7 / 28
私は不要よね
バサッ
彼の側に報告書を置いた。
「私が今までネグルワ子爵家に貸出していた内訳と総額が記してあります。帳簿は領地のお屋敷にあります。念の為、写しを領地の収支報告書と一緒に提出してありますので間違いございません。
こちらの支払いは今年中にお願いしますね」
「こんな大金!無理に決まってる!」
「手始めに私のように着飾るのを止めて食事も質素になさってみてはいかがでしょう。簡単ですよ?
それに貴方が言い出したことじゃないですか。
領地に引きこもった地味な女で 萎れた花を義理で抱いてやっているって」
「ち、違うんだ」
「オルフォード男爵家はお金持ちですからご支援していただけばよろしいのよ。
慰謝料は請求しないだけいいと思いませんか?」
「エステル、」
「キャサリン様。この通り、離縁届に署名がありますので、貴女は貴族の当主夫妻の婚姻を壊したことになります。
オルフォード男爵家に慰謝料の請求をしました。
今頃男爵が手紙を見て探しているかと思いますわ」
「何でお父様に!」
「貴方は男爵の庇護にあるからです。
そんなことより、さあ、紹介しますわ。
これから貴女が育てる義理の息子ケヴィンです。
仲良くしてあげてくださいね。
あと、お義母様もお連れしましたのでお世話をなさってください。
フィリップ様、お金がないと介護をさせるメイドは雇えませんからね」
この国でメイドを雇う時、一般メイド、介護メイド、育児メイド、上級メイドに分かれる。
介護メイドは一般メイドよりも給金が高い。だから一人雇って私と交代で義母の世話をしていたのだ。
「こ、これからの領地収入で分割して、」
「聞いていませんでしたか?
ツケの未払い、領地にかかる運営費や維持費、二つの屋敷にかかる全ての費用。これらを支払った上でお金が残ると思っているのですか?
足りていないと何度言えば理解できますか?
貴方の城勤めの給金を丸々毎月貰っても 私が生きているうちに終わりませんから、それ以外で今年中に支払ってください。
いなくていい存在ということは貸付けも無くていいという意味ですから。
ケヴィン。メイドを探して出来るだけ生活に関わることを教えてもらいなさい。
給金の支払いが止まるだろうから今月末までかもしれないわ」
「メイドは?」
「お金が貰えなければ辞めてしまうわよ。慈善事業じゃないのよ?
服もどこかからお古をいただくか、貴方のお父様の服を自分達でなおして着るかになるし、馬車だって維持できるか分からないわ。
学園へは通えないだろうし、お友達とのお付き合いは変わるでしょうね」
「僕は、お母様の子でしょう!」
「どうしたの?
今更いいのよ。“本当のお母様はいつか会いに来てくれる”って騒いでいたじゃない。
私に水や熱いお茶をかけたり、持ってきた食事をひっくり返したり、足をかけたり押したりしていたじゃない。
貴方が物を投げつけて怪我をしたことも一度や二度じゃないのよ?
母親にそんなことをする人が実の子のはずがないでしょう。
“あっちに行け”“消えろ”“話しかけるな”とか、散々言っていたじゃない。良かったわね。今夜から願いが叶うわよ。
ほら、綺麗で若い継母じゃないの。嬉しいでしょう?
では、私は今をもってネグルワ子爵家を去りますし子爵籍からも外れますので、お互い他人として生きていきましょう。
ネグルワ子爵、返済は今年いっぱいですからね。
では失礼します」
「エステル!誤解だ!待ってくれ!!」
急いで屋敷を出て予約をしておいた宿に向かった。そして朝一番に離縁届を提出し、受理証明書をもらった。
彼の側に報告書を置いた。
「私が今までネグルワ子爵家に貸出していた内訳と総額が記してあります。帳簿は領地のお屋敷にあります。念の為、写しを領地の収支報告書と一緒に提出してありますので間違いございません。
こちらの支払いは今年中にお願いしますね」
「こんな大金!無理に決まってる!」
「手始めに私のように着飾るのを止めて食事も質素になさってみてはいかがでしょう。簡単ですよ?
それに貴方が言い出したことじゃないですか。
領地に引きこもった地味な女で 萎れた花を義理で抱いてやっているって」
「ち、違うんだ」
「オルフォード男爵家はお金持ちですからご支援していただけばよろしいのよ。
慰謝料は請求しないだけいいと思いませんか?」
「エステル、」
「キャサリン様。この通り、離縁届に署名がありますので、貴女は貴族の当主夫妻の婚姻を壊したことになります。
オルフォード男爵家に慰謝料の請求をしました。
今頃男爵が手紙を見て探しているかと思いますわ」
「何でお父様に!」
「貴方は男爵の庇護にあるからです。
そんなことより、さあ、紹介しますわ。
これから貴女が育てる義理の息子ケヴィンです。
仲良くしてあげてくださいね。
あと、お義母様もお連れしましたのでお世話をなさってください。
フィリップ様、お金がないと介護をさせるメイドは雇えませんからね」
この国でメイドを雇う時、一般メイド、介護メイド、育児メイド、上級メイドに分かれる。
介護メイドは一般メイドよりも給金が高い。だから一人雇って私と交代で義母の世話をしていたのだ。
「こ、これからの領地収入で分割して、」
「聞いていませんでしたか?
ツケの未払い、領地にかかる運営費や維持費、二つの屋敷にかかる全ての費用。これらを支払った上でお金が残ると思っているのですか?
足りていないと何度言えば理解できますか?
貴方の城勤めの給金を丸々毎月貰っても 私が生きているうちに終わりませんから、それ以外で今年中に支払ってください。
いなくていい存在ということは貸付けも無くていいという意味ですから。
ケヴィン。メイドを探して出来るだけ生活に関わることを教えてもらいなさい。
給金の支払いが止まるだろうから今月末までかもしれないわ」
「メイドは?」
「お金が貰えなければ辞めてしまうわよ。慈善事業じゃないのよ?
服もどこかからお古をいただくか、貴方のお父様の服を自分達でなおして着るかになるし、馬車だって維持できるか分からないわ。
学園へは通えないだろうし、お友達とのお付き合いは変わるでしょうね」
「僕は、お母様の子でしょう!」
「どうしたの?
今更いいのよ。“本当のお母様はいつか会いに来てくれる”って騒いでいたじゃない。
私に水や熱いお茶をかけたり、持ってきた食事をひっくり返したり、足をかけたり押したりしていたじゃない。
貴方が物を投げつけて怪我をしたことも一度や二度じゃないのよ?
母親にそんなことをする人が実の子のはずがないでしょう。
“あっちに行け”“消えろ”“話しかけるな”とか、散々言っていたじゃない。良かったわね。今夜から願いが叶うわよ。
ほら、綺麗で若い継母じゃないの。嬉しいでしょう?
では、私は今をもってネグルワ子爵家を去りますし子爵籍からも外れますので、お互い他人として生きていきましょう。
ネグルワ子爵、返済は今年いっぱいですからね。
では失礼します」
「エステル!誤解だ!待ってくれ!!」
急いで屋敷を出て予約をしておいた宿に向かった。そして朝一番に離縁届を提出し、受理証明書をもらった。
あなたにおすすめの小説
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
〖完結〗その愛、お断りします。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚して一年、幸せな毎日を送っていた。それが、一瞬で消え去った……
彼は突然愛人と子供を連れて来て、離れに住まわせると言った。愛する人に裏切られていたことを知り、胸が苦しくなる。
邪魔なのは、私だ。
そう思った私は離婚を決意し、邸を出て行こうとしたところを彼に見つかり部屋に閉じ込められてしまう。
「君を愛してる」と、何度も口にする彼。愛していれば、何をしても許されると思っているのだろうか。
冗談じゃない。私は、彼の思い通りになどならない!
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。