70 / 88
69話
しおりを挟む無事に家に到着した私たちは、早速お父様に話があるということで執務室へと向かいましたわ。
はぁ......隣国の王宮では竜専用の入り口があって移動が凄く楽でしたが、流石にお屋敷を改造するのはお父様が頷いてくれませんからね。
ここは我慢するしかありませんわ。
なんて思いながら、チラッと私の隣にピッタリとくっついて空を飛んでいるコシューミアに視線を向けました。
隣国からここまで、ディーヴァンと一緒に空を飛んできたコシューミアですが、まだまだ元気が有り余っているみたいですわね。
「ぴぃ!ぴぃ!」
と元気に鳴きながら、辺りをキョロキョロと見渡していますわ。
そんなコシューミアをディーヴァンはハラハラした顔をして見ているんですが、もうすっかり伯父様の顔をしていますわね。
いや、それどころかお父様みたいになっているので、思わず笑いそうになってしまいますわ。
そんなことを思いながら、2人を交互に眺めて、廊下を歩いていると
「お嬢様?その........隣を飛んでいるのは.......」
正面から歩いてきたメイド長が驚いた顔をしてコシューミアを見ていますわね。
すれ違ったメイドのほぼ全員が同じような顔をしてコシューミアを見ていましたが、こうやって質問してきたのはメイド長が初めてですわ。
なんて思いながら、コシューミアに視線を向けながら
「ディーヴァンの姪っ子なの。お父様にここで暮らして良いのか聞きに行くのよ」
と言って微笑むとコシューミアが嬉しそうに、ぴぃ!と鳴いていますわね。
きっと私の言葉に同調してくれているんでしょう。
なんだかディーヴァンとはまた違った相棒感があって楽しくなりますわ。
そう思いながら、上機嫌に空を飛んでいるコシューミアをそっと掴んで肩に乗せると、その一部始終を見ていたメイド長が驚いた顔をして
「そうなんですか!?姪っ子......竜にも性別があるんですね」
と興味津々にコシューミアのことを見ていますわ。
そんな中、ディーヴァンは少し離れたところで私と、メイド長の会話を聞いているみたいですが、やっぱりコシューミアのことが気になるみたいで、ソワソワしていますわね。
そんなに気になるのなら近くにいたらいいのに.....。
一緒に空を飛んだ、ということもあって、我が家に到着する頃にはコシューミアもディーヴァンに対する恐怖心が薄れたみたいなんですのよね。
あの時は近くでガルファーが大きな声を出していたから、ということもありますが、とりあえず嫌われることがなくて安心しましたわ。
なんて思いながら、メイド長の言葉に
「私も同じことを思ったわ」
と言って微笑むとコシューミアはキョトンとした顔をして
「ぴぃ?」
と可愛らしく首を傾げていますわね。
そんなコシューミアの姿を見たメイド長は、少し顔を赤らめながら
「な、何か食べる物とかが必要でしたら声をかけてくださいませ!すぐに持って行きます!」
と逃げる様に私たちから離れていきましたが、どうやらコシューミアの可愛さにやれれてしまったみたいですわ。
本当に可愛いですものね。
メイド長の気持ちは凄くよくわかりますわよ。
25
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
「お前との婚約はなかったことに」と言われたので、全財産持って逃げました
ほーみ
恋愛
その日、私は生まれて初めて「人間ってここまで自己中心的になれるんだ」と知った。
「レイナ・エルンスト。お前との婚約は、なかったことにしたい」
そう言ったのは、私の婚約者であり王太子であるエドワルド殿下だった。
「……は?」
まぬけな声が出た。無理もない。私は何の前触れもなく、突然、婚約を破棄されたのだから。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる