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1話
「ローズマリー!貴様の様な悪女はもうウンザリだ!貴様と婚約破棄して、リリアーナを俺の婚約者にする!」
広いパーティーホールの中に王太子『アレックス・バーンド』の声が響き渡った。
アレックスの隣で目に涙を溜めて小動物のようにプルプル震えているのは『リリアーナ・ビビアン』
最近、皆の噂になっている男爵令嬢です。
今日も王太子を初めとする取り巻きたちに囲まれているみたいです。
そして、
「あら?悪女とは?一体なんの根拠があって悪女と決めつけているのです?」
と冷ややかな笑みを浮かべるのはアレックスの婚約者、『ローズマリー・アーサライ』公爵令嬢......私です。
今日は陛下の誕生日パーティーで、アレックス様と私は次期陛下、次期王妃として皆様に挨拶をする日.........のはずでした。
それなのに、このバカ王太子は前日に
「貴様なんかをエスコートしてたまるか!」
とわざわざ言いに来たんですよ。
信じられますか?
それで今日のこのパーティーで婚約破棄ですよ。
もう呆れてしまいますわ。
ほら、周りを見てご覧なさいな。
皆呆れてしまって冷ややかな目をしていますでしょう?気が付かないなんて流石ですわ。
「根拠だと?そんなの、ここにいるリリアーナがお前に虐められたと証言している!」
「リリアーナをわざと転ばせたんですよね」
「変な噂を流したとも聞きました!」
「物を取ったり、ゴミ箱に捨てていたらしいです!」
「階段から突き落とされたって言っていました!」
伯爵子息、侯爵子息、公爵子息、あら?次期宰相候補もいますわね。
今期待されている子息達ばかりですわ。
すごく残念です。
「私ぃ...すっごく怖かったですぅ~」
と言うリリアーナは皆から注目を浴びているのに全く動じた様子はない。
結構神経が図太いのね。
思わず笑いが込み上げてきますわ。
「な、何を笑っているんだ!これらは全てお前がやったことだろう!」
あら、いけませんわ。
この状況で笑っているなんておかしい子ですからね。
ふぅ...と深呼吸をしてアレックス様に向かってこう言った。
「それだけですか?」
と。
この騒ぎで静まり返った会場ではあまり大きな声を出さなくても声が通った。
まさか私がそんな返事をするのは想定外だったのか、アレックスと取り巻きたちは目を見開いて驚いている。
リリアーナはというと、1人だけ凄い形相で私のことを睨みつけていた。
あらまぁ...なんて醜い顔なのかしら。
その顔を貴方の取り巻き達に見せてあげたいわ。
うふふ、と笑いながら
「婚約破棄は了解しました。喜んでお受け致しますわ」
とだけ言って立ち去ろうとした。
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