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どれだけ金をかけてるんだよ!
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鬼ヶ島にあるヘリポートに着陸し、ヘリコプターを降りる、そして目の前に見えるのは広くどこまでも続いてそうな海と、島にある豪邸と言ってもいいくらいの大きな別荘だけ。
広い砂浜から少し離れた場所に建てられた別荘は、高床式の平屋だが海がよく見えるように正面には大きなバルコニーがある。
そして建物の裏は木々が生え、丘のようになっている。
「それではお嬢様、二週間後にお迎えに上がりますので、どうぞごゆっくり休日をお過ごし下さいませ」
「ご苦労様、分かりましたわ ……では皆さん、別荘に案内しますわ」
そして葵のあとを付いて行き、別荘の中へと入ると……
「す、凄ーい!」
「広っ! しかも豪華だ……」
「テーブルやソファーなんかも高級そうです……」
「おーっほっほっ! しばらく使ってなかったので家具は新調しましたわ! あと水回りにも手を加えて使いやすくなっているはずですわ!」
建物のわりに中が新品の物が多いと思ったら…… 葵、二週間の旅行のためにどれだけ金をかけてるんだよ!
「あら? わたくし普段はあまり散財しないのですべてポケットマネーですし、大した金額ではないので気にせず使って下さいまし」
いや、庶民的には大した金額になりそうなんだけど…… 家のリフォームの件もあるし今後も一緒に生活するなら金銭感覚を合わせてもらわないと。
「ふふっ、心配しなくても大丈夫ですわよ、働いて稼いだお金は今後のために大事に使いますわ、ただ、この記念すべき日だけは素晴らしい思い出にしたくて奮発しただけ、ですわ……」
「そうだよ! 今後のため、お金は大切に! だよ?」
「今後のため、かぁ…… あたしも頑張ろう」
「そうですね、そのための二週間ですもんね」
うん…… お金は大事。
でも、何でみんなお腹をさすってるの?
お腹でも空いたのかな?
「こんな素敵な場所で二週間……」
「記念すべき日にするために……」
「素晴らしい思い出をいっぱい……」
「そして…… お腹もいっぱいに、ですわー!」
「「「「ファイトーー! おーー!!」」」」
……何を言ってるのかよく分からないなぁー、はははっ!
とりあえず荷物を置き、葵に別荘の中を案内してもらう。
大きなリビングには大人数が座れるような豪華なソファーに長いテーブルがあり、使いやすそうなダイニングキッチンがある、そしてリビングからバルコニーに出ると、外でも休めるようにテーブルや椅子、パラソルにデッキチェアまで人数分並べてあった。
「わぁ…… 風が気持ち良い……」
「この島は暖かいというか暑いくらいだな」
「朝までこたつに入っていたとは思えないですね」
「次はお風呂場に案内しますわ!」
次に案内されたのは風呂場。
広い脱衣場にはガラスで仕切られたシャワーが二つあり、その横には風呂場へと入るための扉ともう一つ扉があった。
「サッと汗を流したい時はすぐにシャワーに入れる作りにしてもらいましたわ、海で遊んだ後に、外から直接ここに入る事も出来るんですのよ」
なるほど、それなら砂とかで汚れた身体のまま別荘の中を歩かなくて済むという訳か。
「へぇ、便利だな」
「はい、これだけ暖かいと汗だくになっちゃいますもんね」
「みたらしや練乳まみれになるかもしれないし…… えへへっ、いいね!」
「ふふっ、食べ放題には欠かせないと思ってリフォームしてもらいましたの」
一番の目的は海で…… とかではないんだ。
「こちらが浴室になりますわ、こちらも五人で入っても大丈夫なように浴槽も取り替えてもらったんですのよ」
そしてメインである浴室に入ると、こっちにもガラスで仕切られたシャワーが一つあり、その奥には大きな丸い形の浴槽があった。
「うわぁ! お、大きな浴槽だな……」
「ふふっ、輝衣さん、こちらのボタンを押すとジェットバスが使えますわ」
葵がボタンを押すとお湯の中でブクブクと気泡が立つ。
「更にこちらのボタンを押すと」
「うわわっ! ひ、光った!? しかもカラフルに……」
「ねぇ、美鳥さん、これって……」
「ええ、休憩するためのホテルにありそうな浴槽ですね……」
「この浴槽は鬼島グループで経営している『タイガー&ヴァーミリオン』というホテルでも使用している高級ジェットバスになりますわ! 美肌効果もあるらしいですわよ、それに何より…… 良いムードになりそうなので取り寄せましたー!」
……ここまで大きくはないが、似たような風呂には入ったことがある。
でも風呂を楽しむというより、他の事を楽しむために利用した場所にたまたまあったというのが正しいけど。
「桃太、あとで一緒に入ろうな! へへっ、楽しみだなぁ!」
輝衣はこの風呂場を見て大はしゃぎしている。
そういえば輝衣とはそういう所に行った事なかったな、この話をすると『ズルい』と言われそうだから今度二人きりで行ってみるか。
「それではメインの寝室に行きますわよ」
いや、旅行に来てメインが寝室って、何がメインなんだよ…… そっか、ナニか。
「楽しみだねー」
「ああ、どんな風になってるんだろうな!」
「ワクワクします!」
三人も『待ってました!』とばかりにウキウキしながら葵に付いていってるし…… やはりメインで間違いないのかもしれない。
ただ、ここまで色々豪華な物ばかりを見せられたから、ちょっとやそっとのことで驚かないぞ。
「こちらですわ……」
そして葵が到着した部屋の扉を開くと……
「……えっ?」
広い部屋には五人が余裕で寝られそうな大きなベッドが一つだけ……
「わぁっ! 凄い!」
「これが…… へへっ」
「素敵です……」
えっ? ベッドだけしかないよ? あとは小さな棚とテーブルと、その横に冷蔵庫があるのみ…… 確かにこのサイズのベッドだと値段はしそうだけど…… 驚くほどのことか?
「こちらのベッドは多少無理をしても壊れないほど頑丈な作りになってますわ! シーツも肌触りの良い物を沢山用意しましたし、あとは何より、この海を一望出来る大きな窓がこだわりのポイントですわー!」
そう言って葵が何かのリモコンのスイッチを押すと、自動でカーテンが開き……
うわぁぁっ!! へ、部屋の壁一面が丸々ガラスになっている!
「しかもベッドに横になっている時に外を見ますと空と海しか見えないので、とても気分が良いですわよ」
「えぇっ!? ちょっと寝て見てもいい?」
「あたしもあたしも!」
「わ、私も……」
「ふふっ、せっかくですからわたくしもご一緒させていただきますわ」
じゃ、じゃあ俺も…… おぉっ! 確かに砂浜が見えなくなって、空と海の色だけになる…… 今日は凪だし、より綺麗に見えるな。
「綺麗…… こんなベッドでみんなと……」
「波に揺られるようにおだんごを食べる……」
「夜には星も綺麗に見えそうですね……」
「星空を横目におだんご…… ロマンチックですわ」
「…………」
お、おだんご!? おだんごぉ…… そういえば『生おだんご』がどうとか言っていたけど、あれは……
「はぁ…… 桃くぅん」
「な、何だ!?」
着いたばかりだぞ? おだんごはまだ早いんじゃないか?
「素敵な思い出、いっぱい作ろうね」
思い出かぁ、うん、そうだよな! 卒業旅行なんだ、みんなで一緒に思い出に残る旅行に……
「ちい、思い出だけかぁ? 作るのは」
「き、きーちゃん?」
「思い出も、ですよね? うふふっ」
「美鳥さん……」
「絶対、作りますわよ!」
「葵さん…… うん、みんなそうだよね、 いっぱい作ろう、思い出も!」
四人が一致団結…… 思い出作りの他に…… あっ! そうか、俺達しかいないんだからご飯だって作らなきゃいけないんだ! きっとそうだ! 絶対そうだよ! そうであって欲しい…… そうじゃないかなぁ? ……覚悟はしておこう。
広い砂浜から少し離れた場所に建てられた別荘は、高床式の平屋だが海がよく見えるように正面には大きなバルコニーがある。
そして建物の裏は木々が生え、丘のようになっている。
「それではお嬢様、二週間後にお迎えに上がりますので、どうぞごゆっくり休日をお過ごし下さいませ」
「ご苦労様、分かりましたわ ……では皆さん、別荘に案内しますわ」
そして葵のあとを付いて行き、別荘の中へと入ると……
「す、凄ーい!」
「広っ! しかも豪華だ……」
「テーブルやソファーなんかも高級そうです……」
「おーっほっほっ! しばらく使ってなかったので家具は新調しましたわ! あと水回りにも手を加えて使いやすくなっているはずですわ!」
建物のわりに中が新品の物が多いと思ったら…… 葵、二週間の旅行のためにどれだけ金をかけてるんだよ!
「あら? わたくし普段はあまり散財しないのですべてポケットマネーですし、大した金額ではないので気にせず使って下さいまし」
いや、庶民的には大した金額になりそうなんだけど…… 家のリフォームの件もあるし今後も一緒に生活するなら金銭感覚を合わせてもらわないと。
「ふふっ、心配しなくても大丈夫ですわよ、働いて稼いだお金は今後のために大事に使いますわ、ただ、この記念すべき日だけは素晴らしい思い出にしたくて奮発しただけ、ですわ……」
「そうだよ! 今後のため、お金は大切に! だよ?」
「今後のため、かぁ…… あたしも頑張ろう」
「そうですね、そのための二週間ですもんね」
うん…… お金は大事。
でも、何でみんなお腹をさすってるの?
お腹でも空いたのかな?
「こんな素敵な場所で二週間……」
「記念すべき日にするために……」
「素晴らしい思い出をいっぱい……」
「そして…… お腹もいっぱいに、ですわー!」
「「「「ファイトーー! おーー!!」」」」
……何を言ってるのかよく分からないなぁー、はははっ!
とりあえず荷物を置き、葵に別荘の中を案内してもらう。
大きなリビングには大人数が座れるような豪華なソファーに長いテーブルがあり、使いやすそうなダイニングキッチンがある、そしてリビングからバルコニーに出ると、外でも休めるようにテーブルや椅子、パラソルにデッキチェアまで人数分並べてあった。
「わぁ…… 風が気持ち良い……」
「この島は暖かいというか暑いくらいだな」
「朝までこたつに入っていたとは思えないですね」
「次はお風呂場に案内しますわ!」
次に案内されたのは風呂場。
広い脱衣場にはガラスで仕切られたシャワーが二つあり、その横には風呂場へと入るための扉ともう一つ扉があった。
「サッと汗を流したい時はすぐにシャワーに入れる作りにしてもらいましたわ、海で遊んだ後に、外から直接ここに入る事も出来るんですのよ」
なるほど、それなら砂とかで汚れた身体のまま別荘の中を歩かなくて済むという訳か。
「へぇ、便利だな」
「はい、これだけ暖かいと汗だくになっちゃいますもんね」
「みたらしや練乳まみれになるかもしれないし…… えへへっ、いいね!」
「ふふっ、食べ放題には欠かせないと思ってリフォームしてもらいましたの」
一番の目的は海で…… とかではないんだ。
「こちらが浴室になりますわ、こちらも五人で入っても大丈夫なように浴槽も取り替えてもらったんですのよ」
そしてメインである浴室に入ると、こっちにもガラスで仕切られたシャワーが一つあり、その奥には大きな丸い形の浴槽があった。
「うわぁ! お、大きな浴槽だな……」
「ふふっ、輝衣さん、こちらのボタンを押すとジェットバスが使えますわ」
葵がボタンを押すとお湯の中でブクブクと気泡が立つ。
「更にこちらのボタンを押すと」
「うわわっ! ひ、光った!? しかもカラフルに……」
「ねぇ、美鳥さん、これって……」
「ええ、休憩するためのホテルにありそうな浴槽ですね……」
「この浴槽は鬼島グループで経営している『タイガー&ヴァーミリオン』というホテルでも使用している高級ジェットバスになりますわ! 美肌効果もあるらしいですわよ、それに何より…… 良いムードになりそうなので取り寄せましたー!」
……ここまで大きくはないが、似たような風呂には入ったことがある。
でも風呂を楽しむというより、他の事を楽しむために利用した場所にたまたまあったというのが正しいけど。
「桃太、あとで一緒に入ろうな! へへっ、楽しみだなぁ!」
輝衣はこの風呂場を見て大はしゃぎしている。
そういえば輝衣とはそういう所に行った事なかったな、この話をすると『ズルい』と言われそうだから今度二人きりで行ってみるか。
「それではメインの寝室に行きますわよ」
いや、旅行に来てメインが寝室って、何がメインなんだよ…… そっか、ナニか。
「楽しみだねー」
「ああ、どんな風になってるんだろうな!」
「ワクワクします!」
三人も『待ってました!』とばかりにウキウキしながら葵に付いていってるし…… やはりメインで間違いないのかもしれない。
ただ、ここまで色々豪華な物ばかりを見せられたから、ちょっとやそっとのことで驚かないぞ。
「こちらですわ……」
そして葵が到着した部屋の扉を開くと……
「……えっ?」
広い部屋には五人が余裕で寝られそうな大きなベッドが一つだけ……
「わぁっ! 凄い!」
「これが…… へへっ」
「素敵です……」
えっ? ベッドだけしかないよ? あとは小さな棚とテーブルと、その横に冷蔵庫があるのみ…… 確かにこのサイズのベッドだと値段はしそうだけど…… 驚くほどのことか?
「こちらのベッドは多少無理をしても壊れないほど頑丈な作りになってますわ! シーツも肌触りの良い物を沢山用意しましたし、あとは何より、この海を一望出来る大きな窓がこだわりのポイントですわー!」
そう言って葵が何かのリモコンのスイッチを押すと、自動でカーテンが開き……
うわぁぁっ!! へ、部屋の壁一面が丸々ガラスになっている!
「しかもベッドに横になっている時に外を見ますと空と海しか見えないので、とても気分が良いですわよ」
「えぇっ!? ちょっと寝て見てもいい?」
「あたしもあたしも!」
「わ、私も……」
「ふふっ、せっかくですからわたくしもご一緒させていただきますわ」
じゃ、じゃあ俺も…… おぉっ! 確かに砂浜が見えなくなって、空と海の色だけになる…… 今日は凪だし、より綺麗に見えるな。
「綺麗…… こんなベッドでみんなと……」
「波に揺られるようにおだんごを食べる……」
「夜には星も綺麗に見えそうですね……」
「星空を横目におだんご…… ロマンチックですわ」
「…………」
お、おだんご!? おだんごぉ…… そういえば『生おだんご』がどうとか言っていたけど、あれは……
「はぁ…… 桃くぅん」
「な、何だ!?」
着いたばかりだぞ? おだんごはまだ早いんじゃないか?
「素敵な思い出、いっぱい作ろうね」
思い出かぁ、うん、そうだよな! 卒業旅行なんだ、みんなで一緒に思い出に残る旅行に……
「ちい、思い出だけかぁ? 作るのは」
「き、きーちゃん?」
「思い出も、ですよね? うふふっ」
「美鳥さん……」
「絶対、作りますわよ!」
「葵さん…… うん、みんなそうだよね、 いっぱい作ろう、思い出も!」
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