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4章【手がかりは全て…】
独りで挑む難所攻略
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冥天龍の神殿の大まかな位置によると、大陸内で最難関と言われる迷宮、通称「天空島」こと正式名【虹天島ヨルムンガルド】が間にあるようだ。
避けて通ればいいかとも思うが、その天空島を通るルート以外は人が通れるような状態ではないという。しかも天空島のボスは竜族の中で最強の【虹晶竜】なので、誰も行こうなどと考えない。
「(それでも、行くしかないんだよな)」
天空島最寄りの位置にある、トロイアの街で静かに、決意を固める。
その時、街の市場の喧騒の中で、こっちを見てくる視線があることに気が付いた。
ただ、それに邪悪さや嫌な気配はなく、逆。
優しさや、純粋さが満ちる、例えるなら親が遠くから、はしゃぐ子供を見守るような。
――そんな視線に、レイは一瞬だけ微かに微笑みを浮かべ、速足で歩を進める。
「元々、彼がこっちに来ることになったのは、ボクの所為だし」
少年の赤い前髪に隠れて、目の色は窺い知れないが、形の良い口元が、何か考えていそうなニュアンスを含んだ笑みを形作る。外見年齢と相まって、いたずらっ子のような印象を受ける。
首元に下がるのは、銀色の細いチェーンに繋がれた美麗な装飾の懐中時計。
文様の中央に輝くのは、虹色に染まる水晶玉。
数日間、レイはトロイアの街に留まることにする。
その間、色々と面白いハプニングは起きたのだが、彼が巻き込まれた数が多すぎだった為ここでは割愛しよう。
そして、出発予定日の朝。
街の北門に着いたレイの姿は、いつも通りの服に腰の竜刀と外見的には変わってないはずなのに、なんだか少し、勇ましい気配が感じられた。
「勿論、虹晶竜にやられて死ぬつもりなんて毛頭ないけど」
―――――あるいは彼も、色んな出来事の中で鍛えられているのかもしれない。それに気づいているかどうかは、別としてだが。
避けて通ればいいかとも思うが、その天空島を通るルート以外は人が通れるような状態ではないという。しかも天空島のボスは竜族の中で最強の【虹晶竜】なので、誰も行こうなどと考えない。
「(それでも、行くしかないんだよな)」
天空島最寄りの位置にある、トロイアの街で静かに、決意を固める。
その時、街の市場の喧騒の中で、こっちを見てくる視線があることに気が付いた。
ただ、それに邪悪さや嫌な気配はなく、逆。
優しさや、純粋さが満ちる、例えるなら親が遠くから、はしゃぐ子供を見守るような。
――そんな視線に、レイは一瞬だけ微かに微笑みを浮かべ、速足で歩を進める。
「元々、彼がこっちに来ることになったのは、ボクの所為だし」
少年の赤い前髪に隠れて、目の色は窺い知れないが、形の良い口元が、何か考えていそうなニュアンスを含んだ笑みを形作る。外見年齢と相まって、いたずらっ子のような印象を受ける。
首元に下がるのは、銀色の細いチェーンに繋がれた美麗な装飾の懐中時計。
文様の中央に輝くのは、虹色に染まる水晶玉。
数日間、レイはトロイアの街に留まることにする。
その間、色々と面白いハプニングは起きたのだが、彼が巻き込まれた数が多すぎだった為ここでは割愛しよう。
そして、出発予定日の朝。
街の北門に着いたレイの姿は、いつも通りの服に腰の竜刀と外見的には変わってないはずなのに、なんだか少し、勇ましい気配が感じられた。
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