婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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63話

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さて、少し時が進んで、その後は授業もありましたし、特に問題はありませんでしたわ。

ですが、皆私に対して何かを言いたそうにしていると言いますか.......。

ソワソワと落ち着きのない人や、小休憩の時にクラスまで私の様子を見に来る人なんかもいて、本当にうんざりしましたわ。

こんなにお昼休みまでが長く感じたのは初めてです。

そして今は、待ちに待ったお昼休みなんですが、このままだと休み時間まで謝罪に来る人が現れると思った私とビビアン様は、普段の温室は辞めて屋上で食事をすることにしました。

ちょうど今日は天気も良いですし、風も吹いていなにので屋上日和ですもの。

運が良かったですわ。

教室を逃げるように出て、すぐに屋上の隅を確保して、やっと落ち着いて話をすることが出来るようになりました。

全く......なんでこんなことになっているんでしょう?

そう思いながら、隣に座るビビアン様に

「それで?なんでこんなにも謝罪されるのか、心当たりがないんですの。何がありましたの?」

と早速本題に入りました。

お兄様の話なんかしていると、お昼休みが終わってしまいますからね。

するとビビアン様は

「ベルン様の話を聞いていなかったんですもの。事情を知らないのは仕方がないですわ」

と言って苦笑しています。

これに関しては

「まぁ、当事者の私が知らないというのはおかしい話なんですけどね」

と私まで苦笑してしまいましたわ。

多分、お父様のところに何かしらの話は合ったはずですが、色々あってそれどころではなかったんでしょうね。

状況が状況なので仕方がないですわ。

なんて思いながら、ビビアン様からなぜこのような状況になっているのか聞きました。

まぁ、単純な話ですわ。

私とベルン様の婚約が解消されてからのことを、隠すことなくお父様に話したおかげで、お父様もすぐにベルン様のお父様に手紙を送ってくれたんですの。

これ以上我が家を侮辱するようなことをするのであれば、まだ学生であろうと容赦はしないぞ、というような内容でしょうか?

私もどのような手紙を送ったのかわかりませんが、多分そんな感じだと思いますわ。

そしてベルン様のお父様はそれを読んで、2度はないと言ったはずだ、と怒ったんでしょうね。

元々、またこんなことをしたら平民に、と話をしていましたし。

ちなみに、アリス様の家にも我が家からの手紙があったはずですわ。

アリス様に関しては修道院にでも、と思っていましたが、結局2人仲良く平民落ち。

家の方はベルン様のおうちの方で用意して差し上げたんだとか。

それで、その話が学園の中で広まったんでしょうね。

私に喧嘩を売ったら平民に落とされる、とでも言った人がいたんでしょう。

それを恐れて私に謝罪に来た、という流れらしいですわ。

ビビアン様からの話を聞いた私は

「別にただ喧嘩を売ってくるだけでしたら何もしませんのにね。本当に噂って怖いですわ」

そう言って、ついため息をついてしまいました。

ただ私のことを噂するだけでしたら何もしませんのよ。

ベルン様達に関しては私に対して明らかに悪意のある噂を広めたから怒っただけですわ。

まぁ、今後私に対して喧嘩を売ってくる人が減っただけ良いと思いましょうか。
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