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07 交際開始
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「は……、はあぁ!?」
一瞬、アルクが何を言っているのか分からず、俺は呆気に取られてしまう。
「な、何を言って……」
「だから、僕が君の恋人として付き合うって言っているんだ。僕なら君の魔力にも耐えられるだろうし、恐らく相性も良さそうだし……」
アルクはちょっと恥ずかしそうに目を逸らしながら続けた。
なんだその仕草。可愛すぎる。いや、今はそんなこと考えている場合じゃなくて。
「いや、でも、君は男じゃないか……」
いくら美形とはいえ、目の前にいるのは紛れもない男性だ。いきなり恋人になると言われても困惑するしかない。
「大丈夫だよ、僕は性別なんて気にしないさ」
アルクは爽やかな笑顔で答える。
「いや、俺は気にするんだって……」
このやり取り、何度目だ。アルクは基本的にはいい奴だが、強引なところがあると思う……。
「それに、なんだか君と僕は似てる気がしてね。放っておけないというか……」
「アルク……」
俺はアルクの目を見つめる。アルクの瞳からは強い決意が感じられた。
俺のために、彼はここまで言ってくれているのだ。俺も覚悟を決めるしかない。
「……うん、分かった。アルク、よろしく頼むよ」
「ああ、任せてくれ!真尋!」
アルクは嬉しそうな顔を見せると、俺の手を握ってきた。
俺のために自分を犠牲にしているというのに、やっぱりアルクはいい奴だな……。
「でも、俺とアルクが似てるってどういうことなんだ?」
俺は気になったことを口にする。アルクのような美形勇者と平凡な俺では、似ているところがあるとは思えない。
「ああ、それは……正義のために戦ってるところかな」
「なるほど……」
確かに俺たちは同じ志を持つ者同士と言えるだろう。俺は日々の仕事で、アルクは異世界を救うことで人々の平和を守っているのだ。
そして、アルクにそう言ってもらえたことも嬉しい。
ヒーローに憧れていただけに、認められた気がして感慨深い気持ちになる。
「ところで……僕からも質問があるんだけど……」
思わずニヤけそうになっていた俺に、アルクが少し遠慮がちに尋ねてきた。
「ん?なんだ?」
急に改まった様子になったアルクに、俺は首を傾げる。
「君は、今までに恋人がいたことはあるのかい?」
「いや、いたことは無いけど……」
意外な質問に驚きながら答えると、アルクはホッとした様子を見せた。
「そっか、良かった……」
「え?どういうことだ?」
意味深な発言に疑問を抱いていると、アルクは言いづらそうに口を開く。
「その……僕も……初めてだからさ」
「えっ?マジで?」
意外な事実に驚く。美形だしモテそうなものだが。
「ああ、だから……君が初めての相手ということになる」
「えっ、それって……」
初めてという言葉に、心臓の鼓動が早くなっていく。俺が、アルクの初めての相手……。
アルクが出会った人達の中にはきっと素敵な人々がたくさん居たことだろう。だが、俺を選んでくれたということだ。
そう思うと、何故か身体が熱くなってきた。
「真尋……?」
「えっ?」
名前を呼ばれてハッとする。いつの間にかアルクの顔がすぐ側にあった。
「どうしたんだ、ボーッとしちゃって」
「あっ、ごめん、な、なんでもないよ」
俺は慌てて誤魔化す。俺もアルクもお互いに初めてだということを意識してしまったせいだろうか。さらにドキドキしてきた。
「ふぅん……?」
アルクは不思議そうな顔をしていたが、やがて気を取り直したように俺に向き合う。
「まあ、これからお互いのことをもっと知っていこう」
「ああ、そうだな。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしくな、真尋!」
こうして、俺とアルクは恋人同士になったのだった。
……あれ、どうしてこうなったんだ……?
一瞬、アルクが何を言っているのか分からず、俺は呆気に取られてしまう。
「な、何を言って……」
「だから、僕が君の恋人として付き合うって言っているんだ。僕なら君の魔力にも耐えられるだろうし、恐らく相性も良さそうだし……」
アルクはちょっと恥ずかしそうに目を逸らしながら続けた。
なんだその仕草。可愛すぎる。いや、今はそんなこと考えている場合じゃなくて。
「いや、でも、君は男じゃないか……」
いくら美形とはいえ、目の前にいるのは紛れもない男性だ。いきなり恋人になると言われても困惑するしかない。
「大丈夫だよ、僕は性別なんて気にしないさ」
アルクは爽やかな笑顔で答える。
「いや、俺は気にするんだって……」
このやり取り、何度目だ。アルクは基本的にはいい奴だが、強引なところがあると思う……。
「それに、なんだか君と僕は似てる気がしてね。放っておけないというか……」
「アルク……」
俺はアルクの目を見つめる。アルクの瞳からは強い決意が感じられた。
俺のために、彼はここまで言ってくれているのだ。俺も覚悟を決めるしかない。
「……うん、分かった。アルク、よろしく頼むよ」
「ああ、任せてくれ!真尋!」
アルクは嬉しそうな顔を見せると、俺の手を握ってきた。
俺のために自分を犠牲にしているというのに、やっぱりアルクはいい奴だな……。
「でも、俺とアルクが似てるってどういうことなんだ?」
俺は気になったことを口にする。アルクのような美形勇者と平凡な俺では、似ているところがあるとは思えない。
「ああ、それは……正義のために戦ってるところかな」
「なるほど……」
確かに俺たちは同じ志を持つ者同士と言えるだろう。俺は日々の仕事で、アルクは異世界を救うことで人々の平和を守っているのだ。
そして、アルクにそう言ってもらえたことも嬉しい。
ヒーローに憧れていただけに、認められた気がして感慨深い気持ちになる。
「ところで……僕からも質問があるんだけど……」
思わずニヤけそうになっていた俺に、アルクが少し遠慮がちに尋ねてきた。
「ん?なんだ?」
急に改まった様子になったアルクに、俺は首を傾げる。
「君は、今までに恋人がいたことはあるのかい?」
「いや、いたことは無いけど……」
意外な質問に驚きながら答えると、アルクはホッとした様子を見せた。
「そっか、良かった……」
「え?どういうことだ?」
意味深な発言に疑問を抱いていると、アルクは言いづらそうに口を開く。
「その……僕も……初めてだからさ」
「えっ?マジで?」
意外な事実に驚く。美形だしモテそうなものだが。
「ああ、だから……君が初めての相手ということになる」
「えっ、それって……」
初めてという言葉に、心臓の鼓動が早くなっていく。俺が、アルクの初めての相手……。
アルクが出会った人達の中にはきっと素敵な人々がたくさん居たことだろう。だが、俺を選んでくれたということだ。
そう思うと、何故か身体が熱くなってきた。
「真尋……?」
「えっ?」
名前を呼ばれてハッとする。いつの間にかアルクの顔がすぐ側にあった。
「どうしたんだ、ボーッとしちゃって」
「あっ、ごめん、な、なんでもないよ」
俺は慌てて誤魔化す。俺もアルクもお互いに初めてだということを意識してしまったせいだろうか。さらにドキドキしてきた。
「ふぅん……?」
アルクは不思議そうな顔をしていたが、やがて気を取り直したように俺に向き合う。
「まあ、これからお互いのことをもっと知っていこう」
「ああ、そうだな。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしくな、真尋!」
こうして、俺とアルクは恋人同士になったのだった。
……あれ、どうしてこうなったんだ……?
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