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【アーカイブ】ビブルスの簡易報告書
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帝国軍海兵隊第二部隊隊長 フラヴィア・フーリウス殿へ
此度の、マクロフの町近辺での魔物目撃事件について、要点をまとめてご報告させていただきます。
まずは、マクロフの町が存在する小島に向かうモルディオ湾にて、勇者ファブリス殿とその一行に偶然遭遇いたしました。
先日、魔王ムレクを討った、あの勇者ファブリス一行です。
その中にはもちろん、現在話題の彼の姿もありました。そう……。異世界からやって来て、武器を一切使わずに魔王を打ち倒した、と噂される牛方若矢殿です。
彼らに調査の協力を願い出ると、快く引き受けてくれました。
マクロフの町近辺では魔妖妃クレフィラが目撃されているため、心強い援軍を得ることができた我が隊の兵士たちも士気が上がっておりました。
島に着いてからは、翌日の調査に備えて勇者一行と盃を交わして、交流を深めました。
普段、帝国の命令で動いている我々と違い、彼らの自由な冒険談には心惹かれるものがありました。気さくな彼らと楽しく過ごしていたのですが、酔った兵士の1人が物静かな冒険者の男性に絡んでしまったのです。
その日は、その男性がすぐに手を退いたので揉め事には発展しませんでした。
しかし翌日、調査を行う我々の前に彼は再び姿を現したのです。
そして遺跡の奥へと進んでいきました。彼は魔族ではないと思いますが、普通の人間でもないような雰囲気を感じました。
我々は遺跡の入り口付近、及び島全体の魔物の討伐にあたり、遺跡の調査をファブリス殿たちにお願いしました。中でどのようなことがあったのか、直接は目にしていませんが、先ほどの男性はレリクスを探していたようです。
そうです。
我々と同じ、レリクス「大勇者の大牙」を探していたようです。
ファブリス殿たちは、男を尾行していた魔怪人ディドロスとヤツが呼び出したインプの群れと戦闘を行ったそうです。
そして若矢殿は、レリクスを狙う男と戦い、勝利したことで彼の協力を取り付けることに成功したとのことです。
しかし、1対多で追い詰められたと判断したのか、ディドロスがその強大な力で遺跡ごと全てを破壊しようと試みました。
男が時間稼ぎをしている間に、若矢殿の不思議な力でファブリス殿たちは間一髪で、遺跡の外に転移してきたのです。
我々の目の前で遺跡へつながる空洞は、完全に崩れ去りました。
ディドロスは強大な力を秘めた魔族であるため、魔界へと空間を割いて戻った可能性が高いですが、男の方は崩落に巻き込まれた可能性が高いと思われます。
すぐにでも崩壊した遺跡の調査を行いたいところでしたが、今回の人員だけでは到底掘り進めることができないと判断いたしました。
我々とは別に、発掘調査隊を派遣していただきたく存じます。
つきましては、帰還後に詳細な報告をさせていただければと。
レリクスがあの遺跡に無くなった以上、魔族もあの小島にはもう用なしでしょう。
クレフィラのみならずディドロスまでこの島に来ていたことは、一歩間違えば大惨事を引き起こしていた危険性もありましたが、ファブリス殿たちのおかげでなんとか町人の犠牲者を1人も出さずに任務を終えることができました。
さて。今、私は久しぶりに泥酔しながらこの報告書を書いております。
文章が滅茶苦茶でしたら、ごめんなちい。
隊長が仰っていたように、この辺りの人たちはみんな心穏やかな方ばかりですね。
今日のお酒は格別に美味しいでぇす。
若矢殿は異常にモテます! それは魔王を倒したし、強いから当たり前なのですが!
どうやら魅了の能力持ちっぽいです。町の女の子たちはすでにメロメロ!
一部のマダムには効いていないっぽいので、そこまで魅了の能力値が高いわけではないのかもしれませんが、やっぱり魔王を倒したことと、異世界の話がセットになって、女の子たちは興味津々みたいです。
あ、でもロイゼさんや、ルルちゃん程の魅了スキルではないみたい(笑)いや、ルルちゃんは魅了持ちではなかったですね、すみあせん!
でもでもやっぱり、若矢殿の異世界の話は面白いです! モテるのは嫉妬しちゃうんですけどね!
隊長! 自分、恋をしたかもしれません! 勇者一行のパーティーメンバーであるカルロッテ殿に!
彼女は美しく、気高い雰囲気を感じさせる女性です。どうやら私が向ける羨望の眼差しが気付かれたみたいで、先ほどから彼女に弄ばれております。
これが大人の女性の余裕というやつでしょうか?
そういうところもまた魅力的に感じるのであります!
もっとカルロッテ殿を知りたいのですが、彼女には若矢殿がおりまして……。ああ、いいな若矢殿。
あんなにたくさんの女の子を侍らせて、その上勇者パーティーの魅力的な女性陣と旅をしているんですから!
いいな~! ずるいな~! ていうか普通に考えてそんなのアリですか? いくら魅了もちとはいえ、もう少し節度を持って……。
すみあせん! 報告書に書く内容ではありませんでしたぇん!
とにかく!
帰り次第、たくさん報告させていただきます。
隊長の好きなお土産買って行きますので、楽しみにしていてくだたい!
では、楽しい宴に戻りまっす!
それでは、また!
帝国軍海兵隊第二部隊副隊長バブルス
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みっしょん!! 第10話「欲まみれの夜 魅了される魅了」の宴の席にて、早く宴に戻りたいビブルスが自身の上官に向けて簡易的に作成した報告書です。
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此度の、マクロフの町近辺での魔物目撃事件について、要点をまとめてご報告させていただきます。
まずは、マクロフの町が存在する小島に向かうモルディオ湾にて、勇者ファブリス殿とその一行に偶然遭遇いたしました。
先日、魔王ムレクを討った、あの勇者ファブリス一行です。
その中にはもちろん、現在話題の彼の姿もありました。そう……。異世界からやって来て、武器を一切使わずに魔王を打ち倒した、と噂される牛方若矢殿です。
彼らに調査の協力を願い出ると、快く引き受けてくれました。
マクロフの町近辺では魔妖妃クレフィラが目撃されているため、心強い援軍を得ることができた我が隊の兵士たちも士気が上がっておりました。
島に着いてからは、翌日の調査に備えて勇者一行と盃を交わして、交流を深めました。
普段、帝国の命令で動いている我々と違い、彼らの自由な冒険談には心惹かれるものがありました。気さくな彼らと楽しく過ごしていたのですが、酔った兵士の1人が物静かな冒険者の男性に絡んでしまったのです。
その日は、その男性がすぐに手を退いたので揉め事には発展しませんでした。
しかし翌日、調査を行う我々の前に彼は再び姿を現したのです。
そして遺跡の奥へと進んでいきました。彼は魔族ではないと思いますが、普通の人間でもないような雰囲気を感じました。
我々は遺跡の入り口付近、及び島全体の魔物の討伐にあたり、遺跡の調査をファブリス殿たちにお願いしました。中でどのようなことがあったのか、直接は目にしていませんが、先ほどの男性はレリクスを探していたようです。
そうです。
我々と同じ、レリクス「大勇者の大牙」を探していたようです。
ファブリス殿たちは、男を尾行していた魔怪人ディドロスとヤツが呼び出したインプの群れと戦闘を行ったそうです。
そして若矢殿は、レリクスを狙う男と戦い、勝利したことで彼の協力を取り付けることに成功したとのことです。
しかし、1対多で追い詰められたと判断したのか、ディドロスがその強大な力で遺跡ごと全てを破壊しようと試みました。
男が時間稼ぎをしている間に、若矢殿の不思議な力でファブリス殿たちは間一髪で、遺跡の外に転移してきたのです。
我々の目の前で遺跡へつながる空洞は、完全に崩れ去りました。
ディドロスは強大な力を秘めた魔族であるため、魔界へと空間を割いて戻った可能性が高いですが、男の方は崩落に巻き込まれた可能性が高いと思われます。
すぐにでも崩壊した遺跡の調査を行いたいところでしたが、今回の人員だけでは到底掘り進めることができないと判断いたしました。
我々とは別に、発掘調査隊を派遣していただきたく存じます。
つきましては、帰還後に詳細な報告をさせていただければと。
レリクスがあの遺跡に無くなった以上、魔族もあの小島にはもう用なしでしょう。
クレフィラのみならずディドロスまでこの島に来ていたことは、一歩間違えば大惨事を引き起こしていた危険性もありましたが、ファブリス殿たちのおかげでなんとか町人の犠牲者を1人も出さずに任務を終えることができました。
さて。今、私は久しぶりに泥酔しながらこの報告書を書いております。
文章が滅茶苦茶でしたら、ごめんなちい。
隊長が仰っていたように、この辺りの人たちはみんな心穏やかな方ばかりですね。
今日のお酒は格別に美味しいでぇす。
若矢殿は異常にモテます! それは魔王を倒したし、強いから当たり前なのですが!
どうやら魅了の能力持ちっぽいです。町の女の子たちはすでにメロメロ!
一部のマダムには効いていないっぽいので、そこまで魅了の能力値が高いわけではないのかもしれませんが、やっぱり魔王を倒したことと、異世界の話がセットになって、女の子たちは興味津々みたいです。
あ、でもロイゼさんや、ルルちゃん程の魅了スキルではないみたい(笑)いや、ルルちゃんは魅了持ちではなかったですね、すみあせん!
でもでもやっぱり、若矢殿の異世界の話は面白いです! モテるのは嫉妬しちゃうんですけどね!
隊長! 自分、恋をしたかもしれません! 勇者一行のパーティーメンバーであるカルロッテ殿に!
彼女は美しく、気高い雰囲気を感じさせる女性です。どうやら私が向ける羨望の眼差しが気付かれたみたいで、先ほどから彼女に弄ばれております。
これが大人の女性の余裕というやつでしょうか?
そういうところもまた魅力的に感じるのであります!
もっとカルロッテ殿を知りたいのですが、彼女には若矢殿がおりまして……。ああ、いいな若矢殿。
あんなにたくさんの女の子を侍らせて、その上勇者パーティーの魅力的な女性陣と旅をしているんですから!
いいな~! ずるいな~! ていうか普通に考えてそんなのアリですか? いくら魅了もちとはいえ、もう少し節度を持って……。
すみあせん! 報告書に書く内容ではありませんでしたぇん!
とにかく!
帰り次第、たくさん報告させていただきます。
隊長の好きなお土産買って行きますので、楽しみにしていてくだたい!
では、楽しい宴に戻りまっす!
それでは、また!
帝国軍海兵隊第二部隊副隊長バブルス
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みっしょん!! 第10話「欲まみれの夜 魅了される魅了」の宴の席にて、早く宴に戻りたいビブルスが自身の上官に向けて簡易的に作成した報告書です。
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