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文化祭 準備
学習ボランティア 絵里視点
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磯山学園に着いて、通されたのは食堂兼多目的室という感じに見える広い部屋。
6人座れるテーブルがたくさん並んでいて、小上がりになったところは畳になっている。
簡単に挨拶をしあって、テーブル席に着いた。
教えるのは国語か算数と聞いていたけれど、1人の女の子が英語の絵本を持ってきていた。
外国人か私と同じ混血児だ。雰囲気として南米系を思わせた。まだ3、4年生くらいかなと思ったけれど、1年生と聞いて驚いた。
(…私もあんな感じだったのかも。)
日本人よりは大柄に見える外国人は多いから、私もよく2、3学年は上に見られていた。
「エミリーは日本語話せないんだよ。」
と側にいた子が教えてくれた。
「What do you usually do?」
英語で話しかけてみた。
「I have to talk with my body and hand gestures. 」
と丁寧に返ってきた。
「OK.would you like to read tha this book?」
「No .I want to talk about books with everyone」
わかった。
「良いよ。やろう!」
あえて日本語で話した。伝わるように笑顔を込めて。
「おいで。」
テーブルの隣の椅子をポンポンと叩いた。
いつもはどうしているのか聞いたら身振りや手振りで話さなければいけないと。
本が読みたいのではなく、みんなと本のお話がしたいと。
本のストーリーは簡単だ。
ひとりぼっちの象が仲間を探すお話。
身体が大きいせいでなかなか友達が出来ない。
もしかしたらエミリーは自分を象と重ね合わせているのかもしれない。
同じ大きな耳があるよとウサギに問いかけて、足は同じ4本だよ、と白猫に問いかけて…。
そのうち兎と猫も友達になる、同じ白い毛をしているから。
最後には森に住む動物達がみんな友達になる。
良いお話だ。
「えっと、ひとりぼっちはaloneね。」
そうやって単語ひとつひとつをノートに訳していく。
「ひとりぼっち。言ってみて。」
「ヒトォリブオッチィ」
「ブオじゃないよ、ボ!」
「ヒトォリボォッチィ」
「うん、上手。」
ひとつひとつ訳していく。
ひらがなでひとりぼっち、アルファベットでHITORIBOTTI そしてalone。
横にいつのまにか先生が付いていた。
先生も真剣な顔だ。
最後にエミリーは片言だったけれど、日本語で本を読んだ。
「モリ…二 ヒトォリボォッチィー ノ ゾォー ガァ イィマシタァ…。」
ヤバイ、泣きそうだ。
そして一緒に訳していた先生は既に泣いている。
真剣な顔でエミリーはノートを見ながら本を読んでいき、絵里は絵本を子供達に見せながらページをめくった。
子供達が真剣に息を止めてエミリーと本を見つめている。
エミリーがひとつ文を読むたびに、うんうん、と子供達が首を縦に振っていった。
「…コォシテ ゾォー ワァ ヒトォリボォッチィー デェハ ナクナリ マシタァー。」
大きな拍手が起きた。
…もうダメだ。
破顔したエミリーの顔を見たらたまらなくなった。
ええい!泣きたい時は泣いてしまえ!
6人座れるテーブルがたくさん並んでいて、小上がりになったところは畳になっている。
簡単に挨拶をしあって、テーブル席に着いた。
教えるのは国語か算数と聞いていたけれど、1人の女の子が英語の絵本を持ってきていた。
外国人か私と同じ混血児だ。雰囲気として南米系を思わせた。まだ3、4年生くらいかなと思ったけれど、1年生と聞いて驚いた。
(…私もあんな感じだったのかも。)
日本人よりは大柄に見える外国人は多いから、私もよく2、3学年は上に見られていた。
「エミリーは日本語話せないんだよ。」
と側にいた子が教えてくれた。
「What do you usually do?」
英語で話しかけてみた。
「I have to talk with my body and hand gestures. 」
と丁寧に返ってきた。
「OK.would you like to read tha this book?」
「No .I want to talk about books with everyone」
わかった。
「良いよ。やろう!」
あえて日本語で話した。伝わるように笑顔を込めて。
「おいで。」
テーブルの隣の椅子をポンポンと叩いた。
いつもはどうしているのか聞いたら身振りや手振りで話さなければいけないと。
本が読みたいのではなく、みんなと本のお話がしたいと。
本のストーリーは簡単だ。
ひとりぼっちの象が仲間を探すお話。
身体が大きいせいでなかなか友達が出来ない。
もしかしたらエミリーは自分を象と重ね合わせているのかもしれない。
同じ大きな耳があるよとウサギに問いかけて、足は同じ4本だよ、と白猫に問いかけて…。
そのうち兎と猫も友達になる、同じ白い毛をしているから。
最後には森に住む動物達がみんな友達になる。
良いお話だ。
「えっと、ひとりぼっちはaloneね。」
そうやって単語ひとつひとつをノートに訳していく。
「ひとりぼっち。言ってみて。」
「ヒトォリブオッチィ」
「ブオじゃないよ、ボ!」
「ヒトォリボォッチィ」
「うん、上手。」
ひとつひとつ訳していく。
ひらがなでひとりぼっち、アルファベットでHITORIBOTTI そしてalone。
横にいつのまにか先生が付いていた。
先生も真剣な顔だ。
最後にエミリーは片言だったけれど、日本語で本を読んだ。
「モリ…二 ヒトォリボォッチィー ノ ゾォー ガァ イィマシタァ…。」
ヤバイ、泣きそうだ。
そして一緒に訳していた先生は既に泣いている。
真剣な顔でエミリーはノートを見ながら本を読んでいき、絵里は絵本を子供達に見せながらページをめくった。
子供達が真剣に息を止めてエミリーと本を見つめている。
エミリーがひとつ文を読むたびに、うんうん、と子供達が首を縦に振っていった。
「…コォシテ ゾォー ワァ ヒトォリボォッチィー デェハ ナクナリ マシタァー。」
大きな拍手が起きた。
…もうダメだ。
破顔したエミリーの顔を見たらたまらなくなった。
ええい!泣きたい時は泣いてしまえ!
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