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3話 ハロルドside
しおりを挟む俺はこの国の王子として産まれた時から、王太子として育てられてきた。
一応、上には兄が居たけど側室の子供だったから王妃の息子の俺が王になるのは当たり前だと思った。
まぁ、だからとは言って別に威張り散らしていた訳でもない。
あちらが一方的に俺の事を嫌ってはいたけどな。
婚約者も親同士が勝手に決めたけど、国の為に仕方のないことだと思って頷いた。
父上達が決めた人だったら大丈夫だ、と信じたからだ。
すると、マリアンヌは俺が思っていた以上に完璧な令嬢だった。
勉強も、マナーも、性格だって良いし顔だって美人だ。
そんな彼女を自慢に思った。
でも、それと同時に比べられることによって劣等感を抱くようにもなった。
というか、完璧な彼女に劣等感を抱かない人はいるのだろうか?
彼女に劣らない男になろうと頑張っても、常に1歩先に進んでいる婚約者に嫌気がさすのは当然だろう?
そんな時に現れたのがアリスだった。
アリスは天真爛漫で、王妃教育を受けているマリアンヌとは天と地の差があるほど礼儀もなっていない。
笑う時に歯を見せて笑うのは令嬢として、恥ずべきことなのに、アリスがやると可愛らしく見えた。
一緒にいる時間がどんどん増えていって、気が付いたらアリスに夢中になっていたんだ。
いつも通り、温室でお茶を飲んでいた時、アリスから、マリアンヌに虐められているという話をされた。
あの優しいマリアンヌがそんなことするはずない、そう思ったが、嫉妬して、と聞いた時ちょっとした優越感がどこかにあった。
だって、あの完璧なマリアンヌが俺とアリスに嫉妬するなんて......そう考えると嬉しくなった。
だからまともに調査もすることなくマリアンヌを糾弾して国外追放を言い渡してやった。
きっと泣いて縋ってくる、そう思ったが、マリアンヌはあっさりと別れを告げて会場を出ていってしまった。
アリスが1番だが、マリアンヌが泣いて縋るのであれば側室くらいには置いてやってもいいと思っていたのに......。
そして、マリアンヌが国から出ていってから生活は一変した。
今までマリアンヌは俺がアリスと遊んでいてサボっていたの仕事を引き受けてくれていたんだ。
「殿下!困りますよ!ちゃんと読んでからサインしてくれないと...っ!」
そう言って数枚の紙を持って現れたのはユリアスだ。
うるさいな。俺が書類に追われている間にアリスと2人でイチャついてきたくせに...っ!
ユリアスをギロっと睨みつけて
「1枚ずつ読んでいたら何時になると思ってるんだ!こっちは、お前と違ってアリスと話すことも出来ないんだぞ!」
そう言ってやった。
当たり前だろ?だって俺が忙しくしている間に勝手に俺のアリスとイチャついているんだから。
するとユリアスはあからさまに大きなため息をつきながら
「私がアリスと親しくしているからって嫉妬はやめてください。だったら早く終わらせれば良い話じゃないですか」
と俺をバカにしたようにそう言ってきやがった。
腹が立つ。
アリスが王宮に居るのはわかっているんだ。
それなのに、これが終わるまで会いに行くことすら許されない。
アリスが婚約者になってくれたらここでいちゃつきながら仕事ができるのに...っ!
アリスに誰を選ぶのか聞いても毎回誤魔化されてしまう。
クソっ!このままだと俺の立場だって危ういのに......っ!
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