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第1章

第7話 ちょっと遊びに行ってくるね~

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「さ・く・らちゅわぁ~ん~、遊びましょ~♪」

奏多がゼノバゼロス神と真琴の今後を話し合っていた同時刻、当の真琴と言えば、自身の現世日本でのペットである桜を相手に(桜には大変迷惑な)本人にとっては至福の時を過ごしていた。


「いやー、死んで転生した時はヤバイって思ったけど、なんだよ~俺って凄くついてるじゃん! なぁー桜ー心配してた桜を偶然呼び寄せられたし、なんか奏多もこっち来たしさ。奏多はああ見えて、俺の弟的な存在だから急に俺が居なくなったら、わんわん泣いてただろうしな~ウンウン良かった良かった。」


なんとも自己中でお気楽モードの真琴だが本人は至って本気だ。奏多にしてみれば誰が弟なんだと反論するところだろうが……。


「う~ん、なんだい?桜。最近のお気に入りの遊びは糞飛ばしかな?でもな、俺こんな姿だから桜の糞がさ、身体にベッタベタに引っ付くんだよ。『キーキーキー』うん?この姿がお気に召さないと?だよねー、まってな」

大きさ的にも桜の世話をするにもこの姿では不便だと、気分はかなり微妙だが前世の姿に変身。もっともカラフルロングヘアーバージョンだが今まで変化した中ではこの姿が一番まともで諦めもつく姿だった。

「桜~どうかな?不満だろうが我慢してな。『キキュー』分かってくれるか、流石は俺の桜だな!」


「おおーい真琴、何独り言を大きな声でほざいてるんだ。何時からお前はハムスターと会話が出来る様になったんだ。まさか、神獣スキルのおかげだとかぬかすんじゃないだろうな?それにしても、前世の姿に髪をパンクも真っ青なカラフルロングにしたら、こんな姿になりましたって感じだな。」

「ふんっ、ほっとけ、好きでこんな姿になってんじゃねーよ」

「まあ、そうだな、それより真琴ちょっと話がある。」

「ん?ゼノバゼロス様に俺のスキルの使用方法とか聞いた?神様なのに説明が下手なんだよ、奏多教えろ~」

「わかった、わかった、焦るな。ゼノバゼロス様に許可を貰って、俺もしばらくこっちにいることに決めたんだ、これからも傍にいるからゆっくり教える。だいたい、神様の教え方云々じゃない、真琴の覚えの悪さだし。」

「なぁーに言ってやがる!俺は興味の無いことは覚えにくい……って、こっちに残る?マジ!いいの?」

「ああ、せっかく呼び出して貰ったことだしな、それに俺と桜はお前と違って死んでいないからいつでも日本に帰れるから少しも気にしなくていいぞ。」

「奏多はそうだろうが、桜も帰れると言われると悲しいな。でも、これから神様と二人っきりかと思ったら暇そうで憂鬱ゆううつだったけど安心だ。」

「お前、それは流石に失礼だと思うぞ。ゼノバゼロス様はかなりお忙しい身だからお前にそうそう構えないんだ。だから俺が真琴の傍で、色々教えるように取り図って貰ったんだぞ。」

「えっ、そうなの?まぁ、どうでもいいや、ねー桜ちゃぁーん」

「真琴、お前って奴は……、それから今すぐって訳じゃないけど、ゼノバゼロス様が俺たちで地球以外の星々を巡る視察に行って欲しいって話だ、出発までにスキルや能力の把握と使い方をマスターするからそのつもりでいろよ。」

「へー、地球以外の星へ観光旅行に行くのか、それはいいね。桜も楽しみだねぇー、準備は全て奏多に任せる、好きにしていいぞ。」


相変わらず全然人の話を聞いていない、自分の欲望と本能に忠実な真琴に何を言ってもダメだと諦める奏多であった。


◇◇◇◇◇


「これでどうだ!おっ?いい感じに出来たんじゃない。次はこれをこうしてっと。おー完璧でしょう」

奏多の特訓の成果で擬態ぎたいを使いこなせる様になった真琴はカラフル姿に一応さよなら出来るが不満もあった。様々な種族に擬態出来るが人間姿は前世で見た他人への擬態であり真琴オリジナルイケメンはどうあっても実現出来なかった。変身魔法メタリュージョンの場合はかならずカラフル仕様であり現世日本でお馴染みの真琴本人+カラフルロングヘアーはどうあっても変えようがなかった。

一度見たものはどんな姿でも擬態出来る真琴が、望む姿には変身出来ない。無論現世で見たアイドルに擬態は出来るがそれは真琴本来の姿ではないので流石の真琴も諦めるしかなかった。

変身以外は全て完璧に使いこなせてる真琴、その裏で真琴の幼馴染である奏多の献身的な努力があったのだが本人は俺って天才!と自画自賛を繰り返していた。

今後の旅に備えペットの桜を真琴のお付きにとゼノバゼロスの力で獣人化し、獣人化したその姿が理知的なイケメンで優秀な頭脳を持っていたことは、お気楽な真琴にも幾分衝撃を与えたが、流石さすが俺の桜で終わる。

しかしそれとは別に獣人化した桜の性別が『男』だったのがメスだと信じて桜と名付けた真琴には信じられない出来事だった。

もっとも、奏多と同じ系統のイケメンだったことが幸いしてオスでも真琴からの愛情は消え去ることはなかったようだ。そして、桜の獣人化と同時期に奏多も真琴並みのスキルを授けられ、真琴のお付きと保護者として異世界の旅に出発することになる。


【名 前】神代 奏多かみしろかなた
【種 族】人 族(異世界人) 
【称 号】神霊獣真琴の調教兼保護者
【体 力】 ∞
【魔 力】 ∞ 
【スキル】時空間無限移動、高速飛行魔法、
 絶対防御、魔法創生(既存魔法の無限使用)
【加 護】宇宙創造神ゼノバゼロスの加護



【名 前】桜 
【種 族】獣人族(異世界ハムスター) 
【称 号】真琴の従者
【体 力】 ∞
【防御力】 ∞
【スキル】絶対防御
【加 護】宇宙神獣バニボー

ゼノバゼロス神から授けられた奏多の能力はやはり神々に匹敵する能力であり、桜は真琴が出来る精一杯の能力値と防御に至っては、愛を感じさせる守り能力オーバーになっていた。


「準備は終わったようじゃの、奏多、桜、二人とも真琴をよろしく頼むぞ。
これはワシの代理の証じゃ、これに念じればいつでもワシと連絡が取れるからの」

ゼノバゼロス神から与えられた指輪型の証は神様特性マジックアイテムで
行き先を示すナビも搭載された近代的な優れものであったが何故か真琴には無かった。

「ゼノバゼロス様!なんで俺に無いんですかっ!なにそれ?神様のいじめっ!?ううっ~~ないわ~」

「フォフォフォ、何を言うかと思えば。真琴は別じゃ、特製の証を用意してあるぞ、ほれ、これじゃて」

ゼノバゼロス神が真琴に差し出したのは何故か首輪。ただしかなり豪華で煌びやかな造りに真琴の名前入りだったりする。機能も奏多達の機能と遜色なく、逆に迷子センサー付きでゼノバゼロス神のペットにふさわしい逸品になっていた。

「わぁー、ゼノバゼロス様ありがとう!すんごいキレイだなー
やっぱり俺様くらいになるとこれくらいのモノを身につけないとね」

「フォフォフォ、そうじゃの真琴に似合うと思っての、
久々に気合を入れて創ったぞ、気に入ったようでなりよりじゃ」

「うんうん、最高!キラキラ光って宝石がいっぱいだよ~」

「「 ・・・・・・ 」」

あれってホンマもののペットアイテムなんじゃ?奏多と桜は互いに相手を見やり、二人同時に理解する。
自分たちには付いていない迷子機能が全て物語っていた。きっとあれは、現世で言うところのマイクロチップなのだろう。それも高性能な追跡ナビが搭載されている一品らしい。

元々現世でペットだった桜は特に微妙な気持ちになっていた。ゼノバゼロス様から獣人化してもらい、同時に全ての能力が向上し飼い主の真琴より頭脳的な面ではかなり上になってしまった為だ。

「ああ、桜、気にしなくていいからな」

「……はい、ただ、真琴様のはしゃぐ姿が何故か切ないです。」

「ふっ、桜、分かってないな。たとえ自分がペットになったとしても、アイツは自分にプラスになることは全て受け入れる、ある意味ニブすぎる程大らかな精神と心の持ち主だ、気にするだけ無駄だし一切心配無用だ」

「奏多様がそう、おっしゃるならきっとそうなのでしょう。まだ、真琴様との付き合いは二年弱ですから理解出来るよう努力いたします。」

「桜は真面目だな、まぁ、これからは三人でいることが殆どだから嫌でもなれてくるだろうさ」



「三人ともそろそろよいか、星を巡る順番は証に入っておるからの」

「「はい、行ってきます。」」

「じゃ、ゼノバゼロス様、ちょっと遊びに行ってくるね~」


「「「…………」」」

ゼノバゼロス神が指し示す星へ一瞬にして旅立つ三人。
何故か旅立つ真琴の姿は本人が嫌がっていた『宇宙神獣バニボー』だった。
最初の星に着いた時に、真琴らしい言い分に呆れる事になる奏多と桜であった。


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