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茶会
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3ヶ月後、王家主催の茶会が開かれた。
いつもドレスを断ると引き下がったのに今回は頑なにドレスを贈ると言い張った。
気を利かせてランドルフ様の瞳の色のドレスをくれたんだろうけど、飲み物を掛けられると目立つのよね。
アイスブルーだから。
まぁ、汚されてさっさと帰るか。
オヌール公爵家の馬車が迎えに来た。降りてきたランドルフ様は私のドレスの色と同じで、使う宝石は紫色だった。
私の瞳の色なのかな。どうしちゃったんだろう。
私に着せることはあっても、私の色を身につけることは…多分なかったと思う。
よく見てないから言い切れないけど。
近いなぁ。
座る位置が近い。
「リリアーナ。ランドルフと呼んでくれ」
「はい。ランドルフ様」
会場に着くと侯爵家以上の令息令嬢とパートナーが来ていた。
王族に挨拶をしに行った。私はいつも口元から上を見ないようにしている。今日もそうしていた。
「あら、クロノス伯爵令嬢は雰囲気が変わったのね」
「学生の間は勉強に励むことにしました。淑女教育も改めて講師をつけました」
「あら、素晴らしいわ。ねぇ」
「はい、母上」
あれ?この声どこかで…。
「結婚の時期は決めているのかしら」
「彼女の卒業を待って式をあげようかと思っております」
「えっ!?」
「あら、ちゃんと話し合わなくては駄目よ」
「リリアーナはいつも私の意思を尊重してくれますので」
「…私の意思は不要ですか」
「リリアーナ?」
「オヌール公爵令息様、次の方が待っておられますからお譲りしましょう。王妃様、第二王子殿下、失礼致します」
席に着くと、
「リリアーナ。ランドルフと呼んでくれと言ったはずだ」
「申し訳ありません。婚約者と言われても私にはピンとこないのです」
「だとしても君は私の婚約者だ。君か卒業したらすぐに結婚する」
「契約書を見ましたが時期については明記されておりません」
「記憶がないならやり直そうと思っても君は時間をとってくれないじゃないか」
「辞退の希望をお伝えしましたわ」
「リリアーナ」
「政略でもない、恋愛でもない。何故婚約がなされたのか不思議でたまりません」
「何故恋愛ではないと言い切れる」
「もし恋愛だったら、日記に記されていた様な目にはあっていないはずです。オヌール公爵家の嫡男が愛してくださるなら守られたはずです。
つまり私は守る価値のない婚約者だったということ」
「リリアーナ…茶会が終わったら家で話そう」
「クロノス邸にまっすぐ送ってください」
「駄目だ」
「送ってくださらないのであれば、今後オヌール公爵家の馬車には乗りません」
「リリアーナ!」
「お花を摘みに行ってきますわ」
「っ!」
大きな声を出すから目立っちゃったじゃないの!!
お花を摘んだ帰りにちょっと庭園に寄り道をしたのだけど、痴話喧嘩?に遭遇することになる。
「婚約者とは上手く行っていない様でしたわね」
「君には関係ない」
「私はランドルフ様をお慕いしているのです!」
「ヘンダーソン侯爵令嬢、君とはあの時限りの関係だ。約束しただろう」
「お慕いする気持ちは止められるものではありませんわ」
あ~あ。庭園に回らなければよかった。
そう思っていた時、後ろから口を塞がれた。
「んん!」
「(シッ!リリアーナ、騒ぐとバレる)」
リュカ様だった。
「(来てたのですね)」
「(は?)」
「(ということは貴方かパートナーが侯爵家以上ということですね)」
「(……アレ。お前の婚約者だろう)」
「(一応)」
「(…一夜の関係で済ませたかったのに女が付き纏っているようだな)」
「(そうですね)」
「(弱みを握るチャンスだぞ)」
「(明確な言葉を口にしていない以上、惚けられたらそれまでです)」
「(冷静だな)」
あの日付けからすると、余計なことを吹き込んだのはあの令嬢のようね。
「(令嬢の方は経験人数が豊かね)」
「(何故わかる)」
「(か、勘です)」
「(……秘密があるな?)」
「(よくわかりません)」
「(俺に話せないことなのか)」
「(怪しまれるから席に戻ります)」
「(リリアーナ)」
「(行きますよ)」
その後は素知らぬ顔で席に着いたがまだ戻らなそうなので軽食をとりに行った。
するとランドルフ様が席に戻った。令嬢は?
「あっ!ごめんなさい!わざとじゃないの」
「…オヌール公爵令息様のご友人ですね。気になさらないでください」
そう言ってメイクルームへ向かった。
すると王宮メイドが来て、
「クロノス伯爵令嬢様、ご案内いたします」
「え?」
「汚れを少し落とさせていただきます」
「パートナーに挨拶をしてから行きます」
「こちらでお伝えします。帰ったとお伝えすればよろしいですね?」
「…はい」
いつもドレスを断ると引き下がったのに今回は頑なにドレスを贈ると言い張った。
気を利かせてランドルフ様の瞳の色のドレスをくれたんだろうけど、飲み物を掛けられると目立つのよね。
アイスブルーだから。
まぁ、汚されてさっさと帰るか。
オヌール公爵家の馬車が迎えに来た。降りてきたランドルフ様は私のドレスの色と同じで、使う宝石は紫色だった。
私の瞳の色なのかな。どうしちゃったんだろう。
私に着せることはあっても、私の色を身につけることは…多分なかったと思う。
よく見てないから言い切れないけど。
近いなぁ。
座る位置が近い。
「リリアーナ。ランドルフと呼んでくれ」
「はい。ランドルフ様」
会場に着くと侯爵家以上の令息令嬢とパートナーが来ていた。
王族に挨拶をしに行った。私はいつも口元から上を見ないようにしている。今日もそうしていた。
「あら、クロノス伯爵令嬢は雰囲気が変わったのね」
「学生の間は勉強に励むことにしました。淑女教育も改めて講師をつけました」
「あら、素晴らしいわ。ねぇ」
「はい、母上」
あれ?この声どこかで…。
「結婚の時期は決めているのかしら」
「彼女の卒業を待って式をあげようかと思っております」
「えっ!?」
「あら、ちゃんと話し合わなくては駄目よ」
「リリアーナはいつも私の意思を尊重してくれますので」
「…私の意思は不要ですか」
「リリアーナ?」
「オヌール公爵令息様、次の方が待っておられますからお譲りしましょう。王妃様、第二王子殿下、失礼致します」
席に着くと、
「リリアーナ。ランドルフと呼んでくれと言ったはずだ」
「申し訳ありません。婚約者と言われても私にはピンとこないのです」
「だとしても君は私の婚約者だ。君か卒業したらすぐに結婚する」
「契約書を見ましたが時期については明記されておりません」
「記憶がないならやり直そうと思っても君は時間をとってくれないじゃないか」
「辞退の希望をお伝えしましたわ」
「リリアーナ」
「政略でもない、恋愛でもない。何故婚約がなされたのか不思議でたまりません」
「何故恋愛ではないと言い切れる」
「もし恋愛だったら、日記に記されていた様な目にはあっていないはずです。オヌール公爵家の嫡男が愛してくださるなら守られたはずです。
つまり私は守る価値のない婚約者だったということ」
「リリアーナ…茶会が終わったら家で話そう」
「クロノス邸にまっすぐ送ってください」
「駄目だ」
「送ってくださらないのであれば、今後オヌール公爵家の馬車には乗りません」
「リリアーナ!」
「お花を摘みに行ってきますわ」
「っ!」
大きな声を出すから目立っちゃったじゃないの!!
お花を摘んだ帰りにちょっと庭園に寄り道をしたのだけど、痴話喧嘩?に遭遇することになる。
「婚約者とは上手く行っていない様でしたわね」
「君には関係ない」
「私はランドルフ様をお慕いしているのです!」
「ヘンダーソン侯爵令嬢、君とはあの時限りの関係だ。約束しただろう」
「お慕いする気持ちは止められるものではありませんわ」
あ~あ。庭園に回らなければよかった。
そう思っていた時、後ろから口を塞がれた。
「んん!」
「(シッ!リリアーナ、騒ぐとバレる)」
リュカ様だった。
「(来てたのですね)」
「(は?)」
「(ということは貴方かパートナーが侯爵家以上ということですね)」
「(……アレ。お前の婚約者だろう)」
「(一応)」
「(…一夜の関係で済ませたかったのに女が付き纏っているようだな)」
「(そうですね)」
「(弱みを握るチャンスだぞ)」
「(明確な言葉を口にしていない以上、惚けられたらそれまでです)」
「(冷静だな)」
あの日付けからすると、余計なことを吹き込んだのはあの令嬢のようね。
「(令嬢の方は経験人数が豊かね)」
「(何故わかる)」
「(か、勘です)」
「(……秘密があるな?)」
「(よくわかりません)」
「(俺に話せないことなのか)」
「(怪しまれるから席に戻ります)」
「(リリアーナ)」
「(行きますよ)」
その後は素知らぬ顔で席に着いたがまだ戻らなそうなので軽食をとりに行った。
するとランドルフ様が席に戻った。令嬢は?
「あっ!ごめんなさい!わざとじゃないの」
「…オヌール公爵令息様のご友人ですね。気になさらないでください」
そう言ってメイクルームへ向かった。
すると王宮メイドが来て、
「クロノス伯爵令嬢様、ご案内いたします」
「え?」
「汚れを少し落とさせていただきます」
「パートナーに挨拶をしてから行きます」
「こちらでお伝えします。帰ったとお伝えすればよろしいですね?」
「…はい」
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