バッドステータス『発情』を持つ女冒険者とパーティーを組んだ結果……

ぱぴっぷ

文字の大きさ
7 / 31

うん、決めた!

しおりを挟む
「んぐ、んぐ……」

「じゃあもうそろそろ僕は帰りますね」

「ぷはぁ……そ、そうか、また明日な……」

 最近、依頼が終わり僕が帰ろうとするとクレアさんが凄く寂しそうな顔をする。

「それじゃあおやすみなさい」

「あぁ、お、おやすみ……レオ」

 後ろ髪を引かれる思いでクレアさんの元を後にし自分の宿に帰る。

 クレアさん…… いっそクレアさんと同じ宿を取ろうかな? 最近はお金に余裕もあるし…… いや、贅沢をしたらあっという間にお金が無くなってしまう。
 
 クレアさんが宿のグレードを落としてくれれば僕も…… 明日ちょっとクレアさんと相談してみるか。

 そして次の日……

「今日はどんな依頼にする?」

「そうですね…… その前にクレアさん、宿を変える気はないですか?」

「宿~? う~ん…… あそこの宿は気に入ってるからなぁ」

「そうですか…… じゃあ無理ですね」

「ん? 何がだ?」

 僕は、最近クレアさんが寂しそうだからとは言わなかったが、クレアさんと同じ宿にすれば帰る時間を気にしなくて済む事、でもクレアさんが泊まっている宿だとお金がかかり大変だから諦めた事を所々ぼかしながら伝えると……

「レオ…… 私がいないと寂しくて眠れないのか…… 貧乏だったからのお金の心配も…… 本当にレオは可愛いやつだな……ブツブツ……」

「あの…… 1人でブツブツ言ってどうしたんですか?」

「いや…… うん、決めた! レオは何も心配いらないぞ! わははっ!」

 何だか分からないが…… クレアさんの笑顔を見ているとちょっと不安になってきた。
 僕の思いはちゃんと伝わったのかな?

 とりあえず依頼を受ける前の打ち合わせの続きに戻り、今日は昼くらいに終わりそうな簡単な依頼を受ける事となった。

「レオ!」

「はい!」

 バフをかけクレアさんを援護する。
 暴れトカゲの小さな群れはクレアさんの能力を使うまでもなく一蹴された。

「レオとパーティーを組んでから調子がいいな! ありがとなレオ!」

「そ、そんな……こちらこそありがとうございます」

「さて、今日は忙しいし早く帰るか!」

「……忙しい? あっ、待って下さい!」

 まだ昼前だがあっという間に依頼達成した僕達は、いつものように手を繋ぎながらギルドへと戻り報酬を受け取った。
 
「じゃあ私は急ぐから! 夜にいつもの酒場で待ち合わせな?」

「お、おつかれさ…… あぁ、行っちゃった……」

 何を急いでいたんだろう? 別れの挨拶が済む前にクレアさんは走っていなくなってしまった。

 僕は…… 備品を補充するために買い物にでも行くかな?

 携帯食が無くなりそうだったな、あっ、あと解体用のナイフを研ぐ砥石も必要だ。

『お徳用! ごくうす! ぱぴぷぺオリジナル♥️』

 インチキくさい名前だけど少し安いしいっぱい入ってる! もしもの時が結構訪れるから……買っておこう。

 あとは街をブラブラして良さそうな装備がないか見たり、使えそうな道具がないか探して時間を潰し、夜になって酒場に行くと

「レオ~! こっちだぞ~!」

 先に酒場に着いていたクレアさんが僕を見つけ笑顔で手を振っている。

「お待たせしました…… どうしたんですかクレアさん、良いことでもあったんですか?」

 僕の顔を見てニコニコしている…… 戦っている時のクレアさんも凛々しくて素敵だけど、笑顔のクレアさんはもっと素敵だなぁ、なんて思いながら尋ねてみる。

「ふっふっふ…… 喜べレオ!」

「な、何ですか?」

の拠点となる家を買ってきた! これでレオが寂しい思いをしなくて済むぞ!」

「きょ、拠点!? 寂しい!?」

 な、何を言っているんだクレアさんは? 拠点って事は僕達のパーティーの…… しかも家!? えっ、それって…… 

「私と宿が別々で寂しくて夜も眠れないレオのために良さそうな物件を急いで見つけてきたんだ! 家具もほとんど揃っているからすぐに住めるぞ?」

「ちょ、ちょっと待って下さい!! それって僕達が一緒に住むって事ですか!? いくらパーティーメンバーでもそれはマズイですよ!」

「何を遠慮してるんだ、パーティーメンバーだからこそ常に一緒にいたっておかしくないじゃないか! それに私だって家事くらいちゃんと出来るぞ?」

 家事とかそういう事じゃなくて、パーティーメンバーとはいえ男と女、一緒に暮らすと間違って一線を…… あっ、『発情』でもう一線は越えてたんだ。
 う~ん…… たしかにパーティーみんなで暮らしている所もあったよな…… 

「宿代だって浮くし自炊をすれば食事代だって浮く、お金の心配も減るぞ?」

 僕もクレアさんも宿代がかからないのは魅力的だ…… もう買っちゃったみたいだし……

「じゃあ……お世話になります」

「ふふふっ、じゃあ私達の拠点を確保出来た祝いだ! 今日は飲むぞ~!」

「今日じゃないですか!」

「あははっ! んぐ、んぐ、んぐ…… ぷっはぁ~~!! 別に細かい事はいいじゃないか!」

「もう…… 飲み過ぎはダメですよ?」

「はぁ~い! わははははっ!!」

 かなり上機嫌でグビグビとお酒を飲むクレアさんを呆れながら見つつ、そんなクレアさんの笑顔につられ、僕も自然と笑顔になった。

「くぅぅ~、美味い! あははっ、楽しいなレオ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや

静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。 朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。 「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。 この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか? 甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

処理中です...