かべ

うめさわ

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かわ

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壁と交差するように川が流れている。
向こうが覗けるかと思って川に手を入れて探ってみた。手の届く範囲に穴は空いていない。
船を拾って壁に沿って進んでみる。途中穴がないか探ってみたが、やはり穴はない。
とうとう向こうへ辿り着いてしまった。
引き返してもっと探してみるかと思ったが、船はいなくなってしまった。
壁はやはり壁のままなのだ。
退屈しのぎに石を川に放ってみた。はねた水が壁にかかる。
壁にかかった水はすっと壁に染み込んで行く。目に見えるほどの穴なぞなくても川の流れは途切れないのか。

壁にしみ込む様が面白くて、しばらく水をかけていた。最初は手ですくってかけていたが、だんだん物足りなくなってバケツはないか探し始めた。

バケツはないが袋が転がっていた。袋で水をすくって一気に壁へかける。
はねかえる水はほとんどなく、壁などないかのように水は消えていく。

だんだんと飽きてきたのでもうやめた。

水筒に水を汲んでまた歩き始める。
壁に沿って歩けば壁の果てに行けるのか。
輪っかの壁でなければいいなぁ。などと思いながらまた歩けばいい。
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