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第28話 陰謀
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保養所から帰ってから数日。
弘樹が初のテレビ収録を行った数日前の出来事である。
神代恭一《かみしろきょういち》は、新築高級住宅の一角で日々怒りに震えていた。
「ち、ちくしょう北村! 俺がコツコツ作り上げてきた地位を一瞬で掻っ攫いやがって、内藤さんやサイテリジェンス社内での視線は俺が独占していたんだぞ! ふざけやがって……」
この神代はサイテリジェンスへの就職前からネットでは有名人として活動し、動画や広告収入が億を下らないといった、近年豪邸も建てている大手のインフルエンサーである。
就職の理由は良くあるネット配信者の芸能事務所ではなく、大手企業に抱えられた方が将来的に安泰と考えて入社した知恵者であった。
その容姿やネットでの活動を受けて内藤に見いだされ、現在は会社お抱えの顔として、主にネット上での販促や動画の主役としても多大な支持を受け、今後はネットを飛び出してメディアや紙面を賑わすのは自分だと勝手に思っていた。
そこに突如現れた北村弘樹に対し、逆恨みともいえる妬みやライバル心を燃やし、一方的に弘樹を憎み始めていたのだった。
「どうしたらいい、あいつを貶めるには……」
高級ソファーに座りながら親指の爪を噛んで遠くを見つめる神代。
「とりあえず、あいつはまだ表に出ていない。ネットを使おうにも、見えない奴の噂を立てた所で意味がないだろう。つまりあいつが出てきた直後に不評を買う様な失敗をすればいいんだが……、何かいい手は無いか!?」
そうして思案していると不意に家の電話が鳴った。
神代は電話を受け取ると、それは雇っている探偵からの電話だった。
「はい、神代です」
「日瑠川です」
「おお日瑠川か! 何か北村の新しい情報は無いのか?」
「はい、北村弘樹の調査報告ですが、取り急ぎお伝えしたいことがあります」
この日瑠川という人物は神代がネットで有名になった際、自分に対して敵対的なライバルの情報を集めるため、それ以降常時雇っている探偵である。
普段から芸能人や政界人のスキャンダルを追う様な仕事を行っているため、かなり広い人脈や情報源を抱えているやり手の探偵であった。
「なんだ? 何かわかったのか?」
「調べた結果、北村弘樹のテレビ出演が決まり、その収録が2日後の様です」
「テ、テレビ収録だと!? クソ! 俺がやる筈だったに違いない役目を……!」
「はい」
「その情報はどこからだ? 確かなのか!?」
「はい、私の情報網の一人がテレビ局に務めていまして、そこからの情報です」
どうしたらアイツの今後を潰すことができる!?
アイツを失敗させるにはどうする!?
「それはどんな番組だ、調べてるんだろ! ちゃんと報告しろ!」
「では詳細を報告します」
そうして番組のタイトルやその詳細を聞いた神代は一つの策略を思いつく。
「フフフ、よし!」
「どうしましょうか? お手伝い出来る事であれば」
「日瑠川、その情報源に依頼をすることは可能か?」
「そうですね、別途経費が掛かりますが難しい事でなければ」
「そうか……費用はいい。それよりも番組の関係者なのか?」
「誰なのかはお伝え出来ませんが、それなりに地位もある人物です」
「番組ではテーマに沿った内容を出演者が回答していくんだったな……」
「テレビを見れば分かりますが、出演者は事前に簡単な回答をするようですね」
例えば、北村の回答をいわゆる失言にしてしまえば……。
「その内容を書き換えることは可能か?」
「出来るか分かりませんが、依頼すること自体は可能ですかね」
「頼めるだろうか?」
「分かりました、書き換える内容はどのような?」
放送はゴールデンタイムだがニュースや時事ネタという内容だけに、恐らく視聴者は若い世代より中高年が多い番組のはずだ。
「あいつが視聴者層をバカにするような内容に書き換えて欲しいんだが……」
「北村弘樹の回答を本番直前に不評を買いそうな内容に変えるんですね?」
「そうだ。ただあまり質問内容とかけ離れていたり、酷すぎる内容では北村がカットされることも考えられる」
「という事は、答えそうな内容でありながら、適度に反感を買うような内容……」
「それが出来れば最高だ。今はわずかな事でもクレーマーが炎上させてくれる。それに現状どんなテーマか分からんし書き換え内容は指示できない。だから意図を伝えて自由に書き換えてくれればいい」
「分かりました」
「助かる」
「依頼は行いますが期間があまり無いですし、キャンセルができないタイミングになりますので成功の有無にかかわらず料金は請求させていただきますが?」
「それでいい、あいつが視聴者の反感を買い、日本中で大炎上したらそいつに特別料金を支払ってやる」
「分かりました、それも伝えておきます。他に何かありますか」
「フフフ、大丈夫だ、頼んだぞ」
「はい、ありがとうございます、それでは」
上手く行くかは分からんが、成功すれば大炎上だ。
そうなれば俺のファンを巻き込んで、あいつを追い込むこともできるだろう。
「収録は二日後か、恐らく来週か再来週には放送される収録だろうな。思い知るがいい北村弘樹! 俺の邪魔をした償いをさせてやる」
「フフフ、ハーッハッハッハ」
そうして、弘樹のテレビデビューを大きく失敗させる陰謀が生まれたのだった。
◆
時を同じくして、地元のショッピングモールには理香子と彩の姿が有った。
「理香子ぉ、本当に本人と一緒に居たんだよね?」
「ええ、うん、そうだと思うよ、私は知らない人だったけど……」
「ああーもう、まだ夢見てるみたい!」
彩はネットのインフルエンサーである超絶美形の神代に心酔していた。
数日前の小旅行で偶然にも出会う事が出来た事をいまだに反芻し感動している。
「理香子! あの時言ってた感じだと神代様って弘樹と同じ会社って事でしょ? もし弘樹と神代様が仲良くなったらまた会えるかもしれないんじゃないかしら?」
「う、うん、でもあんまり仲良くなかったような……」
「それでも! もし弘樹が神代様を連れて飲みに来たりしたら……」
「あーうん、それくらいはあるかも? 弘樹君やさしいしね」
「きゃあ! わ、私も服買う! 神代様に会うときにだらしない恰好できないわ!」
「じゃ、可愛い服探しに行こう!」
そうして、理香子は弘樹とのデート用の服を、彩は神代に合った時用の服を求めショッピングモールをウキウキと彷徨う。
しかし理香子が更衣室で試着をしている間スマホを眺めている彩が何かを見つけた。
「ね、ねぇ、理香子、これちょっと見て……」
「ん? ちょっとまって」
弘樹好みの可愛い服を着て試着室から出てきた理香子に、彩がスマホを見せる。
「こ、これどういう事? 多分弘樹の事よね……?」
「ん?」
そこには神代と思わしき人物の発言が記されていた。
『先日私と飲み比べ勝負を挑んできた人がいた。やたら絡まれた。不安に感じてその人を調べた。するとどうも私を貶めようと裏で様々な画策をしているらしい』
『私は負ける訳にはいかない! ファンの皆の期待に応えるためにも私はもっと高みを目指す。その為私はその人と戦わなくてはならない。みんな私を応援してほしい』
「理香子、これって……、弘樹の事だよね?」
これは神代の個人的な活動や有料サロンなどがあるサブアカウントであり、彼の大ファンである彩は、当然の様に両方のアカウントを観察していた。
「ん? これって、神代君のアカウントなの?」
「うん、サブアカウントではあるんだけど……」
「うーん、でも有名な人なんでしょ? 色んなところで飲んでるかもしれないし、弘樹君の事とは限らないんじゃ?」
二人で不安げにスマホの画面を眺めながらそんな会話をしていると、最新投稿が入りSNSのタイムラインが動いた。
『その人は近々、とあるテレビ番組の収録があるらしいが、それは私が出るはずだったテレビ番組だ。その人は裏で画策し私の出演を奪ったようだ。みんなはこれをどう思う?』
「え? こ、これ……」
「やっぱり弘樹の事だよね? 神代様……弘樹が奪ったって……」
「弘樹君がそんなことするはずない!」
神代の有料サブアカウントは彩ですら登録しているほどで、数万人の登録者がいる信者専用アカウント、その発言に対し瞬時に沢山の返信が滝のように流れ始める。
『許せない!』
『誰それ!? そいつ卑怯だと思う!』
『神代様の活躍を奪うなんて信じられない!』
熱烈なファンと思えるユーザーからの反感発言が次々と投稿される。
「こ、これ、どうしよう……」
「どうしようって言ったって、私たちがどうこうできる事じゃないよこれ!」
「弘樹君に知らせた方がいいかな……!?」
「弘樹の収録っていつ?」
「た、たしか明後日だったと思う……」
「それじゃ弘樹に伝えたって今からじゃ何もできないよ……」
「そっか……、どうにもできないのかな……」
「神代様……弘樹がそんな事するわけないのになんで……」
彩は推しの神代が弘樹と対立していることを知りショックを受けている。
「そうだ! 内藤さんに伝えたらどうかな?」
「内藤さんってあの宿に来たゴリラみたいなモンスター?」
「うん、弘樹君の会社の社長さんだったはず……」
「そうね! あのゴリラなら何とかしてくれるかも!」
「じゃ私、名刺貰ったから会社にかけて内藤さんに相談してみる」
「うん、理香子頼むわよ……」
弘樹が初出演をしてた裏で、こんな事が起きていた。
一問目の問題はこうして番組内にいるスタッフに書き換えられ、内藤はそれを全て知ったうえで弘樹を送り出していた。
視聴者を敵に回すような失言回答として書き換えられた内容は。
『老害は消えろ』
内藤はその全てを知ったうえで、この回答をスタジオで目にした時、この難問を乗り越える弘樹の本領に期待して爆笑していたのだった。
それを魔人内藤の差し金と勘違いした弘樹は、無感魔法を発動させてその全てを乗り越え、スタジオでは数々の論客を論破し、ひいてはお茶の間を味方にした。
その結果は内藤が出した、あのサムアップに全てが込められていたのだった。
神代がその結果を知るのは放送時となるしばらく先である。
そんな、裏の一幕の話であった。
弘樹が初のテレビ収録を行った数日前の出来事である。
神代恭一《かみしろきょういち》は、新築高級住宅の一角で日々怒りに震えていた。
「ち、ちくしょう北村! 俺がコツコツ作り上げてきた地位を一瞬で掻っ攫いやがって、内藤さんやサイテリジェンス社内での視線は俺が独占していたんだぞ! ふざけやがって……」
この神代はサイテリジェンスへの就職前からネットでは有名人として活動し、動画や広告収入が億を下らないといった、近年豪邸も建てている大手のインフルエンサーである。
就職の理由は良くあるネット配信者の芸能事務所ではなく、大手企業に抱えられた方が将来的に安泰と考えて入社した知恵者であった。
その容姿やネットでの活動を受けて内藤に見いだされ、現在は会社お抱えの顔として、主にネット上での販促や動画の主役としても多大な支持を受け、今後はネットを飛び出してメディアや紙面を賑わすのは自分だと勝手に思っていた。
そこに突如現れた北村弘樹に対し、逆恨みともいえる妬みやライバル心を燃やし、一方的に弘樹を憎み始めていたのだった。
「どうしたらいい、あいつを貶めるには……」
高級ソファーに座りながら親指の爪を噛んで遠くを見つめる神代。
「とりあえず、あいつはまだ表に出ていない。ネットを使おうにも、見えない奴の噂を立てた所で意味がないだろう。つまりあいつが出てきた直後に不評を買う様な失敗をすればいいんだが……、何かいい手は無いか!?」
そうして思案していると不意に家の電話が鳴った。
神代は電話を受け取ると、それは雇っている探偵からの電話だった。
「はい、神代です」
「日瑠川です」
「おお日瑠川か! 何か北村の新しい情報は無いのか?」
「はい、北村弘樹の調査報告ですが、取り急ぎお伝えしたいことがあります」
この日瑠川という人物は神代がネットで有名になった際、自分に対して敵対的なライバルの情報を集めるため、それ以降常時雇っている探偵である。
普段から芸能人や政界人のスキャンダルを追う様な仕事を行っているため、かなり広い人脈や情報源を抱えているやり手の探偵であった。
「なんだ? 何かわかったのか?」
「調べた結果、北村弘樹のテレビ出演が決まり、その収録が2日後の様です」
「テ、テレビ収録だと!? クソ! 俺がやる筈だったに違いない役目を……!」
「はい」
「その情報はどこからだ? 確かなのか!?」
「はい、私の情報網の一人がテレビ局に務めていまして、そこからの情報です」
どうしたらアイツの今後を潰すことができる!?
アイツを失敗させるにはどうする!?
「それはどんな番組だ、調べてるんだろ! ちゃんと報告しろ!」
「では詳細を報告します」
そうして番組のタイトルやその詳細を聞いた神代は一つの策略を思いつく。
「フフフ、よし!」
「どうしましょうか? お手伝い出来る事であれば」
「日瑠川、その情報源に依頼をすることは可能か?」
「そうですね、別途経費が掛かりますが難しい事でなければ」
「そうか……費用はいい。それよりも番組の関係者なのか?」
「誰なのかはお伝え出来ませんが、それなりに地位もある人物です」
「番組ではテーマに沿った内容を出演者が回答していくんだったな……」
「テレビを見れば分かりますが、出演者は事前に簡単な回答をするようですね」
例えば、北村の回答をいわゆる失言にしてしまえば……。
「その内容を書き換えることは可能か?」
「出来るか分かりませんが、依頼すること自体は可能ですかね」
「頼めるだろうか?」
「分かりました、書き換える内容はどのような?」
放送はゴールデンタイムだがニュースや時事ネタという内容だけに、恐らく視聴者は若い世代より中高年が多い番組のはずだ。
「あいつが視聴者層をバカにするような内容に書き換えて欲しいんだが……」
「北村弘樹の回答を本番直前に不評を買いそうな内容に変えるんですね?」
「そうだ。ただあまり質問内容とかけ離れていたり、酷すぎる内容では北村がカットされることも考えられる」
「という事は、答えそうな内容でありながら、適度に反感を買うような内容……」
「それが出来れば最高だ。今はわずかな事でもクレーマーが炎上させてくれる。それに現状どんなテーマか分からんし書き換え内容は指示できない。だから意図を伝えて自由に書き換えてくれればいい」
「分かりました」
「助かる」
「依頼は行いますが期間があまり無いですし、キャンセルができないタイミングになりますので成功の有無にかかわらず料金は請求させていただきますが?」
「それでいい、あいつが視聴者の反感を買い、日本中で大炎上したらそいつに特別料金を支払ってやる」
「分かりました、それも伝えておきます。他に何かありますか」
「フフフ、大丈夫だ、頼んだぞ」
「はい、ありがとうございます、それでは」
上手く行くかは分からんが、成功すれば大炎上だ。
そうなれば俺のファンを巻き込んで、あいつを追い込むこともできるだろう。
「収録は二日後か、恐らく来週か再来週には放送される収録だろうな。思い知るがいい北村弘樹! 俺の邪魔をした償いをさせてやる」
「フフフ、ハーッハッハッハ」
そうして、弘樹のテレビデビューを大きく失敗させる陰謀が生まれたのだった。
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時を同じくして、地元のショッピングモールには理香子と彩の姿が有った。
「理香子ぉ、本当に本人と一緒に居たんだよね?」
「ええ、うん、そうだと思うよ、私は知らない人だったけど……」
「ああーもう、まだ夢見てるみたい!」
彩はネットのインフルエンサーである超絶美形の神代に心酔していた。
数日前の小旅行で偶然にも出会う事が出来た事をいまだに反芻し感動している。
「理香子! あの時言ってた感じだと神代様って弘樹と同じ会社って事でしょ? もし弘樹と神代様が仲良くなったらまた会えるかもしれないんじゃないかしら?」
「う、うん、でもあんまり仲良くなかったような……」
「それでも! もし弘樹が神代様を連れて飲みに来たりしたら……」
「あーうん、それくらいはあるかも? 弘樹君やさしいしね」
「きゃあ! わ、私も服買う! 神代様に会うときにだらしない恰好できないわ!」
「じゃ、可愛い服探しに行こう!」
そうして、理香子は弘樹とのデート用の服を、彩は神代に合った時用の服を求めショッピングモールをウキウキと彷徨う。
しかし理香子が更衣室で試着をしている間スマホを眺めている彩が何かを見つけた。
「ね、ねぇ、理香子、これちょっと見て……」
「ん? ちょっとまって」
弘樹好みの可愛い服を着て試着室から出てきた理香子に、彩がスマホを見せる。
「こ、これどういう事? 多分弘樹の事よね……?」
「ん?」
そこには神代と思わしき人物の発言が記されていた。
『先日私と飲み比べ勝負を挑んできた人がいた。やたら絡まれた。不安に感じてその人を調べた。するとどうも私を貶めようと裏で様々な画策をしているらしい』
『私は負ける訳にはいかない! ファンの皆の期待に応えるためにも私はもっと高みを目指す。その為私はその人と戦わなくてはならない。みんな私を応援してほしい』
「理香子、これって……、弘樹の事だよね?」
これは神代の個人的な活動や有料サロンなどがあるサブアカウントであり、彼の大ファンである彩は、当然の様に両方のアカウントを観察していた。
「ん? これって、神代君のアカウントなの?」
「うん、サブアカウントではあるんだけど……」
「うーん、でも有名な人なんでしょ? 色んなところで飲んでるかもしれないし、弘樹君の事とは限らないんじゃ?」
二人で不安げにスマホの画面を眺めながらそんな会話をしていると、最新投稿が入りSNSのタイムラインが動いた。
『その人は近々、とあるテレビ番組の収録があるらしいが、それは私が出るはずだったテレビ番組だ。その人は裏で画策し私の出演を奪ったようだ。みんなはこれをどう思う?』
「え? こ、これ……」
「やっぱり弘樹の事だよね? 神代様……弘樹が奪ったって……」
「弘樹君がそんなことするはずない!」
神代の有料サブアカウントは彩ですら登録しているほどで、数万人の登録者がいる信者専用アカウント、その発言に対し瞬時に沢山の返信が滝のように流れ始める。
『許せない!』
『誰それ!? そいつ卑怯だと思う!』
『神代様の活躍を奪うなんて信じられない!』
熱烈なファンと思えるユーザーからの反感発言が次々と投稿される。
「こ、これ、どうしよう……」
「どうしようって言ったって、私たちがどうこうできる事じゃないよこれ!」
「弘樹君に知らせた方がいいかな……!?」
「弘樹の収録っていつ?」
「た、たしか明後日だったと思う……」
「それじゃ弘樹に伝えたって今からじゃ何もできないよ……」
「そっか……、どうにもできないのかな……」
「神代様……弘樹がそんな事するわけないのになんで……」
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「そうだ! 内藤さんに伝えたらどうかな?」
「内藤さんってあの宿に来たゴリラみたいなモンスター?」
「うん、弘樹君の会社の社長さんだったはず……」
「そうね! あのゴリラなら何とかしてくれるかも!」
「じゃ私、名刺貰ったから会社にかけて内藤さんに相談してみる」
「うん、理香子頼むわよ……」
弘樹が初出演をしてた裏で、こんな事が起きていた。
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『老害は消えろ』
内藤はその全てを知ったうえで、この回答をスタジオで目にした時、この難問を乗り越える弘樹の本領に期待して爆笑していたのだった。
それを魔人内藤の差し金と勘違いした弘樹は、無感魔法を発動させてその全てを乗り越え、スタジオでは数々の論客を論破し、ひいてはお茶の間を味方にした。
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