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第3話
2
「相川」
呼ばれたと同時に、悔しいけれど端正な顔が目の前に近づいてきた。
さらに距離を取ろうと足掻いたけれど、呆気なく捕らわれてしまう。
ベッドに仰向けに倒れ込んだ私に、糸川が覆い被さってくる。
目を閉じると、瞼の裏からダイヤモンドの煌めきが消えていく。
落ちてきた糸川の唇は、少しだけ乾燥していた。
柔らかく押し当てるだけの口付けを何度か繰り返される。それだけで、息継ぎの合間に吐息が漏れてしまった。
いつもの意地悪で軽い糸川とは思えないほど、優しいキスにうっとりと身を任せてしまいそうになったとき、唇が曝け出した私の首筋に移動した。
皮膚の薄いところを何箇所も吸われる。
背筋が震えてしまうのは、きっと、縦横無尽に動き回る唇のせいじゃなくて、その度にやわやわと触れる髪の毛がくすぐったいせいだ。
「や、シャワーした、い……」
一日働いて飲み会まで参加したのだ。いくら経験がなくたって、こういう場合先にシャワーを浴びるのがマナーなことくらい、私でもわかる。
なのに糸川は、信じられないことにぺろりと私の首筋を舌で舐めた。
「やだっ」
咄嗟に糸川を押し除けようとしてもびくともしない。それどころか、糸川は顔を上げると、ぺろりと舌で自分の唇を舐めた。
「やじゃねーし」
「な、なんで……」
信じられない、という目で糸川を見るけれど。
「だって相川の匂いが消えちゃうじゃん」
「なっ……。だから嫌なの……!」
「いいじゃん。俺が良いって言ってるんだから」
なんて勝手な言い分なんだ。
きっと睨みつけると、糸川が視線を逸らした。
「あー、その顔やばい」
え……?という疑問の声を発する前に、再び唇が重なる。
今度は優しいキスなんかじゃなかった。ぬるりと舌が私の唇をなぞる。
「ん……っ」
酸素を求めて口付けたまま唇を開こうとした瞬間、口内に舌が 差しこまれる。歯を一本一本確認するように舌を這わされた。
それだけで息も絶え絶えになっているのに休む間もなく上顎の裏を舐めらる。
これ以上は……と逃げようとした舌を捉えられた。
じゅっと吸われて、頭の中が痺れる。
どちらのものかわからない唾液が口端から垂れる。
それすらも最後に舐め取って、糸川の唇は離れていった。
生理的な涙で、自分の目に膜が張っているのを感じる。瞬きしたら溢れそうで、必死に目を開いた。
「……もう無理」
ぽつりと糸川がつぶやいた。
何か駄目だっただろうか。やっぱり経験のない私じゃ、物足りない……?
それを問う前に、糸川の手が私のブラウスにかかる。
一番上まできっちり留めたボタン。それが上から順番にぷつぷつと外されていく。
スカートの中に入れていた裾は引き出され、ボタンはすべて外されて、下着が丸見えになる。
かっと顔が熱くなるのを感じた。
糸川は満足そうに笑うと、今度は胸元に顔を伏せた。ちろちろと赤い舌が下着から溢れた胸を舐める。
ぞわりと背筋に言い様のない感覚を覚えた。
糸川の手が、ブラ越しに胸に触れる。やわやわと揉まれ、布の中で先端がつんと尖っているのが自分でもわかってしまった。
刺激から逃れようと体を捩ると、その隙に背中にまわった糸川の指があっさりとホックを外してしまい、逃げるどころか呆気なくブラを取り払われてしまった。
「や……」
慌てて隠そうとした手を押さえられ、ベッドの上に縫い付けられる。
じっとりと、露わになった胸を見られ、それだけで足の付け根から何かが漏れ出てくるような感覚がする。
呼ばれたと同時に、悔しいけれど端正な顔が目の前に近づいてきた。
さらに距離を取ろうと足掻いたけれど、呆気なく捕らわれてしまう。
ベッドに仰向けに倒れ込んだ私に、糸川が覆い被さってくる。
目を閉じると、瞼の裏からダイヤモンドの煌めきが消えていく。
落ちてきた糸川の唇は、少しだけ乾燥していた。
柔らかく押し当てるだけの口付けを何度か繰り返される。それだけで、息継ぎの合間に吐息が漏れてしまった。
いつもの意地悪で軽い糸川とは思えないほど、優しいキスにうっとりと身を任せてしまいそうになったとき、唇が曝け出した私の首筋に移動した。
皮膚の薄いところを何箇所も吸われる。
背筋が震えてしまうのは、きっと、縦横無尽に動き回る唇のせいじゃなくて、その度にやわやわと触れる髪の毛がくすぐったいせいだ。
「や、シャワーした、い……」
一日働いて飲み会まで参加したのだ。いくら経験がなくたって、こういう場合先にシャワーを浴びるのがマナーなことくらい、私でもわかる。
なのに糸川は、信じられないことにぺろりと私の首筋を舌で舐めた。
「やだっ」
咄嗟に糸川を押し除けようとしてもびくともしない。それどころか、糸川は顔を上げると、ぺろりと舌で自分の唇を舐めた。
「やじゃねーし」
「な、なんで……」
信じられない、という目で糸川を見るけれど。
「だって相川の匂いが消えちゃうじゃん」
「なっ……。だから嫌なの……!」
「いいじゃん。俺が良いって言ってるんだから」
なんて勝手な言い分なんだ。
きっと睨みつけると、糸川が視線を逸らした。
「あー、その顔やばい」
え……?という疑問の声を発する前に、再び唇が重なる。
今度は優しいキスなんかじゃなかった。ぬるりと舌が私の唇をなぞる。
「ん……っ」
酸素を求めて口付けたまま唇を開こうとした瞬間、口内に舌が 差しこまれる。歯を一本一本確認するように舌を這わされた。
それだけで息も絶え絶えになっているのに休む間もなく上顎の裏を舐めらる。
これ以上は……と逃げようとした舌を捉えられた。
じゅっと吸われて、頭の中が痺れる。
どちらのものかわからない唾液が口端から垂れる。
それすらも最後に舐め取って、糸川の唇は離れていった。
生理的な涙で、自分の目に膜が張っているのを感じる。瞬きしたら溢れそうで、必死に目を開いた。
「……もう無理」
ぽつりと糸川がつぶやいた。
何か駄目だっただろうか。やっぱり経験のない私じゃ、物足りない……?
それを問う前に、糸川の手が私のブラウスにかかる。
一番上まできっちり留めたボタン。それが上から順番にぷつぷつと外されていく。
スカートの中に入れていた裾は引き出され、ボタンはすべて外されて、下着が丸見えになる。
かっと顔が熱くなるのを感じた。
糸川は満足そうに笑うと、今度は胸元に顔を伏せた。ちろちろと赤い舌が下着から溢れた胸を舐める。
ぞわりと背筋に言い様のない感覚を覚えた。
糸川の手が、ブラ越しに胸に触れる。やわやわと揉まれ、布の中で先端がつんと尖っているのが自分でもわかってしまった。
刺激から逃れようと体を捩ると、その隙に背中にまわった糸川の指があっさりとホックを外してしまい、逃げるどころか呆気なくブラを取り払われてしまった。
「や……」
慌てて隠そうとした手を押さえられ、ベッドの上に縫い付けられる。
じっとりと、露わになった胸を見られ、それだけで足の付け根から何かが漏れ出てくるような感覚がする。
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