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第一章(約11万字)
第56話:出発
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「え?」
「違うのか?」
俺はてっきり、アリアにとって仲間意識のあるラッシュと敵対したくないから俺の誘いを断ったのかと思っていたのだが。
「そ、それはそう……だけど、無理だと思う」
「どうして?」
「いや、普通に考えてラッシュが魔族を裏切るわけない。アリアが特殊なだけ……」
「そんなの、言ってみなきゃわからないだろ? ラッシュも同じ環境で育って来たのなら、アリアと同じような不満を持ってるかもしれない。誘ってみる価値はあると思うんだ」
そうと決まれば、善は急げだ。
俺は、勢いよく椅子から立ち上がった。
「ラッシュは今どこにいるんだ? ……あっ、そういえば、あいつらと一緒に街の外に出ようとしてたな」
ん、ちょっと待てよ?
ラッシュもアリアと同じように、異世界の勇者を殺そうとしているということは……。
「多分、カズヤの仲間を始末しにいってると思う」
「……だよな」
稲本に関しては煮るなり焼くなり好きにしてくれればいいのだが、遠藤、片桐、高原、山川の四人にはクラスメイトとして思うところもある。
「よし、今すぐ行こう。まだ間に合うはずだ。そして、全部話してラッシュも仲間に引き入れる! アリアも来てくれるな?」
「……わかった。でも、十中八九ラッシュと戦うことになる。アリアは、カズヤたちの味方をできるかわからない」
「分かってる。アリアがいてくれることが重要なんだ」
リスクがあるのは承知の上。ラッシュを説得するには、アリアの言葉もきっと必要になる。
「シーナ、俺はギルドの前でソラの準備をさせておく。その間にギルドの職員さんからラッシュたちがどこに向かったのは聞いてきてくれるか?」
「わかりました!」
階段を降りた後は二手に分かれ、俺とアリアはそのまま建物の外へ。
今は緊急事態なので、街の中でソラを出すのがどうとかは言っていられない。
俺は《収納魔法》で、異空間からソラを呼び出す。
「……ということで、急ぎめで飛んで欲しいんだ。竜使いが荒くて悪いな」
「とんでもございません」
ソラへの説明が終わったところで、シーナが建物から出てきた。
「ここから北東に向かったアーネス平原辺りにいる魔物の討伐に出たみたいです。ただ、範囲が広くて正確な場所はわからないと……」
「十分だ。空から見ればすぐに見つけられるはず。乗ってくれ」
「はい!」
シーナが安全に乗り込んだことを確認すると、ソラはすぐに翼を揺らして青空へと飛び立った。
「違うのか?」
俺はてっきり、アリアにとって仲間意識のあるラッシュと敵対したくないから俺の誘いを断ったのかと思っていたのだが。
「そ、それはそう……だけど、無理だと思う」
「どうして?」
「いや、普通に考えてラッシュが魔族を裏切るわけない。アリアが特殊なだけ……」
「そんなの、言ってみなきゃわからないだろ? ラッシュも同じ環境で育って来たのなら、アリアと同じような不満を持ってるかもしれない。誘ってみる価値はあると思うんだ」
そうと決まれば、善は急げだ。
俺は、勢いよく椅子から立ち上がった。
「ラッシュは今どこにいるんだ? ……あっ、そういえば、あいつらと一緒に街の外に出ようとしてたな」
ん、ちょっと待てよ?
ラッシュもアリアと同じように、異世界の勇者を殺そうとしているということは……。
「多分、カズヤの仲間を始末しにいってると思う」
「……だよな」
稲本に関しては煮るなり焼くなり好きにしてくれればいいのだが、遠藤、片桐、高原、山川の四人にはクラスメイトとして思うところもある。
「よし、今すぐ行こう。まだ間に合うはずだ。そして、全部話してラッシュも仲間に引き入れる! アリアも来てくれるな?」
「……わかった。でも、十中八九ラッシュと戦うことになる。アリアは、カズヤたちの味方をできるかわからない」
「分かってる。アリアがいてくれることが重要なんだ」
リスクがあるのは承知の上。ラッシュを説得するには、アリアの言葉もきっと必要になる。
「シーナ、俺はギルドの前でソラの準備をさせておく。その間にギルドの職員さんからラッシュたちがどこに向かったのは聞いてきてくれるか?」
「わかりました!」
階段を降りた後は二手に分かれ、俺とアリアはそのまま建物の外へ。
今は緊急事態なので、街の中でソラを出すのがどうとかは言っていられない。
俺は《収納魔法》で、異空間からソラを呼び出す。
「……ということで、急ぎめで飛んで欲しいんだ。竜使いが荒くて悪いな」
「とんでもございません」
ソラへの説明が終わったところで、シーナが建物から出てきた。
「ここから北東に向かったアーネス平原辺りにいる魔物の討伐に出たみたいです。ただ、範囲が広くて正確な場所はわからないと……」
「十分だ。空から見ればすぐに見つけられるはず。乗ってくれ」
「はい!」
シーナが安全に乗り込んだことを確認すると、ソラはすぐに翼を揺らして青空へと飛び立った。
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