名門魔術師を騙る詐欺師一族の三男は、ワザと不器用なフリをして狙い通り勘当されハンターになるが、なぜかメイドがついてきてエロエロな生活を送る

なつきコイン

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第9話 鉱山都市サード

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 鉱山都市サード、ここでは様々な鉱石が産出されるが、その中でも産出量が多いのが魔鉱石である。魔鉱石は精製されて魔石とされ様々な魔道具のエネルギー源として利用されている。

 サードには、魔鉱石が産出される坑道が複数存在しているが、そこで働いているのは鉱夫でなくハンターである。
 なぜ、そうなっているかというと、魔鉱石の採掘が一般的な鉱石の採掘方法と異なり、魔獣が使われているからであった。

 魔獣は、魔石を体内に持つ凶暴な獣で、こいつらは、魔鉱石を食べて、体の中の魔石を育てていく性質がある。つまり、魔獣は体内で魔鉱石を魔石に精製しているのだ。
 その性質を利用すれば、坑道に穴掘りが得意な魔獣を放し、一定期間閉じ込めておくことにより、魔獣が勝手に坑道を広げ、魔鉱石を食べて、体内に大きな魔石を持つ魔獣に育つというわけだ。
 そして、魔石が適度な大きさになったところで、ハンターを坑道に入れ、魔獣を狩り、魔石を採取していく。いわば、魔獣牧場といえるかもしれない。

 列車で鉱山都市サードに到着したボクは、メイドのミキと鉱山ギルドに向かっていた。そこでハンターの登録をしなければ魔鉱石の坑道には入れない。

「マレック様、本当によろしいのですか?」
「昨日も言ったけど、身体強化魔法が使えるから大丈夫だよ」

「いえ、ハンターの件でなく、アリサ様の件ですが」
「今は説明しても信じてもらえないし、たまたま同じ列車に乗っただけなのだから、無理して関係改善を図る必要はないだろう」

 アリサには、ボクがアートランク伯爵の三男だとバレて嫌われてしまった。
 同じハンターをすると言っていたから、今後も顔を合わせる機会があるかもしれないが、邪魔をされなければ問題ないだろう。

「そうですか、わかりました」
 ミキは寂しそうにそう返事をした。アリサたちと仲良くなっていたから無理もない。ボクも本音をいえば、また仲良くしたいと思っている。

 駅から歩いて十分、鉱山ギルドに辿り着くと、正面入り口から中に入り、ハンター登録の窓口に向かった。

「すみません、ハンター登録したいのですが」
 ボクは窓口で中のお姉さんに声をかける。

「お二人ですか?」
「いえ、ボク一人です」
 魔物狩りにミキを連れて行くつもりはないので、登録するのはボク一人でいい。

「私はポーターの登録をお願いします」
「え!」
 ミキが突然ポーターに登録すると言い出した。そんなこと聞いていなかったのだが……。

「マレック様、坑道に入るのにポーターは必要ですよ。他の方を雇うくらいなら私がやります。荷物持ちはメイドの仕事ですから」
 確かに、ポーターは雇わなければと思っていたが、ミキを危険に晒したくない。

「危険だからミキには留守番していてほしいのだけど」
「危険があるならマレック様も行ってはダメです。マレック様はお強いから私が一緒でも大丈夫ですよね」
 そう言われると返事に困ってしまう。ミキが一緒でも安全な所だけにすれば問題ないか。
 坑道はいくつもあり、中に放されている魔獣の種類によって危険度が変わってくる。

「わかったよ」
 ボクは渋々ミキのポーター登録に同意する。

「それでは、ハンターとポーターの登録でよろしいですね」
「はい、それでお願いします」

「では、それぞれ、こちらの書類をお読みになって同意されるようならサインをお願いします」
 窓口のお姉さんから渡された書類には禁止行為や免責事項などが書かれていた。
 ボクたちはそれに同意のサインをしてお姉さんに返す。

 お姉さんはそれを受け取ると、サインを確認して印を押した。
「それでは、こちらが書類の控えと、こちらが登録証になります。登録証の再発行は有料になりますから、なくさないようにしてくださいね」
「わかりました」

「それと、こちらが坑道開放の予定表になります。書類にもありましたが、怪我をしても自己責任ですから、実力以上の坑道に入ろうとせず、計画的に行動するようにしてくださいね」
「わかりました」

「こちらは鉱山ギルド提携店の案内になります。宿泊施設や武器屋などが載っていますから是非ご利用ください」
「ありがとうございます」

 ハンター登録が終わったら、次に、宿泊場所を探さなければと思っていたので早速使わせてもらおう。

 ということで、ハンター登録が終わったボクたちは、鉱山ギルド提携のホテルに部屋を取ったのだが、同じことを考える人はいるもので、しばらく会いたくない人にホテルの部屋の前で出くわしてしまった。

「あっ!」
「チッ。よりにもよって隣の部屋ですか」

「アリサ、あの……」
「話しかけないでくれますか」
 それだけ言って、アリサは隣の部屋に入っていったのだった。

「マレック様、どうされます?」
 ミキにそう言われても、今アリサの部屋を訪ねる気にはなれない。それにアリサも会ってはくれないだろう。
「予定どおり買い物に行こう」

 ボクたちは魔獣狩りに必要な物を揃えるために買い物に出た。

「まずは武器屋ですかね」
「そうだね。武器と防具は揃えないわけにはいかないよね」
 でも、そのためのお金は全てミキ頼りだ。なんとも情けない状況だ。

「私も槍を買おうかと思うのですが」
「槍? ポーターだからナイフを持つくらいでいいんじゃないのか?」

「メイドですから、ナイフは常に持っていますが」
 そう言ってミキはスカートの中からナイフを取り出したが、メイドはみんな持ってる物なのか?

「槍なら杖の代わりになるかと思いまして」
「杖の代わりね……。それならいいんじゃないかな」
 坑道の中は坂もあるだろうし、杖のサイズの槍なら邪魔になることもないだろう。
 何より、それを買うお金はミキのものだ。買うなとは言い難い。

「そうですか、ありがとうございます」
 お礼を言われても、ボクが買ってあげるわけではないのだが……。

「リュックと携帯食も必要でしょうね」
「そうだね……。泊まるわけじゃないから、テントも寝袋もいらないし、バッグでも十分だと思うけど、でも、背負えた方が楽だろうからリュックの方がいいだろうね」

「テントを張らないのですか?」
「日帰りの予定だからね」

「日帰りでも、テントを張る場合はありますよね」
「それはあるかもしれないけど……」
 今回、テントを持って行く気はないけど。

「マレック様がテントを張るなら私に任せてください。巧みに素早く処理して見せますから」
「そ、そう。じゃあ、その時はお願いするね」
 ミキはキャンプに詳しいのだろうか? 随分とテントにこだわりがあるようだが。

 必要な物を買い揃えて、夕食を済ませてからホテルに戻る。
 明日は早速魔獣狩りに挑戦する予定だ。今夜は早めに寝ることにしよう。

 ボクがベッドに入ると、なぜか、他にベッドがあるのに、アリサが断りもなくボクのベッドに入ってくるのだが?

「アリサ、なんでボクのベッドに入ってくるの?」
「え? ダメですか?」

「いや、ダメということはないけど……」
「それならいいですよね」
 それならいいのか? まあ、昨日も一緒に寝たんだし、別に大丈夫か。
 今日もミキがアロマキャンドルを用意したようだ。
 甘い匂いに包まれて、ボクは甘い夢に引き込まれていった。

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