人生詰んだ気がしたので、VTuberになってみた。

未来アルカ

文字の大きさ
120 / 244

第117話 嫉妬の嵐

しおりを挟む
午後2時
 デビュー配信から二週間が経った。
 現在、『スペースオペラ』所属VTuberへの、世間からの評価はイマイチだ。特に、腹一さんと嬢ノ内さんの評価が思っていたよりも低くなっているようだ。これに関してはある意味、世の中の理不尽さを改めて感じてしまった。

 腹一さんの場合、元々はブラック企業とも言えるような会社で働いていた為、自分と同じ境遇の人が配信を観に来ていたのだが、今回腹一さんは、無名の会社と言えども、まともな会社に勤めることになってしまった。その結果、視聴者の中に、腹一さんに対しての嫉妬などを抱える人が増え、何故かボロクソに叩かれている。可笑しな話だ。
 これも全て、会社内の生活環境や社員への待遇など、詳しい情報を外部に宣伝し過ぎた事が原因だろう。
 会社から無料で部屋を借りることが出来て(現在スタッフは、一時的に部屋を借りることが出来ている。これからもスタッフとライバーが増えることを想定すると、スタッフへの貸し出しは無くなってしまうかもしれない。と高太郎が言っていた。)、三食無料(一食300円に変更予定)、電気代水道代は経費から出ている(後々、給料から2000円引かれるようになる予定)。
 この条件のみを見た時、利益を優先する人なら誰だって食いつくだろう。しかも、この美味しい思いをしているのが、ブラックハッカーによって、炎上するだけの何かがある人達だって言うことが、一部の人からの批判に拍車をかけているようだ。

 嬢ノ内さんに関しても、嫉妬の面が強いだろう。ただ、嬢ノ内さんの発言にも些か問題があったような気がするが、どれもこれも今更だと考えることにした。

 嬢ノ内さんの配信コンテンツは主に、ブランド商品や女性男性におすすめの化粧品など、女性向けのコンテンツが多かったりする。そんな中、嬢ノ内さんの男女比を調べたところ、視聴者の半分以上が男性と言う事実に大変驚いたと同時に、実際に配信を観て、何故このような男女比になったのかと言う理由が、はっきり分かった

 嬢ノ内さんにとって、男性視聴者は『貢いでくれる人』と考えているらしく、例えば、高級ブランドバッグを紹介している時には『最近、視聴者の男性から貰ったバッグがヨレヨレになって来ちゃったのよねぇ!このバッグ、皮の鞣し方が丁寧で欲しいわね。』や『これ、貰った女性はキュンキュンするんじゃないかしら?私とか、どう?』のような発言を多くしている。
 この発言で重要なのが、『』と言う部分だ。
 前回、嬢ノ内さんに送り物をしたことがある人は、『もしかして、自分が送った物もボロボロになっているのではないか?』などと考え、必死に嬢ノ内さんの配信での発言に耳を傾け、欲している物について調べようとする。
 送ったことが無い熱烈なファンも、『それが欲しいのか、送ったらまた?と考え、自分の中で送れる物を送ろうと考えてしまうようだ。
 普通、ただ配信で強請っただけで物が送られてくることはあり得ない。しかし、城ノ内はこれを可能にした。ここまで、妄信的な信者のようない視聴者が一定数居る理由は、嬢ノ内さんが三日に一度行う、『嬢の箱庭』と呼ばれる企画が原因だ。

 『嬢の箱庭』
 視聴者の中から、嬢ノ内さんがランダムで選んだ視聴者と、一緒に配信したり、おしゃべりしたり、時には、その視聴者限定でボイスを送ったりなど、様々なサービスをしている。
 これが、嬢ノ内ファンの中ではステータスのような物になっているらしく、『この前、嬢の箱庭に呼ばれたんだ!!』→『嬢の箱庭に呼ばれるとか、お前すげぇじゃん!!!』→『そうか?マジか、これって凄いことなのか?』→『マジマジ!!今までに三回呼ばれた人も居るってよ!!』→『・・・俺もまた、呼ばれたくなってきたな!』と、このように循環しているらしく、いくら考えても、俺には嬢ノ内ファンがここまで熱狂する理由は、俺に分からないだろう。

 そして、これに大激怒なのが、女性視聴者だ。『女は怖い』。これに関しては一般常識だろう。
 嫉妬や暴言、果てにはコミュニティサイトで晒上げ。何を使ってでも陥れようと考える、残酷さのレベルがエグイ。
 これに対して、嬢ノ内さんの発言が『私みたいに男から貢いで欲しいなら、少しでも努力したら?女性が化粧したり、肌を気にするのは当たり前なんだから、他の方法で誘惑しないと意味ないでしょ?ちょっとくらい自分で考えれば良いのに。』と答えたことによって、大炎上。
 世間では、この発言をめちゃくちゃに叩いているようだが、嬢ノ内さんの努力の結果だと考えれば、否定する意見も沸かないだろうな。と俺は考えている。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

処理中です...