ひーくんは今日も気づかない

宇治ノ宮レルフィ

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ep.3 今日も今日とて

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バンッッ!!!!!


「ちょおおおおっとひーくん??!!!」





「うわっビックリした!なんだよ夏葵なつき!」



この時間は運動部総会をしているはずの夏葵が、ただならぬ剣幕で入ってきたので驚き、思わず椅子から転げ落ちそうになった。





「ねぇひーくん!おっぱいのおっぱい鷲掴みにして揉みしだいたってほんと??!」




おっぱいのおっぱいって…

あぁ、桐生のことだろうか。

きっとこの間のことを誰かにでも聞いたんだろう。





「あれは事故で…」



「事故で揉みしだいたの?!揉み倒したの?!!」



「も…!手が当たっただけだって!」





「ふーん…」




夏葵は"学園の向日葵ひまわり"なんて言われていて、確かに人当たりもよく気さくで場を明るくする天才だと思うが…



実は短気で怒りやすい。



本人は特に隠してる様子はなさそうだが何故皆気づかないんだろうか…?









「な、成瀬さん、今の話しは本当ですの…?」


「あーまあ胸に触れたってところは…」


「そ、そうですのね…」



話に割って入った西園寺さいおんじ項垂うなだれた。




「やはり大きい方が好みなのかしら…」ポソッ




「え、なんて?」


「な、なんでもありませんわ!」



今大きさが何とかって言ってなかったか…?上手く聞き取れなかったが…


ロリ美少女なんて言われてるから大人っぽい桐生と比べて気になるのだろうか…?








「会長…巨乳好き…」



雪城ゆきしろが怪訝けげんそうな顔をしてこちらを見てきた。




「え?!」




「いえ、別に。」フイッ



普段はポーカーフェイスで有名だが、生徒会室にいる彼女は、全然"氷"などではない。


ふとした時俺のことを軽蔑けいべつしたような表情をよくする。






はあ、ポーカーフェイス崩す程俺嫌われてるのか…







桐生もあれから全然生徒会室に来ないし、、







学園で人気者の彼女たちに嫌われるのは正直こたえる。。












「ところでさ、ひーくん今年の夏休みもうちの店手伝いに来てくれるの?」



重い空気を感じ取ったのか夏葵が明るく話し出した。




「あぁ、一応父さんのショーの手伝いが落ち着いたら行こうと思ってるよ。」



「ひーくんパパ今年も凄そう!私も見に行くね!」





うちの家系は代々芸術家の家系で、曽祖父は絵画、祖父は陶芸の才能に長けていて、特に父の3Dマッピングを生かした最先端のショーが今注目を浴びている。


父は常に海外ばかり飛び回っていて、夏と冬にだけ日本でショーをやる為帰ってくる。


なのであまり一緒に過ごした記憶はないが、祖父がいつも可愛がってくれていたので特に寂しいと思ったことは無い。




祖父の作る焼き物は、その繊細さと奇抜さが相まった独特な作風が評判で、色んな老舗しにせ料理店や旅館から注文がひっきりなしに入る程の腕前だ。


この街きっての老舗蕎麦屋の夏葵の祖父も、祖父の焼き物を気に入り、昔からずっとお得意様でいてくれている。


俺が小一の時たまたまその蕎麦屋に常連として通っている祖父と行った時に、店に遊びに来ていた夏葵と出会った。




最初はうるさい生意気な奴くらいにしか思ってなかったが、祖父同士がどんどん仲良くなるにつれ会う機会も増え、今じゃ夏休みは店の手伝いを頼まれる程夏葵や日向家とは深い関係になった。









「成瀬さんのお父様のショーはわたくしもも両親とよく拝見させて頂いていますわ。昨年ラスベガスで行われたものは噴水とのコラボレーションがとても素敵で感慨深かんがいぶかいものがありました…」




西園寺はどうやらうちの父のファンらしく、ショーを思い出したのか頬に手を当てふぅとため息を付いた。







「…私も会長の家系図は...もう頭に入ってます。私の家にも成瀬家の絵画は飾ってありますから...。」


雪城がじっと西園寺を見つめながら話した。





家系図…がちょっと気になるが、、


どうやら2人ともうちのことはよく知っていてくれてるみたいだ。











ガチャッ


「みんな久しぶり、ごめんねなかなか来れなくて!」



走ってきたのか少し息遣いが乱れた桐生が生徒会室に入ってきた。



あれ以来だから、1週間ぶりくらいか?




そう思うと1週間来なかっただけでかなり久しぶりに感じる程、頻繁に生徒会室に来ているのがよく分かる。




「桐生、、その…久しぶりだな」「おっぱい…別に待ってない」プイッ




食い気味で夏葵がまた絡み出した。







「日向ちーん、いつも酷いよお。」




ヘラッと笑った桐生と目が合い、俺は咄嗟とっさに下を向いてしまった。





気まずい…



友達もそんなに多い方ではないし、普段は会長としての威厳いげんで皆と話せてはいるが…


気を張っていないと何を話したら良いか分からない程俺はコミュ障だ………





コミュ障を少しでも治そうと思って生徒会長になったのに…これじゃ何も変わってないじゃないか…!!!









しばらく沈黙が続く…



こういう時に限って夏葵は話さないし…

俺がコミュ障なのを知っていて助けないつもりだな…





「仁聖くん、久しぶり!今日も話し聞いてくれる?」




俺の様子を見かねてか、桐生がこちらに歩み寄り話し掛けてくれた。





「あ、ああ!今日は何か変わった様子あったか?」







「ぶー!」



その様子を夏葵が何故か面白く無さそうに見てくる。







「ねぇ、さっきからおっぱいさ、ひーくんに近くない?!」



「え?そ、そうかな?普通に向かい合って話してるだけだよ?」




「こら夏葵!すぐ桐生に絡むなって!」


俺はまたいつもの光景が始まり、呆れ気味にため息をついて手のひらで顔をおおった。






「ひーくんがおっぱいのこと庇ったあーーー!!!!」


「会長…巨乳好き…」


「成瀬さん…まだ懲りてなかったんですか?」


「ちょっとちょっと!みんな私の事どんな目で見てるのー?!」












「ちょ、お前ら本当に黙って!!!」


またいつもの喧嘩が始まりそうになり、俺は牽制けんせいする為、顔を覆っていた手を勢いよく振り下ろした。













むにゅっ



「…っ!!!」



この包み込まれる感覚は………










桐生の顔が真っ赤になり今度は涙目になった。














「会長変態…巨乳マニア…」「成瀬さん最低ですわ!」「仁聖くんもうしないでって言ったのに…」「ひっ!ひーくんのバカァアアアア!!!!」





バチーーーーーンッッ







何故か夏葵にビンタされ俺はその勢いで後ろに吹っ飛んだ。




流石はバレー部キャプテン…威力が違う。。。



















「わ…わざとじゃないってー!!!」












床に倒れ込んだ俺を4人がさげすんだ顔で見下ろしてきた…















どうやら今日も俺は更に嫌われてしまったらしい。。。。

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