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第11話
全てが、絶望的だった。
魔女と呼ばれ、石を投げられ、信じていた殿下にも見捨てられた。
宮廷の牢に閉じ込められて——
私は膝を抱えて座っていた。
「私は……何のために……」
もう、泣く気力もなかった。
その時——
「魔物だ!魔物が王城を襲っている!」
兵士の叫び声。
地面が揺れる。
牢の扉が開いた。
ルーカス様だった。
「セレスティア、来い!」
「で、でも……」
「今は関係ない。王城が危険だ」
外に出ると、空が真っ黒だった。
巨大な魔物が、王城の壁を破壊している。
「聖女様!お願いします!」
民衆がリリアーナ様に懇願していた。
「わ、私が……」
リリアーナ様は震えていた。
魔道具のペンダントを握りしめているが、魔物には全く効かない。
「嫌……来ないで……!」
彼女は恐怖で、動けなくなっていた。
魔物が民衆に襲いかかろうとした時——
私の体が、動いた。
「やめて!」
魔物の前に飛び出す。
両手を前に突き出す。
聖力が——今までで最大の力が、溢れ出した。
銀色の光が、魔物を包み込む。
浄化の光。
温かくて、優しい光。
魔物が悲鳴を上げ、光に溶けるように消えていく。
「これは……」
「本物の……聖女だ……」
民衆が、息を呑んで見守っている。
力を使い果たして、私は膝をついた。
ルーカス様が支えてくれた。
「よくやった」
エドガー様も駆けつけてきた。
「これで皆、真実を理解しただろう」
アレクシス殿下が、呆然と私を見ていた。
「セレスティア……君が……本物の……」
殿下の声は、震えていた。
リリアーナ様は地面に座り込んで、泣いていた。
「私……私……」
全てが明らかになった。
でも——
私の心は、晴れなかった。
この宮廷にはもういられない。
魔女と呼ばれ、石を投げられ、信じていた殿下にも見捨てられた。
宮廷の牢に閉じ込められて——
私は膝を抱えて座っていた。
「私は……何のために……」
もう、泣く気力もなかった。
その時——
「魔物だ!魔物が王城を襲っている!」
兵士の叫び声。
地面が揺れる。
牢の扉が開いた。
ルーカス様だった。
「セレスティア、来い!」
「で、でも……」
「今は関係ない。王城が危険だ」
外に出ると、空が真っ黒だった。
巨大な魔物が、王城の壁を破壊している。
「聖女様!お願いします!」
民衆がリリアーナ様に懇願していた。
「わ、私が……」
リリアーナ様は震えていた。
魔道具のペンダントを握りしめているが、魔物には全く効かない。
「嫌……来ないで……!」
彼女は恐怖で、動けなくなっていた。
魔物が民衆に襲いかかろうとした時——
私の体が、動いた。
「やめて!」
魔物の前に飛び出す。
両手を前に突き出す。
聖力が——今までで最大の力が、溢れ出した。
銀色の光が、魔物を包み込む。
浄化の光。
温かくて、優しい光。
魔物が悲鳴を上げ、光に溶けるように消えていく。
「これは……」
「本物の……聖女だ……」
民衆が、息を呑んで見守っている。
力を使い果たして、私は膝をついた。
ルーカス様が支えてくれた。
「よくやった」
エドガー様も駆けつけてきた。
「これで皆、真実を理解しただろう」
アレクシス殿下が、呆然と私を見ていた。
「セレスティア……君が……本物の……」
殿下の声は、震えていた。
リリアーナ様は地面に座り込んで、泣いていた。
「私……私……」
全てが明らかになった。
でも——
私の心は、晴れなかった。
この宮廷にはもういられない。
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