私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

文字の大きさ
287 / 344

287話

しおりを挟む
心を入れ替えたと言っていたので、少しは期待をしていましたが、あまりにも期待外れのことしか言ってこない叔父様に呆れた私は、何か言って来るのか、と一旦黙って待ってみることにしましたわ。

ですが、私の反応を見て叔父様なりに何かを察したんでしょうね。

下を向いているだけで何も言葉を発しなくなってしまいましたわ。

ただ、黙っていても埒が明かないので叔父様に

「ところで、叔父様はこれからどうするつもりなんですの?離婚したんですから子爵家にはいられませんわよね」

と尋ねてみましたわ。

確か、一応お父様のお父様.....私からするとおじい様達が隠居されていた家は残っているはずですわよね?

ただ、おじい様達は私が幼い頃に亡くなってしまっているので、結構長い間放置されていますが......。

使う予定は全くないので行くとしたらそこに行くんでしょうか?

そう思っての質問でしたが、何を思ったのか叔父様は

「そ、そのことについてなんだが.........ここに住んでもいいだろうか?」

遠慮気味にではありますが、私にそう聞いてきたではありませんか。

まさかそんなことを言われるなんて思ってもいなかった私は、思わず

「はぁ!?」

と令嬢らしからぬ声を出してしまいましたわよ。

そんな私に対して

「ほ、ほら、元々はこの家は俺が住んでいた家でもあったんだし、実家だ。セリスティアだって大人の手があった方が良い時があるだろう?」

叔父様は付け足すようにそう言ってきましたが、もしかして自分の都合が悪いことは全て忘れてしまう人なんでしょうか?

なぜこの家に住めると考えていたのか不明ですわよね。

私に謝罪をしたから大丈夫だとでも思っているんでしょうか?

そう思いながら、私の顔色を窺うような目で見て来る叔父様に

「何を言っていますの?」

と冷たく言い放ちましたわ。

自分で想像していた以上に冷たい声が出てきて驚きましたが、それだけ叔父様に対して思うことがある、ということですわよね。

なんて思いながら叔父様のことを見ると、私に何を言われたのか一瞬理解が出来なかったみたいで、キョトンとした顔をしていますわ。

そんな叔父様を鋭い目でキッと睨みつけると、流石の叔父様もマズいと思ったんでしょうね。

何かを言おうと口を開こうとしましたが、それよりも先に

「今まで散々我が家に見向きもしなかったくせに自分の都合が良い時だけ実家ですって?ハッキリ言うと叔父様のようなお荷物を抱えるほど私もお人よしではありませんのよ」

私がそう言うと、叔父様はあからさまに焦ったような顔をして

「お荷物なんて......もちろんここに住まわせてもらえるなら領地経営も手伝う。いや、住まわせてくれるのであれば従者として扱ってもいい」

と言ってきましたわね。

どうやら叔父様の中でおじい様達が隠居していたお屋敷の方に行く、という考えは一切ないらしく、縋るような目で私のことを見ていますわ。

ですが、そんな叔父様を見ても可哀そうだ、とか、なんとか力になりたい、なんて考えは全く浮かんでくることなく、ただただ呆れてしまいましたわ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...