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第215話 計画
しおりを挟む「高太郎さんが裏で動いて御蔭で、ここまでの情報を得られたが、これ以上対応が遅れてしまうと、本当に潰されてしまうかもしれない!!特に、今回は前よりも警備を厳重にしたうえで、直接的な被害を出してしまっている!お前も一度、襲われているから分かるだろ?」
俺も伸二さんの意見に同意だ。
どれだけ会社内の警備を厳重にし、荒らしが過ぎ去るのを待つすら難しい。その事が、今回の襲撃で身に染みただろう。
まだ出会って間もないが、各々に闇を抱えながらも必死に生きている人達が怪我をする、最悪の場合、命を落とす可能性が考えられるのなら、何とかしたい。
しかし、今の俺達に出来る手は少な過ぎる。
「何処か遠くに逃げようにも、俺達の姿は拡散され過ぎているし、また見つけ出されるのも時間の問題になってしまうだろう!そこでだっ!俊隆、俺は配信関係に疎いから分からないんだが、一日中配信を流すことは出来るのか?後、配信サービス?サイト?は、複数で同時に流せるか?」
「配信?まぁ、出来ない事は無いんじゃないですか?俺もその辺は詳しくないから分からないけど、暇なスタッフに聞けば分かるだろうし、他の配信者が複数の配信サービスで、配信を同時に取っているのは観たことあるから。伸二さん、配信でも取るんですか?まぁ、客観的に見たら、今の現状は面白く感じる人も居るかもしれませんけど。ある意味、『戦争みたいなもの』ですからね。」
「本当か!!よしっ!これは行けるかもしれないな!えーと、まずはスタッフへの説明と、機材の準備。あー、外の声は聞こえた方が良いのか?それなら、専用のマイクも必要になるかもしれないな!いや、もし壊されでもしたら痛い出費になってしまう!数か所にカメラを仕掛けて、映像のみを流すしかないか。うーん、俺だけで悩んでいてもしょうがない、一度スタッフを集めて相談するのもアリだな!!すまん俊隆!!ちょっと、用事が出来たから、後の話は今度な!」
「えっ、いや、あぁ。」
配信が出来ると分かった瞬間、ブツブツと一人で考えていたのを眺めていると、突然、慌てるように部屋から出て行ってしまった伸二さんの後ろ姿を、唖然とした表情で見送る。
久しぶり?いや、初めて見たかもしれないな。あそこまでウキウキした表情の伸二さんは。
伸二さんが高太郎さんから、どんなメッセージを貰ったのかは分からない。ただ、俺達の為に動いているのだけは分かる。
「はぁ、もし失敗したら、軽く揶揄うぐらいはした方が良いかな?」
慌ただしく動き出したスタッフを手伝う為に、他のライバーが待機している会議室へと向かう。
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