†魔剤戦記†

ベネト

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第2章 剤と愛に飢えし者たち

第14話 不可避の再会

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それはもう最悪な光景だった。この世の悪徳と喧騒を全てごっちゃ混ぜにミキサーにかけて、その上さらに暴力までがトッピングされた、見るも悍ましい地獄のパフェの大盛りのような乱痴気騒ぎが繰り広げられていたのだ。

 その居心地の悪さと、屯っている人間の質の低俗さに対する辟易とした感情を共有したという点で、魔沙斗、神次、エンペラーの3人は初めてその心のうちの想いを共有できたと言ってもいい。皮肉なことに、この場を早く切り抜けたいという想いで、三人の内心は一致していた。

「ひぇ~、相変わらずとんでもねぇな。とてもまともな教育機関だとは思えないぜ」

「おいおい、バカ言うな神次、今時まともな教育機関があるかよ」

「はは、それもそうだな... って、うぜぇ!触んな!」

 神次の武骨な老木のような腕が、雑草を薙ぐ大鎌のように荒々しく歪な弧を描いて旋回した。

「ぐえっ!いってぇぇぇっ!」

 どうやら狂信的なカルトの類に絡まれ、強引に手首を掴まれたのを振り解こうとしたようだった。哀れにも怪力の持ち主による慈悲のない拒絶を受けたカルトの一員と思われる痩身の男が、潰された蛙のようなうめき声をあげて後ろに吹っ飛ぶのが見えた。

「はぁ... 低俗だね。いかに狂っていても、信念がある奴はボクは好きだ。そこには生き様が...」

 屈強な刺青の大男と、落伍者の如き風貌の擦れた男が放つ、砂漠の砂嵐のような殺意のバリアに守られながら悠々と歩くエンペラーが、ホールの内部を占拠する集団に蔑みの視線を向け、すぐに興味を失ったように次の集団に目を向け... といったことを繰り返している。

 コンラートが講演を行うという情報を元に、それぞれの思惑を抱えながら、エデンの所有するイベントなどに使われる記念ホールへと足を運んだ三人であったが、足を踏み入れてそうそう、ごった返す胡乱な連中たちが芋洗い状態で犇めいており、前に進むのがやっとという状況であった。

 今日はキリスト教における最大の聖日、クリスマスであるということもあり、牛や羊の亡骸を頭蓋を刺した槍を奇声と共に高々と掲げる過激な悪魔崇拝者と思しきグループや、怪しげな握手を次々に交わすユダヤ教の神秘主義者たちと推測されるフードを被った集団、聖書はインチキであり、キリスト教はペテンだとメガホンを片手に口やかましく主張する活動家たちのセクト、陰謀論者のグループや、果ては彼らを茶化すためにわざわざやってきた野次馬、その彼らが起こす騒動に割って入る酔っ払いや暴漢たちなど、それはもう実に多種多様で、悪徳に満ちたものたちが、まるで西洋式の荘厳なホールの存在意義を否定するが如く蟻集し、空間という空間に埋め尽くしていた。

 アグレッション前、皆が祝福していた聖日は今や、カルトや過激な聖書解釈者たちが己の思想や凝り固まった考えを大々的にキャンペーンする血塗られた行事の日へと変貌していたのだ。

ベシャッッ!

「いたっ!!... ぶっ殺してやる!」

 どこから飛んできたのか、抗争の一幕で飛び道具として放たれたであろう生卵が照準を大きくずれて飛来し、エンペラーの胸元に直撃し、派手な音を立てて割れた。

「おい!ぶっ殺すって言ったのは誰だ!テメェをまずぶっ殺してやるよ!」

 さっきまで澄ました顔をして気取っていたエンペラーが顔を真っ赤にしながらそう怒鳴ると、すぐにどこからか野太い怒号がまるで挨拶がわりとでも言わんばかりに返される。

「静かにしろ。今の俺たちは適切な位置を確保しなきゃならん。あまり目立つような真似は避けろ。前に出すぞ。」

 魔沙斗の威圧感を帯びた低い声に制され大人しくなるエンペラーだったが、未だにべちゃりと破裂した卵の卵白が付着した胸元を恨めしげに見つめながら、肩で息をしていた。

「ちっ...」

 なにしろ悪漢どもがこれでもかと、まるで蟲の巣窟のように密集しているので少し歩みを進めるだけですぐに誰かと肩やら肘やらがぶつかることになる。この時も、魔沙斗は条件反射的に、本日何度目かもわからない忌々しげな舌打ちで対応した。こうして威圧感を与えて牽制することが無用なトラブルを避ける一番の方法だと知っていたからだ。

「すみません。お怪我はないですか?」

 しかしこの時接触したと思しき相手は、これまでにこのホールの人の波に揺られる中で邂逅してきたどのような類の輩とも明確に違っていた。

「お、お怪我!?は、はぁ、別にねぇけど...」

これまでの例と同じように、当然睨め付けたような視線か舌打ちで以って返答されると思っていた魔沙斗は、孤児院でかつて読んだ小説の類でしか聞いたこともないような端然とした態度に一瞬面食らった。

「ならよかったです。ここは危ないので気をつけてくださいね。」

「お、おう...」

 とっさに顔を声のする方に向けた魔沙斗は、片手に魔剤の缶を持ち、まるで春のそよ風のような爽やかな笑みを浮かべた好青年の姿を視界に捉えた。

 おそらく今の衝撃で手に持っていた魔剤が少しこぼれてしまったのだろう。それにも関わらず、もはや死語であると言っても過言ではない、”紳士的”で物腰柔らかな対応を取られたことに困惑する。

 しばしその目鼻たちの整った壮麗な容姿や、柳のように美しい、長身の痩躯、瑠璃色の瞳、射干玉の如き艶めいたストレートの黒髪、それでいながら男らしさも同時に感じさせる体躯。

 神は細部に宿るというが、まるで体の悉くにまで神や天使からの祝福を受けているかのような妖艶な魅力を孕んだ中性的なその佇まいに目を奪われていることに気がつくのは、魔沙斗にとって恥ずかしながら友人であり協力者である神次の声を聞いてからであった。

「へぇ... 変わったやつもいるもんだなぁ!随分立派なヤツだぜ。」

 すれ違いざまに、まるで気品の残り香でも残すように歩き去り、群衆の中に消えて行く青年を、珍獣を見るかのような視線で追う神次を、エンペラーが不服そうに見つめていた。

 それはさながら、一面の泥の海から掬い上げられた一縷の宝石が、再び泥の海へと沈んでいくようであった。

「巧言令色少なし仁。ボクはああいう小綺麗なタイプも、ここにいる下郎どもと同じくらい、もしくはそれ堂々に嫌いだけどね。嘘の香りがする。」

「こうげん... らいしゃく? まぁそれはともかく、やっぱりお前ってひねくれてんなぁ~」

「訂正だ。やっぱりキミみたいなバカが一番嫌いだと言っておく」

「んだと!?」

「喧嘩すんな。にしても、俺とは違って、真っ当に神に祝福されてるような姿をしてやがったな...」

 これまた幾度となく火種が燻りかけている二人の協力者を、内心面倒と思いつつも仲裁した後、コンラート曰く”祝福を受けた”己の右腕を見つめながら小声で呟く魔沙斗。

 そうこう言っているうちに、三人はホールに足を踏み入れてから、だいぶ長い距離を歩いていた。

「よしっ、ここらでいいんじゃねぇの?」

 さながらモーゼのように、無頼どもをその殺意と剛腕でかき分けて進むこと数分、記念ホールの1階の左手奥の壁沿いの位置にたどり着いた神次が後ろを振り返って言った。

「十分だな。ここならヤツの話は聞こえるだろうが、向こうからは見つかりにくい。格好の場所だな。」

「早く始まらないのかなぁ。もう色々と最悪すぎて吐き気がするね」

 三人はなんとか戦略的に十分な位置を占拠することに成功した。その矢先、エンペラーが苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて愚痴を吐く。

 悪態こそつかないものの、魔沙斗と神次の心境もおよそ似たようなものであった。

 エンペラーの愚痴も無理もない。

 元々は生活に欠かせない生産の拠点としてその存在意義を果たしていた工場が、アグレッション後にはそのほとんどが孤児院にも入れず、行き場を失った不良少年たちの拠点と化したように、元は神聖な学問のための施設として作られたであろうこの記念ホールは、今や落書きとポイ捨てされたゴミに塗れた、悪漢たちのパンテオンと化していたのだから。

「くたばれ!インチキ神父!器の処理だかなんだか知らねぇが、いいこ面しやがって!何か隠してるんだろ!そしてもう会場にいるんだろ!出てきやがれ!その面をグチャグチャに凹ませてやるよ!」

 突然響き渡った大声が、ホールの天蓋に反射して響き渡る。声の方を振り返った魔沙斗は、視線に小銃や短剣、さらにはクロスボウなどで武装した大男の集団が、「fu×k you コンラート」と書かれたプラカードを掲げているのを視界に捉えた。

 プラカードには、憐れにも羊の骸の頭部が、歪曲した釘と思しき金属で括り付けられており、その悪趣味さに一瞬眉を顰めた魔沙斗であったが、すぐに僅かな湿り気を帯びたかすかな笑い声を出した。

「ははっ、やっぱり嫌われてんだな、あのヤロー」

 胡散臭さという点において、あの神父を上回るような人物は、これまで多くの汚い人間たちに囲まれてきた人生を振り返ってみたところでそうそういない。あの男たちに話しかけようなどとは微塵も思わないが、そのような自分の考えに賛同者が現れたようで、少し可笑しくなったのだ。

 まだ始まるまでしばらく時間があるだろう。安全のため、周囲の暴漢たちに目を配りながら思案する魔沙斗。

「なぁエンペラー、お前が発現させたその器はなんてヤツなんだ?」

利害がひとまずの間一致しているが故に協力関係を結んでいるだけであるが、いや、だからこそ情報をより知っておく必要があるだろう。そう考え、エンペラーに話しかける。

「おお、ようやく一番の肝を聞いてくれたねぇ」

 待ってましたとばかりに、先程までの不興が張りついたような表情を一転させて破顔すると、得意げに語り出そうと... した瞬間のことである。

バチンンッ!!!

 三人の視線が刹那にして完全な闇へと切り替わる。今度は卵を投げつけられたのではない。

「停電か!?」

「メシアが降臨なさる吉兆に違いない!」

「聖書に記されている黙示録の始まりだ!」

「◯※■×♬●#~!」

僅か一秒にして暗黒の天幕で覆われたホールのあちらこちらから、怒号やら聞き取れない奇声やらが響き渡る。

「何か嫌な予感がしやがる...」

話の出だしを完全に折られたエンペラーの不服そうな顔を、闇のせいで視界に入れることもない魔沙斗は咄嗟に臨戦態勢へと突入し、己の右腕の肘を後方に向け、もう片方の手で以って押さえつける。もし暗闇よりの刺客が自分を葬らんと襲撃してきた場合、咄嗟に傷跡の残る右腕で、”器を屠る血液”を以って痛み分けの反撃へと転ずるためだ。

剤皇街警察署にて自分の血液について知らされて以降、あれほどまでにその事実を否定しようとしていた自身が、この状況において咄嗟に己の血液を得物として使おうとしていることに自嘲する魔沙斗。

しかし、幸運なことにその右の拳は抜かれることはなかった。程なくして電気が復旧し、ホールの内部は再び光に包まれたからである。

「ッ...!」

 その眩い輝きにくらまされ、戦闘のために控えていた右手で以って反射的に瞼を覆うこと数秒後、群衆のざわめきの中で、先ほどまでとは違った異変を知覚した瞬間、覚悟はしていたもののまるで間違い探しの最後の一つを見つけたかのような驚き、そして達成感ではなく悪寒が背筋を走り抜けた。

 人が犇くホールの中で唯一として空席を保っていた正面。その最も目立つ場所にある演説台。

「コンラート... ようやくお出ましか...」

 その箇所に、今まさに己の存在を掌の上に置いているであろう、華美な紫紺の法衣に身を包んだ、聖職者を語る男の姿を認めた────
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