【完結】もう一度言いますね、貴方を誘惑したんじゃありません!信じてください!

ユユ

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潜入します!

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つ、ついにやってきた。

震える足よ、止まれ!

極悪非道で有名…らしい 若きルセール侯爵。
彼は若い女性を食い散らかしている…らしい。
親も兄弟も殺して侯爵になった…らしい。
そして逆らう者は貴族でも 侯爵家の力で没落させる…らしい。

お父様とお母様とお祖父様とお祖母様を人質に取った犯人がそう言っていた。

「入れ」

「し、失礼します」

くっ! 
お人形のように綺麗!何て凶器を持っているの!!

「……歳は」

「こ、腰? だ、大丈夫です」

「プッ」

い、いきなり!?
もう私にも手を付けるつもりなの!?
大丈夫って答えない方が良かった??
何で横にいる人は笑ったの?

「……働く理由は」

「び、貧乏だからです」

「……男爵家か。学園も行けなかったのか」

「そ、そんな感じです」

本当は休学したけど。

「……得意なことは」

どうしよう…

「マ、マッサージです?」

「くっ」

「……」

横にいる人はスプーンが転がっても笑いたくなる年頃なのかしら。

「兄弟は」

「いません」

「……誰の紹介だ」

え?…誰だっけ!?

数分悩んだ挙句に

「あ、さっきの紹介状かみに書いてあります」

「ふーっ!」

そんなに息吐きながら笑わないでよ。器用ね。

「……」

侯爵は立ち上がり私の前までやってくると見下ろした。

うっ!
目が合わせられない!
もしかしてメデューサの末裔?

「こっちを見ろ」

「無理です!」

「何故だ」

「魂が抜かれて石になりそうです!」

「あはっ!」

「……俺は…若い未経験の子供など雇わない」

え!? メイドの採用条件ってなの!?
まずい!不採用になったらお父様達が!!

「わ、私はこう見えても類を見ないアバズレです!
老若男女ぶった斬って来ました!
若いからって見くびらないでください!!」

「……」

「っ!! っ!! っ!!」

「……あの、そちらの方が呼吸困難になっていますよ?」

「放っておけ。初めての発作だが、そのうち治まる」

「あんなに苦しんでるじゃないですか」

私は側に寄り転がって苦しむ男性の背中を摩った。

「涙まで流して。お辛いのですね?」

「っ!! っ!! っ!!」

「落ち着いて、少しでも息をしてください!」

「追撃は止めろ」

「はい?」

「こうすれば治る」

ゴン!

侯爵が苦しんでいる男の頭に拳を落とした。

「何てことをするんですか!!」

「し、死ぬかとっ 思った!」

「え? 本当に治った」

私は拳を握りしめたが、侯爵に手首を掴まれた。

「お前の拳が壊れるから止めろ」

「っ!」

ちょっと!掴んだ手から怪しげな何かが滲み出さないでください!!

「くくっ! 真っ赤」

もう一度呼吸困難になれ!!

「やっぱり お前、未経験だろう」

「ち、違います!百戦錬磨です!」

「ひーっ!」

「チッ…」

煩い男だなぁ

「……分かった」

侯爵は呼び鈴を鳴らした。

「はい、旦那様」

「健診に連れて行ってくれ。その後は食事でも与えてやってくれ」

かしこまりました。

ジーン…

食事をご馳走してくれるの? …いや、油断してはいけない。何か盛られているのかも!

「私はお腹は減っていませ、」

グウウウウウ~

「ひーっ!」

お腹の音がそんなにおかしいの!?

「いいから早くついて行け」

「し、失礼します」






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