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彼との将来を……♥️

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 ステージの上ではカラオケ大会が行われ、更に賑やかになってきた祭り会場。

 俺達は2人、手を繋ぎ色々見て回る。
 射的にくじびき、輪投げなどもあり、小学生の頃におこづかいをもらってやったな~! など思い出に浸っていると、エリザが俺の袖をクイクイ引っ張り、1つの屋台を指差す。

「シュウちゃん占いだって、行ってみよう?」

「おう」

 女の子って占いとか好きだよな~、俺はあんまり…… でもエリザは目をキラキラさせてるし、黙ってよう。

「すいませ~ん、占いお願いします」

「はいどうぞ、何を占います?」

「じゃあ…… 彼との将来を……♥️」

 俺との将来? そんなの占わなくてもいいんじゃない? そりゃハッピーに決まってるからな!

「それじゃあ、2人の生年月日と……」

 そして占い師の人に色々質問され答えていく。

「結果が出ました……」

「はい……」

 ドキドキ、といった表情で結果を待つエリザ、俺は特に気にもしてないけど、やっぱり気になるよな。

「お2人は……」

「……!」





「とてもお似合いのカップルですよ! 相性バッチリ、このままずっと幸せに過ごせるでしょう」

「本当ですか!? 良かったねシュウちゃん! お似合いでずっと幸せだって、うふふ~」

「ああ、良かったな!」

「ただ……そちらの彼氏さん?」

「俺?」

「あなたは……彼女以外の女性に気を付けて下さい、下手したら誤解されて破局……もしくは彼女の怒りを買い……これ以上は恐ろしくて私の口からは!」

「えっ!? 俺はエリザ以外の女の人とは……」

「だから彼女さんも充分注意してて下さい、そして彼を信じてあげて下さい、彼はとても誠実な男性だと占いの結果で出ています」

「うふふ、知ってますよ、シュウちゃんは私の事をとても大切にしてくれてますから」

「それは良かったですね、その気持ちを忘れないで下さい」

「わかりました、ありがとうございます! それじゃあシュウちゃん、行こ?」

「そうだな、それじゃあありがとうございました」

 占いをやっていた屋台を離れ、俺達は再び歩き出す。

 ただ占いは半分信じてないけどやっぱり気になるよな。

「エリザ、俺はエリザ以外の女の人と仲良くなる事はないからな?」

「わかってるよ~、……でも誤解って言ってたよね、という事は私が気を付けなきゃ!」

「何も占いをそんなに真に受けなくても大丈夫じゃないか? まあ俺もエリザに誤解されないよう気を付けるよ」

「うん!」

 そしてまたブラブラと歩いていると今度は…… 

「シュウちゃん、金魚さんだよ! 見に行こう?」

「ち、ちょっとエリザ、走ったら危ないぞ?」

 エリザは水族館とかでもそうだったが、魚とか海の生物とか結構好きなんだよな。

 そして金魚すくいの屋台の前にしゃがみ込み、金魚を見つめるエリザ。

「金魚さんこんばんわ、うふふ、凄いね? そうなの?」

 エリザが金魚とお話をし始めたよ、エリザは金魚とも話が出来るのか? 

「うん、うん、お腹いっぱいなの? ふーん……えっ!?」

 そしてエリザは俺を手招きして、一匹の金魚を指差す。

「この子、うちの子になりたいって言ってるんだけど……」

 エリザが指差した金魚は口をパクパクさせこっちを見ている。

「シュウちゃん、大切にするからこの子飼っていい?」

「えっ? でも取れなかったら……」

「それは大丈夫だよ! ……だから、ダメ?」

 キタキタ! エリザの得意技、うるうる攻撃! 俺、一撃でK・O…… 

「分かったよ……すいません、一回お願いします」

 そして屋台のおっちゃんからポイとお椀をもらい、

「俺、金魚すくい下手なんだけど本当に大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫、だからシュウちゃん頑張って!」

「……じゃあいくぞ?」

 そしてポイを水につけ、エリザが指差した金魚に向かい動かす。

 するとその金魚は……

「えっ? こんな簡単に?」

 ポイに乗った金魚はその瞬間ジッと動きを止めたと思ったら、ポイのふちでピョンと跳ね、そのままお椀へダイブ……これってすくったって言うのか?

 なんか釈然としないけど、エリザに言われた金魚は無事すくえた。

「シュウちゃんありがとう! 大切にするね? うふふ、よろしくねキンちゃん」

 キンちゃんって……そのまんまだな?

 専用のビニール袋に入れてもらい、ニコニコと金魚のキンちゃんを見つめるエリザ。

 その可愛らしい横顔を見ていたら、俺も自然と笑顔になった。
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