20 / 33
【20】嫉妬!?王子と聖女の恋人事情
しおりを挟む
しばらく抱きしめ合った後、王子は熱を帯びた視線で俺を見つめ、そっと頰に触れた。
「ルセル……もし君さえ良ければ……僕は君と結ばれたい」
「えっ……!?」
突然のことに心臓が高鳴り、頭の中が真っ白になる。結ばれるって、まさか……。俺は信じられない思いで、目の前の王子を見つめた。王子は真剣な眼差しで続ける。
「君とひとつになりたいんだ」
「……っ!」
間違いじゃない。やっぱりそういう意味だ。頬に触れる王子の手が少しだけ震えていて、その緊張が伝わってくる。
男同士でそんなことをするなんて、以前の俺なら考えもしないことだった。でも、今は――。
「お、俺も、アルティスとひとつに……なりたいです……」
俺は彼の手に自分の手を重ね、王子の目をまっすぐ見つめ返す。心臓がドキドキし過ぎて爆発しそうだ。
「ルセル……!」
王子の幸せそうな笑顔に、自然と俺も笑みがこぼれる。しかし、その瞬間、ふと不安がよぎった。
「あの、アルティス……」
声を出したものの、続けるべきか迷って言葉が詰まる。そんな俺の様子に、彼の瞳が不安そうに揺れるのが見えた。
「どうしたの、ルセル?」
彼の優しい声に促され、意を決してもう一度口を開く。
「その……アルティスは、誰かとこういうことしたこと……あるんですか?」
俺の声は少し震えていた。こんなにも素敵な王子に、今まで特別な相手がいなかったなんてこと、あるはずがない。もしかして経験豊富だったりしたら、俺みたいな男が相手では幻滅するのではないか……。自分だけが初めてで、何も知らないのも恥ずかしい。
そう思って聞いてしまったが、こんな質問をして、王子を不快にさせてしまっただろうか。不安が胸に広がる。
恐る恐る王子を見ると、驚いたように目を見開いていた。だが、すぐに小さな微笑みを浮かべる。
「ないよ。王子は聖女と結ばれることが決まっているから、それ以外の人と関わることは禁止されているんだ」
「えっ……」
思わず驚きの声が漏れてしまった。まさか、そんな理由があったなんて。
「本当に……? 今まで誰とも……?」
半信半疑で再度確認すると、王子は優しく微笑んでうなずいた。
「本当だよ、ルセル。君が初めてだ」
その言葉が胸に響き、嬉しさと照れくささが混じり合った温かい感覚に包まれる。自分が彼の初めての相手……その事実が信じられないほど嬉しい。
しかし同時に、俺が王子の相手で本当にいいのかという不安も湧き上がってきた。
「……俺なんかで、本当にいいんですか? 待ちに待った聖女が、俺で……」
俺がそう言うと、王子は俺の手を優しく包み込むように握りしめる。
「ルセル、君が選ばれたのは運命なんだ。僕は、君で本当に良かったと思っている。君じゃなきゃダメなんだ」
その真っ直ぐな言葉に、心がじんわりと温かくなるのを感じた。彼の優しさと誠実さが、俺の不安を解きほぐしていく。
「……ありがとうございます」
静かにそう返すと、王子はしばらく黙っていたが、ふと険しい表情を浮かべた。
「ところで、ルセル。君こそ、初めてなんだろうね?」
その言葉にはわずかに嫉妬の色が含まれていて、俺は驚く。
「え? もちろん……」
「本当だね? 君が他の誰かとこんなことをしていたなんて考えたくもないんだ」
王子の真剣な表情に、俺は思わず吹き出しそうになってしまった。
「何言ってるんですか、そんな心配いりませんよ。俺も……アルティスが初めてです」
自分で言った瞬間、急に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じる。王子も一瞬驚いたように目を見開いたが、次第に頬が少し赤く染まっていった。
「……本当に僕が、初めて?」
王子が照れたような声で聞き返してくる。その表情が普段の凛々しい姿とは違い、なんだか可愛らしく見えて、俺もまたさらに恥ずかしくなってしまった。
「そ、そうですよ……」
小声で答え、一瞬視線を交わしたが、すぐにお互い目を逸らしてしまう。照れくささが増すばかりで、何を言えばいいのか分からない。
しばらく照れたまま、気まずい空気が流れたが、不意に王子が深く息をつくのが聞こえた。俺の方を見ると安堵したように微笑み、そっと手を伸ばしてくる。
「良かった……本当に安心したよ」
王子は心底ほっとしたようにそう言うと、俺を優しく抱きしめてきた。胸が温かく満たされる感覚に包まれる。王子の温もりが心地いい。
気づけば、俺は無意識に彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめ返していた。王子への愛おしさが溢れてたまらない。
すると王子も、俺をさらに強く抱きしめ返してきた。その力強さに、胸の鼓動が早まる。ドキドキと響く音が、自分でもはっきり聞こえるくらいだ。
「あ、あの、アルティス……!」
恥ずかしくなってきた俺は、一度王子から離れようとした。だが、王子は俺を強く抱きしめたまま、離そうとしない。
「もう……我慢できないんだ……」
王子は熱っぽい声で囁いてくる。その声と吐息が耳にかかり、胸がますます高鳴った。
そして、そのまま抱きかかえられたかと思うと、ベッドに押し倒されてしまう。
「え!? ま、待ってください……」
俺は慌てて抵抗しようとした。王子の気持ちは嬉しいけれど、まだ心の準備ができていない。今ここでそんなことをされたら、本当にどうにかなってしまう……。焦る気持ちが高まるが、王子は全くその手を止めてくれなかった。
「君が欲しいんだ……ルセル」
王子が熱のこもった眼差しで俺を見つめる。その視線が絡みつくようで、俺の胸の奥がぎゅっと締め付けられた。心臓が早鐘のように打ち始めて、呼吸さえままならなくなる。
「そ、そんな目で見つめないでください……」
俺は視線をそらそうとしたが、王子の瞳に吸い寄せられるように再び目が合ってしまった。顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。
俺が抵抗しないのを見ると、王子はゆっくりと唇を重ねた。
「ルセル……もし君さえ良ければ……僕は君と結ばれたい」
「えっ……!?」
突然のことに心臓が高鳴り、頭の中が真っ白になる。結ばれるって、まさか……。俺は信じられない思いで、目の前の王子を見つめた。王子は真剣な眼差しで続ける。
「君とひとつになりたいんだ」
「……っ!」
間違いじゃない。やっぱりそういう意味だ。頬に触れる王子の手が少しだけ震えていて、その緊張が伝わってくる。
男同士でそんなことをするなんて、以前の俺なら考えもしないことだった。でも、今は――。
「お、俺も、アルティスとひとつに……なりたいです……」
俺は彼の手に自分の手を重ね、王子の目をまっすぐ見つめ返す。心臓がドキドキし過ぎて爆発しそうだ。
「ルセル……!」
王子の幸せそうな笑顔に、自然と俺も笑みがこぼれる。しかし、その瞬間、ふと不安がよぎった。
「あの、アルティス……」
声を出したものの、続けるべきか迷って言葉が詰まる。そんな俺の様子に、彼の瞳が不安そうに揺れるのが見えた。
「どうしたの、ルセル?」
彼の優しい声に促され、意を決してもう一度口を開く。
「その……アルティスは、誰かとこういうことしたこと……あるんですか?」
俺の声は少し震えていた。こんなにも素敵な王子に、今まで特別な相手がいなかったなんてこと、あるはずがない。もしかして経験豊富だったりしたら、俺みたいな男が相手では幻滅するのではないか……。自分だけが初めてで、何も知らないのも恥ずかしい。
そう思って聞いてしまったが、こんな質問をして、王子を不快にさせてしまっただろうか。不安が胸に広がる。
恐る恐る王子を見ると、驚いたように目を見開いていた。だが、すぐに小さな微笑みを浮かべる。
「ないよ。王子は聖女と結ばれることが決まっているから、それ以外の人と関わることは禁止されているんだ」
「えっ……」
思わず驚きの声が漏れてしまった。まさか、そんな理由があったなんて。
「本当に……? 今まで誰とも……?」
半信半疑で再度確認すると、王子は優しく微笑んでうなずいた。
「本当だよ、ルセル。君が初めてだ」
その言葉が胸に響き、嬉しさと照れくささが混じり合った温かい感覚に包まれる。自分が彼の初めての相手……その事実が信じられないほど嬉しい。
しかし同時に、俺が王子の相手で本当にいいのかという不安も湧き上がってきた。
「……俺なんかで、本当にいいんですか? 待ちに待った聖女が、俺で……」
俺がそう言うと、王子は俺の手を優しく包み込むように握りしめる。
「ルセル、君が選ばれたのは運命なんだ。僕は、君で本当に良かったと思っている。君じゃなきゃダメなんだ」
その真っ直ぐな言葉に、心がじんわりと温かくなるのを感じた。彼の優しさと誠実さが、俺の不安を解きほぐしていく。
「……ありがとうございます」
静かにそう返すと、王子はしばらく黙っていたが、ふと険しい表情を浮かべた。
「ところで、ルセル。君こそ、初めてなんだろうね?」
その言葉にはわずかに嫉妬の色が含まれていて、俺は驚く。
「え? もちろん……」
「本当だね? 君が他の誰かとこんなことをしていたなんて考えたくもないんだ」
王子の真剣な表情に、俺は思わず吹き出しそうになってしまった。
「何言ってるんですか、そんな心配いりませんよ。俺も……アルティスが初めてです」
自分で言った瞬間、急に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じる。王子も一瞬驚いたように目を見開いたが、次第に頬が少し赤く染まっていった。
「……本当に僕が、初めて?」
王子が照れたような声で聞き返してくる。その表情が普段の凛々しい姿とは違い、なんだか可愛らしく見えて、俺もまたさらに恥ずかしくなってしまった。
「そ、そうですよ……」
小声で答え、一瞬視線を交わしたが、すぐにお互い目を逸らしてしまう。照れくささが増すばかりで、何を言えばいいのか分からない。
しばらく照れたまま、気まずい空気が流れたが、不意に王子が深く息をつくのが聞こえた。俺の方を見ると安堵したように微笑み、そっと手を伸ばしてくる。
「良かった……本当に安心したよ」
王子は心底ほっとしたようにそう言うと、俺を優しく抱きしめてきた。胸が温かく満たされる感覚に包まれる。王子の温もりが心地いい。
気づけば、俺は無意識に彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめ返していた。王子への愛おしさが溢れてたまらない。
すると王子も、俺をさらに強く抱きしめ返してきた。その力強さに、胸の鼓動が早まる。ドキドキと響く音が、自分でもはっきり聞こえるくらいだ。
「あ、あの、アルティス……!」
恥ずかしくなってきた俺は、一度王子から離れようとした。だが、王子は俺を強く抱きしめたまま、離そうとしない。
「もう……我慢できないんだ……」
王子は熱っぽい声で囁いてくる。その声と吐息が耳にかかり、胸がますます高鳴った。
そして、そのまま抱きかかえられたかと思うと、ベッドに押し倒されてしまう。
「え!? ま、待ってください……」
俺は慌てて抵抗しようとした。王子の気持ちは嬉しいけれど、まだ心の準備ができていない。今ここでそんなことをされたら、本当にどうにかなってしまう……。焦る気持ちが高まるが、王子は全くその手を止めてくれなかった。
「君が欲しいんだ……ルセル」
王子が熱のこもった眼差しで俺を見つめる。その視線が絡みつくようで、俺の胸の奥がぎゅっと締め付けられた。心臓が早鐘のように打ち始めて、呼吸さえままならなくなる。
「そ、そんな目で見つめないでください……」
俺は視線をそらそうとしたが、王子の瞳に吸い寄せられるように再び目が合ってしまった。顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。
俺が抵抗しないのを見ると、王子はゆっくりと唇を重ねた。
71
あなたにおすすめの小説
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
悪役のはずだった二人の十年間
海野璃音
BL
第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。
破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
ゲーム世界の貴族A(=俺)
猫宮乾
BL
妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。
憧れのスローライフは計画的に
朝顔
BL
2022/09/14
後日談追加しました。
BLゲームの世界の悪役令息に憑依してしまった俺。
役目を全うして、婚約破棄から追放エンドを迎えた。
全て計画通りで、憧れのスローライフを手に入れたはずだった。
誰にも邪魔されない田舎暮らしで、孤独に生きていこうとしていたが、謎の男との出会いが全てを変えていく……。
◇ハッピーエンドを迎えた世界で、悪役令息だった主人公のその後のお話。
◇謎のイケメン神父様×恋に後ろ向きな元悪役令息
◇他サイトで投稿あり。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
恋人に捨てられた僕を拾ってくれたのは、憧れの騎士様でした
水瀬かずか
BL
仕事をクビになった。住んでいるところも追い出された。そしたら恋人に捨てられた。最後のお給料も全部奪われた。「役立たず」と蹴られて。
好きって言ってくれたのに。かわいいって言ってくれたのに。やっぱり、僕は駄目な子なんだ。
行き場をなくした僕を見つけてくれたのは、優しい騎士様だった。
強面騎士×不憫美青年
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる