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第145話 『スペースオペラの大食漢 #1』#スぺ食
しおりを挟む「―――――――と言う訳で一品目は、えーと、こちらですね。バッチ濃さんの人気メニュー『バッチ濃い串カツノック』、豚肩ロース、牛モモ肉、うずらの卵、海老、ホタテの5種類をそれぞれ三本ずつ、計15本が付いてくるメニューとなっています。」
台本そのままの棒読みになってしまったが、何とか噛まずに進行出来たことに安心していると、スタッフ達が動き出し、串カツとソースが入った深皿を俺達の前に一セットずつ置いていく。
隣を見ると、腹一さんと城東さんがカメラに向かって、串カツが良く見えるように皿を傾けていた為、慌てて俺も同じように傾ける。配信画面は、テーブルの横に設置したモニターに映し出されるようにしている為、座りながらでも確認出来る。勿論、パソコンも近く置いてあるので、いつでも配信画面を弄れる。
ちなみに、モニターや高性能マイク等は、会社が貸し出している物だ。高太郎さん的には、『ガンガン使ってくれ!』って感じだったから、有難く使わせて貰っている。独断で購入したせいで、経理部から注意を受けたって話に付き合わされたけどな。
「これだよこれ!俺がいつも頼んでるやつ!っと、まだ足りないものがあったんだった、どっどーん!」
「じょっ、城東さん⁉もうちょっと丁寧に扱って下さいよ!そのジョッキも借り物なんですから!」
串カツを見てテンションが上がったのか、台本の文章とは程遠い掛け声を出しながら、テーブルの下に用意していたビールを取り出す城東さん。『どっどーん』って何だ?
まぁ、台本には【なんと今回!バッチ濃さんからのご厚意により、実際に店で使用されている銘柄のビールとジョッキを、提供させて貰っています!!やっぱり揚げ物には、お酒が必要でしょう!本当にありがとうございます!どうぞ視聴者の皆様も、この配信を観ながら夕食を堪能して頂ければと思います!!!】、的な内容を話すと書かれていたのだが、こっちの方が城東さんらしいか。
〈敬語なの似合わねぇwwww〉
〈奈落が司会やってんの?wwww〉
〈棒読みで草〉
〈草〉
〈もうちょっと抑揚を付けて読もう?wwww〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈どっどーん!!wwww〉
〈あーあー、テーブルの上がグチャグチャにwww〉
〈ビール、どこに隠してんだよ!wwww〉
〈早く食べようぜ?ww〉
〈串カツ美味そう!!〉
〈別皿なら二度漬けあり?〉
「取り敢えず・・・食べましょうか。早く食べて次の品に進まないと、時間が足りなくなる可能性があります。後、城東さんは飲み過ぎないように、注意してくださいよ?」
そう言うと俺は、ホタテの串カツに手を付ける。
なんせ、まだ一品目だ。しかも、今回の企画はタイトルにある通り『大食漢』。
流石に、それぞれが好き勝手食べてしまうと、『満腹過ぎて最後の品が食べられない』なんて事態が起きてしまうかもしれないので、一食ずつ全て食べてから大食いを始める算段になっている。ほとんど、城東さんに対して設けられたのは秘密だ。
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