旦那様、離婚しましょう

榎夜

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マノンside 5


は?リリーが懐妊だと...?

俺は何も聞かされていないし、必ず避妊をしていたのになぜ...っ!?

混乱して、気付いた時には、今は関係ない!などと怒鳴ってしまっていた。

謝ろうと思ったらシエラの口からまた衝撃的なことが知らされた。

「わざわざ教えに来てくれましたのよ?」

と。

どういうことだ?リリーが公爵家に来たってことか...?

......何のために?

話し合うために来たのに、俺はまた、関係ない!なんて言って部屋を出た。

関係がない訳が無いのに。

書類上だけでも婚姻関係にあるというのに......俺はシエラから逃げた。

次の日になったら、何も無かったようにシエラが執務室で仕事をしているだろう。

いや、仕事をしていてほしい。

そんな甘い考えで、俺はその日久しぶりに公爵家の自室で夜を過ごした。




迎えた次の日、シエラが居なくなっていた。

家中を探し回っても見つからず、どうしようかと焦っていると、メイドから来客の知らせを受けた。

客人はリリーだった。

「貴方の子供がお腹の中にいるのよ!公爵家の次期当主になる子なのよ!」

そんなことを言って、帰って欲しいと頼んでも頑なに断られた。

リリーの子供が次期当主なんてそんなこと、ある訳が無いのに、俺はシエラが居なくなったのを埋めるように、リリーが公爵家に入り浸るのを受け入れた。






それからというもの、リリーのワガママは日に日に酷くなっていった。

「こんな不味いお茶を飲めるわけがないじゃない!」

「私は公爵夫人よ!?言うことを聞きなさい!」

「貴方、気に入らないからクビよ!」

こんなのは序の口だった。


ある日、俺はリリーにお腹の子は俺の子供なのか?と聞いたことがある。

そしたら

「何!?私を疑うの!?」

と癇癪を起こして、花瓶、壺...手に届く物に当たり始めた。

「や、やめてくれ!これは公爵家の物だ!弁償を.........」

「何を言っているの!?その公爵家の夫人なんだから別に構わないでしょ!!」

そう言って、壊すのをやめなかった。

今リリーが投げている花瓶だけで、従者の給料が5人分も払えるくらいの価値がある。

それを躊躇することもなく、当たり前のように壊していく姿を見て、初めてリリーを恐ろしく感じた。




シエラが居なくなってから1ヶ月が経った。

俺のお金はリリーに搾り取られてしまったのに、働いていないから給料も入ってこない。

つまり俺は一文無しだ。

それをまたドレスが欲しい、と強請ってきたリリーに伝えると

「あの女のせいよ!」

とまた暴れだした。

流石にこれ以上物を壊されるのはまずいと思った俺はシエラの両親、義父母の元へ向かった。

結果は門前払いだった。

当たり前だよな。たぶんシエラから話を聞いているだろうし、本当かはわからないが入婿の分際で浮気をし続けたんだ。


公爵家に戻ると、今日もまたリリーの怒鳴り声が聞こえてきた。

従者も以前の半分以下になって、今は数えられるくらいしか残っていない。

リリーは気付いているんだろうか?

そんなことを思いながら、俺はリリーから逃げるように自室へと戻った。

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