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16話
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リディアーヌの行動は早かった。
「昨日の夜、ロイ様との婚約を破棄したいとお願いしてきました!」
そんなに上手くいくとは思えないが、どうやらリディアーヌが我が家で泣かされて帰ったとき、父親と母親が何があったのか、と聞いてきたらしい。
その時は黙っていたが、もう限界だとリディアーヌが両親に言うと、大激怒だったとか。
「証拠なんてなくても、私の方はどうにかなりそうですわ!」
リディアーヌはニコニコしながらそう教えてくれた。
私が帰宅すると、お義父さまから執務室に来るように、との伝言があった。
面倒くさいけど、なんで呼ばれたのか大体予想がつくから急いで向かうと、案の定、机の上の書類を放置して誰かからの手紙を読んでいた。
まぁ、誰から、なんて聞かなくてもリディアーヌの家からだと思うけど。
「お義父さま、ただいま帰りました」
「あぁ...リナか。おかえり」
そう言って顔を上げたお義父さまの顔が、なんとなくゲッソリしているように見える。
私は手紙を横目で見ながら
「......リディアーヌさんからですか?」
と尋ねるとお義父さまは頷いた。
「実家からだけどな、リナはリディアーヌ嬢から何か聞いているか?」
あぁ、なるほど。私とリディアーヌの仲がいいことを知っていて状況を教えて欲しいってことね。
私は、わかりました、と一呼吸おいてから説明を始めた。
「まず、リディアーヌさん本人から、昨日、婚約破棄をお願いしたことを聞きました」
「......やっぱりリナも知っていたか」
「はい。理由ですが、聞いている話だけでも沢山ありますが、簡単に説明すると、ロイと王太子を含む数名の男性が今、マージュ男爵令嬢にお熱を上げています。その結果、婚約者である令嬢達が全員被害が出ている状況です」
私がそう言うと、お義父さまは酷く顔を歪めた。
「それと、少し前になりますが、マージュ男爵令嬢と関わるのを控えて欲しい、とお願いしに来たリディアーヌさんを酷く罵倒していました」
「なっ......」
お義父さまが驚いているってことは知らなかったのか。
ロイがメイド達に口止めしたんだろうなぁ...
「私もロイに忠告をしたのですが、それも無意味だったみたいで......リディアーヌさんに愛想を尽かされても仕方がないことだと私は思っています」
そう言って話を締めくくると、お義父さまは
「今の説明は全て本当のことなんだな......?」
と確認してきたので、私は即答で、はい、と返事をした。
「あの愚息がっ!!」
お義父さまが急にバンッと机を強く叩いて立ち上がったから、驚いて肩がビクッとなってしまった。
「おいっ!今すぐ愚息を読んで来い!!」
と近くにいるメイドに命じたが、ロイはまだ帰ってきていない。
なぜ知っているのかって?
勿論、イチャついている奴らを見てきたからに決まっているじゃない!
「お義父さま、学園から帰宅する時、ロイとモニカさんが一緒にいるのを見ました。まだ帰ってきていないと思います」
もうここまできたらチクッちゃうもんね!
そう思って、私がお義父さまに言うと大きな溜め息をついた。
そして、
「わかった。リナは取り敢えず部屋に戻っていい」
と戻る許可を貰えたから逃げるように執務室を後にした。
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