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38話
しおりを挟む家に帰ると、珍しくロイが私の部屋に来た。
リディアーナとの件があってから、少しギクシャクしていたから驚いてしまった。
自分でもそう思っていたのか、気まずそうな顔をして
「お義姉様...お話があります」
と言ったロイはもうモニカの魅了は完全に解けているのか、ここ最近は前のように真面目に勉強をしている。
エマが私の分とロイの分のお茶の用意が出来たのを確認してから、話を聞くと
「それが...最近、モニカ男爵令嬢の動きがおかしいみたいなんです。殿下達に異様に婚約破棄することを勧めていると噂で聞いたものですから......」
と話ずらそうな顔をしてそう言った。
なるほど...モニカは自分でも何かおかしい事に気付いたから強行突破しようとしてるのか?
いや...でも男爵令嬢が王妃になんてなれる訳がないし、2人に婚約破棄させてもどっちと結婚するのか、で後から面倒なことになるだけなのに......
「はぁ......最近、やっと大人しくなったと思っていたのに......」
と思わず愚痴をもらしてしまった。
ヤバい!と思ってロイの顔を見ると案の定、申し訳なさそうな、気まずそうな顔をしていた。
あー...てか、ロイって自分が魅了にかかっていたこと知らないんだよね?
それがわかったら少しは罪悪感みたいなの、薄くなったりするのかな?
でも、あんまり他に言っちゃダメって言われてるし......
頭の中で葛藤を繰り広げていると
「お義姉様...リディアーナの件では本当にすみませんでした」
と急にロイが頭を下げてきた。
「え!?ちょっと、急にどうしたのよ!?」
「お義姉様に忠告されたにも関わらず、浅はかな行動を取ってしまったこと、婚約者だったリディアーナにも本当に申し訳ないことをしたと思っています」
あー、もう本当にごめんなさい!って思ってるのはこっちなのよ!
モニカの魅了についてもっと早くわかっていたら、って何回思ったことか!
思わず全部話してしまいそうになりながらも、ぐっと堪えて
「それ、私じゃなくてリディアーナに言ってあげて?付き纏われるより、その方が本人も嬉しいと思うわ」
と言って微笑んだ。
ロイは前よりも頻度は減ったが、いまだにリディアーナを見つけると影からこっそり見ていたり、距離を維持して追いかけたりしている。
もう、前世だったらストーカーだからね。
これがなければモニカとの醜態で下がった評価をもう少し回復出来るような気がする。
ロイは私の言葉に目を見開いて驚いたが、その後に、ありがとうございます、とお礼を言った。
その時の顔は、なんとなく晴れやかな顔をしていた。
あ、ロイの謝罪で忘れるところだったけど、殿下達が婚約破棄するかもしれないのよね。
とりあえず、シエラとアリアに報告しておかなきゃ。
というのを頭の片隅に入れ、その日は久しぶりにロイと話をしながら夕食までの時間を過ごした。
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