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第5章:君といる夏
第31話:秘密基地、ふたりきり
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坂道を登っていくと、あの場所が見えてきた。
草むらの奥。今はもう使われなくなった空き地。
昔、ミユキとふたりで「秘密基地」と呼んでいた場所。
子どもの頃の夏休み、段ボールとビニールシートで屋根を作った。
お菓子を持ち込んで、誰にも言えない話をして、くだらないことで笑った。
そんな場所だった。
今では、雑草も伸び放題で、遊ぶ子どももいない。
でも、風の音や土のにおいは、どこか懐かしかった。
ユウトは腰を下ろし、地面に手をついた。
あのときと同じように。
「……久しぶりだな」
空は青く、太陽はまぶしかった。
あの頃と、空の高さは何も変わっていない気がした。
「ここで、君といろんな話をしたよね」
「夢のこととか、学校のこととか、どうでもいいこともいっぱい」
「君、絵がうまく描けなかったって泣いた日もあったな。……それでも描き続けてた」
言葉を声に出しているわけじゃない。
でも、ミユキがすぐ隣にいるような気がしていた。
草の間から、小さなタンポポが咲いていた。
それを見て、ユウトはふと思った。
この場所は、もう思い出の中だけじゃない。
ちゃんと、今とつながっている。
あの夏は、過去に置いてきたんじゃない。
今もまだ、ここで生きている。
たとえ君がいなくても。
たとえ、ふたりきりの秘密基地が消えてしまっても――
空は、あの夏の続きにある。
風が吹いて、遠くで木の葉が揺れた。
どこからか、子どもの笑い声が聞こえた気がした。
ユウトはそっと目を閉じた。
「君といた夏は、今も終わっていない。
君がいないこの夏も、ちゃんと君とつながっている。」
草むらの奥。今はもう使われなくなった空き地。
昔、ミユキとふたりで「秘密基地」と呼んでいた場所。
子どもの頃の夏休み、段ボールとビニールシートで屋根を作った。
お菓子を持ち込んで、誰にも言えない話をして、くだらないことで笑った。
そんな場所だった。
今では、雑草も伸び放題で、遊ぶ子どももいない。
でも、風の音や土のにおいは、どこか懐かしかった。
ユウトは腰を下ろし、地面に手をついた。
あのときと同じように。
「……久しぶりだな」
空は青く、太陽はまぶしかった。
あの頃と、空の高さは何も変わっていない気がした。
「ここで、君といろんな話をしたよね」
「夢のこととか、学校のこととか、どうでもいいこともいっぱい」
「君、絵がうまく描けなかったって泣いた日もあったな。……それでも描き続けてた」
言葉を声に出しているわけじゃない。
でも、ミユキがすぐ隣にいるような気がしていた。
草の間から、小さなタンポポが咲いていた。
それを見て、ユウトはふと思った。
この場所は、もう思い出の中だけじゃない。
ちゃんと、今とつながっている。
あの夏は、過去に置いてきたんじゃない。
今もまだ、ここで生きている。
たとえ君がいなくても。
たとえ、ふたりきりの秘密基地が消えてしまっても――
空は、あの夏の続きにある。
風が吹いて、遠くで木の葉が揺れた。
どこからか、子どもの笑い声が聞こえた気がした。
ユウトはそっと目を閉じた。
「君といた夏は、今も終わっていない。
君がいないこの夏も、ちゃんと君とつながっている。」
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