「国を救って欲しい」って言われたけど、救う力なんってない

綾瑪東暢

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ウテンの街

誰かの気持ちなんってわかるわけない

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 「ウカ。」
 「まだ何かあるの?」
 「話を、話を聞いてくれ。」
 「どうせ、最後までは言ってくれないんでしょ。」
 「ウカ。」
 「・・シュウウ。僕はシュウウの気持ちがわからない。」
 「ウカ・・」
 「もう、出てって!」

 この部屋は僕の部屋じゃないのに、どうも苛ついてしまう。
 「ごめん・・今は、1人にして欲しい。」
 「・・分かった。きゅうにおしかけてごめんね。ウカ。」

 シュウウは耳と尻尾を下げて部屋を出て行った。

 
 「シュウウはずるい・・。」
 ため息をついて、ベットに横になる。
 「この世界は嫌だなぁ・・だったらあの漫画の世界に行きたかった。なんで別の世界なんだろう。」

 『夢だった異世界に!?でも何かが違う。なんで溺愛されてるんだ!俺は一人で静かに暮らしたいだけなのにー』

漫画のストーリーは、転移じゃなくて転生。僕も生まれ変わりたかった。
一からやり直したい。

 漫画ストーリーは、転生する前の主人公は探偵だった。売れていない探偵。死因は好きだった人をすと・・監視していたら別の男がいてショック死。ラブリアスという世界のコンドという男として性を受けた。
 コンドは日本でいうところの18歳になると、アイ学園に入学する。そこで、コンドは気がついた、これは昔テレビでやっていたBLアニメだということに。テレビの中でBLゲーム感覚が味わえるアニメ。ゲーム風に進むため、攻略対象がいる。
 まず1人目は定番な、学園の生徒会長、眉目秀麗で天才児。 
 2人目はこれもまたお決まりの、不良系でも実は優しいというギャップ萌えキャラ
 3人目は、これもあるあるな、眼鏡キャラで頑固ででも少し抜けてて学園一真面目なキャラ
 4人目は、可愛い系。学園の中で姫と呼ばれているキャラ。このキャラ限定で主人公が攻めになるという設定付き。

 運営がまず最初に攻略させてたのは3人目。少なからず批判はあった、推しを先に攻略させてくれって言う。

 そんなアニメの中に来たコンドは、そのアニメの主人公ではなかった。ほんの少し顔が出るか出ないかというモブの中のモブ。それがコンドだった。
 だが、コンドは喜んだ。昔から推しだった2人目不良キャラを見守ろうと言う目標が手に入ったから。
 
 だけど、おかしい。数ヶ月学園で過ごしていたが、以降に主人公が入学してこない。影からこっそり恋愛を見ていたいだけなのに主人公が来ないから恋愛を楽しめていなかった。
 
 探偵だったから気配を消すのは得意だったが、1人目に見つかってしまった。
 「こんなところで何をやっているんだ」
と本来アニメで主人公が言われる言葉。コンドは、慌てて「人違いですー!」と言って逃げる。そっから、気に入られたのか1人目にアタックされるようになる。

 追いかけ回す生活を送りたかったのに追いかけ回される生活を送ることになってしまった。


その後、1人目との熱々のシーンがいっぱいあって、最後はハッピーエンドで終わる。

 「僕は3人目が推しなんだよなぁ・・」

 この世界に行けたら、僕は絶対3人目を追いかけていた。なんで・・知りもしない世界に・・

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