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第2章「経矢の故郷」
第16話「2人は相棒」
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縄を投げた後に相手を縛り上げる練習をするイリーナ。
やはり縄の扱いに関しては、かなり上手だ。
「いい感じだイリーナ。今度は実際に俺で試してみるんだ。体を縛ったら手と足にも縄をかけて縛る。できるだけ早く正確にするんだぞ」
「うん! えっと……手は後ろで足も伸ばした状態で……」
イリーナは経矢に近付くと先ほどまで練習していた体術で押し倒す。
「よし……。えっとまずは……」
そう言ってイリーナは経矢を縛り始めた。その手際の良さに経矢は驚いた。
「すごいな……。さすが牧場育ちだ」
経矢が感心しているとイリーナは嬉しそうにしていた。
「これでキョウヤのこと捕まえちゃったから、もうどこにも逃げられないよ?」
その可愛らしい言葉に思わず笑ってしまう経矢。
「あっはは! たしかにな。縛られたやつはこんな感じで打ち上げられた魚みたいにビチビチ暴れるしかないかもな」
経矢は縛られたまま床の上でゴロゴロ転がったり跳ねたりしながらイリーナをからかう。
ふふ、と小さく笑みをこぼすイリーナ。
そして意味深な笑みを浮かべたまま、経矢を見つめる。
「イリーナ、そろそろ解いてくれていいぞ。……イリーナ?」
経矢は自分を見つめるイリーナの視線に、いたずらっ子のような好奇心が含まれているのを感じ取る。
手をニギニギと動かし、ニヤリと笑うイリーナ。
「ふっふっふっ! 今、経矢は動けない……つまりいたずらしほうだいってことだよね?」
その言葉に経矢は「うっ……」と呻く。
「こ、この姿勢はかなりきつくて……早く解放してくれると嬉しいんだけどなぁ~?」
情けない声をあげる経矢に対して、イリーナはニコニコと笑っている。
「えへへ、そう簡単にはいかないよっ!それ、こちょこちょ~」
そう言いながら経矢の脇腹をくすぐるイリーナ。
「うおっ!? ちょっ!くすぐったいって!」
体をよじって抵抗しようとする経矢だがイリーナの縛りは完璧で全く身動きが取れない。そんな経矢を見てイリーナは更にくすぐっていく。
耐えきれずに大声で笑い始める経矢。
「あははっ!あははっ!無理だ!降参だ!」
経矢が悶えている姿に、イリーナはいたずらっぽく笑っていたがやがて、その手をゆるめる。
「ごめんごめんキョウヤ! キョウヤにこちょこちょが効くか試してみたくなっちゃって! こんな状態じゃないと出来ないし……」
そんな風に笑っているイリーナに呆れつつも経矢も笑顔を見せる。そして2人とも笑い疲れて地面に倒れ込んだ。
しばらくして経矢が口を開く。
「なぁイリーナ。……実はさ、俺は誰かと遊んだりとかしたこと、ほとんどなくてさ。こういうやり取りって俺にとっては新鮮なんだ。だから……」
イリーナは優しく微笑みながら経矢を見つめた。
「俺にとってはすごく楽しくて……。イリーナといることが、俺にとって救いになってるんだ。あらためて、ありがとうな相棒!」
それを聞いたイリーナは少し照れたように頬を赤らめる。
「相棒……。うん、あたしとキョウヤは最高の相棒だよ! あたしもキョウヤといられて、楽しい! それに幸せだよ!」
彼女は満面の笑顔で答える。そして胸を張って続けた。
「これからもっともっと頼りになるように強くなるからね。縄なしでもキョウヤにこちょこちょできるくらいに♪」
「不穏な動機だな……ははっ! でも楽しみにしてる!」
2人は笑い合いながら空を見上げる。
日が暮れ始め、夕焼け色に染まっていく景色の中2人はお互いの存在を以前よりもさらに近く感じていた。
やはり縄の扱いに関しては、かなり上手だ。
「いい感じだイリーナ。今度は実際に俺で試してみるんだ。体を縛ったら手と足にも縄をかけて縛る。できるだけ早く正確にするんだぞ」
「うん! えっと……手は後ろで足も伸ばした状態で……」
イリーナは経矢に近付くと先ほどまで練習していた体術で押し倒す。
「よし……。えっとまずは……」
そう言ってイリーナは経矢を縛り始めた。その手際の良さに経矢は驚いた。
「すごいな……。さすが牧場育ちだ」
経矢が感心しているとイリーナは嬉しそうにしていた。
「これでキョウヤのこと捕まえちゃったから、もうどこにも逃げられないよ?」
その可愛らしい言葉に思わず笑ってしまう経矢。
「あっはは! たしかにな。縛られたやつはこんな感じで打ち上げられた魚みたいにビチビチ暴れるしかないかもな」
経矢は縛られたまま床の上でゴロゴロ転がったり跳ねたりしながらイリーナをからかう。
ふふ、と小さく笑みをこぼすイリーナ。
そして意味深な笑みを浮かべたまま、経矢を見つめる。
「イリーナ、そろそろ解いてくれていいぞ。……イリーナ?」
経矢は自分を見つめるイリーナの視線に、いたずらっ子のような好奇心が含まれているのを感じ取る。
手をニギニギと動かし、ニヤリと笑うイリーナ。
「ふっふっふっ! 今、経矢は動けない……つまりいたずらしほうだいってことだよね?」
その言葉に経矢は「うっ……」と呻く。
「こ、この姿勢はかなりきつくて……早く解放してくれると嬉しいんだけどなぁ~?」
情けない声をあげる経矢に対して、イリーナはニコニコと笑っている。
「えへへ、そう簡単にはいかないよっ!それ、こちょこちょ~」
そう言いながら経矢の脇腹をくすぐるイリーナ。
「うおっ!? ちょっ!くすぐったいって!」
体をよじって抵抗しようとする経矢だがイリーナの縛りは完璧で全く身動きが取れない。そんな経矢を見てイリーナは更にくすぐっていく。
耐えきれずに大声で笑い始める経矢。
「あははっ!あははっ!無理だ!降参だ!」
経矢が悶えている姿に、イリーナはいたずらっぽく笑っていたがやがて、その手をゆるめる。
「ごめんごめんキョウヤ! キョウヤにこちょこちょが効くか試してみたくなっちゃって! こんな状態じゃないと出来ないし……」
そんな風に笑っているイリーナに呆れつつも経矢も笑顔を見せる。そして2人とも笑い疲れて地面に倒れ込んだ。
しばらくして経矢が口を開く。
「なぁイリーナ。……実はさ、俺は誰かと遊んだりとかしたこと、ほとんどなくてさ。こういうやり取りって俺にとっては新鮮なんだ。だから……」
イリーナは優しく微笑みながら経矢を見つめた。
「俺にとってはすごく楽しくて……。イリーナといることが、俺にとって救いになってるんだ。あらためて、ありがとうな相棒!」
それを聞いたイリーナは少し照れたように頬を赤らめる。
「相棒……。うん、あたしとキョウヤは最高の相棒だよ! あたしもキョウヤといられて、楽しい! それに幸せだよ!」
彼女は満面の笑顔で答える。そして胸を張って続けた。
「これからもっともっと頼りになるように強くなるからね。縄なしでもキョウヤにこちょこちょできるくらいに♪」
「不穏な動機だな……ははっ! でも楽しみにしてる!」
2人は笑い合いながら空を見上げる。
日が暮れ始め、夕焼け色に染まっていく景色の中2人はお互いの存在を以前よりもさらに近く感じていた。
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