【完結】見えてますよ!

ユユ

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閑話

リリアーナに打ち明けた秘密と別の色

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【 国王 】

ギフトに関する契約をする時に、私は秘密を明かさなくてはならなかった。

エリアスが王家の秘密を話してしまったので使えない。

王妃に絶対にバレないようにお願いをした。

「政略結婚で、王妃ともうひとり候補が残っていた。どちらも決め難かった。

どうやって決めようか悩んでいたが、ある方法で決めた。

2本の木の枝を用意して令嬢のイニシャルを彫った。同時に投げて犬が拾ってきた方を娶った」

「…言ってはいけないやつです」

「知ってる」





【 王太子 】

私の秘密は濡れ衣をエリアスに着せたこと。
リリアーナとだけ契約を結んで秘密を話した。

私の秘密はそれしかなかったからだ。

「私はおねしょをした。まだ小さかったエリアスを部屋から連れてきて私のベッドに寝かせた。
私はソファで寝ていたフリを」

「おねしょ冤罪ですか」

「…二度」

「再犯ですか!」

「私なら怒られるがエリアスの幼さなら怒られない」

「ひどい」

「すまん」


本当の秘密は私もギフト持ちだということ。
落馬事故の後に見えるようになった。
他人の寿命。

自然死は金色、自殺は黒、他殺は赤。

リリアーナには感謝している。

エリアスは他殺のはずだったが、君と婚約してから金色の長い寿命に変わった。
妻も寿命が伸びた。

彼女は神が遣わされた者かもしれない。



ところで父上、エリアスに騙されていますよ。
3人の契約なのに父上は父上の秘密、リリアーナはギフト、エリアスは王子教育の内容。

エリアスの秘密は父上もご存じではありませんか?




【 リュカ 】

リリアーナのギフトの文字は赤と黒だけだと思っていたがもう一つあった。

それは罪人が公開処刑になった時のこと。

連続幼女強姦事件の犯人が侯爵家の次男だった。現行犯逮捕され、私室を調べると何かしらの戦利品が隠されていた。

「リュカ様……よく見ないと分からないのですが色が違います。名前が全部濃い紫です」

「濃い紫か」

「彼の犠牲者のリストを見せてください」

従者に持って来させたリストと名前を見比べる。

「リュカ様、これは問題です。
リストに載っている11人の中で当てはまる名前は1人しかいません」

「10人分は冤罪ということか」

「はい。この名前では。
その代わり別の名前が3人見えます。
もしかするとこの色は暴力によるもののようです」

「強姦を意味しているのか。余罪を書いてくれ。あと冤罪ではない名前に丸をつけて欲しい」

「残りの10人中は、彼ではなくてあそこに立っている貴族から見えます」

「特徴は」

「深緑に金の刺繍、体格が良く金髪の癖毛で頭頂部が寂しくなっておられる方です」

「…侯爵だ。死刑囚の父親だ。

共犯か、同じ趣向を持った息子に罪を被せられているのか」

「だとしたら名前が被ると思うのですが被りません。同じ趣向を持っていて別々に行動しているのではないでしょうか」

「侯爵の方はどのくらいだ。
黒も沢山いますが…50人はいそうです。
最初は約30年前で初体験も犯罪ですね」

「別室で調べなくてはならないな」

「13年前と9年前…ローレン・ミシュラー、カトリーナ・ミシュラー……死刑囚の家門と同じ名前で色が…」

「娘だ。侯爵は娘に手を出したんだ」

「!!」

「娘達は妹だから10歳位の時の日付だろう」

「死刑囚の最初の犯行はローレン・ミシュラーの数日後」

「父親が娘を犯しているところを見てしまって目覚めたんだな」


その後、娘達を呼び2人については公表しないことを条件に証言をとった。

古株のメイドや御者の証言も取れ、リストにあった被害者で来られる者を呼び面通しさせた。

鼻に大きなホクロという目立った特徴を持っていた為、意識があった者は顔を覚えていて侯爵を指差した。


そして拷問をかけ認めさせると処刑された。
領地は次女の嫁ぎ先に、私財の4分の1は長女に。残りは被害者に分配され取り潰しとなった。

裕福な家門だったので、縁戚が犯罪者として処刑されても分配のおかげで婚家は離縁しなかった。



「リリアーナ、辛いものを見せたな」

「その代わりリュカ様が甘やかしてくださるのでしょう」

「愛しいリリアーナ」



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