「国を救って欲しい」って言われたけど、救う力なんってない

綾瑪東暢

文字の大きさ
10 / 38
セイテンの街

驚きの連発なんだけど!?

しおりを挟む
いろんなお店を見て回る。宝石屋や防具屋。
 「すごいっ。漫画の世界みたい」
 「マンガ?」
 「お客さん、何をお求めかな」
 「すまない。覗いただけなんだが」
 「あぁ、そうでしたか!!むむむっ」
 何故か僕に近づいてくる防具屋の店主。
 「な、なにか?」
 「君っ!その体型!その身長!是非とも来てもらいたいものがあるのだが!どうかね!」
 ものすごい迫力に引く。シュウウが間にはいってくれる。
 「店主。」
 ヤヤウが近くに戻ってくる。
 「悪い悪い。悪気はないよ。ただ、試着してもらいたいものがあるんだ。雨の国の金は弾む。」
 「雨の国の金?」
 僕の質問には誰も答えてくれない。多分、お金のようなものなんだろう。そう思っておこう。
 「見せてくれませんか?」
 戸惑ってるシュウウとヤヤウをおいて、少し気になったのもありそう言った。
 「もちろんだ。」
 後ろの部屋にバタバタと駆け込んでいく。
 「ウカ!」
 シュウウが僕の肩を掴んで目を合わせる。
 「シュウウ?」
 隣でヤヤウが呆れてる。
 「もう少し危機感を持ってくれ。」
 「危機感?店主は優しそうな方だよ。」
 「それでも・・優しさの裏になにかあるかもしれないだろ。」
 「・・そんな、全部の人を疑えなんって僕にはできないよ。」
 人と関わるの苦手な僕に人を疑うなんってできない。ずっと人と仲良くなりたかったんだから。
 「ウカは特別なんだ。何があってからでは遅い。また誘拐されたどうする?殺されそうになったら。その場面に俺達がいなかったらどうするんだ?」
 「シュウウ・・人を疑うことは僕にはできないけど、状況を見て判断することはできるよ。ここの店主は優しい人だとそう判断したんだ。」
 シュウウの手に触れる。
 「シュウウの言う意味はよくわかる。でも、少しは僕のこと信用してほしいな。」
 ね?っとほんの少しだけ悲しい顔をしてみる。ギュッと肩を掴む力が強くなる。痛いが我慢。
 「・・信用してる・・」
 小さくシュウウが呟く。下を向いて。
 「それならいいな。」
 シュウウの毛並みを撫でる。



 「ごめんね。ウカ。一方的にウカを怒鳴って。」
 少しの間、シュウウは顔を上げなかった。肩から手を離し。僕の頭を触って言う。
 「お待たせしました!」
 ダダダッと店主が戻ってくる。その手には防御服らしき物が握られていた。
 「これです!」
 じゃーんと見せられる。
 「えっ・・・・」
 見せられた防御服はどう見ても女性が着るような服だった。胸元は開けていて、ミニスカートのようなもの。
 「女性用のものじゃないですか!?」
 僕は叫ぶ。恥ずかしさで多分顔は真っ赤だ。
 「じょ?・・とにかく!来てみてくださいよ!!」
 「え、えんりょします!ぜっーたいに嫌。」
 「なんでですか!?」
 「それは女性の方に着せてあげてください。」
 「なにをっ」
 逃げ惑う僕の手を店主が掴む。あっと声が出る前に店主が「捕まえた!」と言う。そして、その店主の手をシュウウが掴んでいた。
 「ん?」
 「し、しゅ、シュウウ・・・」
 「店主、お下がりを。」
 ヤヤウが言うと、素直に僕の手を離した。
 「シュウウ・・」
 僕がシュウウを見上げると、怒ってる気がする。
 「しゅ、シュウウっ!」
 シュウウの手を掴む。
 「僕が悪かったから。謝るから。」
と叫ぶ。少し考えていたのかシュウウは店主の手を離した。怖かったのか店主は、すみませんっと言って奥の部屋に逃げて行った。
 「出ようか。」
 ヤヤウが店の扉を開ける。シュウウの腕を引っ張って外に出た。
 「ごめんね。シュウウ。」
 「いい加減機嫌を直せ。」
 ヤヤウがシュウウの腰辺りを殴る。
 「・・・・悪い。頭に血が上った。」
 僕は息を吐く。
 「さぁ、もう王城に行こう。ここで問題を起こす前に。」
 ヤヤウが頭に手を置く。
 「うん。ヤヤウ。ごめん。」
 「大丈夫・・もうあと少しで王城だ。」
ヤヤウが上を指す。そこには大きな城が建っている。
 「あ、あそこに登るの?」
 すごい綺麗な城が見えるがすごく上に建っている。
 「シュウウに任せれば大丈夫だ。」
 どう登るのかわからない怖さに襲われる。

 崖下に来る。シュウウが僕を抱きかかえて、肩に座らせる。
 「えっ・・だ、大丈夫?重くない?」
 「ウカは軽い。」
 ・・そういえば、前に持ち上げられたな。
 「お、お願いします。」
 僕はシュウウの肩に手を置いて掴まる。そのまま崖を登っていく。器用に。
 ヤヤウが先に行き、掴みやすい岩を見極めてからシュウウがそれを掴み登るという感じ。
 「シュウウ。話しながらでも大丈夫?」
 「あぁ。余裕だ。」
 「なんで、王城まで、崖登りなの?道とかないの?」
 「・・あるにはあるんだがこっちのほうが断然早い。道準通りに行くと4日はかかる。ここからなら半日だ。」
 満面の笑みを浮かべ、僕を支える手に力を入れたシュウウは速度を上げた。僕は崖の方から街を見下ろす。
 「うわぁ・・きれいー」

 帽子を抑えながら、シュウウに身を任せる。

 

 ほんの数分足らずで、あの高そうだった崖を登り終えた。おろしてもらい、下を見ようとしたところシュウウに危ないと言われ、崖から離された。

 「東京スカイツリーから見る景色みたい。」
 「とう?」 
 立ち上がってみる、街の景色は壮大だった。
 「あれが王城だ。」
 「シンデレラ城!?」
 「???」
 シュウウとヤヤウが混乱する。
 「ウカが楽しそうで何よりだ」
 ヤヤウがそう呟く。
 普通に、すごい建物でびっくり。
 崖から登ってきたのは裏の方みたいで正面に行く。
 「お前たち!誰だ!」
 後ろからガチャガチャという音がする。
 「バレたか・・」
 「ばれ!」
 振り返ると鎧を着た兵士が僕に槍を向ける。
 「っ!」
 「やめろ。」
 シュウウが槍の柄を掴む。
 「身分をあかせ。」
 ヤヤウがため息をつき、フードを取る。
 「雨の国の!?し、失礼しました!」
 槍を下ろす。
 「俺達は行くぞ。」
 「う、うん。」

 正面に行き2回ノックをする。するとドアが開く。ドアが開くとお辞儀をしている3人の男女がいる。服装は執事服とメイド服。
 「お待ちしていました。」
 3人が合わせて言う。真ん中にいた執事服を着た男の人がこちらですと、僕達を導いてくれる。シュウウに背中を押され、男の人に付いていく。

 王城は、廊下すらも広い。すれ違うたびメイド服の女の子がお辞儀をする。僕はビクッと肩が毎回跳ねてしまう。

 「こちらです。王セレーノ様がお待ちです。戸を開けよ!」
 男の人が叫ぶとドアの横に立っていた兵士がドアを開ける。案内された部屋は広く、真ん中には赤い絨毯が引いてある。中央には威厳たっぷりな男性がこちらを見ている。隣にはきっと王妃様らしいキレイな女性、反対側にはまだ幼さが残る男の子が座っている。僕達は、王座の階段下まで進む。シュウウとヤヤウがすぐに膝をついたので僕も合わせるように膝をつく。
 いつまでこの状態なのかわからない。足がぷるぷる震えいる。
 「王よ。もう良いではないか。」
 女性の声が聞こえた。その声とともに笑い声が聞こえてくる。
 「カッカッカッ!演伎はやめようぞ。皆のもの立っておくれ。敬意を払う必要はない。よくぞ来てくれた。名を聞かせてくれ。」
 王の大きな声に僕は顔を上げる。シュウウとヤヤウが立ったので僕も立ち上がる。王の顔に威厳さはない。優しそうな人だ。
 「王よ。名を聞くときはこちらから名乗るのが礼儀ですよ。」
 「その通りだ。我はセレーノ・ガイ・アジュルという。晴の国の王セレーノである。」
 王が立ち上がり、マントを払う。王が隣の女性に近づき、手を出す。女性は手を取り、
 「妾は、アサギ・ガイ・アジュルと申す。」
 手を離し、席に座る。次に、王は息子に手を出す。息子は嬉しそうに両手で手を取り、
 「ぼく・・あっ・・わたしは、アクア・ガイ・アジュルというの!」
 男の子も席に座る。王座に戻り腰を下ろした。
 「急なご訪問にまずは謝罪を。」
 ヤヤウが頭を下げる。
 「こちらは雨の国の第一王子である」
 ・・王?
 ヤヤウがシュウウを手のひらで示した。シュウウがヤヤウの後につなげて、
 「アマヤ・ジ・ナイア・シュウウだ。」 
 シュウウが鼻で笑う。呆れているような楽しんでいるような。
 「私は、王子の騎士で、コデ・ナイア・ヤヤウと申します。」
 「うむ。アマヤ王子よ。そちが、見つけた再人者なのだろうか?」
 王の目が僕に向かう。
 話しについていけてない?
 「はい、ウカ。名乗って。」
 「えっ、あ・・僕は暁雨歌といいます・・」 
 「・・ちと、こちらに。」
 女性が僕に来るよう言う。シュウウをチラッと見ると頷いていた。階段を登り、女性の前に行く。
 しゃがむよう言われ、床に足をつく。女性は僕の頭を触った。
 「王、アマヤ王子殿、コデ騎士殿。彼、アカツキウカ殿は再人者で間違いない。申し訳なかった。」
 女性は僕の脇に手を入れられ、立たせられた。
 !!!!

 僕は女性に背中を押され、階段を降りた。
 
 「今日はもう遅い。部屋を用意した。ゆっくり休み明日出発するといい。」
 王が手を上げると、玄関で出迎えてくれた執事服を着た男の人が待っていた。
 
 男の人に案内され、部屋へと向かった。
 「ヤヤウ。バックもらっても良い?」
 「あぁ。」
 ヤヤウは腰のバックから僕のバックを出した。
 「ありがとう。」
 
 部屋に入る前に何故かシュウウに頭をナデられた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜

たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話 騎士団長とのじれったい不器用BL

生まれ変わったら俺のことを嫌いなはずの元生徒からの溺愛がとまらない

いいはな
BL
 田舎にある小さな町で魔術を教えている平民のサン。  ひょんなことから貴族の子供に魔術を教えることとなったサンは魔術の天才でありながらも人間味の薄い生徒であるルナに嫌われながらも少しづつ信頼を築いていた。  そんなある日、ルナを狙った暗殺者から身を挺して庇ったサンはそのまま死んでしまうが、目を覚ますと全く違う人物へと生まれ変わっていた。  月日は流れ、15歳となったサンは前世からの夢であった魔術学園へと入学を果たし、そこで国でも随一の魔術師となった元生徒であるルナと再会する。  ルナとは関わらないことを選び、学園生活を謳歌していたサンだったが、次第に人嫌いだと言われていたルナが何故かサンにだけ構ってくるようになりーーー? 魔術の天才だが、受け以外に興味がない攻めと魔術の才能は無いが、人たらしな受けのお話。 ※お話の展開上、一度人が死ぬ描写が含まれます。 ※ハッピーエンドです。 ※基本的に2日に一回のペースで更新予定です。 今連載中の作品が完結したら更新ペースを見直す予定ではありますが、気長に付き合っていただけますと嬉しいです。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

美貌の貧乏男爵、犬扱いしていた隣国の王子に求婚される

muku
BL
父亡き後、若くして男爵となったノエルは領地経営に失敗し、多額の借金を抱えて途方に暮れていた。そこへやって来たのは十年前に「野良犬」として保護していた少年レオで、彼の成長を喜ぶノエルだったが、実はその正体が大国の王子であったと知って驚愕する。 復讐に来たのだと怯えて逃げ出すノエルだったが、レオことレオフェリス王子はノエルに結婚してほしいと頼み始める。 男爵邸に滞在すると言い出す王子は「自分はあなたの犬だ」と主張し、ノエルは混乱するしかない。見通しの立たない返済計画、積極的な犬王子、友人からのありえない提案と、悩みは尽きない美貌の男爵。 借金完済までの道のりは遠い。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

龍の寵愛を受けし者達

樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、 父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、 ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。 それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。 それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。 王家はある者に裏切りにより、 無惨にもその策に敗れてしまう。 剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、 責めて騎士だけは助けようと、 刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる 時戻しの術をかけるが…

処理中です...