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紡がれた永遠の物語
新しい後と共に…
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それから夏が過ぎて、冬が過ぎて、暖かい春が来る頃。
シャルロとエルファの間に、可愛い男の子が産まれた。
第一皇子としてアルスと名づけられた。
シャルロと同じ丸顔で、エルファと同じ金色の髪をしている。
「可愛いですね」
アルスを抱っこして喜んでいるシャルロ。
「男の子はとっても元気よ。これからが楽しみだわ」
アルスを覗いて、セシレーヌが微笑んでいる。
「エルファ。どんどん子供、産んでいいわよ」
「え? 」
「私は、心臓移植をしている関係で。医師から1人しか産めないって言われたの。シャルロを産むときも、冷や冷やしてて大変だったわ。だから、貴女には沢山子供を産んでほしいって思っているの。でも、そんな大家族を望んでいるって言事じゃなくてね。姉弟っているといいじゃない? シャルロも、ミディスがいたから良かったのよ」
「そうですね」
「子供は神様からの授かりものですからね。受け取れるだけ、受け取るといいですよ」
ジュニアールも満足そうに笑っている。
アルスを囲んで、とっても幸せそう。
暖かい太陽が輝いている。
春がやって来た今日この頃。
アルスを抱いて中庭にやって来た、シャルロとエルファ。
「随分暖かくなってきたわね」
「もう、春ですね」
「何だか、あっという間に春になってしまった感じ」
「そうですね。バタバタしてましたからね」
「ええ。でも、良かった。この子を産むことができて」
シャルロはアルスの頬に触れた。
「この子は、僕とエルファを選んで来てくれたんですよ」
「え? 」
「ずっと探していたって、言っています。…200年もかかったようですよ」
「200年? 」
「ええ。やっと見つけて、お母さんが酷い事されて可哀想だから、早くお父さんに会わせなくちゃって思ったそうです」
「…そう…」
スヤスヤと眠っているアルスを見て、エルファはとても嬉しそうに微笑んだ。
「この子も、僕とエルファを紡いでくれたのです。あの夜に、僕とエルファが出会ったのも。この子がちゃんと導いてくれたようです」
「やっぱり子供は、神様からの授かりものなのね」
暖かい太陽に光が差してきて、シャルロとエルファとアルスを照らしてくれている。
アルスが産まれてから半年経過した頃。
エルファの下に悲報が届いた。
警察病院に隔離されていたフィーネが亡くなったのだ。
フィーネがあれからずっと、警察病院に隔離されていた。
障害罪など重なっていたが、精神的異常をきたす事から裁くことが出来ず警察の管理の元病院に隔離されていた。
初めは暴れたり錯乱したりと大変だったフィーネだが、次第に大人しくなりただ笑うだけの日々で言葉を発する事がなくなっていた。
毎日ただ笑っているだけのフィーネは、穏やかな表情になり誰の事も思い出す事がなくなっていた。
自分の事も分からないフィーネ。
亡くなる前の日は「ごめんなさい…エルファ…」と呟いていたそうだ。
翌日、朝の回診に医師が病室を訪ねると眠るように亡くなっているフィーネがいたそうだ。
傍には多量の飲み薬が散らかっていて、フィーネが看護師の目を盗んで薬を盗み出し持って来て自分で飲んだとみなされていた。
多量に飲んでいたのは睡眠薬で、フィーネは幸せそうな表情をして眠るように亡くなっていたと医師が証言している。
遺体はペリロッドが引き取り、継母と同じお墓に埋葬した。
葬儀はペリロッドがひっそり行い、エルファには連絡しなかった。
フィーネの悲報を聞いて、エルファは心を痛めていた。
そんなエルファをシャルロはそっと寄り添い慰めていた。
エルファを苦しめていたフィーネはもういない・・・。
エルファがフィーネから受けた傷は、もうすっかり癒えて消えていた。
肉体の傷が消えても、暫くは心の傷は消えなかった。
でも、シャルロの暖かい優しさと、ジュニアールとセシレーヌの支えがあり、ようやく心の傷も消えて行った。
あの縁談をシャルロが受けてくれなければ、今のエルファはいなかったかもしれない。
シャルロの直感で感じた魂の想いで紡がれた愛。
お互いが名乗らなくても、惹かれ合った魂。
そして新しい命が紡がれてアルスが産まれた。
政略結婚から始まった結婚だったが、今ではとても幸せな愛が育った素敵な政略結婚。
命を紡いで愛を紡ぐグリーンピアトの伝説に、素敵な政略結婚も加えられた今日この頃である。
END
シャルロとエルファの間に、可愛い男の子が産まれた。
第一皇子としてアルスと名づけられた。
シャルロと同じ丸顔で、エルファと同じ金色の髪をしている。
「可愛いですね」
アルスを抱っこして喜んでいるシャルロ。
「男の子はとっても元気よ。これからが楽しみだわ」
アルスを覗いて、セシレーヌが微笑んでいる。
「エルファ。どんどん子供、産んでいいわよ」
「え? 」
「私は、心臓移植をしている関係で。医師から1人しか産めないって言われたの。シャルロを産むときも、冷や冷やしてて大変だったわ。だから、貴女には沢山子供を産んでほしいって思っているの。でも、そんな大家族を望んでいるって言事じゃなくてね。姉弟っているといいじゃない? シャルロも、ミディスがいたから良かったのよ」
「そうですね」
「子供は神様からの授かりものですからね。受け取れるだけ、受け取るといいですよ」
ジュニアールも満足そうに笑っている。
アルスを囲んで、とっても幸せそう。
暖かい太陽が輝いている。
春がやって来た今日この頃。
アルスを抱いて中庭にやって来た、シャルロとエルファ。
「随分暖かくなってきたわね」
「もう、春ですね」
「何だか、あっという間に春になってしまった感じ」
「そうですね。バタバタしてましたからね」
「ええ。でも、良かった。この子を産むことができて」
シャルロはアルスの頬に触れた。
「この子は、僕とエルファを選んで来てくれたんですよ」
「え? 」
「ずっと探していたって、言っています。…200年もかかったようですよ」
「200年? 」
「ええ。やっと見つけて、お母さんが酷い事されて可哀想だから、早くお父さんに会わせなくちゃって思ったそうです」
「…そう…」
スヤスヤと眠っているアルスを見て、エルファはとても嬉しそうに微笑んだ。
「この子も、僕とエルファを紡いでくれたのです。あの夜に、僕とエルファが出会ったのも。この子がちゃんと導いてくれたようです」
「やっぱり子供は、神様からの授かりものなのね」
暖かい太陽に光が差してきて、シャルロとエルファとアルスを照らしてくれている。
アルスが産まれてから半年経過した頃。
エルファの下に悲報が届いた。
警察病院に隔離されていたフィーネが亡くなったのだ。
フィーネがあれからずっと、警察病院に隔離されていた。
障害罪など重なっていたが、精神的異常をきたす事から裁くことが出来ず警察の管理の元病院に隔離されていた。
初めは暴れたり錯乱したりと大変だったフィーネだが、次第に大人しくなりただ笑うだけの日々で言葉を発する事がなくなっていた。
毎日ただ笑っているだけのフィーネは、穏やかな表情になり誰の事も思い出す事がなくなっていた。
自分の事も分からないフィーネ。
亡くなる前の日は「ごめんなさい…エルファ…」と呟いていたそうだ。
翌日、朝の回診に医師が病室を訪ねると眠るように亡くなっているフィーネがいたそうだ。
傍には多量の飲み薬が散らかっていて、フィーネが看護師の目を盗んで薬を盗み出し持って来て自分で飲んだとみなされていた。
多量に飲んでいたのは睡眠薬で、フィーネは幸せそうな表情をして眠るように亡くなっていたと医師が証言している。
遺体はペリロッドが引き取り、継母と同じお墓に埋葬した。
葬儀はペリロッドがひっそり行い、エルファには連絡しなかった。
フィーネの悲報を聞いて、エルファは心を痛めていた。
そんなエルファをシャルロはそっと寄り添い慰めていた。
エルファを苦しめていたフィーネはもういない・・・。
エルファがフィーネから受けた傷は、もうすっかり癒えて消えていた。
肉体の傷が消えても、暫くは心の傷は消えなかった。
でも、シャルロの暖かい優しさと、ジュニアールとセシレーヌの支えがあり、ようやく心の傷も消えて行った。
あの縁談をシャルロが受けてくれなければ、今のエルファはいなかったかもしれない。
シャルロの直感で感じた魂の想いで紡がれた愛。
お互いが名乗らなくても、惹かれ合った魂。
そして新しい命が紡がれてアルスが産まれた。
政略結婚から始まった結婚だったが、今ではとても幸せな愛が育った素敵な政略結婚。
命を紡いで愛を紡ぐグリーンピアトの伝説に、素敵な政略結婚も加えられた今日この頃である。
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