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第210話 手繰り寄せる
しおりを挟む「え、えーと、何の話か聞いても大丈夫ですか?」
男性スタッフと喜びを露わにしている高太郎さんに、恐る恐る話しかけてみる緒恋さん。
「ん?ああ、みんなには話してなかったか!実は、とある伝手で聞いた情報の中に、『現在、あちらこちらに突撃して迷惑を掛けている人の中に、今回の首謀者であるブラックハッカーと直接やり取りをしている人が居る』と言うものが出て来た為、一部のスタッフと私の秘書である柏崎を含めたチームが、密かに情報を集めていたところ、先程、目を付けていた記者が怪しい動きをしているのを。確認したらしいんだよ!!」
それらが本当なら、今回の事態に終止符を打つことも可能だろう!ただし、情報提供者のことを俺達が詳しく知らない事と、ブラックハッカーがそこまで読んでいるとしたら、無駄足になってしまう事だろう。
スタッフ内に裏切者が居た場合、手痛いしっぺ返しを食らうかもしれない。ここまで考えてしまうと、一切動けなくなってしまうから、今は邪魔な考えなのかもしれない。しかし―――
「お、おう。あんたがどんなコネを使って情報を得たのかは知らんが、その情報をペラペラと話して大丈夫なのか?あー、なんだ、取り敢えずナイス!」
「そ、そうですよねっ!犯人に近付ける目途が立ったのは良い事だと思います!!が、頑張りましょう!!」
「せやな、新しい目標が出来たのは良い事だと思うで!!い、一応、大きな声では言わん方がええとは思うけどなっ!」
「ん?みんなどうしたんだい?私としては、もう少し喜んで貰えると思っていたんだが、まだ「そんな理由で勝手に話したんですか?馬鹿社長。」、えっ?」
後方から聞こえた声に、高太郎さんが慌てて振り返るとそこには、静かに怒りで打ち震えている柏崎さんの姿があった。
今のやり取りを聞いたら分かる通り、やはりまだ周知する情報では無かったようだ。まぁ、まだ犯人を捕まえた訳でも無いし、その記者が怪しい動きをしただけで、確固たる証拠を得られた訳でも無いのだから、こちら側にデメリットが発生する可能性を示唆出来るだろう。
「い、いや、その、少しでも進展している事をライバーにも伝えた方が、安心出来るかなって考えたら、話した方が良いと思ったんだよ!柏崎さんだって、『ライバーの精神的負担が心配だから、早めに肩を軽くしてあげたいですね!』って、話してただろう?」
「・・・はぁぁ、私もそこまで怒っている訳じゃないので、それ以上言い訳は大丈夫です。勝手に、私との会話まで持ち出して来たことには、目を瞑りませんけどね。」
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