4 / 7
第1章 空、降りて
第3話
しおりを挟む
「ばあちゃんただいまー!」
クラルスが意気揚々と扉を開く。扉は壁にぶつかり勢いよく跳ね返ってきたため、ルシェッドは思わず仰け反った。抗議の視線を送ろうとしたが、当人が此方を振り返る気配は全くない。
不平を喉に押し込み家に入ると、陰鬱な空気が彼らを出迎えた。
リビングの椅子にハイレンが腰掛け、テーブルを挟んだその向かいに、若い女性が身を縮こまらせて座っていた。老齢のハイレンにも負けぬ程背を丸め、頭を垂れている。「うちのお手伝いさん」と、クラルスが小声で教えてくれた。
岩がのしかかったような重苦しさが、ルシェッドの肌を舐める。
「……あぁ、おかえりクラルス。村の人たちから話は聞いたよ。ウリボーの件、無事解決したんだってね」
悩ましげな表情のままハイレンが口を開くと、女性はびくりと肩を震わせた。能天気なクラルスもさすがに異様な空気を感じ取ったらしく、向かい同士で座る両者の顔を見比べる。
「こっちはそうだけど……どしたの?二人して辛気臭い顔しちゃって」
「私の……私のせいなんですっ……!」
突然、女性がわっと泣き出した。両手で顔を覆い、顔が膝につきそうな程に、丸い背中をさらに丸めてしまう。「すみません、私が、私のせいで、すみません」と要領を得ない言葉と共に嗚咽を漏らす女性の背を、クラルスが戸惑いつつも優しく摩った。
今の自分、明らかに場違いなのでは。気まずさがルシェッドの心の中に芽生えるが、誤魔化し半分に立ち去ることができる空気でもない。とりあえず、涙や諸々の液体でぐしゃぐしゃな女性の顔を直視するのは憚られ、ルシェッドはハイレンの方に身体ごと顔を向ける。
「何かあったんですか」
ハイレンは眉間に手を当てつつ答えた。
「ちょっとした手違いがあってね」
「わたしが、ちゃんと確認しなかったから……!」
「エマさん、とりあえず温かいものでもお飲み。湯はポットに沸かしてあるから」
エマと呼ばれた女性は、躊躇いがちに顔を上げる。真っ赤に腫れた瞼が一瞬だけハイレンの方を見、すぐに他所へと逃げたものの、彼女はやがて躊躇いがちに頷いた。
女性がよろよろとキッチンの方へ向かうと、クラルスが椅子を二脚、部屋の隅から引き摺ってきた。
「前に、トルマリナ美術館の職員がここに来たのは覚えているね」
「あぁ、展覧会で展示する品を受け取りに来たんだっけ。ばあちゃん、村の蔵、色々見てもらってたよね」
「その時にね、誤って「宝珠」も渡してしまったみたいなんだよ」
「えぇっ」
クラルスがぎょっとした声を上げる。いよいよ内輪の話になってきた。
「……あの、おれ外しますね」
「いや、居てくれて構わないよ。疲れているだろう。別に隠すような話でもないからね」
ハイレンがそう言うと、クラルスが椅子の背凭れを押して座面の角をぶつけてくる。椅子を勧めているのか、戯れているのか、どちらなのだろう。押されるがまま、仕方なくルシェッドは椅子に腰掛けた。
部外者を同席させた手前、一方的に話を進めるのは憚られたのか、ハイレンはルシェッドに向けた補足も交えながら、事の次第を語った。
村の中心──村長が居住するこの家の裏には、大きな蔵がある。村の長が代々管理する、古い倉庫である。
そこには家財から、石像や絵画、絵巻物といった美術品に至るまで、古来の種々様々な品々が保管されている。周囲の村町が時代の流れと共に開拓されては廃墟と化す中、この辺りで最も息の長い集落が、このエスト村なのだという。故に、蔵に納められた品々には歴史的価値があり、近年は美術館や博物館から、展覧会への出品の相談を受けることも少なくないらしい。
幸い、美術館の代表として交渉に訪れる職員たちは、皆物腰も丁寧な者ばかりで、総じて常識があり、預かった品を粗末に扱うことはなかった。どの美術館も悪い評判もなく、ハイレンも大抵は交渉に応じ、貸し出しを行なっている。
しかし、その中でも一つだけ、決して美術館に渡さない品がある。それは村の宝──宝珠である。
「宝珠といっても、特殊な魔力が籠められているわけじゃない」
ハイレンは、両手をテーブルの上に重ね合わせ、悩ましげに口にした。
「ただ、あれにはちょっとした謂れがあってね。昔、村の近くにあった鉱山で崩落事故が起きた時、あの宝珠の側──厳密には、宝珠の素材が埋まった鉱床の側にいた者たちだけれど、彼らだけが五体満足無事だったそうだ。故に、あの宝珠には守護の力があると伝わっているんだよ」
「つまり、お守りみたいなもんですか」
「そうさね。その鉱夫たちが助かったのが、本当に鉱床のお陰だったのかは分からないけれど。今では門外不出、立派な村守りの宝玉さ。……職員さんには、あれは渡せないとちゃんと伝えたんだけどねぇ」
ぐずり、と鼻を啜りながら、エマが戻ってきた。
「わたしが、間違えて渡しちゃったんです……「ここのは全部」ってノヴェさんに言われたから、つい……」
「……そういえば、一人やたらおどおどしてるのがいたっけ。あのノヴェって人。見てるこっちが不安になりそうな感じの」
「私が伝えたのは彼じゃなくて、代表者だった。おそらく、私たちも向こうも、互いに話がうまく伝わってなかったんだろう」
「……もし壊れる怖れがなければ、ですが。手紙でも送って、送り返してもらえばいいんじゃ」
ハイレンは首を横に振った。
「いつもならそうするね。問題は、当の美術館がある場所が、アルバレーノ帝国の首都、アルテだということさ」
「……そりゃまた」
何とも、難儀な場所に。憂わしげなハイレンの様子に、ようやく合点がいった。
よりによって、あのアルテ。まともに物流が機能していない、あのアルテとは。運送用の空晶艇で美術品を運ぶことの是非、それ以前の問題である。
内乱に揺れる今のアルテは、外部からの干渉を極力制限しているおかげで、物資輸送もままならない。人の往来こそ禁じられていないものの、厳重な手荷物検査や身体チェックにより入口で数時間は足止めされるため、帝都の塀の内側に入るのも一苦労だという。
物資どころか、郵便物でさえ到達しない。勿論、月の満ち欠けが幾度も往復するくらい時間をかければ物も届くだろうが、村の「守り神」として扱われてきた宝珠を、長期に渡り村から離れさせておくわけにもいかない。
美術館側も、あの荒れた情勢下でよく展覧会を開こうなどと思えるものだ。確かにかつてのアルテは、芸術の都として名を馳せた大都市である。もしかすると、展覧会はある意味大国の根本を保持するための、重要な国策の一つなのかもしれない──集客を見込めるのかは疑わしいが。
沈黙がエマの眼を刺す。赤みを帯びた下瞼に再び雫が溢れ始めたところで、しばし考え込んでいたクラルスが、パチンと手を叩いた。
「それなら、アルテまで行って、直接返してもらえばいいんじゃない?」
テーブルを囲っていた三人の視線が、一斉にクラルスの方を見た。
「物は運べなくても、人は行き来できるんでしょ?そこの旅人さんがしようとしてるみたいにさ。ばあちゃん、一筆書いてよ。そしたらわたし、それ持って美術館に行って、宝珠返してもらってくるから」
「ちょっ……ちょっと待ちな」
突然の孫娘の提案に、ハイレンが見るからに狼狽した。
「行ってくるって、まさか、お前が行くのかい?」
「そうだよ」
「そんな、お前は、だって──それに、アルテまでの道のりはとても長い。道中、魔物が出る一帯もある。生半可な気持ちで辿り着ける場所じゃない」
「楽な旅だなんて思ってないし。それに私、もう十七だよ。旅くらいできるって」
「それは、そうだけど……」
何か言いたげに、半開きの口を不安定に開いては閉じるを繰り返すハイレン。その様子をじっと見つめていたクラルスは、暫し逡巡し、ぱんと手を叩いた。
「じゃあさ、この人についてきてもらえばいいじゃん」
右肩に重量を感じ、思わず体勢を崩しかける。ルシェッドの肩に手を乗せたクラルスが、満面の笑みで此方を見上げていた。邪気一つない、爽やかな笑顔。だが、破顔に安堵している場合ではない。
「え、おれ?」
「キミもアルテに行くんでしょ?どうせ行き先同じなんだし、一緒に行ったっていいじゃん。……大丈夫だってばあちゃん。この人、空から降ってきたこと以外は別に変な人じゃないみたいだし」
「変な人って」
一から十まで受け入れてもらうのは半ば諦めているが、改めて変人呼ばわりされると流石に辛いものがある。
無遠慮そのものの発言だが、意外にもハイレンは、彼女の言葉を受け、皺だらけの指をテーブルの上に重ね、考え込むように一点を見つめた。地面に縫いついた枯れ木のような熟考の間、彼女は寸分も動かない。あまりの静寂に、自分の呼吸すら耳障りに思えてきて、自然と息を殺してしまう。
「……ばあちゃん、私この村の役に立ちたいの」
クラルスが真剣な声色で、彼女の思案に静かに割って入る。
やがて、ハイレンは諦めたように一瞬目を伏せ、顔を上げた。
「クラルスの護衛……頼めるかい?」
「……まぁ、依頼してもらえるなら」
やや考え込んではみたものの、断る理由が見つからなかった。
行き先がアルテであることに関しては、平時であれば渋っただろうが、既にメイブで依頼を受けている以上、抵抗感はあってないようなものだった。
「護衛なんて堅苦しいのやめてよ。私だって戦えるんだし。とりあえず、一緒についてきてくれればいいからさ」
ねー?とクラルスはわざとらしく小首を傾げてみせる。
抵抗感は、あってないようなもの。それは否定しないが、能天気なお転婆と連れ立って行かねばならぬ点においては、ルシェッドは一抹の不安を覚えるのだった。
話が纏まると、思い立ったが吉日とばかりに、クラルスはエマを連れて、旅支度のために二階へと駆け上がっていった。
「……本当にいいんですか、おれなんかで」
どん、どん、と天井が鈍い音を立てる。
「突然やって来た見ず知らずの男に身内を預けるなんて、不安でしかないでしょうに」
天井を挟みくぐもって聞こえる、きゃあきゃあと愉しげな声。ハイレンは、小さく震える灯りを見上げる。
「ウリボーの件を解決してくれたからね。あなたが腕の立つ人だということは、十分分かったよ。……それに、あなたのその武器」
と、ハイレンはルシェッドの肩口に視線を向ける。彼に背負われた、艶を帯び、赤黒く染まった木製の棍。
ルシェッドの心臓が、どくんと大きく跳ねる。
「──この世界のどこかに、「吸血樹」と呼ばれる、決して折れない古木があるそうだ。その木は、特殊な技法によってのみ削り出し、加工することができる。その業はここから遥か東方に住む、とある一族にのみ伝わる、と」
ばくばくと煩い心臓の音は、意外にも呆気なく止んだ。胸をざわつかせていた熱は、瞬く間に冷気に押し流され、程なくして平静が戻ってきた。
記憶は既に、遠い過去となりつつあったらしい。吸血樹の名も久々に耳にした。案外、冷静な自分がいることに驚いた。
「……なんだ、気づいてたんですか」
「推測の域を出なかったけれどね。ただ、もしそれが本当なら、空から落ちてきたというのも頷ける。そもそも吸血樹という名の由来は、大地に染み込んだ彼ら自身の「血」なのだから」
淡々と述べるハイレンに、ルシェッドは肩を竦めた。
「期待されてるところ申し訳ないけど、おれ、半端者ですよ。あいつらとは違う。……もし「それ」を理由におれに依頼してくれたのだとしたら、見込み違いです」
後々トラブルになり面倒な思いをするくらいなら、今正直に伝えておいた方がいい。あくまでルシェッドの発言は、消極的な感情に基づくものだった。
しかし、ハイレンは目を細めて口角を引き上げた。
「長く生きているなりにね、人を見る目はあるつもりだよ」
ルシェッドは嘆息した。何と言い訳したところで、断る道はないらしい。そもそも、目的地が同じなのだから道中共にしてほしいという願いも、十分筋は通っている。
これ以上、断る理由を探して練って、考えあぐねるのも面倒だった。
「……紙を、一枚いただけますか」
「何に使うんだい」
「契約書です。手元にないんで、即席で作ります」
喉を鳴らすように小さく笑ったハイレンは、戸棚から紙とペンを持ってきた。それを受け取り、紙の上の方からペンを滑らせる。
「前金かい」
「だとありがたいですね。二割でいいですか」
「任せるよ」
契約金、支払方法、非常時の取扱、成果物の扱い。履行期限は、メイブの依頼と同じく定めないでおきたい。普段持ち歩いているテンプレートを思い出しつつ、小さな字で必要事項を書き連ねていく。
契約書案を作る最中、視線を感じて顔を上げると、こちらをじっと見下ろすハイレンと目が合った。後ろめたいことをしているわけではないのに、何となく気まずい。
「……あの、お茶とか飲んでもらってていいんです、けど」
「あなたが、腕の立つ人だと言うのは分かっているけれど」
どうかあの子を守っておくれ。
何処となく、含みのある声色で、ハイレンはそう言った。
どれだけ平静を保っていようと、やはり大切な孫娘を外に出すのには、少なからず不安もあるのだろう。声色に隠れた本意を問うのは愚問だと思い、ルシェッドも首を縦に振るだけで、それ以上は問い詰めなかった。
衣服に食料、金銭、その他細々とした小物たち。二階から戸棚という戸棚をひっくり返しているような騒がしい音が聞こえてきた割には、クラルスの旅道具は小さく纏まっていた。大荷物であれば半分貰わなければならないかと考えていたが、杞憂だったようだ。
食料の不安が無くなったのも幸運だった。依頼の前金で買い込むつもりだったが、旅立つクラルスへの餞別と、グランボアを討伐したことに対する謝礼代わりとして、村人たちが分けてくれたのだ。小分けに乾燥させる等、保存が効くよう既に加工されているのも有り難い。
村の門に寄りかかり、ハイレンから貰った地図の写しを眺めていると、村の道の真ん中をクラルスが手を振って駆けてきた。
「ちゃんと挨拶、済ませてきたの」
「うん、バッチリ!」
いざ旅立とうとしたところで、「三軒隣の家に挨拶してない、あそこも、そうだあっちも」と荷物を放り出して踵を返したものだから、全く忙しない。本当にいいんだな、と念押ししたが、今度は熟考することもなく、クラルスは即座に頷いた。
仮に挨拶をしそびれていたとて、数ヶ月もあれば、戻ってこられるだろう。柱の側に置いたリュックを、ルシェッドは背負い上げた。
「目指すはアルテ!まずは、港町フルズだっけ」
「そうだな」
民家の小窓から寂しそうに顔を覗かせる子どもたちに、「行ってくるね!」と声を飛ばすクラルス。満面の笑みで手を振る彼女を、肩を竦めて追いかけるルシェッド。
──思えば、旅の供ができるのは久しぶりだった。しかも、護衛の仕事で一時的に同行者がいることは今までにもあったが、数ヶ月にわたり旅路を共にする者がいるのは初めてだ。
一人は気楽だ。身軽な上、好きな時に好きな場所へ、思うままに足を運ぶことができる。
彼女はあくまで、依頼主の孫だ。仕事上の同行者だ。身軽さが減ったとしても、それはあくまで、この仕事の間だけに過ぎない。アルテまで行き、宝珠を回収して、エスト村まで戻ってくる。言葉にしてしまえば、単純な話。今まで請け負ってきた仕事と、何も変わらない。
旅路を彩る環境音に、やや騒がしいコーラスが加わった。
ただ、それだけの話だと。そう思うことにした。
本当に、これで良かったんだろうか。
旅立つ少女の後ろ姿を、ハイレンは複雑な心持ちで、窓越しに見送った。
不安と、杞憂を期待する心がないまぜになる。重い空気を感じ取ったのか、クラルスが旅立つことになった引け目故か。エマが恐る恐る脇机にティーカップを置き、そそくさと奥の部屋に引っ込んだ。
カップに口をつける。舌を痺れさせる酸味と苦味。沸き立つ湯気が目に染みる。窓ガラスの下の部分が知らぬ間に曇り、外の風景を覆い隠していた。
曇りが取れる頃には、クラルスの後ろ姿はもう、見えなくなっていた。そろそろ門を潜った頃だろうか。快活な生き方をする彼女らしい、揚々とした旅立ちだったに違いない。
──本当に良かったのだろうか。拭えない不安は、波のように静かに音を立てて、幾度も襲い来る。
ハイレンの視界で、数多の雫が瞬き弾けた。槍のような雨粒が叩きつけ、窓が真っ白に染まる。
あぁ、これは、七年前の記憶だ。
国が数百年に一度の大嵐に見舞われたあの日から、幾度も季節が巡った。過ぎた月日は、七年。その年月が、果たして長いのか短いのか──ハイレンには分からない。数年で生を終える愛玩動物からすれば、生涯の大半を占める時間であろうし、長命なエルフにとっては、逆に一瞬の時なのかもしれない。
だが少なくとも、幼い少女が、確固とした自我の備わった娘に成長するのに、十分な期間であったことは事実だ。
この世界は、あの空は。本当に、彼女の存在を忘れてくれたのだろうか。
「……あなたはどう思う?フラン──」
たった七年、されど七年。されど?本当にそれだけでよかったのか。確かめる術はない。
答えを示してくれるのは、きっと彼らの旅路だけだ。
だから今は、募る不安に蓋をして。彼らの旅の安寧を祈ろう。彼女が、何事もなくこの村に帰ってくることを祈ろう。平穏な日常が続くことを祈ろう。
重ね合わせた両手に力が籠る。空晶を纏う窓越しの空は、一片の混じり気もなく、不安を覚えるほどに透き通っていた。
クラルスが意気揚々と扉を開く。扉は壁にぶつかり勢いよく跳ね返ってきたため、ルシェッドは思わず仰け反った。抗議の視線を送ろうとしたが、当人が此方を振り返る気配は全くない。
不平を喉に押し込み家に入ると、陰鬱な空気が彼らを出迎えた。
リビングの椅子にハイレンが腰掛け、テーブルを挟んだその向かいに、若い女性が身を縮こまらせて座っていた。老齢のハイレンにも負けぬ程背を丸め、頭を垂れている。「うちのお手伝いさん」と、クラルスが小声で教えてくれた。
岩がのしかかったような重苦しさが、ルシェッドの肌を舐める。
「……あぁ、おかえりクラルス。村の人たちから話は聞いたよ。ウリボーの件、無事解決したんだってね」
悩ましげな表情のままハイレンが口を開くと、女性はびくりと肩を震わせた。能天気なクラルスもさすがに異様な空気を感じ取ったらしく、向かい同士で座る両者の顔を見比べる。
「こっちはそうだけど……どしたの?二人して辛気臭い顔しちゃって」
「私の……私のせいなんですっ……!」
突然、女性がわっと泣き出した。両手で顔を覆い、顔が膝につきそうな程に、丸い背中をさらに丸めてしまう。「すみません、私が、私のせいで、すみません」と要領を得ない言葉と共に嗚咽を漏らす女性の背を、クラルスが戸惑いつつも優しく摩った。
今の自分、明らかに場違いなのでは。気まずさがルシェッドの心の中に芽生えるが、誤魔化し半分に立ち去ることができる空気でもない。とりあえず、涙や諸々の液体でぐしゃぐしゃな女性の顔を直視するのは憚られ、ルシェッドはハイレンの方に身体ごと顔を向ける。
「何かあったんですか」
ハイレンは眉間に手を当てつつ答えた。
「ちょっとした手違いがあってね」
「わたしが、ちゃんと確認しなかったから……!」
「エマさん、とりあえず温かいものでもお飲み。湯はポットに沸かしてあるから」
エマと呼ばれた女性は、躊躇いがちに顔を上げる。真っ赤に腫れた瞼が一瞬だけハイレンの方を見、すぐに他所へと逃げたものの、彼女はやがて躊躇いがちに頷いた。
女性がよろよろとキッチンの方へ向かうと、クラルスが椅子を二脚、部屋の隅から引き摺ってきた。
「前に、トルマリナ美術館の職員がここに来たのは覚えているね」
「あぁ、展覧会で展示する品を受け取りに来たんだっけ。ばあちゃん、村の蔵、色々見てもらってたよね」
「その時にね、誤って「宝珠」も渡してしまったみたいなんだよ」
「えぇっ」
クラルスがぎょっとした声を上げる。いよいよ内輪の話になってきた。
「……あの、おれ外しますね」
「いや、居てくれて構わないよ。疲れているだろう。別に隠すような話でもないからね」
ハイレンがそう言うと、クラルスが椅子の背凭れを押して座面の角をぶつけてくる。椅子を勧めているのか、戯れているのか、どちらなのだろう。押されるがまま、仕方なくルシェッドは椅子に腰掛けた。
部外者を同席させた手前、一方的に話を進めるのは憚られたのか、ハイレンはルシェッドに向けた補足も交えながら、事の次第を語った。
村の中心──村長が居住するこの家の裏には、大きな蔵がある。村の長が代々管理する、古い倉庫である。
そこには家財から、石像や絵画、絵巻物といった美術品に至るまで、古来の種々様々な品々が保管されている。周囲の村町が時代の流れと共に開拓されては廃墟と化す中、この辺りで最も息の長い集落が、このエスト村なのだという。故に、蔵に納められた品々には歴史的価値があり、近年は美術館や博物館から、展覧会への出品の相談を受けることも少なくないらしい。
幸い、美術館の代表として交渉に訪れる職員たちは、皆物腰も丁寧な者ばかりで、総じて常識があり、預かった品を粗末に扱うことはなかった。どの美術館も悪い評判もなく、ハイレンも大抵は交渉に応じ、貸し出しを行なっている。
しかし、その中でも一つだけ、決して美術館に渡さない品がある。それは村の宝──宝珠である。
「宝珠といっても、特殊な魔力が籠められているわけじゃない」
ハイレンは、両手をテーブルの上に重ね合わせ、悩ましげに口にした。
「ただ、あれにはちょっとした謂れがあってね。昔、村の近くにあった鉱山で崩落事故が起きた時、あの宝珠の側──厳密には、宝珠の素材が埋まった鉱床の側にいた者たちだけれど、彼らだけが五体満足無事だったそうだ。故に、あの宝珠には守護の力があると伝わっているんだよ」
「つまり、お守りみたいなもんですか」
「そうさね。その鉱夫たちが助かったのが、本当に鉱床のお陰だったのかは分からないけれど。今では門外不出、立派な村守りの宝玉さ。……職員さんには、あれは渡せないとちゃんと伝えたんだけどねぇ」
ぐずり、と鼻を啜りながら、エマが戻ってきた。
「わたしが、間違えて渡しちゃったんです……「ここのは全部」ってノヴェさんに言われたから、つい……」
「……そういえば、一人やたらおどおどしてるのがいたっけ。あのノヴェって人。見てるこっちが不安になりそうな感じの」
「私が伝えたのは彼じゃなくて、代表者だった。おそらく、私たちも向こうも、互いに話がうまく伝わってなかったんだろう」
「……もし壊れる怖れがなければ、ですが。手紙でも送って、送り返してもらえばいいんじゃ」
ハイレンは首を横に振った。
「いつもならそうするね。問題は、当の美術館がある場所が、アルバレーノ帝国の首都、アルテだということさ」
「……そりゃまた」
何とも、難儀な場所に。憂わしげなハイレンの様子に、ようやく合点がいった。
よりによって、あのアルテ。まともに物流が機能していない、あのアルテとは。運送用の空晶艇で美術品を運ぶことの是非、それ以前の問題である。
内乱に揺れる今のアルテは、外部からの干渉を極力制限しているおかげで、物資輸送もままならない。人の往来こそ禁じられていないものの、厳重な手荷物検査や身体チェックにより入口で数時間は足止めされるため、帝都の塀の内側に入るのも一苦労だという。
物資どころか、郵便物でさえ到達しない。勿論、月の満ち欠けが幾度も往復するくらい時間をかければ物も届くだろうが、村の「守り神」として扱われてきた宝珠を、長期に渡り村から離れさせておくわけにもいかない。
美術館側も、あの荒れた情勢下でよく展覧会を開こうなどと思えるものだ。確かにかつてのアルテは、芸術の都として名を馳せた大都市である。もしかすると、展覧会はある意味大国の根本を保持するための、重要な国策の一つなのかもしれない──集客を見込めるのかは疑わしいが。
沈黙がエマの眼を刺す。赤みを帯びた下瞼に再び雫が溢れ始めたところで、しばし考え込んでいたクラルスが、パチンと手を叩いた。
「それなら、アルテまで行って、直接返してもらえばいいんじゃない?」
テーブルを囲っていた三人の視線が、一斉にクラルスの方を見た。
「物は運べなくても、人は行き来できるんでしょ?そこの旅人さんがしようとしてるみたいにさ。ばあちゃん、一筆書いてよ。そしたらわたし、それ持って美術館に行って、宝珠返してもらってくるから」
「ちょっ……ちょっと待ちな」
突然の孫娘の提案に、ハイレンが見るからに狼狽した。
「行ってくるって、まさか、お前が行くのかい?」
「そうだよ」
「そんな、お前は、だって──それに、アルテまでの道のりはとても長い。道中、魔物が出る一帯もある。生半可な気持ちで辿り着ける場所じゃない」
「楽な旅だなんて思ってないし。それに私、もう十七だよ。旅くらいできるって」
「それは、そうだけど……」
何か言いたげに、半開きの口を不安定に開いては閉じるを繰り返すハイレン。その様子をじっと見つめていたクラルスは、暫し逡巡し、ぱんと手を叩いた。
「じゃあさ、この人についてきてもらえばいいじゃん」
右肩に重量を感じ、思わず体勢を崩しかける。ルシェッドの肩に手を乗せたクラルスが、満面の笑みで此方を見上げていた。邪気一つない、爽やかな笑顔。だが、破顔に安堵している場合ではない。
「え、おれ?」
「キミもアルテに行くんでしょ?どうせ行き先同じなんだし、一緒に行ったっていいじゃん。……大丈夫だってばあちゃん。この人、空から降ってきたこと以外は別に変な人じゃないみたいだし」
「変な人って」
一から十まで受け入れてもらうのは半ば諦めているが、改めて変人呼ばわりされると流石に辛いものがある。
無遠慮そのものの発言だが、意外にもハイレンは、彼女の言葉を受け、皺だらけの指をテーブルの上に重ね、考え込むように一点を見つめた。地面に縫いついた枯れ木のような熟考の間、彼女は寸分も動かない。あまりの静寂に、自分の呼吸すら耳障りに思えてきて、自然と息を殺してしまう。
「……ばあちゃん、私この村の役に立ちたいの」
クラルスが真剣な声色で、彼女の思案に静かに割って入る。
やがて、ハイレンは諦めたように一瞬目を伏せ、顔を上げた。
「クラルスの護衛……頼めるかい?」
「……まぁ、依頼してもらえるなら」
やや考え込んではみたものの、断る理由が見つからなかった。
行き先がアルテであることに関しては、平時であれば渋っただろうが、既にメイブで依頼を受けている以上、抵抗感はあってないようなものだった。
「護衛なんて堅苦しいのやめてよ。私だって戦えるんだし。とりあえず、一緒についてきてくれればいいからさ」
ねー?とクラルスはわざとらしく小首を傾げてみせる。
抵抗感は、あってないようなもの。それは否定しないが、能天気なお転婆と連れ立って行かねばならぬ点においては、ルシェッドは一抹の不安を覚えるのだった。
話が纏まると、思い立ったが吉日とばかりに、クラルスはエマを連れて、旅支度のために二階へと駆け上がっていった。
「……本当にいいんですか、おれなんかで」
どん、どん、と天井が鈍い音を立てる。
「突然やって来た見ず知らずの男に身内を預けるなんて、不安でしかないでしょうに」
天井を挟みくぐもって聞こえる、きゃあきゃあと愉しげな声。ハイレンは、小さく震える灯りを見上げる。
「ウリボーの件を解決してくれたからね。あなたが腕の立つ人だということは、十分分かったよ。……それに、あなたのその武器」
と、ハイレンはルシェッドの肩口に視線を向ける。彼に背負われた、艶を帯び、赤黒く染まった木製の棍。
ルシェッドの心臓が、どくんと大きく跳ねる。
「──この世界のどこかに、「吸血樹」と呼ばれる、決して折れない古木があるそうだ。その木は、特殊な技法によってのみ削り出し、加工することができる。その業はここから遥か東方に住む、とある一族にのみ伝わる、と」
ばくばくと煩い心臓の音は、意外にも呆気なく止んだ。胸をざわつかせていた熱は、瞬く間に冷気に押し流され、程なくして平静が戻ってきた。
記憶は既に、遠い過去となりつつあったらしい。吸血樹の名も久々に耳にした。案外、冷静な自分がいることに驚いた。
「……なんだ、気づいてたんですか」
「推測の域を出なかったけれどね。ただ、もしそれが本当なら、空から落ちてきたというのも頷ける。そもそも吸血樹という名の由来は、大地に染み込んだ彼ら自身の「血」なのだから」
淡々と述べるハイレンに、ルシェッドは肩を竦めた。
「期待されてるところ申し訳ないけど、おれ、半端者ですよ。あいつらとは違う。……もし「それ」を理由におれに依頼してくれたのだとしたら、見込み違いです」
後々トラブルになり面倒な思いをするくらいなら、今正直に伝えておいた方がいい。あくまでルシェッドの発言は、消極的な感情に基づくものだった。
しかし、ハイレンは目を細めて口角を引き上げた。
「長く生きているなりにね、人を見る目はあるつもりだよ」
ルシェッドは嘆息した。何と言い訳したところで、断る道はないらしい。そもそも、目的地が同じなのだから道中共にしてほしいという願いも、十分筋は通っている。
これ以上、断る理由を探して練って、考えあぐねるのも面倒だった。
「……紙を、一枚いただけますか」
「何に使うんだい」
「契約書です。手元にないんで、即席で作ります」
喉を鳴らすように小さく笑ったハイレンは、戸棚から紙とペンを持ってきた。それを受け取り、紙の上の方からペンを滑らせる。
「前金かい」
「だとありがたいですね。二割でいいですか」
「任せるよ」
契約金、支払方法、非常時の取扱、成果物の扱い。履行期限は、メイブの依頼と同じく定めないでおきたい。普段持ち歩いているテンプレートを思い出しつつ、小さな字で必要事項を書き連ねていく。
契約書案を作る最中、視線を感じて顔を上げると、こちらをじっと見下ろすハイレンと目が合った。後ろめたいことをしているわけではないのに、何となく気まずい。
「……あの、お茶とか飲んでもらってていいんです、けど」
「あなたが、腕の立つ人だと言うのは分かっているけれど」
どうかあの子を守っておくれ。
何処となく、含みのある声色で、ハイレンはそう言った。
どれだけ平静を保っていようと、やはり大切な孫娘を外に出すのには、少なからず不安もあるのだろう。声色に隠れた本意を問うのは愚問だと思い、ルシェッドも首を縦に振るだけで、それ以上は問い詰めなかった。
衣服に食料、金銭、その他細々とした小物たち。二階から戸棚という戸棚をひっくり返しているような騒がしい音が聞こえてきた割には、クラルスの旅道具は小さく纏まっていた。大荷物であれば半分貰わなければならないかと考えていたが、杞憂だったようだ。
食料の不安が無くなったのも幸運だった。依頼の前金で買い込むつもりだったが、旅立つクラルスへの餞別と、グランボアを討伐したことに対する謝礼代わりとして、村人たちが分けてくれたのだ。小分けに乾燥させる等、保存が効くよう既に加工されているのも有り難い。
村の門に寄りかかり、ハイレンから貰った地図の写しを眺めていると、村の道の真ん中をクラルスが手を振って駆けてきた。
「ちゃんと挨拶、済ませてきたの」
「うん、バッチリ!」
いざ旅立とうとしたところで、「三軒隣の家に挨拶してない、あそこも、そうだあっちも」と荷物を放り出して踵を返したものだから、全く忙しない。本当にいいんだな、と念押ししたが、今度は熟考することもなく、クラルスは即座に頷いた。
仮に挨拶をしそびれていたとて、数ヶ月もあれば、戻ってこられるだろう。柱の側に置いたリュックを、ルシェッドは背負い上げた。
「目指すはアルテ!まずは、港町フルズだっけ」
「そうだな」
民家の小窓から寂しそうに顔を覗かせる子どもたちに、「行ってくるね!」と声を飛ばすクラルス。満面の笑みで手を振る彼女を、肩を竦めて追いかけるルシェッド。
──思えば、旅の供ができるのは久しぶりだった。しかも、護衛の仕事で一時的に同行者がいることは今までにもあったが、数ヶ月にわたり旅路を共にする者がいるのは初めてだ。
一人は気楽だ。身軽な上、好きな時に好きな場所へ、思うままに足を運ぶことができる。
彼女はあくまで、依頼主の孫だ。仕事上の同行者だ。身軽さが減ったとしても、それはあくまで、この仕事の間だけに過ぎない。アルテまで行き、宝珠を回収して、エスト村まで戻ってくる。言葉にしてしまえば、単純な話。今まで請け負ってきた仕事と、何も変わらない。
旅路を彩る環境音に、やや騒がしいコーラスが加わった。
ただ、それだけの話だと。そう思うことにした。
本当に、これで良かったんだろうか。
旅立つ少女の後ろ姿を、ハイレンは複雑な心持ちで、窓越しに見送った。
不安と、杞憂を期待する心がないまぜになる。重い空気を感じ取ったのか、クラルスが旅立つことになった引け目故か。エマが恐る恐る脇机にティーカップを置き、そそくさと奥の部屋に引っ込んだ。
カップに口をつける。舌を痺れさせる酸味と苦味。沸き立つ湯気が目に染みる。窓ガラスの下の部分が知らぬ間に曇り、外の風景を覆い隠していた。
曇りが取れる頃には、クラルスの後ろ姿はもう、見えなくなっていた。そろそろ門を潜った頃だろうか。快活な生き方をする彼女らしい、揚々とした旅立ちだったに違いない。
──本当に良かったのだろうか。拭えない不安は、波のように静かに音を立てて、幾度も襲い来る。
ハイレンの視界で、数多の雫が瞬き弾けた。槍のような雨粒が叩きつけ、窓が真っ白に染まる。
あぁ、これは、七年前の記憶だ。
国が数百年に一度の大嵐に見舞われたあの日から、幾度も季節が巡った。過ぎた月日は、七年。その年月が、果たして長いのか短いのか──ハイレンには分からない。数年で生を終える愛玩動物からすれば、生涯の大半を占める時間であろうし、長命なエルフにとっては、逆に一瞬の時なのかもしれない。
だが少なくとも、幼い少女が、確固とした自我の備わった娘に成長するのに、十分な期間であったことは事実だ。
この世界は、あの空は。本当に、彼女の存在を忘れてくれたのだろうか。
「……あなたはどう思う?フラン──」
たった七年、されど七年。されど?本当にそれだけでよかったのか。確かめる術はない。
答えを示してくれるのは、きっと彼らの旅路だけだ。
だから今は、募る不安に蓋をして。彼らの旅の安寧を祈ろう。彼女が、何事もなくこの村に帰ってくることを祈ろう。平穏な日常が続くことを祈ろう。
重ね合わせた両手に力が籠る。空晶を纏う窓越しの空は、一片の混じり気もなく、不安を覚えるほどに透き通っていた。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
鉄の心臓、茨の涙
深渡 ケイ
ファンタジー
流した涙が「致死性の茨」となって周囲を突き刺す呪いを受けた少女・エリスと、彼女を守るために造られたが、茨に触れると腐食して死ぬ「鉄のゴーレム」ガルド。
二人は呪いを解くために「世界の最果て」を目指すが、旅が進むほどエリスの呪いは強まり、ガルドの体は錆びついていく。
触れ合いたいのに触れ合えない二人が選ぶ、最後の選択。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる