【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!

ユユ

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私は不要よね

バサッ

彼の側に報告書を置いた。

「私が今までネグルワ子爵家に貸出していた内訳と総額が記してあります。帳簿は領地のお屋敷にあります。念の為、写しを領地の収支報告書と一緒に提出してありますので間違いございません。

こちらの支払いは今年中にお願いしますね」

「こんな大金!無理に決まってる!」

「手始めに私のように着飾るのを止めて食事も質素になさってみてはいかがでしょう。簡単ですよ?

それに貴方が言い出したことじゃないですか。
領地に引きこもった地味な女で 萎れた花を義理で抱いてやっているって」

「ち、違うんだ」

「オルフォード男爵家はお金持ちですからご支援していただけばよろしいのよ。
慰謝料は請求しないだけいいと思いませんか?」

「エステル、」

「キャサリン様。この通り、離縁届に署名がありますので、貴女は貴族の当主夫妻の婚姻を壊したことになります。
オルフォード男爵家に慰謝料の請求をしました。
今頃男爵が手紙を見て探しているかと思いますわ」

「何でお父様に!」

「貴方は男爵の庇護にあるからです。

そんなことより、さあ、紹介しますわ。
これから貴女が育てる義理の息子ケヴィンです。
仲良くしてあげてくださいね。

あと、お義母様もお連れしましたのでお世話をなさってください。
フィリップ様、お金がないと介護をさせるメイドは雇えませんからね」

この国でメイドを雇う時、一般メイド、介護メイド、育児メイド、上級メイドに分かれる。
介護メイドは一般メイドよりも給金が高い。だから一人雇って私と交代で義母の世話をしていたのだ。

「こ、これからの領地収入で分割して、」

「聞いていませんでしたか?
ツケの未払い、領地にかかる運営費や維持費、二つの屋敷にかかる全ての費用。これらを支払った上でお金が残ると思っているのですか?
足りていないと何度言えば理解できますか?

貴方の城勤めの給金を丸々毎月貰っても 私が生きているうちに終わりませんから、それ以外で今年中に支払ってください。
いなくていい存在ということは貸付けも無くていいという意味ですから。

ケヴィン。メイドを探して出来るだけ生活に関わることを教えてもらいなさい。
給金の支払いが止まるだろうから今月末までかもしれないわ」

「メイドは?」

「お金が貰えなければ辞めてしまうわよ。慈善事業じゃないのよ?
服もどこかからお古をいただくか、貴方のお父様の服を自分達でなおして着るかになるし、馬車だって維持できるか分からないわ。

学園へは通えないだろうし、お友達とのお付き合いは変わるでしょうね」

「僕は、お母様の子でしょう!」

「どうしたの?
今更いいのよ。“本当のお母様はいつか会いに来てくれる”って騒いでいたじゃない。
私に水や熱いお茶をかけたり、持ってきた食事をひっくり返したり、足をかけたり押したりしていたじゃない。
貴方が物を投げつけて怪我をしたことも一度や二度じゃないのよ?

母親にそんなことをする人が実の子のはずがないでしょう。

“あっちに行け”“消えろ”“話しかけるな”とか、散々言っていたじゃない。良かったわね。今夜から願いが叶うわよ。
ほら、綺麗で若い継母じゃないの。嬉しいでしょう?

では、私は今をもってネグルワ子爵家を去りますし子爵籍からも外れますので、お互い他人として生きていきましょう。

ネグルワ子爵、返済は今年いっぱいですからね。
では失礼します」

「エステル!誤解だ!待ってくれ!!」


急いで屋敷を出て予約をしておいた宿に向かった。そして朝一番に離縁届を提出し、受理証明書をもらった。

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