【完結】転生令嬢は遠慮いたしません!

ユユ

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お城でもっと本音

ティーティアの問いかけにまた無謀な返答を繰り出したのはサリオンだった。

「お前だって伯爵令嬢のくせに王宮に習い事に来たじゃないか」

「はぁ~。
それは申し訳ございません。第二王子殿下。私が父にお願いしたのは最高に優秀な教師を数ヶ月雇い入れて欲しいというお願いでした。
まさかこうなるとは思いませんでした。

ご安心ください。
私はもう特別なパーティか王命でもない限り此処へは参りません。
ですので習い事も結構です」

「サリオン。ティーティアに城に来て一緒に講義を受けて欲しいと言い出したのは母なのよ」

「母上が!?」

「ティーティア様、エリエーヌ様、ヴェリテ伯爵。申し訳ございません。

あの時のご恩があるにも関わらず息子の育て方を間違えました。
どうかお許しください」

「は、母上!?」

「サリオン。母がこうして生きていられるのも、貴方の兄が産まれたのもサリオン達が産まれたのも、ティーティアのお母様と叔母様が命を掛けて母を守ってくれたおかげなの。

狙われた母を庇い、ティーティアの叔母は殺され、ティーティアのお母様は重傷を負い、お腹の中にいたティーティアの兄か姉を死なせてしまった。

なのに私は恩を仇で返すところだった。

サリオン。部屋に戻りなさい」

「っ!」

「伯爵。サリオンは未熟過ぎて謝罪をする価値もございません。これ以上王家に泥を塗るわけには参りません。退席させることをお許しください」

「分かりました」

「さあ、サリオン。母が許可するまで部屋から出ることを禁じます」

「……失礼します」

「あ、失礼します」

「ペイジェル王女殿下。ついて行ってはいつまでも逃げ場を与えるだけです。

出迎えてくださった時、内容はともかく嗜めてくださったのはペイジェル王女殿下でした。

どうか今もその気持ちで王子殿下が一人で考える時間を与えてください」

「ペイジェル、座って」

「はい」

「ティーティア様、どうかもう来ないなどと仰らずに習い事にいらしてください」

「いえ。揉めてまでは必要ありません。
しかもまた不敬と言われ、その内投獄されたり斬られたりするかもしれませんから。

流石にこの体に傷をつけるのは悪いので」

「そんなことはさせません」

「でも、逆上して剣を抜き斬りつけられるかもしれません。理性が働いていたら不敬などという言葉に逃げなかったはずです」

「サリオンには態度を改めるようにさせます。最低でも突っかからないようにさせます」

「そこまでして必要でしょうか」

「今回、必要だと思い知ったのです」

「……では、監視の騎士を王子殿下に付けてください。王子殿下の言いなりにならず、身を挺して止めに入れる人を付けてください」

「分かりました。

あら、もう時間が過ぎてしまっているわ。
次に案内する場所があるの。ティーティアちゃんとユリウスくんはあの侍従について行ってもらえるかしら」

「「はい、失礼します」」





残された四人は。


「王妃殿下、申し訳ございません」

「いえ。今のうちにサリオンの危うさが分かって良かったわ。あれではティーティアちゃんの言う通り、敵を作ることになるもの」

「あの、二人は何処へ?」

第一王子セインのところよ」

「ええ!? 後を追います」

「大丈夫よ」

「いえいえ、駄目です。目を離せません。
何処ですか」

「騎士団の所にいるわ」

「失礼します。エリエーヌ、大丈夫か」

「大丈夫」



「……エリエーヌ、あの子はどうやって教育したの?
逆に講師を紹介してよ」

「分からないの。高熱の後に性格が変わっちゃって……あれは独自の解釈ね」

「なら、ティーティアちゃんを講師に雇おうかしら」

「止めてよ」

「ユリウスくんはどう?」

「虐める兄達がいないから安全だけど家族と離れて寂しいかもしれないわね。ずっとニコニコしてるけど」

「ユリウスくんはティーティアちゃんが好きね」

「どうかしら。学園に通って他の令嬢と交流すれば変わるわよ」

「ティーティアちゃん可愛いもの」

「あれじゃ引くわよ」

「お母様、ティーティア様は何を習うのですか」

「マナーよ。他も勉強していって欲しいけどサリオンがあれじゃ難しそうね」

「うちの子は学力は平凡ですから、とても一緒には学べませんわ」

「そうかしら、残念だわ」




一方、騎士団では。

「セイン殿下、ユリウス・ウィルソン様とティーティア・ヴェリテ様をお連れしました」

「入ってくれ」

ちょっと!ダリウスがいるじゃないの!!

「部屋を間違えたようです。失礼しました」

「待て」

「ご用がお有りでしょうか」

「入ってくれ」

「いえ、ここでご用件を伺います」

「座れ」

はぁ。

「では失礼します」

私は入り口の床に座ることにした。

「なるほど」

コツコツと足音を立ててセイン王子殿下が近寄った。

「待ってくれ」

そこで待ったをかけたのがダリウスだ。

「セイン、この子が頑なに入室しないのは俺が原因だ」

そう言うと私の側に来て跪いた。

「ティア。先日は申し訳ありませんでした。
貴女の仰った通り、ユリウスは父に似ていました。ユリウスにも酷いことをしましたし、俺はティアに馬鹿なことをしました。

どうか怒りをおさめてくださいませんか。

ユリウス。今まで悪かった。お前は父に似た俺達の大事な弟だ。愚かな兄にチャンスをくれないか」

ユリウスを見ると涙を浮かべていた。

「ユリウス兄様、好きなようになさってください。チャンスをあげて駄目だったら私がまた成敗してあげますから」

「……もう不義の子などと言いませんか」

「とんでもないことを口にしてしまった。
二度と言わないし、言う必要が無い」

「謝罪を受け入れます」

「ありがとう!ユリウス」

ユリウスは立ち上がったダリウスに抱きしめられた。

「ユリウス兄様が許したならもういいです」

そう言うと私を抱き上げた。

「ちょっと!」

「ティア!オヤツあるよ。ユリウスもおいで」

「ティアと呼んでいいなんて言ってないです!」

「まあ、いいじゃないか。
セイン。この子がティーティアだ」

「ヴェリテ伯爵家の長女ティーティアと申します」

「第一王子のセインだ。
一体ダリウスは何をしでかしたんだ?」

ダリウスはユリウスの件と先日の決闘の件をセインに話した。

「お前……」

「分かってる。俺が全面的に悪かった。
俺達は親族に唆されたんだ。
そんな間抜けな俺達をボコボコにしたのがティアだ」

「本当にこの子に剣術で負けたのか?」

「父も言っていたろう」

「団長が言うなら間違いないか。
ティーティア、腕前を見せてくれて」

「ご遠慮いたします」













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