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子供のイメージが付きまとって 57
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「私はね、旦那とは幼い時から付き合っていたからさ。昔、渡辺のお父さんが経営する工場でバイトしたりして、子供の時から渡辺家には出入りしてたよ。それがいつの間にか、息子の嫁にと求婚されたようなものよ」
「お父さんに好かれちゃったのね」
「うん・・旦那は整体とかスポーツトレーナーとか勉強始めたばかりだったし。あまり恋愛という形でもなかったかな ? 涼子は好きな人は居たの?」
「いたよ・・」
「誰?」
「倉田先生」
「それは知ってるよ、クラスで好きな人よ?」
「クラスには居なかったけど・・一組の渡辺くんは人気あってカッコよかったね」
「うちの旦那かぁ?・・」
「そういえば最近、遅く帰ってくるとイライラしている時があるよ、私が "どうしたの" て聞くと、うるさいと怒鳴るし・・こんな時にお客さんに迷惑かけたら経営不振に陥っちゃうよ。気分転換出来ればいいんだけどね・・」「」
「ふぅん」
「五郎って、誰が好きだったのかな?」
「あ、それは監督が知ってるんじゃない?」
「そうなの?私は・・監督とはわだかまりがあるからな」
「手っ取り早いのは、渡辺くん本人に聞くのが一番だけど・・」
「あ! そうか 気が付かなかったよ。25年も前の話だから正直に言うかもね」
涼子は、自分の名前だと薄々感じていたが言えるわけがなかった。
「知ってる女性なら安心ね。涼子も人気あったからなぁ、可能性あるね。だって子供が熱を出した時あったでしょ?あの時、行くのを嫌がっていたけど、涼子の名前出したら行くっていうんだもの、改めて髭剃ったりしてさ・・男ってデートとか女性に会う時、髭剃るよね」と妖しがる。
・・
その夜、冬子から連絡が入る「テニス部の鈴木さんだってさ・・だから涼子だね」
「私?」
「でさぁ、今度さ、五郎と三人で飲もう。私途中で抜けるから」
「え? ええ、待ってよ。どういうこと?」
「夫の話を聞いて欲しいのよ、私には何も言わないから聞いて欲しい、悩みごとでもあるのかと・・?」と真剣だった。
妻の冬子が言うなら、渡辺くんと二人っきりで会うのは問題ない。それに冬子の心配も解決させたかった。
「分かった」
「うん、話を聞いてくれればいいよ。旦那の好きな人が、涼子で良かったわ」
「もう・・どうなっても知らないから」
「じゃ。私は涼子の旦那を追っ掛けちゃうかな?」
「あ、それは良い考え」と、二人は凄い話をしていた。
「私ね、男の人はずーと幼馴染みの五郎だけだから、いつまでも子供のイメージが付きまとってしまってるのよ、大人の人と付き合ってみたいわ」
「名前何て言うの?旦那さん?」
「謙一郎」
「いい名前ね」
「夫には妖しい関係の女が居るけど・・」
「奪う」
「キャー、うちの旦那、もう定年退職してるし、そんなカッコいい男じゃないよ」つづく
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・・
その夜、冬子から連絡が入る「テニス部の鈴木さんだってさ・・だから涼子だね」
「私?」
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「え? ええ、待ってよ。どういうこと?」
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「分かった」
「うん、話を聞いてくれればいいよ。旦那の好きな人が、涼子で良かったわ」
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