【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!

ユユ

文字の大きさ
18 / 28

回収(サリオン)

【 サリオンの視点 】


先にオルフォード男爵家に圧力をかけることにした。

2ヶ月が過ぎた頃、会いたいと手紙が届いた。
エステルはテレサと観劇や買い物に行かせた。

クリスには“エステルが会いたくない相手が来るからエステルと時間を潰して欲しい”と言ったら 誰か聞くので“元夫の愛人の父親だ”というと、“ならばリヨード侯爵邸でやってください”と言うのでそうすることにした。

当日、クリスの父デニス侯爵も同席した。

男「あ、あの。 ウィストン家とリヨード家は」

侯「昔から家族ぐるみで交流していて子供達は親友です。エステルは私にとって娘のような存在なんですよ」

男「な、なるほど」

私「それで? どうされましたか」

男「その、薬の供給を…戻していただきたく」

私「他所から買えばいいではありませんか」

男「ですが、効き目が…命に関わるので」

私「うちは国営じゃないんです。何処に売ろうが誰も指図できませんよ」

男「指図じゃなくて、お願いに、」

私「どちらにしても、うちの薬草は要らないということですので南西へ流すのを止めたんです」

男「要らないなんて言っていません!」

私「エステルはウィストン家の唯一の実子ですよ?
そのエステルから夫も金も奪うということは そういうことでしょう」

男「あれは娘が勝手に、」

私「だとしても、オルフォード男爵家に籍を置く学生なら、責任をとるのは男爵では?」

男「……お金は奪っていないかと」

男爵の前に貸付帳簿を出した。

男「こ、これは」

私「エステルがネグルワ領のために無利息で貸し付けて立て直しをしていました。
長期でネグルワ家から返済をしてもらうはずが、王都の屋敷の夫婦の間で男爵令嬢が夫を寝とっている真っ最中の姿を見てしまいましてね。

フィリップと繋がったまま“子爵夫人になりたい”と主張をしていたようですよ。エステルと息子の前で」

男「……」

私「先代のネグルワ子爵も、フィリップも無能な男でね。投資に失敗して多額の貯蓄を失った挙句、領地の対応をせず金だけは使っていたんですよ。
見かねたエステルが 父から財産分与された金を元手に頑張っていたんです。
支出を抑えようとドレスも買えず、食事も栄養不足になる程慎ましくしたようです。

王都の屋敷の維持費はエステルに渡したウィストンの金から出していたんです。
男爵令嬢が屋敷に来る度に応対する使用人や不貞行為の後の湯浴みの用意や洗濯する使用人も、御者も馬車も、使う石鹸ひとつウィストンがエステルに渡した金で維持していたんです。

愛人が自分の座を奪うために使っていたと知ってどれほどショックだったか。
2人は政略結婚ではないんですよ?
しかもネックレスや他の物も強請っていたとか。
それもウィストンがエステルに渡した金で買っているんですよ?」

侯「確かに、これならウィストン家を敵に回していると思われても不思議ではないですな。
リヨード家もウィストン家に倣いますよ」

男「そんな」

私「実情を知って離縁になりました。運営者が居なくなったので貸し付けた金が戻って来ませんよ」

男「もし、この額を立て替えたら…」

私「それは誠意を見せてくれたとして水に流し、当然 供給を再開します」

男「…分かりました。では債権を買取ります」

私「それは良かったです」


男爵はすぐにエステルの口座に全額振り込んだ。

次は元凶フィリップの番だ。




あなたにおすすめの小説

文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる── 侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。 だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。 アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。 そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。 「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」 これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。 ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。 4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました

ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。 けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。 やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。 ――もう、この結婚には見切りをつけよう。 夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。 身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。 一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。 幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。

貴方にはもう何も期待しません〜夫は唯の同居人〜

きんのたまご
恋愛
夫に何かを期待するから裏切られた気持ちになるの。 もう期待しなければ裏切られる事も無い。

〖完結〗その愛、お断りします。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚して一年、幸せな毎日を送っていた。それが、一瞬で消え去った…… 彼は突然愛人と子供を連れて来て、離れに住まわせると言った。愛する人に裏切られていたことを知り、胸が苦しくなる。 邪魔なのは、私だ。 そう思った私は離婚を決意し、邸を出て行こうとしたところを彼に見つかり部屋に閉じ込められてしまう。 「君を愛してる」と、何度も口にする彼。愛していれば、何をしても許されると思っているのだろうか。 冗談じゃない。私は、彼の思い通りになどならない! *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。