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第二章
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ふわふわしている。
なんとなくだけどここは夢の中だということが分かる。
私は1人でぽつんと白い空間の中にいた。
立ち止まっていても現状が変わることはないと思い、私はとりあえず真っ直ぐ前に歩いていくことにした。
夢の中なのに、歩き続けて足が疲れてくる。
ふぅーっと、足を止め一息入れ前を見ると遠くの方に私とは別に少女がいることがわかった。
ホロウさんの見た目にそっくりだ。
なんてぼーっとしていると少女は私の方を見て、微笑んだ。
微笑み慣れてないホロウさんの表情と比べて、この少女は自然と可憐な笑みを浮かべる。
もしかして羽賀雪菜さん?
瞬きをした瞬間、彼女は私の元へ来てきた。
「わっ!?」
思わず驚いてしまう。
「えっ、ごめんなさい!驚かせちゃったね…?私も実際どうやったのかよくわかってなくて…」
「あなたは羽賀雪菜さん…ですか?」
「わぁ~、よく知ってるね!私は羽賀雪菜。あなたのお名前は?」
「私は澄本奏波です」
「私、3ヶ月くらい前からかな…。ずーっとこの真っ白な空間にいるから暇で暇で…。何もすることがなくて鼻歌歌ったり、物語を考えてみたり色々したんだけどね!…すぐ飽きちゃうの。やっぱり1人でやれることって限界があるんだな~ってしみじみ思ったわ」
と雪菜さんはうんうんと1人で納得していた。
「でも奏波ちゃんは私とは違うわね。誰かに閉じ込められてるワケじゃない」
「誰に閉じ込められてるか…わかったりします?」
「うーん、会ったことある誰かっていうのはわかるんだけど…思い出せないのよねぇ。所々記憶がすっぽり抜けてるの、意図的に」
「そう…ですか…」
「どうして奏波ちゃんはそんなこと聞いたの?」
「神木刹那さんに…正確には神木刹那さんの開発したAI、ホロウさん頼まれたんです。あなたを…雪菜さんを助けることを手伝ってって」
そういうと羽賀雪菜さんは「さすが刹那ちゃん、すごいなぁ」と言葉を漏らした。
そして私はホロウさんに頼まれたことを羽賀雪菜さんに言った。
「集められた人たちの中には穂村炎真さんもいます。確か幼なじみなんですよね?」
私が穂村さんの名前を出すと羽賀雪菜さんは驚いていた。
「炎真くんもいるの?出来たら直接会って伝えてほしいことがあるの。『どうか自分を責めないで』って」
穂村さんと羽賀雪菜さんとの間に何かあったのだろうか?
それを聞こうと思ったが私と羽賀雪菜さんは今あったばかりだ。
触れられたくない過去のことを話せるような間柄じゃない。
「本当は炎真くん本人に伝えられたら1番いいんだけど…現状こうしてここに来てくれたのは奏波ちゃん、あなた1人。頼めるのはあなた1人だけ」
そういうと真っ白だった空間から強い光が私たちを照らす。
私はその光の中に無理やり吸い込まれていく。
「えっ?!なにこれ?!」
「もしかしたらあなたが目を覚ますのかも!どうやら時間切れみたい。なんだか奏波ちゃんとはまた会えるような気がする。どうか気をつけて!」
雪菜さんの声が遠く感じるのと同時に私は目を覚ました。
なんとなくだけどここは夢の中だということが分かる。
私は1人でぽつんと白い空間の中にいた。
立ち止まっていても現状が変わることはないと思い、私はとりあえず真っ直ぐ前に歩いていくことにした。
夢の中なのに、歩き続けて足が疲れてくる。
ふぅーっと、足を止め一息入れ前を見ると遠くの方に私とは別に少女がいることがわかった。
ホロウさんの見た目にそっくりだ。
なんてぼーっとしていると少女は私の方を見て、微笑んだ。
微笑み慣れてないホロウさんの表情と比べて、この少女は自然と可憐な笑みを浮かべる。
もしかして羽賀雪菜さん?
瞬きをした瞬間、彼女は私の元へ来てきた。
「わっ!?」
思わず驚いてしまう。
「えっ、ごめんなさい!驚かせちゃったね…?私も実際どうやったのかよくわかってなくて…」
「あなたは羽賀雪菜さん…ですか?」
「わぁ~、よく知ってるね!私は羽賀雪菜。あなたのお名前は?」
「私は澄本奏波です」
「私、3ヶ月くらい前からかな…。ずーっとこの真っ白な空間にいるから暇で暇で…。何もすることがなくて鼻歌歌ったり、物語を考えてみたり色々したんだけどね!…すぐ飽きちゃうの。やっぱり1人でやれることって限界があるんだな~ってしみじみ思ったわ」
と雪菜さんはうんうんと1人で納得していた。
「でも奏波ちゃんは私とは違うわね。誰かに閉じ込められてるワケじゃない」
「誰に閉じ込められてるか…わかったりします?」
「うーん、会ったことある誰かっていうのはわかるんだけど…思い出せないのよねぇ。所々記憶がすっぽり抜けてるの、意図的に」
「そう…ですか…」
「どうして奏波ちゃんはそんなこと聞いたの?」
「神木刹那さんに…正確には神木刹那さんの開発したAI、ホロウさん頼まれたんです。あなたを…雪菜さんを助けることを手伝ってって」
そういうと羽賀雪菜さんは「さすが刹那ちゃん、すごいなぁ」と言葉を漏らした。
そして私はホロウさんに頼まれたことを羽賀雪菜さんに言った。
「集められた人たちの中には穂村炎真さんもいます。確か幼なじみなんですよね?」
私が穂村さんの名前を出すと羽賀雪菜さんは驚いていた。
「炎真くんもいるの?出来たら直接会って伝えてほしいことがあるの。『どうか自分を責めないで』って」
穂村さんと羽賀雪菜さんとの間に何かあったのだろうか?
それを聞こうと思ったが私と羽賀雪菜さんは今あったばかりだ。
触れられたくない過去のことを話せるような間柄じゃない。
「本当は炎真くん本人に伝えられたら1番いいんだけど…現状こうしてここに来てくれたのは奏波ちゃん、あなた1人。頼めるのはあなた1人だけ」
そういうと真っ白だった空間から強い光が私たちを照らす。
私はその光の中に無理やり吸い込まれていく。
「えっ?!なにこれ?!」
「もしかしたらあなたが目を覚ますのかも!どうやら時間切れみたい。なんだか奏波ちゃんとはまた会えるような気がする。どうか気をつけて!」
雪菜さんの声が遠く感じるのと同時に私は目を覚ました。
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